本研究会について
(施設代表者の五十音順)
天野哲也
愛知医科大学循環器内科
〒480-1195 愛知県長久手市岩作雁又1-1
https://www.aichi-med-u.ac.jp
愛知医科大学循環器内科の天野哲也と申します。この度下川宏明代表世話人のご高配もあり、J-CMDの世話人に加えていただき深く感謝申し上げます。私は冠動脈インターベンションを生業としており、これまでIVUS、OCTといった冠動脈イメージングを中心に臨床・研究活動を展開してきたこともあり、これまで私のなかでは”Out of sight, out of mind.”的な感覚が主流でした。しかしながら、昨今可視困難な微小循環探索とのコラボレーションなしには各種インターベンションの適応決定、予後改善予測等限界にきていることは明白であります。この度J-CMDに参画させていただき、心臓にズームインするとともに、ズームアウトして研究することにより、虚血領域を含めた心疾患診療のさらなる発展に微力ながら尽力させていただきたいと思います。
上村史朗
川崎医科大学循環器内科学
〒701-0192 岡山県倉敷市松島577
https://m.kawasaki-m.ac.jp/cardiology/
川崎医科大学循環器内科の上村史朗と申します。今回「日本人の冠微小循環障害に関するエビデンス創出のための多機関共同研究:J-CMD」に分担施設として参加させていただくことになりました。冠微小循環障害は表在冠動脈の狭窄病変と独立して心筋虚血、心筋機能障害に深く関与していると考えられます。今回の研究により日本人における冠微小循環障害の現状と臨床像・予後が明らかとなり、予防対策や治療法への足掛かりがつかめることを期待しています。
尾崎行男
藤田医科大学岡崎医療センター循環器内科
〒470-1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ケ窪1番地98
https://okazaki.fujita-hu.ac.jp/department/cardiovascular.html
私たちは“J-CMD” studyに参加できることを大変うれしく思っております。この研究はそもそもProf. Peter Ong and Prof. Filippo Crea 先生らのEuropeのグループと下川先生らの日本のグループで始まったCOVADIS研究会のpure Japanese versionと言えるもので、COVADIS研究の時から参加させて頂いていた私としては、本領域における研究の広がりを大変うれしく思っております。
私はIntervention fieldでは世界をリードしてきたPatrick Serruys教授の元に初めての日本人Fellowとして留学し、当時のStent technology, IVUS, QCA, CFRなどを学び、Erasmus大学で学位も取得いたしました。その後日本に戻り2004年から藤田医科大学に勤務し2007年から主任教授も務めました。この間Plaque erosionがintact fibrous cap (IFC-ACS)に当たること(EHJ 2011)やCT上、positive remodeling (PR) & low attenuation plaque (LAP)が将来のACSを予見することも含め発表し(JACC 2007, JACC 2009 & JACC 2015)、現在私のCITATION INDEX; 13,904 & h-Index 44になっております。2022年1月には、CVITのPrimary PCI for AMIのguidelineに当たる、CVIT expert consensus document on primary PCI for AMI update 2022を第一著者として発表しております。今回は特に“J-CMD” studyが虚血性心疾患治療の新たな扉を開いて行くことを期待しております。
海北幸一
宮崎大学医学部内科学講座循環器・腎臓内科学分野
〒889-1692 宮崎県宮崎市清武町木原5200
http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/home/medicin1/
宮崎大学医学部内科学講座循環器腎臓内科学分野の海北幸一です。この度J-CMDの世話人に御指名頂き、深く感謝申し上げます。冠微小血管が心筋血流調節の中心的な役割を果たしていることはよく知られておりますが、その調節破綻により生じる冠微小循環障害の詳細なメカニズムは、未解決な部分が多いのが現状です。冠微小循環障害には,冠血流予備能低下,冠微小血管抵抗の亢進,冠血流速度の低下および冠微小血管攣縮等が包括されますが、いずれも可視化不可能な難しい病態です。この度設立されたJ-CMDが、冠微小循環障害の病態メカニズムの更なる解明、診断と治療法の確立に寄与することを願っておりますし、自らがその一端を担えることを大変誇りに感じております。皆様、何卒よろしく御願い致します。
角田恒和
総合病院土浦協同病院循環器内科
〒300-0028 茨城県土浦市おおつ野四丁目1番1号
https://www.tkgh.jp/specialty/cardiovascular-internal-medicine/
Coronary Interventionをメインに循環器内科診療をしています。今回、下川先生の主導するJ-CMDに参加させていただけることになり光栄です。Epicardial disease、Diffuse disease、Microvascular dysfunctionを統括的に診ていくことが、これからの虚血性心疾患にとって重要と感じています。Microvascular functionは診断も治療もまだまだ手探りの部分が多いと感じています。また、CMDは独立した疾患ではなく、obstructive coronary artery diseaseと多くの動脈硬化の促進因子を共有し、実際の臨床では複雑にinteractionを持っていると感じています。微力ながらJ-CMDを通じて、少しでもその本質に迫るお手伝いができればと希望しています。よろしくご指導、お願いいたします。
河村朗夫
国際医療福祉大学成田病院
〒286-8520 千葉県成田市畑ケ田852
https://naritahospital.iuhw.ac.jp/
国際医療福祉大学医学部の河村朗夫です。2023年春、私どもの医学部1期生が医師としてのスタートを迎えます。開学以来、天塩にかけて育ててきた学生の今後に大いに期待しております。またこのたびは、下川教授にお声かけいただき、本学成田病院も参加させていただくこととなりました。この会での試みが、診断がはっきりとせず、必ずしも十分な治療を受けられずにいた患者さんの福音となることを期待しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
清岡崇彦
国際医療福祉大熱海病院
〒413-0012 静岡県熱海市東海岸町13-1
https://atami.iuhw.ac.jp/
池上総合病院
〒146-0082 東京都大田区池上6-1-19
https://ikegamihosp.jp/
国際医療福祉大学熱海病院(池上総合病院兼任)の清岡崇彦です。J-CMDの世話人に御指名いただき、心より感謝いたします。
私は倉敷中央病院で多くの心臓カテーテルの経験を積ませていただいたあと、2001年より冠微小血管機能に関する研究を梶谷文彦先生や、ChilianWM先生のもとで行わせていただきました。冠微小血管を直接観察しながら、そのdynamicな動態を調べる研究は、まさに目から鱗で、CMDの存在を確信いたしました。
2007年帰国後、臨床現場でも、微小血管狭心症CMDの存在を念頭に、診療を行ってきました。2015年より下川宏明先生が主催された微小血管狭心症に関する世界初の前向き共同研究にも日本からの4施設の1つとして参加させていただきました。
今回のJ-CMDは多くの施設が参加され、この領域が注目されてきていることを実感しております。
微小血管狭心症CMDの診断法、治療法が世界に普及され、多くの苦しまれている患者さんがどこでも適切な診療を受けられるように、多くのエビデンスが生まれることを期待しております。
上妻謙
帝京大学医学部内科学講座・循環器内科
〒173-8606 東京都板橋区加賀2-11-1
https://www.teikyo-hospital.jp/
この度日本冠微小循環障害研究会(J-CMD)に加えていただきました帝京大学の上妻と申します。冠微小循環障害(coronary microvascular dysfunction = CMD)は、最近心原性胸痛の原因として多いことがわかってきたINOCA(非閉塞性冠動脈疾患)の原因として重要であることから注目され、さらに心筋症や心不全との関連が大きいことも指摘されている循環器内科の重要分野です。実際にCMDを意識した診療を行うことで、患者さんの症状の劇的な改善を経験しており、その重要度を実感しております。CMDについては、診断と治療もまだ十分普及しておらず、未知の部分が多いこれから発展する分野であり、J-CMDの果たす役割は大きいものと存じます。これからJ-CMDの発展と、CMD診断・治療の進歩の一助となれるよう微力を尽くして参りたいと思います。
小林欣夫
千葉大学大学院医学研究院循環器内科学
〒260-8677 千葉県千葉市中央区亥鼻1-8-1
https://www.m.chiba-u.ac.jp/dept/cardiology/
安定狭心症患者においては薬物療法、PCIなどの進歩により、治療が確立しています。その一方で、近年は器質的冠動脈狭窄が見られない非閉塞性冠動脈疾患(INOCA)が注目されています。INOCAの研究はまだまだ発展途上段階であります。今回、国際医療福祉大学大学院下川宏明教授を中心として、日本の名立たる施設が参加して、「日本冠微小循環障害研究会」が設立されたことは大きな意義があるものと思います。本研究会から大きな成果が出ることを期待しています。
新家俊郎
昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
〒142-8555 東京都品川区旗の台1-5-8
https://showa-cardiology.jp/
日本冠微小循環障害研究会(J-CMD)の立ち上げに際しまして
昭和大学内科学講座 循環器内科学部門 新家俊郎
この度は、J-CMDに参加させて頂き誠にありがとうございます。小職は、主として冠動脈インターベンション(PCI)の分野で仕事をして参りましたが、昨今、安定型冠動脈疾患に対するPCIの治療効果がやや限定的であるとの報告が相次ぎ、微小循環を含む冠循環を症例ごとに正しく把握して治療を進めることが必須であると認識しております。欧米に比し日本人は冠攣縮性狭心症を有する頻度が高いと言われて久しいですが、微小血管狭心症を含めてシステマティックに収集された全国規模の研究はこれまでになく、本研究会からのアウトプットに大いに期待しているところでございます。皆様宜しくお願い申しあげます。
田中篤
和歌山県立医科大学内科学第4講座循環器内科
〒641-8509 和歌山県和歌山市紀三井寺811番地1
http://wakayama-cardiology.jp/
和歌山県立医科大学循環器内科教授の田中篤です。カテーテルインターベンションが普及し、epicardial coronary arteryの狭窄による狭心症の治療は大いに進歩しました。しかしながらepicardial coronary arteryには有意狭窄を認めないにもかかわらず狭心症症状を訴える患者様に良く遭遇します。微小循環障害など様々な原因が提唱されていますが、残念ながら原因の完全解明と言える状況ではありません。今回J-CMDに参加させていただけ非常に光栄です。この分野の病態や原因に、光を当てられるよう医局員一同頑張る所存です。
田中信大
東京医科大学八王子医療センター循環器内科
〒193-0998 東京都八王子市館町1163番地
https://hachioji.tokyo-med.ac.jp/department/cardiology/
東京医科大学八王子医療センター循環器内科の田中信大です。冠微小循環障害には、様々な病態が含まれておりますが、今まではその病態を区分けする臨床的検査法が確立されておらず、そのために治療の開発も遅れておりました。しかし、本研究を通して、今まで見えていなかったものを可視化することができれば、患者さんを診ることができるようになるものと大きく期待しております。
辻田賢一
熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学
〒860-8556 熊本県熊本市中央区本荘1-1-1
https://kumadai-junnai.com/
今回J-CMD研究に参加させて頂き、誠に有難うございます。従来、アセチルコリン負荷試験を積極的に行ってきた当科としては大変期待している研究枠組みです。CMDは冠動脈疾患のみならず、心不全、心筋疾患などNOCAD症例、また高齢、CKD、女性、肥満などHFpEF背景疾患との関連していると想定され、そのメカニズム解明も求められます。J-CMDがその推進力となる事と思います。
中村淳
川崎幸病院川崎心臓病センター
〒212-0014 神奈川県川崎市幸区大宮町31番地27
https://saiwaihp.jp/heartcenter/
川崎幸病院の中村淳です。大分医科大学(現大分大学医学部)の卒業です。卒後、大学院で故有田真先生のもとで5年間、心筋電気生理学を学んでおりました。有田真先生と熊本大学の泰江弘文先生が懇意であった事もあって大学院卒業後、直ちに熊本大学循環器内科で冠スパスムを中心に医学研究を学ばせていただきました。
卒後8年間、実臨床をやっていなかったこともあり、泰江先生から『2年くらいカテーテル覚えてくるか?』、とこんな感じで福岡徳洲会病院に赴任することになりました。そして、湘南鎌倉病院の斎藤滋先生にビッタリとつかせていただき、以来、この仕事が生涯メインの仕事とはなってしまいましたが、自分自身の軸は基礎医学、臨床研究医学にあります。下川先生にお会いして、親しくお付き合いをさせていただくにつれ、本研究会の重大な意味を痛切に感じております。日本の循環器臨床がよき方向に
向きますように努力いたします。
福本義弘
久留米大学心臓・血管内科
〒830-0011 福岡県久留米市旭町67
http://www.kurume-shinzo.com/
1991年九州大学卒業後、九州大学循環器内科に入局し、1998-2001年ハーバード大学ブリガム・ウィメンズ病院、Libby教授の研究室に留学、2001年九州大学に帰学しました。2006-2013年、東北大学循環器内科へ異動し、2013年久留米大学心臓・血管内科の主任教授に就任し、現在に至っています。専門は動脈硬化、冠循環、肺循環、心不全です。J-CMDにより、冠微小循環障害の詳細なメカニズムが明らかとなり、新たな治療法が開発されることを期待しております。
松尾仁司
岐阜ハートセンター
〒500-8384 岐阜県岐阜市薮田南4丁目14−4
https://gifu-heart-center.jp/
JCMD発足にあたって。
JCMDという重要な研究会の世話人に御指名いただきましたこと、心より感謝申し上げます。虚血性心疾患診療の中で心外膜血管狭窄の重症度指標であるFFRやiFRはガイドラインにおいても血行再建の適応に欠かせない指標になっています。しかし心筋虚血を理解するうえで、心外膜血管のみでは説明できないことは明らかで、冠微小循環障害へのさらなる理解が必要です。冠微小循環障害にフォーカスをあてた本研究会は、まだまだ明確となっていない微小循環障害の診断と治療に光をあてるのみでなく、本研究会から多くの情報発信がなされることを期待しています。
安田聡
東北大学大学院循環器内科学
〒980-8574 宮城県仙台市青葉区星陵町1-1
https://www.cardio.med.tohoku.ac.jp/2020/jp/
微小血管障害の診断には包括的評価が推奨されるようになりました。一方でその治療方法はいまだ確立されておらず,エビデンスに乏しいという現状があります。本研究会により日本からこの領域に関する新たな知見が創出されることを期待しております。
横井宏佳
国際医療福祉大学福岡山王病院
〒814-0001 福岡県福岡市早良区百道浜3-6-4
https://f-sanno.kouhoukai.or.jp/
昨年4月よりCOROFLOWを導入し臨床使用してきました。これまで冠攣縮誘発試験しか施行していなかったINOCA患者にCMD試験を追加することにより、カルシウム拮抗剤、硝酸剤ではなくβ遮断剤を処方することが可能となり、症状改善達成率は大幅に改善しました。PCI後の患者でも胸部症状が残存する患者にCMD検査を行い症状改善が得られました。PCI後6ヶ月以上経過し再狭窄を認めない患者でIMR高値の患者を高率に認めました。CMD試験を行うことにより冠動脈疾患患者の本質により近づける気がします。日本の冠動脈疾患診療をさらに前に進めるために本研究の成果を期待します。宜しくお願いいたします。
武田事務局長からのご挨拶
J-CMD事務局長を拝命しております、国際医療福祉大学病院循環器内科の武田守彦です。私はいままで数多くの患者様の、目に見える冠動脈を拡張する治療をして参りました。しかし、治療を完遂したと思った患者様や、目に見える冠動脈に異常が無い患者様でも、その後胸痛に悩まされるケースが少なくないことも認識していました。それを我々循環器医の大部分は、「ストレスのせい」とか、「心臓以外の原因だろう」と解釈してきたわけです。しかし、我々がカテーテル検査で可視化できる冠動脈は、たかだか心臓の循環の5%にすぎず、残りの95%の病態生理は、未だに謎に包まれた状態です。本会の代表の下川教授は、九州大学から東北大学、そして現在の国際医療福祉大学へのキャリアを通じて、「目に見えない冠動脈の謎」を追求されてきました。このJ-CMDにて、我々日本人の「目に見えない冠動脈の謎」へのエビデンスを発信したいと考えております。ご指導のほど、宜しくお願い申し上げます。
© 2022 日本冠微小循環障害研究会