検査法・治療
微小血管狭心症の治療方法は、未だ確立されていません。通常は冠危険因子・生活習慣の改善を前提とし、改善のない場合は第一選択薬としてβ遮断薬やCa拮抗薬が推奨されています。海外ではβ遮断薬を治療の中心にすることが多いのですが、本邦では海外に比してCa拮抗薬を第一選択薬として使用することが多くなっています。これは微小血管狭心症の原因として、微小血管攣縮の症例が海外と比較して多いとされることも理由と考えられます。また、日本人やアジア人に多いとされる、心表面の太い冠動脈攣縮にはCa拮抗薬が著効しますので、微小血管攣縮の併存が疑われる場合は第一選択薬として推奨されます。それでも胸痛を抑えられないような症例においてはACE阻害薬やスタチンの有効性も報告されています。これらの薬剤の抗酸化ストレス作用,抗炎症作用ならびに内皮機能改善作用等が冠微小循環障害の改善に寄与するためと考えられています。今後、本研究会より、本邦の冠微小循環障害例の至適治療法につき、発信していきたいと考えております。
© 2022 日本冠微小循環障害研究会