この度、第23回日本ヘルニア学会(JHS)学術集会を2025年5月23日(金)・24日(土)に岩手県盛岡市で開催させていただくこととなりました。歴史あるこのJHSの学術集会会長を拝命したことは、身に余る光栄であると同時に、その責任の重さに身が引き締まる思いです。JHSの役員ならびに学会員の皆様に感謝申し上げます。
日本では年間約15万人が鼠径部ヘルニア手術を受けていますが、鼠径部ヘルニアの術式は、鼠径部切開法、腹腔鏡下手術、ロボット手術へと進化してきており、日本内視鏡外科学会の第16回アンケート報告では、2021年の腹腔鏡下手術とロボットの割合は全体の60%を越えております。どの術式であっても、高い安全性と低い再発率を目指すべきである事は言うまでもありません。本学術集会では、腹部ヘルニアに関する様々な問題について議論する場となっており、800-1000人程度の参加者を見込んでいます。
今回の学会テーマは「二刀流で挑む~合併症軽減と教育~」と致しました。本県の英雄、大谷翔平にあやかっているわけではありませんが、どんなに手術が高度化しても、合併症や再発は少なくすべきですし、それには適切な教育が必要であり、これら2刀を確実に伝承していくことが大切であると信じています。ロボット支援手術による鼠径ヘルニア修復術(今年も保険適応は見送られた)は、今後更に発展していくことが予測されますが、それには安全性が担保されていなければいけません。
JHSでは、世界のヘルニア手術にも目を向け、日本のヘルニア診療の発展につながるグローバルな活動を目指しており、第22回の学術集会(蛭川浩史会長)で開催された韓国合同シンポジウムなど国際的な発表も継続していきたいと思っております。また、女性医師の会員増加や活動促進を目的とした企画も考えております。
また本会は、岩手医科大学外科学講座の佐々木 章教授が準備委員長としてご協力くださることになり、運営事務局も同講座に置くことになりました。更に、第22回日本ヘルニア内視鏡外科手術手技研究会が同時開催されますが、この会長には同講座准教授の梅邑 晃先生が選任されております。岩手医科大学外科学講座の多大なるご協力に感謝申し上げます。
盛岡は、わんこそば・冷麺・じゃじゃ麺の3大麺のほか、焼き肉、三陸(宮古)の海鮮料理、南部せんべい、南部杜氏の酒など美味しいものが沢山あり、是非ご堪能していただきたいと思います。新緑の2025年皐月に、盛岡の地で盛会に学術集会が行われますよう準備致しますので、皆様のご参加をよろしくお願い申し上げます。