プログラム・日程表

日程表・プログラム

e-Book(電子抄録)

※「PDF版抄録集」閲覧には、IDPWが必要となります。
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12月9日(木)からは、視聴サイト内で閲覧いただけます。

会長講演

私の研究履歴書:“拡散系”薬理学研究

12月9日(木) 15:05~16:05 第1会場

趣旨
座長

熊谷 雄治(北里大学医学部附属臨床研究センター/北里大学病院臨床試験センター)

演者

谷内 一彦(東北大学大学院医学系研究科機能薬理学)

特別講演1

Imaging Amyloid-beta Plaques in Alzheimer’s Disease: History, Status, and Future

12月9日(木) 9:30~11:00 第1会場

趣旨

ピッツバーグ大学 Chester Mathis教授はWilliam E Klunk教授と共同研究を行い、アミロイドPETイメージングの創始者として知られている。炭素11標識PIBやフッ素18フルテメタモールを開発して世界中のPETセンターで彼のPETプローブは使用されている。アミロイドイメージングは2021年6月にFDAが承認したアデュカヌマブなど多くのアルツハイマー病の治療に用いられる医薬品の開発に用いられている。アミロイドβの存在を検出するためには、最初にPETスキャンを行う必要がある。開発者であるChester Mathis教授にアミロイドイメージング開発の歴史、現状そして将来についてご講演いただき、神経変性疾患の疾患修飾薬の開発を考える契機としたく考えている。

座長

谷内 一彦(東北大学大学院医学系研究科・機能薬理学分野)

田代  学(東北大学サイクロトロンRIセンター)

コメンテーター

古本 祥三(東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター)

吉川 雄朗(東北大学大学院医学系研究科・機能薬理学分野)

演者

Chester Mathis(ピッツバーグ大学)

特別講演2

私の睡眠研究とスタンフォード大学

12月11日(土) 8:50~10:20 第1会場

趣旨

スタンフォード大学の西野精治教授は睡眠学の権威であり、多くの日本人研究者をスタンフォード大学のラボに受け入れて指導していただいている。睡眠・覚醒メカニズムの分子・遺伝子レベルから個体・集団レベルまだ幅広い視野で研究している。また西野精治教授は「スタンフォード式 最高の睡眠」や「スタンフォード式 お金と人材が集まる仕事術」などの著書でも知られている。睡眠に特化した企業へのコンサルティングやITを活用した企業を自ら設立して産学連携を活発に行っている。今回の臨床薬理学会年会のテーマである「オープンイノベーション」を考える契機としたく考えている。

座長

谷内 一彦(東北大学大学院医学系研究科・機能薬理学分野)

コメンテーター

中村 正帆(東北医科薬科大学)

吉川 雄朗(東北大学大学院医学系研究科・機能薬理学分野)

演者

西野 精治(スタンフォード大学医学部精神科)

教育講演1

Muse細胞のもたらす医療イノベーション(学術委員会企画)

12月10日(金) 9:00~10:00 第1会場

趣旨

ミューズ細胞(Muse cell; Multi-lineage differentiating Stress Enduring cell)は生体に内在する非腫瘍性の多能性幹細胞であり、臍帯を含めたほぼすべての組織の結合組織、骨髄、末梢血に存在している。ヒト線維芽細胞やヒト骨髄間葉系細胞、脂肪由来幹細胞などの市販の間葉系細胞からも単離することができ、自発的に、またはサイトカインの誘導により外胚葉系、中胚葉系、内胚葉系の細胞に分化することができる。この3胚葉性の分化能は自己複製可能である。多能性幹細胞の関連遺伝子の発現を認めるが、腫瘍性に関連する遺伝子は体細胞レベルと同等で低く、テロメラーゼ活性も低く抑えられているため、無限増殖を行わない。従ってミューズ細胞は生体に移植されても腫瘍形成の危険が極めて低い。ミューズ細胞は2010年に東北大学の研究グループによってはじめて発見・報告された。急性心筋梗塞、脳梗塞、表皮水疱症、脊髄損傷、筋委縮性側索硬化症、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症に伴う 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とした探索的臨床試験が開始されている。また新生児低酸素性虚血性脳症に対する医師主導治験も開始されている。最近、脳梗塞患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験の臨床試験結果が報告されている。Muse細胞の発見者である出澤真理教授にその歴史、現状、そして将来についてご講演いただきたく企画している。

座長

松本 直樹(聖マリアンナ医科大学薬理学)

演者

出澤 真理(東北大学大学院医学系研究科細胞組織学分野)

教育講演2

抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン

12月10日(金) 9:00~10:00 第3会場

趣旨

令和3年3月31日付の課長通知で「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン(GL)」が発出されました。P1試験の入院が必須でなくなったこと、免疫チェックポイント阻害薬や希少なサブタイプの評価などいくつかの変更ポイントの解説とともに、作成過程で解決できなかった問題点について、作成にかかわった担当者による講演。

座長

安藤 雄一(名古屋大学医学部附属病院化学療法部)

演者

南  博信(神戸大学大学院腫瘍・血液内科)

教育講演3

妊娠・授乳中の服薬の臨床薬理学:“落穂拾い”の学問

12月10日(金) 9:00~10:00 第5会場

趣旨

妊娠・授乳時の母親の薬物治療は多くの欧米の教科書に記載されているように、薬理学の立場から極めて重要な問題である。しかし日本では薬理学会や臨床薬理学会等で十分に議論されることはあまり多くない。知識だけでなく経験の有無が他の分野以上に大切であると考えて、この領域で活躍されている田中敏博先生にご講演をお願いした。

座長

吉原 達也(医療法人相生会福岡みらい病院臨床研究センター)

演者

田中 敏博(JA静岡厚生連静岡厚生病院小児科)

教育講演4

パンデミック時代の臨床研究におけるイノベーション推進と被験者保護

12月10日(金) 9:00~10:00 第6会場

趣旨

この度の新型コロナウイルス感染症の世界的流行に対峙し、診断/治療/予防それぞれのイノベーションの推進に向けた期待の高まりとともに薬事制度や臨床研究・臨床試験のあり方が注目されている。医学の進歩は最終的には人を対象とする研究・臨床試験に頼らざるを得ない。全ての臨床研究の本質は「イノベーションの推進」と「被験者の保護」にある。
我が国における臨床研究・臨床試験の環境基盤整備は、薬事法(現・薬機法)に基づく法令と治験を主とする科学性、倫理性、信頼性を担保する仕組みの整備から開始され、引き続き社会の要請に応える形で研究者主導の臨床研究に関連する指針・法と研究体制の整備がすすめられているが、研究者等がその本質を正しく理解することは簡単ではない。
この教育講演は、現在国内に整備されている指針・法および研究支援の整備状況を踏まえ、パンデミック時代の臨床研究におけるイノベーション推進と被験者保護のあり方を学ぶ機会とする。

座長

上竹勇三郎(東京大学医学部研究倫理支援室)

パンデミック時代の臨床研究におけるイノベーション推進と被験者保護 ー国際基準からみた安全性情報の管理と研究責任医師の役割ー

演者

佐瀬 一洋(順天堂大学大学院医学研究科臨床薬理学/早稲田大学医療機器レギュラトリーサイエンス研究所)

パンデミック時代の臨床研究におけるイノベーションの推進と被験者保護 -国際基準からみた臨床研究における生物統計家の役割-

演者

大津  洋(順天堂大学病院臨床研究・治験センター/順天堂大学大学院医学研究科臨床薬理学/早稲田大学医療レギュラトリーサイエンス研究所)

教育講演5

治験・臨床研究の環境変化に対応する

12月10日(金) 9:00~10:00 第7会場

趣旨

第4回日本臨床薬理学会北海道・東北地方会(会長:石澤賢一教授)が2021年6月19日(土曜日)に開催された。その時のシンポジウム「日本の治験環境を改善するには?」において議論された内容を教育講演として年会で取り上げ、治験・臨床研究の環境を考える契機としたく考えている。

座長

稲野 彰洋(福島県立医科大学附属病院臨床研究センター)

岩部悠太郎(東北医科薬科大学病院 臨床研究推進センター管理部門)

治験・臨床研究の環境変化に対応する 大学病院臨床研究センターの立場から

演者

稲野 彰洋(福島県立医科大学附属病院 臨床研究センター)

企業’スポンサー’の立場から

演者

岡田久美子(ファイザーR&D合同会社クリニカルオペレーション統括部)

年会長特別企画 特別教育講演

新型コロナウイルスワクチンに対する審査と今後の在り方 -その背景と変遷-

12月10日(金) 13:30~14:40 第8会場

趣旨

COVID-19ワクチンは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスであるSARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対して、ヒトに獲得免疫を提供することを目的としたワクチンである。これまで日本国民の75%以上が接種してきたこのワクチンの臨床評価手法については、社会的な情勢の変化やエビデンスの構築によって、大きく変化してきた。日本において新型コロナウイルスワクチンの実際の審査に関与した荒木康弘氏にその背景と変遷について年会長特別企画としてご講演いただくことにした。荒木康弘氏は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構ワクチン等審査部長を2020年8月より務め、厚生労働省及びPMDAで、医薬品審査及び安全対策業務の長いキャリア及び国際業務の経験から、医薬品に関する専門的な視点のみならず、国際的な保健衛生や、薬事などの行政的な観点からも深い見識を持っておられます。

座長

谷内 一彦(東北大学大学院医学系研究科機能薬理学)

演者

荒木 康弘(医薬品医療機器総合機構 ワクチン等審査部長)

教育講演6

免疫チェックポイント阻害薬の現状と問題点

12月11日(土) 8:50~9:50 第2会場

趣旨

臨床現場では免疫チェックポイント阻害薬が臓器横断的に単剤、併用で使用されており、適応拡大が進んでいる。「使い慣れた」ところはあるが併用療法での副作用対策や臨床薬理的側面からみたフラットドーズでのインターバル延長など多職種が薬剤としての特徴を理解した上で効果的な治療を行う必要があり情報共有の場としたい。

座長

安藤 雄一(名古屋大学医学部附属病院化学療法部)

演者

満間 綾子(名古屋大学医学部附属病院)

シンポジウム1

臨床研究/ 臨床試験の規制要件の最新動向を知る - 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針、臨床研究法 -

12月9日(木) 9:30~11:30 第2会場

趣旨

人を対象とする医学研究の倫理の考え方は、医学研究の長い歴史における多くの反省を軸に徐々に醸成され、また科学の進歩や研究環境の変化にあわせ形を変えてきている。国内で臨床研究を行うために必要とされる代表的な規制・規範である「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」と「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」は、この度見直し・統合が行われ「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」として制定された。また「臨床研究法」は改正にむけた論点整理、法改正に向けた議論が進行している。主となる改訂の目的はいずれも現実の臨床研究への適合であり「正しい研究の促進」を目指すものであるが、研究者等がこれを理解し、研究に合わせ正しく使い分けることは難しい。このシンポジウムでは、それぞれの規制・ルールの改正等のポイントと最新動向を知り、研究者等として備えておくべき重要なポイントを学ぶ機会とする。

座長

前田 実花(北里大学薬学部/北里大学病院 HRP室・薬剤部)

山本 洋一(大阪大学医学部附属病院)

コメンテーター

高野 忠夫(東北大学病院臨床研究監理センター)

吉岡 恭子(厚生労働省医政局研究開発振興課)

「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の最新動向

演者

加藤 和人(大阪大学医学系研究科 医の倫理と公共政策学)

臨床研究法の最新動向

演者

中村 健一(国立がん研究センター中央病院)

シンポジウム2

地域医療での多職種連携に求められる臨床薬理学を基盤とした薬物治療の実践

12月9日(木) 9:30~11:30 第3会場

趣旨

急速な高齢化と医療の高度化に対応するためには、取組の質を更に高め、幅広く実践していくことが求められる。外来から入院、在宅へ必要な医療を切れ目なく提供できる体制を地域全体で整備する必要があるが、多くの医療職が関わるため、治療の基本方針の明確化、円滑なコミュニケーション、患者情報の共有など、多くの課題を抱えている。また、患者一人一人の病状にも違いがあるため、身体的苦痛と同時に心理的、社会的、精神的な問題を抱えるケースが少なくない。例えば、病気の再発に対する不安、薬の副作用に対する不安、退院後の食生活に対する不安など、抱える問題は様々である。多職種連携とは、言い換えれば異なる専門性を持った多くの職種が関わることである。そこで求められるのは、共通の目的意識を持ち、各専門職がそれぞれの能力を発揮し、他者の持つ機能と調整しながら連携し、患者に総合的に効率よくきめ細かい良質な医療を受けてもらうことである。そのためには外来から入院、在宅とステージが変わっても、科学的根拠に基づいた医療を実践し、臨床薬理を基盤としたチーム医療を病院の中だけでなく、住み慣れた地域に戻った後も継続して提供していく必要がある。 本シンポジウムでは多職種連携の現状を確認し、その中で今後の方向性について議論を深めたい。

座長

吉山 友二(北里大学薬学部地域医療薬学)

荒牧 弘範(株式会社サンキュードラッグ)

臨床薬理学と地域医療の融合

演者

吉山 友二(北里大学 薬学部 地域医療薬学)

心不全地域治療における薬剤師のファーマシューティカルケア

演者

城戸 和彦(ウエストバージニア大学薬学部臨床薬学部門)

地域医療における薬局管理栄養士による健康サポート事業の展開と成果

演者

柴田 有理(株式会社サンキュードラッグ)

多職種連携による基幹大学病院における臨床薬理学の役割:医師の立場から

演者

谷内 一彦(東北大学大学院医学系研究科機能薬理学)

シンポジウム3

New Modalities: Cell and Gene Therapies

12月9日(木) 9:30~11:30 第4会場

趣旨

国際的コンソーシアムであるInnovation and Quality in Pharmaceutical Development(IQ)コンソーシアムは、科学と技術を進歩させ、患者、規制当局及び広範なR&Dコミュニティに利益をもたらす変革ソリューションを追求する製薬およびバイオテクノロジー企業の非営利組織です。 IQ Clinical Pharmacology Leadership Group(CPLG)は2011年に設立され、現在13のワーキンググループと委員会が組織され、その活動には、FDA、EMA、PMDAとの議論、情報提供といった活動も含まれます。 まずIQCPLGの活動を紹介し、次に最近の注目トピックの1つである遺伝子治療や細胞治療を含むNew Modalityについてメンバー企業から提供された情報を共有し、New Modalityに関する臨床薬理の役割と開発の課題について議論できればと思います。

座長

上村 尚人(大分大学医学部臨床薬理学講座)

石黒 昭博(独立行政法人医薬品医療機器総合機構研究支援・推進部)

Introduction of IQ CPLG: Mission and Activities

演者

Vikram P Sinha(IQ/CPLG - Takeda Pharmaceuticals)

Clinical Pharmacology Aspects of Chimeric Antigen Receptor (CAR)-T Cell Therapy Development

演者

Vijay V. Upreti(Director, Clinical Pharmacology Hematology Oncology TA Leader, Clinical Pharmacology, Modeling & Simulation, AMGEN Inc.)

The Role of Clinical Pharmacology in Viral Gene Therapies

演者

Nagendra V. Chemuturi(Takeda)

Biodistribution and PK/PD Considerations for Gene Therapy with Adeno-Associated Virus (AAV)

演者

竹下  滋(アステラス製薬株式会社 開発本部 臨床薬理部)

シンポジウム4

臨床薬理に対する女性医師、若手医師からの要望(学術委員会企画シンポジウム)

12月9日(木) 9:30~11:30 第5会場

趣旨

「若手、女性医師支援プログラム」の一環として、毎年本学会でシンポジウムを開催しています。例年、臨床薬理のキャリアを積まれた先生方にキャリアパス的なお話をしていただいていますが、今年は若手の先生方から、臨床薬理学になぜ進まれたのか、臨床薬理学を今後どのようにしていったら良いのか、演者の先生方のバックグラウンドのお話も交えながらご講演をいただきます。

座長

蓮沼 智子(北里大学北里研究所病院)

安藤  仁(金沢大学医薬保健研究域医学系細胞分子機能学)

小児科医の立場から、臨床薬理に求めること

演者

庄司 健介(国立成育医療研究センター感染症科)

臨床薬理学を志す若手医師からの期待、要望

演者

林  宏祐(大分大学医学部臨床薬理学講座)

パンデミックと今後の臨床薬理

演者

林  阿英(北里大学北里研究所病院)

臨床薬理学の知識を臨床で実践する際に直面した課題

演者

竹内 正宣(横浜市立大学附属病院小児科)

シンポジウム5

薬剤性間質性肺炎の病態と評価

12月9日(木) 9:30~11:30 第6会場

趣旨

薬剤性間質性肺炎は、PMDAへの重篤副作用報告数も多く、さらに多くの医薬品で日本人における発症率が高いとされている。一部は重症型のびまん性肺胞傷害の病態を示して致死的となることもあり、医薬品開発においても、間質性肺炎の発症及び重症化は、開発中止判断の必要性の有無や承認に向けてのリスクマネジメントプランの作成において重要である。さらに製造販売後調査にいても適切な症例評価と診断・治療が必要である。このため、臨床薬理学としても重要な課題であり、その最新の知識は臨床薬理学を専門とする研究者・医療者にとり必要と考えられる。本シンポジウムでは、薬剤性間質性肺炎に関し、基礎から非臨床、臨床までの研究において世界的にリードしている先生方から最新の知見を含めてご紹介頂く予定である。

座長

熊谷 雄治(北里大学医学部附属臨床研究センター/北里大学病院臨床試験センター)

斎藤 嘉朗(国立医療品食品衛生研究所医薬安全科学部)

薬剤性肺炎の病態、診断、治療

演者

花岡 正幸(信州大学学術研究院医学系医学部内科学第一教室)

抗がん剤ゲフィチニブによる間質性肺炎の発症機序の解明

演者

松沢  厚(東北大学大学院薬学研究科衛生化学分野)

Nonclinical safety assessment of trastuzumab deruxtecan (T-DXd; DS-8201), a HER2 targeting antibody-drug conjugate

演者

熊谷 和善(第一三共(株) 安全性研究所)

薬剤性間質性肺炎の新規バイオマーカー開発

演者

荒川 憲昭(国立医薬品食品衛生研究所 医薬安全科学部)

シンポジウム6

Quality by DesignとRisk Based Approachの導入実施に向けた取り組み

12月9日(木) 9:30~11:30 第7会場

趣旨

2019年にStep3に到達したE8R1ガイドラインにおいてはCritical to Qualityの観点から被験者保護とデータの信頼性確保を志向するQuality by design(QbD)による計画・質の確保と、実施可能性を考慮したリスクに基づくアプローチ(RBA)の実践を求めている。米国に拠点を置くNPOであるTransCelerateにおいても実際にQbDとRBAに基づく実践に関するコンセプトペーパーやツールを提示し、我が国の治験でもRBAで行われることが増加してきた。ICH-E6ガイドラインはE8R1ガイドラインの改訂に伴い、本年11-12月にOverarching PrinciplesとAnnex1がStep2になる見込みである。この中で、臨床試験実施段階でのRBAについて益々重要性を増しているにもかかわらず、製薬企業やCROに比べ、医療機関側での受入れや質確保に向けた取組み、試験の効率化に向けた取組みはまだまだ端緒が開かれた段階に過ぎない。このため、QbDやRBAに基づく研究者や医療機関を対象とした臨床試験の支援及び普及啓発のため医療機関、治験依頼者、CRO/AROの立場から、QbDやRBAの導入実践に向けた先進的な取り組みを紹介したい。

座長

松山 琴音(日本医科大学医療管理学)

今村 恭子(東京大学薬学系研究科)

コメンテーター

上田 恵子(広島大学病院臨床研究開発支援センター)

浅野 健人(大阪大学医学部附属病院未来医療開発部)

小澤 郷司(株式会社Real Discovery Outdoors)

Quality by DesignとRisk Based Approachに関する最新の話題

演者

松山 琴音(日本医科大学医療管理学)

CROにおけるQbDとRBAの実践

演者

川邊 香代(シミック株式会社 臨床事業第三本部)

品質保証のためのGCP監査に関するこれまでとこれからーリモート監査パイロット研究の紹介

演者

筒泉 直樹(国立研究開発法人国立精神・神経医療センター)

シンポジウム7

COVID-19との闘いを医薬品開発促進に活かすために

12月9日(木) 12:50~14:50 第1会場

趣旨

COVID-19の急速な流行に伴い、世界中がCOVID-19関係の診断薬・治療薬の開発に注力した。その結果、レムデシビルや種々のワクチン等が速やかに開発されるに至っている。COVID-19の治療薬、ワクチンとして承認された医薬品が、どのような開発の経緯を経て、承認を取得したのかについて、各開発企業や臨床研究者より紹介をする。また、承認時に課された課題について、本学会開催日までの間に、どのようなデータを集積し、対応しているか等のUpdateについても言及する。規制当局からは、COVID-19に対応する医薬品の早期アクセスに向け、どのような対応を取り、また、市販後にどのようなモニターを実施したか等を紹介する。パネルディスカッションにおいては、今回の経験を活かし、また、いつ起こるか分からない未曽有の疾患流行に対し、我々として備えておくべき事項等について議論をする。

座長

渡邉 裕司(浜松医科大学臨床薬理学)

佐藤 淳子(独立行政法人医薬品医療機器総合機構国際部)

新型コロナウイルス感染症に関する治療薬開発の現状と課題

演者

忽那 賢志(大阪大学大学院 医学系研究科 感染制御学)

Learning and challenge of COVID-19 drug development in Japan through Baricitinib

演者

吉川 彰一(日本イーライリリー株式会社)

パンデミックへの挑戦

演者

原田 明久(ファイザー株式会社)

新型コロナウイルス感染症に関するPMDAの取り組み

演者

一丸 勝彦(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)

シンポジウム8

臨床薬理の視点から見た臨床試験

12月9日(木) 12:50~14:50 第2会場

趣旨

医師主導治験を中心とした臨床試験は医薬品、医療機器、再生医療製品の有効性及び安全性の評価において重要な手法である。これを実施していく上で、臨床薬理学的視点からどのように研究が組み立てられ、試験が実施されているのか、あるいは、実施上の課題などについて具体的な事例をもとに議論をしていきたい。

座長

花岡 英紀(千葉大学医学部附属病院臨床試験部)

濱田 哲暢(国立がん研究センター研究所)

COVID19ワクチン迅速開発におけるアカデミアの役割と課題

演者

中神 啓徳(大阪大学大学院医学系研究科健康発達医学)

臨床PoCの前に確認すべきBiological PoCとは何か?

演者

寺尾 公男(中外製薬株式会社 医科学薬理部)

高齢者における最適化がん化学療法

演者

水柿 秀紀(がん研究会有明病院先端医療開発センター)

抗好中球細胞質抗体関連血管炎治療におけるステロイド減量の試み

演者

古田 俊介(千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科)

シンポジウム9

神経筋疾患に対するDisease-modifying therapyの最前線

12月9日(木) 12:50~14:50 第3会場

趣旨

神経筋疾患は難治性疾患の代表とされてきたが、昨今さまざまな薬物治療が臨床応用されており、そのイメージは変わりつつある。例えばパーキンソン病では、従来のl-dopaやドパミンアゴニストだけでなく、MAO-B阻害薬やCOMT阻害薬など多くの新薬が登場している。ただ、これらの治療の多くは、神経伝達物質の補充療法などで、根治療法には至っていない。そのため、根治療法となりうるDisease-modifying therapyの開発に期待が高まっている。がん領域では輝かしい成果を挙げるDisease-modifying therapyではあるが、神経筋疾患では分子病態機序が明らかになってきたわりに、臨床応用には結びついていない。本セッションでは、Disease-modifying therapyの開発が成功している代表的疾患(筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症)と、なかなか成功しない代表的疾患(アルツハイマー型認知症、筋萎縮性側索硬化症)の4疾患にフォーカスを当て、その対比から神経筋疾患におけるDisease-modifying therapyの現状や展望について考察する。

座長

鈴木 啓介(国立長寿医療研究センター先端医療開発推進センター)

永井 将弘(愛媛大学医学部附属病院臨床研究支援センター)

筋ジストロフィーにおけるDisease-modifying therapy

演者

小牧 宏文(国立精神・神経医療研究センタートランスレーショナル・メディカルセンター)

運動ニューロン疾患に対するdisease-modifying therapy:革新と課題

演者

勝野 雅央(名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学/名古屋大学大学院医学系研究科臨床研究教育学)

アルツハイマー病におけるDisease-modifying therapy開発への期待と現実

演者

鈴木 啓介(国立長寿医療研究センター先端医療開発推進センター)

筋萎縮性側索硬化症のDisease-modifying Therapyにむけた新たなパイプライン

演者

狩野  修(東邦大学医学部脳神経内科)

シンポジウム10

精神科のポリファーマシーをどのように解決していくのか

12月9日(木) 12:50~14:50 第4会場

趣旨

精神医学では多剤併用が問題となっている。多剤併用には同一系統薬同士の多剤併用と異なる系列薬の多剤併用が存在するが、精神科ではその両方がぞんざいする。これは東洋の伝統医学では東洋の伝統医学では、異なる薬効成分の混合物の方が単一の化合物よりも優れていると信じられていることと一部関係があるかもしれない。本シンポジウムでは多剤併用とその実態に向けた取り組みを議論していく予定である。

座長

下田 和孝(獨協医科大学精神神経医学講座)

加藤 正樹(関西医科大学精神神経科)

統合失調症治療における多剤併用を減らす取り組み

演者

内田 裕之(慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)

精神科薬の薬物相互作用

演者

猿渡 淳二(熊本大学大学院 生命科学研究部 薬物治療設計学講座)

古郡 規雄(獨協医科大学精神神経医学講座)

精神科病棟での薬剤師を中心とした取り組み

演者

高橋 結花(東京女子医科大学病院 薬剤部)

ガイドライン普及に向けた取り組み

演者

古郡 規雄(獨協医科大学)

シンポジウム11

日本臨床薬理学会が取り組む人材育成:日本の臨床研究推進のために

12月9日(木) 12:50~14:50 第5会場

趣旨

日本から世界に発信する新規エビデンス、新技術の創出の推進のため、国内の臨床研究環境の整備は急務とされ、中でも質の高い臨床研究の実施、推進に貢献し得る人材の育成と確保は大きな課題として残されている。日本臨床薬理学会は1991年に「認定医(現在の専門医)制度」、1995年に「認定薬剤師制度」を発足させ、臨床薬理学の専門家として認定している。また、2003年には「認定CRC制度」を発足、この制度により認定を受けたCRCの多くが、CRCから役割を発展させ、様々な形で研究者主導の臨床研究の質向上に貢献しはじめている。このような人材は、さらに専門性を高めることで臨床疑問の解決のための臨床試験をはじめ、医薬品等の有効性や安全性を明らかにするための特定臨床研究、さらに承認申請を目的とする医師主導治験の立案、実施を推進する人材となり得る。本セッションは、日本の臨床研究環境における課題のうち臨床研究を担う人材の育成と確保に焦点をあて議論する。また、日本の臨床研究推進に向け、この度開始された日本臨床薬理学会の取り組みをご紹介し、多くの方からご意見をいただく機会とする。

座長

熊谷 雄治(北里大学医学部附属臨床研究センター / 北里大学病院臨床試験センター)

安藤 雄一(名古屋大学医学部附属病院化学療法部)

コメンテーター

笠井 宏委(京都大学医学部附属病院先端医療研究開発機構)

前田 実花(北里大学薬学部臨床薬剤疫学/ 北里大学病院 HRP室・薬剤部)

日本の臨床研究の課題

基調講演

岩﨑  甫(山梨大学融合研究臨床応用推進センター)

Clinical Trialistと臨床研究専門職の育成

演者

植田真一郎(琉球大学大学院医学研究科 臨床薬理学講座)

医師主導型臨床研究の実施を通じて得た経験から

演者

田中 敦史(佐賀大学 医学部 循環器内科)

認定CRC制度の現状と課題‐新たな取り組みへの期待

演者

河野 健一(公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター)

シンポジウム12

地域から世界へ:地域発で世界をリードするオープンイノベーションの現状と展望(学術委員会企画シンポジウム)

12月9日(木) 12:50~14:50 第6会場

趣旨

医学分野ではこれまで多くのオープンイノベーションが展開されており、異分野融合型の連携が進んでいる。当初は多くの企業が集中する大都市中心に進んでいたオープンイノベーションは地方へと拡大し、各地域でその地域の特性を生かした特徴あるオープンイノベーションが進んでいる。そこで本シンポジウムでは、地域発でユニークな取り組みをしている大学・企業・センターからシンポジストを招き、それぞれの地域で特色のあるオープンイノベーションの現状とその将来展望についてご紹介いただく予定である。さらに総合討論を通じて各地域での臨床薬理学におけるオープンイノベーションの在り方と未来展望について予想したい。

座長

和田孝一郎(島根大学医学部薬理学講座)

安西 尚彦(千葉大学大学院医学研究院薬理学)

コメンテーター

茂木 正樹(愛媛大学大学院医学系研究科薬理学)

新技術がもたらした腰痛評価の変遷から見る運動器評価の多様性とオープンイノベーション

演者

折田 純久(千葉大学フロンティア医工学センター/千葉大学大学院医学研究院整形外科学)

非対面時代のオープンイノベーションを用いた医工連携とその事例

演者

前多 宏信(株式会社フジタ医科器械)

医工連携オープンイノベーションで実現するポストコロナの未来医療

演者

中村 守彦(島根大学地域未来協創本部地域医学共同研究部門)

地方大学が中核になったオープンイノベーションによる新産業創出

演者

石丸伊知郎(香川大学創造工学部)

製薬企業の進めるオープンイノベーション<バイエルの例>

演者

高橋 俊一(バイエル薬品株式会社オープンイノベーションセンター)

シンポジウム13

医療機関がアデノ随伴ウイルス等を利用した遺伝子治療の臨床試験を安全に実施するために

12月9日(木)12:50~14:50 第7会場

趣旨

近年、アデノ随伴ウイルス(AAV)等を利用した遺伝子治療の臨床試験が増えてきました。遺伝子治療の臨床試験では、その研究倫理審査や実施にあたり、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」に加えて、「再生医療等製品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP)」や「遺伝子治療等臨床研究に関する指針」、「遺伝子治療用製品等の品質及び安全性の確保について」等についても留意する必要があります。また、製剤の品質及び安全性への配慮や「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」に係る対応が必要となる点が、通常経験する機会が多い化学物質製剤の臨床試験と大きく異なるところです。令和2年には、国立成育医療研究センターと国立精神・神経医療研究センターは「カルタヘナ法第一種使用規程対応マニュアル」を共同で準備し公開しています。一方、同年は「AAVを使った治験での死亡例(海外)」が報道されるなど、安全性についての配慮が大きく注目された年でもありました。そこで、本シンポジウムでは、遺伝子治療の研究者、製薬企業、医療機関のそれぞれ立場のシンポジストに登壇いただき、AAV等を利用した遺伝子治療の安全性、臨床開発に特徴的な薬事についてあらためて整理し、理解を深めるとともに、研究倫理審査を含め、医療機関において臨床試験が適切に実施されるために必要な準備について考える機会としたいと思います。

座長

山田 光彦(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所精神薬理研究部)

小野寺雅史(国立成育医療研究センター 遺伝子細胞治療推進センター)

コメンテーター

丸山 良亮(独立行政法人医薬品医療機器総合機構再生医療製品等審査部)

遺伝子治療用製品の開発段階に係る薬事等の特徴と留意すべきポイント

演者

石塚 量見(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター臨床研究支援部)

遺伝子治療用製品の開発 AAVベクターを用いた遺伝子治療における安全性への配慮

演者

香川 雄輔(ノバルティス ファーマ株式会社開発本部探索開発部前臨床安全性・薬理(PCS&P)グループ)

カルタヘナ法第一種使用規程の概要と成育医療研究センターでの取り組み

演者

小野寺雅史(国立成育医療研究センター遺伝子細胞治療推進センター)

安全に遺伝子治療の臨床試験を実施するためのチームによる医療体制整備

演者

本橋 裕子(国立精神・神経医療研究センター病院小児神経科)

シンポジウム14

レジストリデータの薬事制度下での利活用 ~治験対照群、製造販売後の長期有効性・安全性確認での実装~

12月9日(木) 15:05~17:05 第2会場

趣旨

医療に係るリアルワールドデータ(RWD)を取り巻く薬事規制の環境は、今まさに大きな変革を迎えている。  特に、医薬品、医療機器、再生医療等製品の開発に関しては、米国における「21st Century Act」において臨床試験の合理化等による薬事承認迅速化の課題解決にRWDの利活用が取り上げられ、適応拡大の承認審査にRWDが用いられる事例も出ている。また、日本においても、クリニカル・イノベーション・ネットワーク構想のもと、患者レジストリデータを治験対照群や条件付き早期承認制度の条件解除のための製造販売後長期有効性確認等の承認審査資料とすることの検討が進んでいる。
2021年3月23日には、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から、主に申請者となる企業に対する「承認申請等におけるレジストリの活用に関する基本的考え方」及び「レジストリデータを承認申請等に利用する場合の信頼性担保のための留意点」に関する通知が発出された。また、AMED「患者レジストリデータを活用した、臨床開発の効率化に関わるレギュラトリーサイエンス研究」研究班(研究開発代表者:柴田大朗)において、主にレジストリ保有者に対する「品質マネジメントシステムのあり方及び留意事項の検討」及び「生物統計学的検討と他データベース連携の検討」に関する取りまとめ文書を作成している。なお、GCP Renovation(「ICHのE8ガイドライン近代化」と「E6ガイドライン(ICH-GCP)改訂」)では、ICH E6(R3)のAnnex 2において、Pragmatic Clinical TrialsやDecentralized Clinical Trialsがスコープとされているが、患者レジストリデータの薬事制度下での利活用はその代表的な事例の一つであり、これらの検討との整合性、日本における先行事例としての実装が期待される。
本セッションは、レジストリデータの医薬品等の承認審査に関する薬事制度下での利活用の現状、課題、今後の方向性について議論した。

座長

小居 秀紀(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院臨床研究・教育研修部門情報管理・解析部)

柴田 大朗(国立研究開発法人国立がん研究センター研究支援センター生物統計部)

レジストリデータを承認申請等に利用する場合の信頼性担保のための留意点

演者

兼松 美和(医薬品医療機器総合機構信頼性保証部)

医薬品等の開発においてRWD/RWEを利活用する際の生物統計学的側面の留意事項

演者

上村夕香理(国立研究開発法人国立国際医療研究センター 臨床研究センターデータサイエンス部生物統計研究室)

レジストリデータの薬事制度下での利活用 ~AMED・柴田班 QMS分担班の活動を中心に~

演者

小居 秀紀(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院臨床研究・教育研修部門情報管理・解析部)

製薬企業におけるレジストリデータ利活用の取り組み

演者

大道寺香澄(日本製薬工業協会医薬品評価委員会 臨床評価部会/エーザイ株式会社)

シンポジウム15

第5回臨床薬理学集中講座フォローアップ・セミナー

12月9日(木) 15:05~17:05 第3会場

趣旨

公益財団法人 臨床薬理研究振興財団は、日本臨床薬理学会の後援の下に、臨床薬理学の将来を担う人材の育成のために若手の医師及び薬剤師等が臨床薬理学を体系的・集中的に研鑽する場として、臨床薬理学集中講座(以下、集中講座)を毎年夏に開講している。この集中講座の受講修了者及び本学会の参加者に対し、臨床薬理学領域の臨床研究の実践を支援することを目的に、現在研究活動を実施している受講修了者から、その臨床研究の企画・立案・推進に関連する知識や経験の情報を本セミナー参加者に共有し、また新たな研究活動が生まれるようなフォロー・アップの場として本セミナーを開催する。

座長

乾  直輝(浜松医科大学臨床薬理学講座)

セッション1「臨床研究の試験デザインに関する方法論」

臨床研究のリサーチクエスチョンと実行性

演者

志賀  剛(東京慈恵会医科大学臨床薬理学)

セッション2「臨床薬理共同研究推進体制の構築に向けた事例紹介」

臨床薬理共同研究推進体制の構築に向けた取り組み

演者

座間味義人(岡山大学病院 薬剤部)

武智 研志(松山大学薬学部医薬情報解析学)

鈴木 啓介(国立長寿医療研究センター 先端医療開発推進センター)

肥田 典子(昭和大学薬学部 臨床薬学講座臨床研究開発学部門)

シンポジウム16

症例ワークショップ「ベッドサイドの臨床薬理学」(学術委員会企画シンポジウム)

12月9日(木) 15:05~17:05 第4会場

趣旨

本セッションは、若い臨床薬理学研究者に「臨床における臨床薬理学」の重要さとおもしろさを知ってもらおうという教育的な目的を持っています。2名の先生に症例を提示して頂き、参加者の方に、Q&A形式で薬物治療学、薬物動態学、薬理遺伝学などの臨床応用を経験してもらいます。さらにミニレクチャーを取り入れながら知識の整理も行います。できるだけ聴衆参加型の,得るところの多いセッションになることと期待しております。

座長

原田 和博(笠岡第一病院内科)

西尾信一郎(袋井市立聖隷袋井市民病院内科)

不随意運動が増悪したパーキンソン病患者の病態と対応

演者

永井 将弘(愛媛大学医学部附属病院臨床研究支援センター)

肺動脈性肺高血圧の原因特定あるいは治療に苦慮した2症例

演者

今井  靖(自治医科大学薬理学講座臨床薬理学部門/自治医科大学内科学講座循環器内科学部門/自治医科大学附属病院薬剤部)

シンポジウム17

次世代の若手研究者が創る臨床薬理学の新時代

12月9日(木) 15:05~17:05 第5会場

趣旨

医療の発展は日進月歩であり、基盤となる技術の発展、新知見の発見が医療の発展を支えている。これらの発見は先人の偉業から連綿と続く研究より得られた賜物である。現在、研究に携わっている研究者は自身の研究の推進と同時に、次世代への知の継承も使命の一つである。最近では、学生時代から最先端の臨床薬学研究を学ぶ機会も増え、幸いにも、これからの新時代を切り開く有望な若手研究者が育ちつつある。そこで、本シンポジウムでは、次世代の担い手である、学生を中心とした若手研究者に最新の研究成果ご発表いただき、新時代の臨床薬理学研究について議論したい。

座長

寺薗 英之(鹿児島大学医歯学総合研究科薬物動態制御学分野)

城野 博史(熊本大学病院薬剤部)

コメンテーター

小柳  悟(九州大学薬学研究院)

第二世代上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬アファチニブ血中濃度の適正使用に向けて

演者

高橋 毅行(鹿児島大学病院薬剤部)

臨床薬理学的基盤に立脚した同種造血幹細胞移植患者におけるタクロリムス体内動態の個人差の検討

演者

吉川 直樹(宮崎大学医学部附属病院薬剤部)

卵巣癌における腫瘍抑制遺伝子CYLD発現消失の臨床薬理学的意義の解明

演者

三宅 俊介(熊本大学病院薬剤部/熊本大学大学院薬学教育部臨床薬物動態学分野)

精神神経疾患の精密医療を実現するための臨床薬理学的検討 抗てんかん薬の薬物動態解析の観点から

演者

金子 哲也(熊本大学大学院生命科学研究部薬物治療設計学講座)

概日時計の分子機構を基盤とした心-腎連関機構の解析

演者

吉田 優哉(九州大学大学院薬学研究院薬剤学分野)

シンポジウム18

薬物吸収に及ぼす食事の影響とその定量的予測 -臨床-動態-製剤の相互理解による医薬品開発の効率化-

12月9日(木) 15:05~17:05 第6会場

趣旨

薬物と食事の相互作用は、経口薬の吸収における不確実性の要因の一つであり、有効性の欠如や個体間でのばらつきなどにつながる可能性もある。また、臨床開発過程における製剤変更によって、薬物吸収に及ぼす食事の影響が変化し、開発が困難になる可能性もある。海外ではIQ consortium において、食事の影響を考慮したPBPKモデルを構築する動きも活発化しており、今後、薬物吸収動態に及ぼす食事の影響は、創薬初期段階から臨床開発段階に至る幅広いプロセスの中で注目されるようになると推察する。そこで本セッションでは、薬物吸収に及ぼす食事の影響を定量的に予測する方法論に関する最新の研究・知見・情報から、医薬品開発の効率化を目指した臨床薬理-動態-製剤連携の新しい方向性を議論する。

座長

白坂 善之(金沢大学医薬保健研究域薬学系)

設楽 悦久(サノフィ株式会社薬物動態・臨床薬理部)

消化管内生理環境・機能解析に基づく薬物-飲食物間相互作用予測

演者

白坂 善之(金沢大学医薬保健研究域薬学系)

薬物と胆汁ミセルの相互作用が原因となる食事の負の影響の定量的予測

演者

秋山 寛享(日本たばこ産業株式会社医薬総合研究所薬物動態研究所)

Physiologically based Biopharmaceutics Modelingアプローチによる経口製剤の食事の影響の定量的予測

演者

上林  敦(アステラス製薬株式会社製剤研究所)

臨床開発における食事の影響の評価

演者

佐藤 正延(MSD株式会社グローバル研究開発本部臨床薬理開発クリニカルファーマコキネティクス&ファーマコメトリクスグループ)

シンポジウム19

医療用医薬品開発に対する生物学的同等性試験ガイドライン改正のインパクト

12月9日(木) 15:05~17:05 第7会場

趣旨

令和2年3月19日に「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン等の一部改正について」(薬生薬審発0319 第1号)が発出され、腸溶性製剤及び溶解性改善製剤での食後の生物学的同等性試験の追加実施、本試験のみで生物学的同等性を示すために十分な例数で実施しなければならないこと、追加試験の考え方についての改正が大きなポイントとなっている。より正確な例数設計を含む臨床デザイン立案が成功の鍵となるが、生物学的同等性を示すことができないリスクを考慮した中間解析の結果の利用も触れられている。このセッションでは今までの改正のオーバービューから統計学的な考察及びそのインパクトを含めて議論を進めたい。

座長

川口 敦弘(日本製薬工業協会DS部会/田辺三菱育薬本部データサイエンス部)

菅波 秀規(興和株式会社データサイエンスセンター)

生物学的同等性評価の基本的概念とガイドライン改訂の背景

演者

緒方 宏泰(明治薬科大学名誉教授)

生物学的同等性試験ガイドライン改正に至った背景を改めて考える(食後BE試験の追加及び統計的問題)

演者

栗林 亮佑(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)

生物学的同等性試験における中間解析とサンプルサイズ再計算

演者

棚橋 昌也(日本製薬工業協会医薬品評価委員会データサイエンス部会/興和株式会社データサイエンスセンター)

実施医療機関における生物学的同等性試験の変遷と課題

演者

古家 英寿(医療法人平心会 大阪治験病院)

シンポジウム20

研究公正・研究倫理のセンスを身につけた臨床薬理研究者の育成

12月10日(金) 9:00~10:00 第2会場

趣旨

研究公正、研究倫理は本来臨床研究の計画作成や実施と分けて議論すべきものではなく、研究計画作成時点から発表までの過程に強く関連する事項である。本邦では研究公正、研究倫理の教育は受動的であること、また研究スキルやリテラシーの涵養が適切な研究実施には必須のであるのに同時に教育を提供するプログラムが少ないことなどが問題である。本シンポジウムでは森本らが取り組んできたAMED事業、臨床医配下にして研究公正を身に付け圧政党的な方法で臨床研究を実施するかについて議論する。

座長

植田真一郎(琉球大学大学院医学研究科臨床薬理学講座)

森本  剛(兵庫医科大学臨床疫学)

コメンテーター

楊河 宏章(徳島大学病院臨床試験管理センター)

内田 和孝(兵庫医科大学脳神経外科)

臨床医が臨床研究公正を身につけるために-臨床研究トレーニングに組み入れ可能な能動的研究倫理学習プログラム

演者

西村 理恵(兵庫医科大学臨床疫学)

臨床研究トレーニングに組み入れられた能動的研究倫理学習プログラムを経験して

演者

佐土原道人(熊本大学病院地域医療・総合診療実践学寄附講座)

モニタリング、監査から垣間見る研究公正の現状

演者

池原 由美(琉球大学病院臨床研究教育管理センター)

看護師の研究公正に関する意識

演者

東恩納美樹(琉球大学医学部保健学科老年看護学)

シンポジウム21

Risk-Based Pharmacokinetic and Drug-Drug Interaction Characterization of Antibody-Drug Conjugates in Oncology: An IQ Consortium Perspective

12月10日(金) 9:00~10:00 第4会場

趣旨

国際的コンソーシアムであるInnovation and Quality in Pharmaceutical Development(IQ)コンソーシアムは、科学と技術を進歩させ、患者、規制当局及び広範なR&Dコミュニティに利益をもたらす変革ソリューションを追求する製薬およびバイオテクノロジー企業の非営利組織です。 IQ Clinical Pharmacology Leadership Group(CPLG)は2011年に設立され、現在13のワーキンググループと委員会が組織され、その活動には、FDA、EMA、PMDAとの議論、情報提供といった活動も含まれます。 今回はFDAとも議論された最近の注目トピックの1つであるADCの薬物動態と薬物間相互作用の評価について、臨床薬理開発の中でどう考え決定していくか、メンバー企業から提供された情報と開発上の課題について共有できればと思います。

座長

飯田 理文(中外製薬株式会社医科学薬理部システムファーマコロジーグループ)

武藤智恵子(ファイザーR&D合同会社クリニカル・ファーマコロジー部)

Risk-Based Pharmacokinetic and Drug-Drug Interaction Characterization of Antibody-Drug Conjugates in Oncology: An IQ Consortium Perspective

演者

Chunze Li(Genentech, Inc.)

Rajeev M Menon(Abbvie)

シンポジウム22

COVID-19 Pandemic時の医薬品ワクチン開発とヘルスリテラシー向上

12月10日(金) 10:15~12:15 第1会場

趣旨

COVID-19 Pandemic時における医薬品・ワクチン開発に対する市民社会のあり方を通じ、医薬品等に対する正しい理解促進とヘルスリテラシーの向上を目指すことを本セッションは目標とする。 日本ワクチン学会理事長の岡田理事長、国立がん研究センター研究支援センター生命倫理部COI管理室の中田室長、医薬品医療機器総合機構 医薬品安全対策第一部の元木審査専門員、そしてMSD株式会社グローバル研究開発本部の白沢博満本部長にご講演をお願いし、産官学分野から議論を行いたい。

座長

湯地晃一郎(東京大学医科学研究所国際先端医療社会連携研究部門)

佐藤 淳子(独立行政法人医薬品医療機器総合機構国際部)

新型コロナウイルスワクチン開発の現況

演者

岡田 賢司(福岡看護大学)

新興感染症流行時のワクチンや医薬品の利用と研究開発に関する市民意識調査

演者

中田はる佳(国立がん研究センターがん対策研究所生命倫理・医事法研究部)

Vaccine hesitancyをともに乗り越える-行政と市民それぞれの役割

演者

元木 葉子(医薬品医療機器総合機構医薬品安全対策第一部)

新型コロナウイルス感染症が顕在化させた課題と社会の適応の中で考えたこと

演者

白沢 博満(MSD株式会社研究開発部門)

シンポジウム23

進化する臨床研究デザイン(学術委員会企画シンポジウム)

12月10日(金) 10:15~12:15 第2会場

趣旨

ランダム化比較試験は、医薬品などの治療効果を科学的に検証する最良の方法であり、新たなエビデンス構築に多大な貢献をしている。一方で、希少疾患での症例集積の難しさや、費用や労力が多大などの問題点も指摘されている。このような問題点を解決すべく、いくつかのデザイン上の工夫が試みられており、実際それらのデザインを用いた臨床試験の結果も報告されている。アンブレラ試験やバスケット試験は、オンコロジーの分野を中心に行われおり、また新型コロナウイルス感染症では、アダプティブデザインを用いた試験によっていくつかの知見が得られている。本シンポジウムではこのような新しい臨床研究デザインを紹介し、会員の臨床研究デザインに対する理解を深めたい。

座長

志賀  剛(東京慈恵会医科大学臨床薬理学)

乾  直輝(浜松医科大学臨床薬理学講座)

新型コロナウイルス感染症と新たな新興再興感染症に向けたアダプティブプラットフォーム研究の構築

演者

藤谷 茂樹(聖マリアンナ医科大学救急医学)

希少頻度の遺伝子変化陽性肺癌を対象にした治療開発

演者

後藤 功一(国立がん研究センター東病院 呼吸器内科)

バスケット試験によるエヌトレクチニブの開発

演者

林  盛彦(中外製薬株式会社オンコロジー臨床開発部)

臨床的に重要な問題を解決するPragmatic trialの実現に向けて

演者

植田真一郎(琉球大学大学院医学研究科 臨床薬理学講座)

シンポジウム24

がん遺伝子パネル後の治療戦略:薬剤到達の向上に向けて(学術委員会企画シンポジウム)

12月10日(金) 10:15~12:15 第3会場

趣旨

がん遺伝子パネル検査が日常診療の一部として実施されるようになったが、その後の治療につながる患者は1割にも満たない。エキスパートパネルで提示される治療のほとんどは、治験や臨床試験、適応外使用などであり、実際の治療を受けるまでには多くのハードルがある。このシンポジウムでは、パネル検査後の治療戦略について、治験や受け皿試験の現状について、がんゲノム医療の現場で日々奮闘する関係者から意見を述べていただく。

座長

安藤 雄一(名古屋大学医学部附属病院化学療法部)

花岡 英紀(千葉大学医学部附属病院臨床試験部)

受け皿試験の現状

演者

山本  昇(国立がん研究センター中央病院)

包括的がん遺伝子プロファイリング検査後の治療戦略;地域がんゲノム拠点病院の立場から

演者

濱口 哲弥(埼玉医科大学国際医療センターがんゲノム医療センター/埼玉医科大学国際医療センター腫瘍内科)

がん遺伝子パネル検査における臨床試験コーディネーターの役割

演者

村崎 由佳(名古屋大学医学部附属病院先端医療開発部先端医療・臨床研究支援センター)

がんゲノム医療における薬剤師の役割 ~出口戦略に向けての対応~

演者

宮本 理史(岡山大学病院)

シンポジウム25

バイオバンクを活用した次世代ファーマコゲノミクス研究

12月10日(金) 10:15~12:15 第4会場

趣旨

生体のゲノム情報と使用された治療薬や病態の変化に係る臨床情報を収集し、データベース化することで患者個々人のゲノム医療の推進に寄与することは重要な課題です。現在、国内のバイオバンクにおいては、患者や一般住民の臨床症状の長期の追跡を行っています。しかし、これらを活用しゲノム情報に基づいた治療薬の選択を可能にするための基盤構築は未だ不十分な状況です。そのため、疾患及び一般住民バイオバンクを活用し、薬物代謝酵素等の遺伝子情報と薬効及び有害反応等の臨床情報に基づくファーマコゲノミクス研究により効果的・効率的でより安全な薬剤の選択に向けた基盤研究が必要となります。本シンポジウムでは、国内のビックバイオバンクである東北メディカル・メガバンクやバイオバンクジャパンのリソースを活用したファーマコゲノミクスに関する基礎研究、臨床研究、社会実装に向けた研究にフォーカスします。

座長

平塚 真弘(東北大学大学院薬学研究科)

莚田 泰誠(理化学研究所生命医科学研究センター)

コメンテーター

木下 賢吾(東北大学東北メディカル・メガバンク機構)

ファーマコゲノミクスの社会実装の現状と課題

演者

莚田 泰誠(理化学研究所生命医科学研究センター)

遺伝性腫瘍原因遺伝子が関与するがん種の探索的解析

演者

桃沢 幸秀(理化学研究所・生命医科学研究センター・基盤技術開発研究チーム)

日本人全ゲノムリファレンスパネルを活用したフッ化ピリミジン系抗がん剤代謝酵素の遺伝子型-表現型予測パネルの構築

演者

菱沼 英史(東北大学未来型医療創成センター/東北大学東北メディカル・メガバンク機構)

ゲノムコホート調査参加者に対する個人へのファーマコゲノミクス情報回付に関するパイロット研究

演者

大根田絹子(東北大学東北メディカル・メガバンク機構ゲノム予防医学分野)

シンポジウム26

臨床に必要とされる看護臨床薬理学教育: 現場のニーズに対応した新たな教育を目指して

12月10日(金) 10:15~12:15 第5会場

趣旨

看護の学士課程教育は、「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」に則って行われており、2019年の第5次指定規則改正を受けて、2022年度から改正カリキュラムでの教育となります。今回のカリキュラム改正は、『看護学教育モデル・コア・カリキュラム』(2017年策定)に準拠した初めてのカリキュラム改正であり、大きな変動の時期といえます。看護における臨床薬理学教育の担当者は、その殆どが外部講師の医師や薬剤師という立場であるため、カリキュラム改正には受け身で対応せざるを得ません。臨床薬理学会会員が『看護学教育モデル・コア・カリキュラム』に準拠した看護臨床薬理学教育について情報を共有し、理解を深めることは、今後、看護において質の高い教育を提供していく上で重要な課題と言えます。今回のシンポジウムでは、与薬の実践者である看護師の臨床薬理学教育に関わる課題をクローズアップし、それに対応するための各組織の動向や新しい取り組み、展望について討議します。

座長

柳田 俊彦(宮崎大学医学部看護学科臨床薬理)

藤田 朋恵(獨協医科大学薬理学)

コメンテーター

西  昭徳(久留米大学医学部薬理学講座)

看護学教育の動向と課題:カリキュラム改正に向けて

演者

高橋 良幸(文部科学省高等教育局医学教育課)

看護の現場に求められる臨床薬理学教育:与薬の質と安全性の向上を目指して

演者

小見山智恵子(東京大学医学部附属病院看護部)

在宅看護・地域包括ケアに求められる臨床薬理学教育とは

演者

尾崎 章子(東北大学大学院医学系研究科老年・在宅看護学分野)

薬看連携の取り組み~与薬の質と安全性の向上を図る~

演者

平原 康寿(宮崎大学医学部附属病院薬剤部)

シンポジウム27

分子イメージングの発展と成果

12月10日(金) 10:15~12:15 第6会場

趣旨

「分子イメージング(Molecular imaging)」とは、「生物が生きた状態のままで外部から生体内の遺伝子やタンパク質などの様々な分子の挙動を観察する技術」を指し、ポジトロン断層法(PET)が注目された。本邦では2006年度より、放射線医学総合研究所(現:量子科学研究開発機構)と理化学研究所の密接な連携のもと、オールジャパン体制で「分子イメージング研究プログラム」が開始され、2007年度より放射線医学総合研究所と東北大学の連携で「分子イメージング教育拠点」が構築されて現在に至っている。本シンポジウムは、本年会会長の谷内一彦教授の分子イメージング研究および教育体制構築への貢献を振り返りつつ、PETのための創薬研究、脳PET研究と認知症診断への応用、腫瘍PET診断への応用ならびにα放出核種やβ放出核種等を用いた「診断一体型治療(セラノスティクス)」への展開について概説し、次の時代に求められる研究開発・教育の将来像を参加者と共有したい。

座長

田代  学(東北大学サイクロトロン・RIセンター)

岡村 信行(東北医科薬科大学医学部)

コメンテーター

須原 哲也(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構量子生命科学研究所)

PET核医学の発展の歴史と軌跡

演者

田代  学(東北大学サイクロトロン・RIセンター)

分子標的型PETトレーサー開発の現状と展望

演者

古本 祥三(東北大学サイクロトロンRI センター)

アルツハイマー病脳病理像のPETイメージング

演者

岡村 信行(東北医科薬科大学医学部薬理学)

認知症イメージングの国際展開

演者

樋口 真人(量子科学技術研究開発機構)

PET腫瘍イメージングの発展

演者

金田 朋洋(東北大学大学院医学系研究科保健学専攻画像解析学分野)

DATEプロジェクト:医薬理工学連携による新規核医学治療薬の開発

演者

渡部 浩司(東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター)

シンポジウム28

患者に適切な医薬品情報は提供できているか?

12月10日(金) 10:15~12:15 第7会場

趣旨

製薬企業や患者等から、患者に対し、様々な情報が提供されている。作成側は、患者が把握すべきと考える情報を想定し、平易な表現を用いて資料を作るべく尽力をしているが、果たして、読み手である患者が必要とする情報をフレンドリーな場所、媒体等で提供できているだろうか。日本においても、医薬品規制・産業における患者との連携が深まりつつある状況を踏まえ、本セッションでは、現状の患者向け情報提供について評価するとともに、より適切な情報提供に向けて議論をする。

座長

河野 典厚(医薬品医療機器総合機構)

岩崎  甫(山梨大学副学長)

本邦及び海外規制当局における患者向け情報提供について ~患者参画検討WGの立場から~

演者

漆谷  隼(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)

患者に適切な医薬品情報は提供できているか?-治験依頼者の立場として-

演者

齋藤 宏暢(第一三共株式会社メディカルアフェアーズ本部)

患者が必要とする医薬品情報は適切に提供されているか

演者

眞島 喜幸(NPO法人パンキャンジャパン)

シンポジウム29

COVID-19パンデミックから感染症対策の将来を俯瞰する

12月10日(金) 15:05~16:35 第1会場

趣旨

未だ終息が見通せないCOVID-19パンデミックであるが、そこから得られる教訓は多い。一般論として輸入感染症や人獣共通感染症などの未だ来たらぬ感染症への備えが必要だと言われ続けてきたにもかかわらず、私達一般人、臨床薬理学を指向する者の備えが十分だったとは言いがたい。このセッションでは現在進行型の「教え」であるパンデミックから、我々がいかにして将来に備えるべきかを学ぶ事を考えた。感染症対策は予防が一番であるが、薬物治療も相当の貢献が出来る。そこで昨年はパンデミックによる計画変容を余儀なくされた本学会での感染症関連セッションを昨年に引き続き計画した。今回は東北大学を基盤に置き、今や全国区でご活躍の感染症専門家の先生に、自由に将来展望も含めてお話いただく。我々薬物療法を専門とする者がいかに将来の備えを考えるべきか本格的に考え始める機会となり、皆様のお役に立てるセッションとなる事を信じている。

座長

松本 直樹(聖マリアンナ医科大学薬理学)

賀来 満夫(東北医科薬科大学医学部)

新型コロナから見えてきた産官学の新たな問題

演者

加來 浩器(防衛医科大学校 防衛医学研究センター 広域感染症疫学・制御研究部門)

COVID-19パンデミックを社会との連携で乗り越える

演者

國島 広之(聖マリアンナ医科大学感染症学講座)

シンポジウム30

臨床試験の進歩と規制の進化~GCP Renovationへの我々の対応~

12月10日(金) 15:05~17:05 第2会場

趣旨

ICHでは、ICH-E8(臨床試験の一般指針)の近代化とそれに続くICH-E6の刷新を含む GCP Renovation(GCP 刷新)の議論が進められている。国内では2020年1月にICH-E6(R2)を受けGCP ガイダンスの改定が発出、ICH-E8(R1)に対するパブリックコメントの募集が行われ、ガイドライン改訂・最終化に向けた議論が進行している。またICH-E6(R3)についても、EWG(Expert Working Group)が組織され、更なる議論が行われている。GCP Renovationのゴールは、「多様化が進む臨床試験・臨床研究デザインやデータソースにも対応した“ 適切で柔軟な指針 ”を提供すること」とされている。25年以上にわたり臨床試験の信頼性、被験者の保護を確保するための拠り所となってきたICH E6(いわゆるGCP)は、臨床試験における質をFitness for purposeと定義し、Quality Management SystemやRisk-based approachはさらに進められ、Quality by Design:プロセスにおける質のつくりこみが一層推進されることとなる。この考えの根底として適切に患者の視点を取り入れることの重要性も示されている。本シンポジウムでは、GCP Renovationの最新動向を共有するとともに、規制当局,製薬企業、アカデミア、そして患者の立場の方と共にGCP Renovation への期待と今後の対応を考える機会としたい。

座長

渡邉 裕司(浜松医科大学臨床薬理学講座)

佐藤 淳子(独立行政法人医薬品医療機器総合機構国際部)

アカデミアの立場から見たGCP renovation

演者

中村 健一(国立がん研究センター中央病院)

GCP Renovationへの備え:質の管理技術の転換を中心に

演者

小宮山 靖(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会データサイエンス部会)

GCP Renovationへの期待:患者の立場から

演者

長谷川一男(NPO法人肺がん患者の会ワンステップ)

ICH E6(R3)の方向性と動向

演者

伊藤かな子((独)医薬品医療機器総合機構)

GCP Renovationへの対応: 医療機関での臨床研究支援職種の取り組み事例

演者

岩崎 幸司(大阪大学医学部附属病院 臨床研究センター)

シンポジウム31

がんゲノム診療に関わる諸問題:遺伝子検査から遺伝子診療へ

12月10日(金) 15:05~17:05 第3会場

趣旨

がんゲノム医療は「がん患者の腫瘍部および正常部のゲノム情報を用いて治療の最適化・予後予測・発症予防をおこなう医療(未発症者も対象とすることがある。またゲノム以外のマルチオミックス情報も含める)」と定義される(がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会 報告書平成29年)。これまでのがん治療は、おもに発症した臓器や組織型に基づく分類をもとに治療法の選択が行われてきた。一方でがんは様々な遺伝子の変化の蓄積で発症し、発症臓器が同じであってもそのゲノム情報は個々の患者や病巣ごとに異なる。がん遺伝子パネル検査は、がん関連遺伝子を含む多くの遺伝子を網羅的に調べることで、がん細胞の特徴をゲノム解析によって網羅的に調べ、がんと関連する多数の遺伝子変化などを確認することを通して、適切な薬剤や治療法、対象となる可能性のある臨床試験・治験の有無を専門家チームが検討し、その結果を患者に伝える検査である。さらに我が国では経済財政運営と改革の基本方針2019 (骨太方針2019:閣議決定)を踏まえ、令和2年度から開始する健康・医療戦略のもと、2019年10月の第1回ゲノム医療協議会において、発がんの原因遺伝子特定に向けた全ゲノム解析を行うことが示された。
本セッションでは遺伝子検査や遺伝子診療が日常診療となる中、遺伝情報の解釈や、チーム連携および保険収載に関する課題について議論を深める。

座長

平沢  晃(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 臨床遺伝子医療学)

安藤 雄一(名古屋大学医学部附属病院 化学療法部)

コメンテーター

金井 雅史(京都大学大学院医学研究科 腫瘍薬物治療学講座)

植木 有紗(がん研有明病院臨床遺伝医療部)

座間味義人(岡山大学病院薬剤部)

平沢  晃(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 病態制御科学専攻 腫瘍制御学講座 (臨床遺伝子医療学分野))

中核拠点病院におけるエキスパートパネル運営の現状と課題

演者

金井 雅史(京都大学大学院医学研究科 腫瘍薬物治療学講座)

がんゲノム診療における生殖細胞系列遺伝子情報の考え方

演者

植木 有紗(がん研有明病院臨床遺伝医療部)

がんゲノム医療におけるチーム連携と薬剤師の役割

演者

座間味義人(岡山大学病院薬剤部)

がんゲノム医療における保険収載にかかる課題

演者

平沢  晃(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 病態制御科学専攻 腫瘍制御学講座 (臨床遺伝子医療学分野))

シンポジウム32

Pharmacogenomicsを考慮した消化器病診療の最前線

12月10日(金) 15:05~17:05 第4会場

趣旨

消化器疾患の領域においても様々な薬物治療が行われている。そして、そのうちのいくつかでは治療効果にPharmacogenomics (PGx)に関連した個体間格差が認められているものがあるが、PGxを考慮した診療が十分に浸透しているとは言い難い。ただ、PPIや抗悪性腫瘍薬、免疫抑制薬など消化器診療でPGxを考慮することが推奨される薬物も多い。また、薬剤性の消化管疾患にもPGxが関わることが報告されている。本セッションでは消化器疾患の病態や治療に関連したPGxをとりあげ、PGxを消化器疾患診療にいかに組み入れていくかについて議論したいと考えている。

座長

杉本 光繁(東京医科大学病院消化器内視鏡学)

古田 隆久(浜松医科大学医学部附属病院臨床研究センター)

酸分抑制薬とPGX

演者

白井 直人(JA静岡厚生連遠州病院消化器内科)

炎症性腸疾患におけるチオプリン関連PGx検査の現状と問題点

演者

角田 洋一(東北大学病院消化器内科)

直接作用型経口抗凝固薬の消化管出血リスクとPGx

演者

上島  智(立命館大学薬学部医療薬学研究室2)

消化器がん治療のバイオマーカー -SLFN11によるがん治療の効果予測を含めて-

演者

山出美穂子(浜松医科大学内科学第一講座)

肝疾患におけるPGX研究の臨床応用

演者

田中 靖人(熊本大学大学院生命科学研究部 消化器内科学講座)

シンポジウム33

臨床薬理学会認定薬剤師の魅力を探る

12月10日(金) 15:05~17:05 第5会場

趣旨

本学会の認定薬剤師には医療現場の薬剤師のみならず、大学教員、レギュラトリー省庁関係者、製薬企業勤務者も含まれている。また、学会構成員は特定の医療職が占めるのではなく、医師、薬剤師や看護師、CRCなど多職種に渡ることも本学会の特長である。これらを反映するように、本学会認定薬剤師の活動実態は、病院や薬局における薬剤師業務のみに留まることなく、アカデミアにおける臨床薬理学研究の実践、規制省庁におけるレギュラトリーサイエンス、企業等における医薬品開発にまで展開しており、多方面からその専門集団が形成されている。認定薬剤師制度委員会では、直近2回の学術総会において「認定薬剤師の科学力を考える(第40回)」および「認定薬剤師のこれまでとこれから(第41回)」のテーマで学術シンポジウムを企画してきた。前述の通り、本学会認定薬剤師の特長は、医薬品開発から臨床応用に至るまで、“臨床薬理学”が関わる分野で横断的にその活動を展開していることである。第42回学術総会では「臨床薬理学会認定薬剤師の魅力を探る」をテーマとし、各方面で活躍している認定薬剤師の方々から、これまでの業務・教育・研究事例の紹介を主軸に、認定薬剤師であることの自負や達成感などを語っていただく。本シンポジムを通して、本学会の若手会員にとって認定薬剤師の取得を志すきっかけになることを期待する。

座長

矢野 育子(神戸大学医学部附属病院薬剤部)

牛島健太郎(山陽小野田市立山口東京理科大学薬学部)

抗体医薬品の最適医療を目指した臨床薬理学研究

演者

米澤  淳(京都大学大学院薬学研究科・医学部附属病院薬剤部)

臨床薬理学会認定薬剤師の魅力:臨床現場の立場から

演者

平井 利典(三重大学医学部附属病院薬剤部)

日本臨床薬理学会認定薬剤師および認定CRCを取得して

演者

嶋田 沙織(筑波大学附属病院薬剤部)

医薬品医療機器総合機構(PMDA)における臨床薬理学会指導薬剤師による認定薬剤師取得支援の現状とその意義

演者

川名 純一((独)医薬品医療機器総合機構信頼性保証部)

製薬企業の医薬品開発における臨床薬理学会認定薬剤師の楽しさ

演者

塩見 真理(MSD株式会社 グローバル研究開発本部 臨床薬理開発 クリニカルファーマコキネティクス&ファーマコメトリクス)

シンポジウム34

高齢患者集団におけるポリファーマシーマネジメント:数理モデル及び医療系データベース解析の利活用(学術委員会企画シンポジウム)

12月10日(金) 15:05~17:05 第6会場

趣旨

医薬品開発では、適応疾患における典型的な患者を対象に治験が実施され、特定の背景を有する患者集団への医薬品の投与指針・安全性に関する十分な情報を得ることは難しい。本シンポジウム企画では、ポリファーマシーへの対応が喫緊の課題である高齢患者集団における医薬品の投与最適化と安全確保策の構築を目指し、医療データベースおよび数理モデル解析を活用した臨床薬理学的なアプローチについて報告・議論する。

座長

伊藤 清美(武蔵野大学薬学部)

山田 博章(横浜薬科大学臨床薬学科)

コメンテーター

樋坂 章博(千葉大学大学院薬学研究院臨床薬理学研究室)

前田 和哉(北里大学薬学部)

加齢が薬物動態に与える影響と薬物相互作用のリスク

演者

佐藤 洋美(千葉大学大学院薬学研究院臨床薬理学)

リアルワールドデータを用いた高齢者における医薬品有害事象およびポリファーマシーの実態調査:JADER解析

演者

岡田  章(武蔵野大学薬学部/武蔵野大学薬学研究所)

リアルワールドデータを用いた高齢者における 医薬品有害事象およびポリファーマシーの実態調査:医療データ解析

演者

田口 真穂(横浜薬科大学薬学部)

高齢者における薬物動態の生理学的薬物速度論モデル解析

演者

工藤 敏之(武蔵野大学薬学部薬学研究所薬物動態学研究室)

シンポジウム35

過活動膀胱の薬物療法の現在と未来

12月10日(金) 15:05~17:05 第7会場

趣旨

排尿障害の1つである過活動膀胱の治療薬は抗コリン薬とβ3作動薬が中心をになっている。しかし臨床上は副作用や効果が得られず難治症例も存在する。本シンポジウムでは過活動膀胱治療薬の現状を紹介し、今後どのような創薬が可能かを議論したい。

座長

齊藤 源顕(高知大学医学部薬理学講座)

木村 和哲(名古屋市立大学医学研究科臨床薬剤学)

コメンテーター

柳田 俊彦(宮崎大学医学部看護学科臨床薬理)

臨床からみる抗コリン薬の有効性と限界

演者

和田 直樹(旭川医大腎泌尿器外科)

過活動膀胱に対するβ3刺激薬の有効性と限界

演者

清水 信貴(近畿大学医学部 泌尿器科)

過活動膀胱における新規治療標的の最新の話題

演者

相澤 直樹(獨協医科大学医学部薬理学)

中枢神経からみた過活動膀胱治療薬の可能性

演者

清水 孝洋(高知大学医学部薬理学講座)

特別シンポジウム

AROを具体的事例より考える。科学的なエビデンスの確立とAROの多様性(学術委員会企画シンポジウム)

12月10日(金) 15:05~17:05 第8会場

趣旨

革新的医療技術創出拠点として、現在14医療機関の臨床研究中核病院がいわゆるAROとして指定されており、アカデミア発の医薬品・医療機器・再生医療製品などの開発が期待されている。ここでは、数多くの医師主導治験が実施され、その成果が社会に還元されることが期待される。一方で、臨床研究中核病院に指定されていない医療機関においても医師主導治験を初めとする多くの研究が実施されている。本年は、COVID19の感染の広がりが、臨床研究にも少なくない影響を与えた年でもある。そこで、本セッションでは、個別の医師主導治験の取り組みを取り上げるとともに、AROの多様性についても議論をしていきたい。

座長

花岡 英紀(千葉大学医学部附属病院臨床試験部)

植田真一郎(琉球大学大学院医学研究科臨床薬理学)

コメンテーター

山口 拓洋(東北大学大学院医学系研究科)

無症状及び軽症COVID-19患者を対象としたネルフィナビルの医師主導治験におけるAROとの協働支援

演者

細萱 直希(長崎大学病院臨床研究センター)

AROの多様性と新型コロナウイルス感染禍におけるその役割について

演者

花岡 英紀(千葉大学医学部附属病院 臨床試験部)

非拠点AROでの医師主導治験・特定臨床研究の実施と人材育成

演者

植田真一郎(琉球大学大学院医学研究科 臨床薬理学講座)

AROを有する医療機関の調査とその可能性

演者

戸高 浩司(九州大学病院ARO次世代医療センター)

アカデミアにおける臨床研究データセンター ー東北大学病院を例にー

演者

山口 拓洋(東北大学大学院医学系研究科)

シンポジウム36

臨床薬理学と人工知能

12月11日(土) 8:50~10:20 第3会場

趣旨

近年の機械学習をはじめとする人工知能技術の進歩は著しく、医療においても画像診断の支援技術等への応用が期待されている。また、基礎研究レベルでは化学物質の毒性予測やCOVID-19の感染状況予測にまで人工知能の応用が試みられており、今後、ますます医療の多くの分野において人工知能が貢献すると考えられる。臨床薬理学分野においても、臨床試験の支援や効率化、有効性や安全性予測等への応用が期待されている。そこで、本シンポジウムにおいては、シンポジストからライフサイエンス分野への人工知能の応用例を紹介していただき、臨床薬理学分野への人工知能技術の適用の可能性と限界について議論したい。

座長

樋坂 章博(千葉大学大学院薬学研究院臨床薬理学研究室)

頭金 正博(名古屋市立大学薬学研究科)

コメンテーター

植沢 芳広(明治薬科大学医療分子解析学研究室)

機械学習法による特異体質性副作用の予測

演者

安部賀央里(名古屋市立大学大学院薬学研究科レギュラトリーサイエンス分野)

母集団薬物動態解析における機械学習法の有用性

演者

樋坂 章博(千葉大学大学院薬学研究院臨床薬理学)

病理診断のデジタル化と人工知能の活用

演者

高松  学(公益財団法人がん研究会がん研究所病理部)

シンポジウム37

バイオマーカーの活用~医薬品開発からベッドサイドまで~

12月11日(土) 8:50~10:20 第4会場

趣旨

FDA-NIH Biomarker Working Groupにおいて、バイオマーカーは「A defined characteristic that is measured as an indicator of normal biological processes, pathogenic processes, or biological responses to an exposure or intervention, including therapeutic interventions.」と定義されている。バイオマーカーと一口に言っても、血圧や血糖値など古くより用いられる臨床検査値や、個々人における薬物の適正使用に利用される遺伝子多型の情報、開発段階におけるcytochrome P450およびtransporterの内因性基質の体内動態など、その解釈は多岐にわたる。本セッションでは、主に薬物の体内動態に関わるバイオマーカーに焦点を当てた講演を通じ、開発・臨床の様々なシーンでのそれらの利活用について最新の知見を共有するとともに、今後への展望について議論したい。

座長

内田 信也(静岡県立大学薬学部)

工藤 敏之(武蔵野大学薬学部薬学研究所)

肝OATP内在性基質コプロポルフィリンIをバイオマーカーとして用いた薬物相互作用の予測:PBPKモデルを用いた定量的アプローチの例

演者

吉門  崇(横浜薬科大学薬学部臨床薬理学)

Actionable Pharmacogenetic/genomic Biomarkers in the FDA Labels: Oncology Molecular Targets versus Drug-Metabolizing Enzymes & Transporters

演者

山崎 慎司(ジョンソン・エンド・ジョンソン、ヤンセン研究所)

臨床試験からみたバイオマーカーの計画と運用

演者

大谷 直由(大分大学医学部臨床薬理学講座)

医薬品評価におけるバイオマーカーの利用:規制当局の立場から

演者

石黒 昭博(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)

シンポジウム38

クリニカルバイオマーカー戦略の現状と展望

12月11日(土) 8:50~10:20 第5会場

趣旨

大規模なゲノム解析技術の展開や情報処理技術の急速な進歩により、医療全体が変貌してきている。Precision Medicineと呼ばれる治療の個別化アプローチで重要な役割を果たす臨床バイオマーカーについては、NGSを用いた遺伝子解析パネルの開発による包括的なゲノム診断が可能になるなど技術の進歩があり、臨床バイオマーカーと医療革新に向けた技術革新は劇的である。医薬品開発においても、Research/Translation/Clinicalの各ステージにおいて積極的に活用が進みつつある。いわゆるバイオマーカードリブンな個別化ストラテジーからなる医薬品開発全般について議論を期待する。

座長

谷河 賞彦(バイエル薬品株式会社オンコロジー開発)

今村 知世(昭和大学先端がん治療研究所)

Current Status and Future Perspectives on Clinical Biomarker driven Drug Development

演者

今井 康彦(ブリストル マイヤーズ スクイブ株式会社)

個別化医療に向けて医薬品研究開発ステージからの挑戦

演者

山本 有一(ファイザーR&D)

個別化医療に向けて研究開発ステージから考えておくべきこと-臨床現場から-

演者

今村 知世(昭和大学先端がん治療研究所)

シンポジウム39

患者にとってのがんと臨床試験・治験

12月11日(土) 8:50~10:20 第6会場

趣旨

『立場が違うと見える世界が異なる』というのは、さまざまな場面で起こる。臨床試験・治験も例外ではなく、その実施側(企画・支援者を含む)と被験者(家族等を含む)とで見え方が違うという状況が起こるのは想像に難くない。そのため、実施側が被験者等の声に耳を傾けることは、より良い臨床試験・治験の実現への一助になると考える。本セッションでは、医薬品開発の知識や科学のバックグラウンドをもたず治験に参加中の被験者、がんをはじめとするさまざまな疾患の患者から話を聴く活動を行っている医学生、および自らがんに罹患した経験をもつ製薬企業の開発担当者らを演者に招き、臨床試験・治験における立場の違いによる意識の相違の有無や具体的な相違の内容を協議するとともに、患者中心の医薬品開発や患者の参画等についてシンポジウム形式で意見交換を行う。

座長

深川恵美子(広島大学病院広島臨床研究開発支援センター/薬剤部)

筒泉 直樹(国立研究開発法人国立精神・神経医療センター理事会監査室)

医学生からみた患者と語り聴き合う重要性

演者

西岡龍一朗(富山大学医学部医学科)

患者の思い -想像と現実を語る-

演者

實  雅昭(バイエル薬品株式会社)

治験に参加して感じたこと、望むこと

演者

水戸部裕子(一般市民・秋葉原社会保険労務士法人)

シンポジウム40

COVID-19は臨床試験の現場に何をもたらしたか?

12月11日(土) 10:35~12:35 第1会場

趣旨

COVID-19が流行し、国民の行動は著しく制限されることになった。加えて、医療機関はCOVID-19治療に追われ、日常の診療を継続することすら困難を極める状況に至った。このような状況下、実施中ないしは実施を計画していた医薬品開発をどのように実施していくかが大きな課題となった。関係者の協力の下、治験薬の被検者への供給、被検者の方が医療機関を訪問せずに治験を進める、リモートGCP/GMP査察等、様々な新たな対応が取り入れられた。患者ニーズに応える医薬品を供給していくため、各Stakeholderがどのような努力を行い、どのような結果が得られたのか、また、post-COVID-19において、それらをどのように活用していくか等、COVID-19を単なる悲劇に終わらせぬよう新たな臨床試験の環境について議論をしたい。

座長

佐藤 淳子(独立行政法人医薬品医療機器総合機構国際部)

田中 宜之(MSD グローバル研究開発本部 クリニカルリサーチ領域)

COVID-19は臨床試験の現場に何をもたらしたのか? がん専門医療機関・臨床研究中核病院の挑戦

演者

後澤乃扶子(国立がん研究センター研究支援センター研究管理部)

COVID-19の経験からの学びと今後の展望:治験依頼者の立場から

演者

関根 恵理(ノバルティス ファーマ株式会社)

COVID-19流行下での臨床開発に対するPMDAの取組み

演者

宇津  忍(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)

シンポジウム41

産官学民連携と国際連携による小児医薬品開発と小児臨床薬理学の発展を目指して

12月11日(土) 10:35~12:35 第2会場

趣旨

医薬品医療機器法の改正により、特定用途医薬品制度が新たに発足し、また、AMED事業として立ち上がった日本小児科学会の医薬品開発ネットワークが、厚労省の支援事業として継続され更なる活動を展開するなど、小児医薬品開発を推進する機運は高まっている。小児医薬品開発と小児臨床薬理学の発展のためには、アカデミアの体制強化が必須であり、またそのうえで、産・官・民との連携を進める必要がある。小児疾患は希少疾病も多く、世界的に共通の問題を多く抱えていること、また国内外でその診断基準が異なると国際臨床研究への参加も困難になることから、日本が国際連携に積極的に参加し、共同研究などで日本のプレゼンスを示すとともに、情報発信を進めていくべきであると考える。小児医薬品開発は日本に先駆けて欧米で開始されることが多いが、開発の早期の段階から国際的に協力できる体制を作れば、国際共同臨床試験への参加もより容易になると考えられる。本セッションでは、現在小児科領域の医薬品開発・剤形検討での産官学民の連携に向けての取り組みや、国際連携についての取り組みについて紹介し、今後の発展を目指した議論を行う。

座長

中村 秀文(国立成育医療研究センター研究開発監理部)

平野 慎也(大阪母子医療センター新生児科・臨床研究部)

コメンテーター

崎山美知代(医薬品医療機器総合機構)

International Neonatal Consortiumによる産官学民連携と国際連携

演者

平野 慎也(大阪母子医療センター 新生児科)

小児製剤の効率的な開発のためのEuropean Paediatric Formulation Initiativeとの連携

演者

原田  努(昭和大学薬学部基礎医療薬学講座薬剤学部門)

子どもの視点から考える小児薬の服用

演者

原田 香奈(東邦大学医療センター大森病院)

ファーマコメトリクス検討における産学連携の展望

演者

齊藤 順平(国立成育医療研究センター薬剤部)

小児医薬品ネットワーク・小児治験ネットワークの活動と国際連携

演者

中村 秀文(国立成育医療研究センター)

シンポジウム42

ICH E17の国際共同治験への実装

12月11日(土) 10:35~12:35 第3会場

趣旨

「国際共同治験の計画及びデザインに関する一般原則に関するガイドライン」(ICH E17ガイドライン)」が本邦においても2018年に発出され、効率的な国際共同治験に基づく新薬開発が期待されている。特に有効性や安全性での地域差(民族差)の評価に関する一般原則がより明確化され、早期の探索研究の段階で地域差の原因となる内因性・外因性民族的要因を明らかにすることが推奨されている。そこで、本シンポジウムでは、ICH E17ガイドラインで示されたこのようなコンセプトをどのように国際共同治験に実装させていけばよいのかについて議論したい。

座長

熊谷 雄治(北里大学医学部附属臨床研究センター /北里大学病院臨床試験センター)

斎藤 嘉朗(国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部)

コメンテーター

宇山 佳明(医薬品医療機器総合機構医療情報活用部)

頭金 正博(名古屋市立大学大学院薬学研究科)

渡邉 裕司(浜松医科大学臨床薬理学)

ICH-E17ガイドラインの実装のために考慮すべき事項(過去の国際共同治験の実施例からの考察)

演者

大坪 泰斗(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)

ICH-E17にもとずいた製薬企業の開発戦略

演者

谷河 賞彦(バイエル薬品株式会社研究開発本部オンコロジー開発部)

アジアにおける治験の実施環境

演者

熊谷 雄治(北里大学医学部附属臨床研究センター/北里大学病院臨床試験センター)

ICH-E17にもとずいた臨床現場での国際連携

演者

友次 直輝(国立国際医療研究センター臨床研究センターインターナショナルトライアル部)

シンポジウム43

アルツハイマー病疾患修飾薬開発の最新の動向

12月11日(土) 10:35~12:35 第4会場

趣旨

認知症の国内患者数は2025年には700万人を超えるとの推計があり、その原因疾患として最も患者数が多いのはアルツハイマー病(AD)である。上市されているAD治療薬の効果が限定的であるため、疾患メカニズムに即した根本的な治療薬が世界的にも最も重要かつ切望されている薬剤の一つで、それを目指した「疾患修飾薬」をはじめ新規の作用機序を有する種々の薬剤の開発がなされてきたものの画期的な新薬の上市は困難であった。そうした中、2021年6月にFDAがアデュカヌマブを承認したことが発表された。一般的な報道でも大きく取り上げられたが、Accelerated Approval Pathway という特例的な承認プロセスや、発表された高額な薬価などについて、様々な立場からの議論が巻き起こっている。本シンポジウムでは、企業並びにアカデミアの立場から、また、医療経済の立場からADの疾患修飾薬の開発について、その現況と将来的な展望を講演いただく。

座長

森豊 隆志(東京大学医学部附属病院臨床研究推進センター)

中野 真子(ノバルティスファーマ株式会社探索開発)

アルツハイマー病に対する疾患修飾薬の開発 アデュカヌマブの臨床開発を中心に

演者

戸田 康夫(バイオジェン・ジャパン株式会社研究開発本部臨床開発・薬理部)

AD疾患修飾薬開発の展望 Donanemabの臨床試験結果より

演者

畠山 直久(日本イーライリリー株式会社 研究開発・メディカルアフェアーズ本部)

アルツハイマー病疾患修飾薬治験の推進とJ-TRC

演者

岩坪  威(東京大学大学院医学系研究科神経病理学)

高額薬剤の費用対効果評価

演者

池田 俊也(国際医療福祉大学医学部公衆衛生学)

シンポジウム44

創薬におけるDXの活用

12月11日(土) 10:35~12:35 第5会場

趣旨

2020年春先より始まったCovid-19のPandemicは、私達にとって激しい変化をもたらしました。感染予防の観点から製薬業界でも多くの方が在宅勤務・テレワークとなり、会議もWeb会議が一般的になりました。そして私たちの施設でもいくつかの治験が中止または延期となりました。2020年夏以降は治験が再開され始めましたが、感染予防対策として被験者にはSARS-CoV-2のPCR検査が課され、モニターの医療施設訪問も制限される中で、人と人の接触を減らしながらも、データ収集の信頼性を担保する方策として、デジタル技術をどのように取り入れていくかについて多くの検討がなされました。Covid-19により必要に迫られたデジタル化は、治験全体のDX化推進に繋がり、その結果、治験の効率化を促進することが期待されています。いっぽうでは、Covid-19に関するワクチンや医薬品開発で日本が欧米に後れを取っていることが明らかとなりました。国民が必要とする医薬品を国内でも遅れなく開発・生産・提供できることの重要性を改めて認識するきっかけとなりました。そのような状況を改善するための環境づくりの一環として、治験の効率性を欧米同様、またはそれに勝るほど追及することが求められており、この分野におけるDXの推進が大きく寄与するものと期待されます。本セッションでは、アカデミア、ベンダー、CRO、治験依頼者、 そして治験実施施設のそれぞれの立場から、臨床開発、臨床研究における変革やDX化への期待についてお話ししていただきます。デジ タル技術を活用して臨床研究及び治験の実施方法を効率よく変革させ、グローバルでの医薬品開発における日本の存在感を高めるとともに、国内での創薬が活性化されることを期待しています。

座長

宮路 天平(東京大学大学院医学系研究科臨床試験データ管理学講座)

降旗 謙一(医療法人社団慶幸会ピーワンクリニック院長)

コメンテーター

宮路 天平(東京大学大学院医学系研究科臨床試験データ管理学講座)

松本 一敏(株式会社日立システムズデジタル・ライフサイエンスサービス本部)

佐藤 貴典(デジセラ株式会社)

前田千衣子(日本イーライリリー株式会社臨床開発本部)

黒田 章裕(医療法人社団慶幸会 ピーワンクリニック)

臨床研究におけるDigital Transformation(DX)とは ?

演者

宮路 天平(東京大学大学院医学系研究科 臨床試験データ管理学講座)

医療情報ガイドライン準拠に向けたクラウド利用標準化サービスの取り組み

演者

松本 一敏(株式会社日立システムズ デジタル・ライフサイエンスサービス本部)

日本におけるReal World Data (RWD) の臨床研究への応用と考慮点
-第四次産業革命時代における創薬のDX化に果たすべき第三者機関としてのCROの役割-

演者

佐藤 貴典(デジセラ株式会社)

デジタルを活用したDCTの推進

演者

前田千衣子(日本イーライリリー株式会社臨床開発本部)

2種類のDDCの使用経験について

演者

横里あけみ(医療法人社団 慶幸会 ピーワンクリニック)

シンポジウム45

がんゲノム医療と臨床薬理学

12月11日(土) 10:35~12:35 第6会場

趣旨

我が国では2019年6月よりがん遺伝子パネル検査が保険収載され、がんゲノム医療が本格的に実装された。さらに令和2年度から開始する健康・医療戦略のもと、2019年10月23日の第1回ゲノム医療協議会において、発がんの原因遺伝子特定に向けた全ゲノム解析を行うことが国策として示された。近年は遺伝性腫瘍関連遺伝子のBRCA1/2遺伝学的検査やマイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability: MSI)がコンパニオン診断として採用され、実地臨床薬剤学の現場からも遺伝性乳癌卵巣癌症候群やLynch症候群などの遺伝性腫瘍家系が急速に同定されてきています。今後の全ゲノム解析時代を見据え、今後は臨床薬理学、臨床遺伝学、臨床腫瘍学の境界がなくなり、本学会こそゲノム医学を率先して実装していく必要がある。そこで本セッションでは各演者の先生方にそれぞれの領域での現状と課題ならびに成果を提示して頂きたいと考えている。

座長

安藤 雄一(名古屋大学医学部附属病院化学療法部)

湯地晃一郎(東京大学医科学研究所国際先端医療社会連携研究部門)

がんゲノム医療時代のがん薬物療法―進歩と課題―

演者

石岡千加史(東北大学大学院医学系研究科臨床腫瘍学分野)

がんゲノム医療における生殖細胞系列の遺伝情報

演者

平沢  晃(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 病態制御科学専攻 腫瘍制御学講座 (臨床遺伝子医療学分野))

がんゲノム医療におけるチーム連携

演者

渡邉  淳(金沢大学附属病院 遺伝診療部/金沢大学附属病院 遺伝医療支援センター)

がんゲノム医療における薬剤師の役割 ~臨床薬理学の知識を活かして~

演者

宮本 理史(岡山大学病院)

シンポジウム46

適切な臨床研究を推進するための研究倫理コンサルタント(研究倫理委員会企画)

12月11日(土) 11:05~13:05 第7会場

趣旨

臨床研究において研究倫理の理解は必須である。米国等で先行していた研究倫理コンサルテーション・サービスに関して、日本でも、「医療分野研究開発推進計画」(平成29年一部変更)において「研究倫理コンサルタント(相談員)…の専門家を育成・確保、適正な評価をするとともに、キャリアトラックを確立する必要がある。」と言及された。すでに、平成31年医療法の一部改正での臨床研究中核病院承認要件の見直しの中で、特定臨床研究を支援する体制の人員要件の1つに、「研究倫理に関する相談、必要な情報の提供、助言その他の支援業務:研究倫理相談員」が盛り込まれ、令和2年度から適用されている。今後適切な臨床研究の推進には、研究倫理コンサルタントは重要な要素と考えられる。研究倫理コンサルタントの必要性や育成の現状を理解するとともに、研究倫理コンサルタントの在り方に関しても日本臨床薬理学会において議論を進めるべきと考え、本シンポジウムを計画した。

座長

楊河 宏章(徳島大学病院総合臨床研究センター)

田代 志門(東北大学大学院文学研究科)

研究倫理コンサルタントの概念と育成の現状

演者

松井 健志(国立がん研究センター生命倫理・医事法研究部)

研究機関に必要なインフラとしての研究倫理コンサルタント

演者

藤原 康弘(国立がん研究センター中央病院)

研究機関として研究倫理コンサルタントに期待する役割

演者

三上 礼子(国立研究開発法人国立国際医療研究センター臨床研究センター臨床研究推進部)

研究倫理コンサルタントのあり方について(教育を受けた日本臨床薬理学会員の立場から)

演者

中馬 真幸(旭川医科大学病院薬剤部)

シンポジウム47

ワクチン開発と臨床評価

12月11日(土) 14:45~16:45 第1会場

趣旨

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発が昨年以来世界的規模で行われ、治験や市販後調査、臨床研究が実施されている。国内においても国産ワクチンの開発が進められている。ワクチンの有効性/安全性の臨床評価は非常に重要であるものの、その評価は難しい。これまでのCOVID-19ワクチンの発症及び重症化予防効果のデータは、患者数が多い海外の臨床試験の結果が使用されており、国内では主に安全性や免疫原性の評価が行われている。しかし、国内でワクチンの有効性評価を実施することは、今後の国産COVID-19ワクチン開発において重要であり、将来の新興感染症へ備えることにもなると思われる。本セッションでは、ワクチンの評価方法やCOVID-19ワクチン開発の国内および国際動向についてご講演いただき、国産ワクチン開発やその臨床評価について議論を行いたい。

座長

斎藤 嘉朗(国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部)

吉原 達也(医療法人相生会福岡みらい病院臨床研究センター)

コメンテーター

渡邉 裕司(浜松医科大学臨床薬理学)

ワクチンの臨床的有効性評価

演者

福島 若葉(大阪市立大学大学院医学研究科公衆衛生学/大阪市立大学大学院医学研究科感染症科学研究センター)

コロナ禍でおきたワクチン開発研究の破壊的イノベーション

演者

石井  健(東京大学医科学研究所ワクチン科学分野/医薬基盤健康栄養研究所ワクチンアジュバント研究センター)

日本における新型コロナウイルス感染症ワクチン開発

演者

森下 竜一(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学)

新型コロナウイルス感染症ワクチンの有効性評価と抗体検査

演者

石井 明子(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)

シンポジウム48

早期グローバル開発の中での日本の貢献

12月11日(土) 14:45~16:45 第2会場

趣旨

日本には早期臨床開発に適した施設・基盤があるが、欧米の開発研究者からの認識が低く、十分に活用できていないと思う。日本を含む世界の患者さんのために、日本が得意な早期臨床開発の分野で貢献できる機会を増やしたいと願っている。COVID-19の世界的な流行によって、治療を必要としない健康被験者等を対象とした早期開発の治験の大部分が欧米で止まってしまった時期があった。日本での状況は海外と比較してましであったので、日本が活躍する機会が訪れた。このシンポジウムでは、COVID-19による影響がきっかけとなって日本での実施が実現した例を含め、早期グローバル開発の中で日本がグローバルに貢献している実例をいくつか、製薬企業の立場からと治験実施施設の立場から発表させていただく。日本でのグローバル試験実施に至った経緯、乗り越えた課題、グローバル貢献の実績などを共有し、将来への展開に役立てていただければと思う。

座長

中野 真子(ノバルティスファーマ株式会社探索開発)

中村 秀文(国立研究開発法人国立成育医療研究センター研究開発監理部)

COVID-19のパンデミックにより早期に実現した、日本でのFIH試験の実施と、今後の早期グローバル開発における日本からの貢献

演者

中野 真子(ノバルティスファーマ株式会社)

COVID-19のパンデミックにより海外で中断したFIH試験を日本で実施することになった例

演者

降旗 謙一(医療法人社団慶幸会ピーワンクリニック/慶応義塾大学医学部薬理学教室)

日本でGlobal FIH試験を実施することによる早期グローバル開発への貢献

演者

髙市  剛(日本イーライリリー株式会社 臨床開発本部 臨床薬理オペレーション)

Global FIH 試験を実施して経験したこと-治験実施施設の視点から-

演者

佐藤 昌幸(一般社団法人ICR附属 クリニカルリサーチ東京病院)

シンポジウム49

One Asiaとしての医薬品開発

12月11日(土) 14:45~16:45 第3会場

趣旨

従前は、医薬品開発といえば、日米欧での開発がメインであった。しかしながら、近年、高齢化や感染症等、共通の課題を抱え、かつ、民族的等の要因においても近いと考えられるアジアでの医薬品開発に高い関心が集まっている。日本政府においても、もユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)の観点から、アジア医薬品・医療機器規制調和グランドデザインが公表される等、アジアとしての医薬品開発を進めようとしている。アジア諸国においても、規制の整備等に加え、臨床試験が実施できる環境が整備されてきている。本セッションでは、アカデミア、企業に加え、アジアからの登壇者も迎え、One Asiaとしての医薬品開発を実施しうる環境がどこまで整備され、どのようなところに今後の課題があるのかについて議論をする。

座長

上村 尚人(大分大学)

佐藤 淳子(独立行政法人医薬品医療機器総合機構国際部)

Strategic Regulatory Harmonization in Asia

演者

竹村優利子(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)

日系製薬企業のアジアビジネス展開に必要な規制面の課題とは

演者

長岡 秋広(エスエス製薬(株)(サノフィグループ))

One Asiaとしての医薬品開発促進に向けたNCGMの取り組み

演者

飯山 達雄(国立国際医療研究センター臨床研究センターインターナショナルトライアル部)

Current Situation and Future Expectation of Drug Development in Philippines

演者

Jesusa Joyce Cirunay N. (FDA Philippines)

Current Situation and Future Expectation of Drug Development in Malaysia

演者

Akhmal Yusof(Clinical Research Malaysia)

シンポジウム50

時間薬理学・時間治療の最新の知見

12月11日(土) 14:45~16:45 第4会場

趣旨

様々な生理機能や病態には日内リズムが認められるように、薬物動態や薬力学に日内リズムを認める薬は少なくない。時間治療は、病態の日内リズムや薬の時間薬理学的特徴を考慮し、最適な時刻に薬を投与することにより、薬の有効性と安全性を高める優れた治療法である。近年は体内時計の分子機構の解明に伴い、時間薬理学も分子レベルで発展してきた。しかしながら、時間治療の臨床応用は未だ一部の薬に限定されている。そこで本シンポジウムでは、体内時計がいかに様々な疾患の病態に関与しており、時間治療や体内時計自体の制御が重要となるかについて最新の知見を紹介し、時間治療普及の一つの端緒としたい。

座長

安藤  仁(金沢大学医薬保健研究域医学系細胞分子機能学)

大戸 茂弘(九州大学大学院薬学研究院)

時間薬理学・時間治療の現状

演者

安藤  仁(金沢大学医薬保健研究域医学系細胞分子機能学)

抗凝固薬エドキサバンの時間薬理学的検討

演者

長田 直人(金沢大学医薬保健研究域医学系細胞分子機能学)

アレルギー疾患の時間治療

演者

中尾 篤人(山梨大学医学部免疫学)

腎泌尿器科疾患の時間治療

演者

根来 宏光(筑波大学医学医療系 腎泌尿器外科学)

腎疾患時の心疾患の時間治療

演者

松永 直哉(九州大学薬学研究院薬物動態学分野)

時間創薬育薬の展望

演者

大戸 茂弘(九州大学大学院薬学研究院)

シンポジウム51

ファーマコメトリクスのさらなる展開3

12月11日(土) 14:45~16:45 第5会場

趣旨

ファーマコメトリクスの重要性はもとより、その利活用については製薬企業やアカデミアさらには規制当局も含めた活発な議論がなされ、国内では関連ガイドライン(母集団解析、曝露応答)も発出された。既に新薬の臨床開発では様々な観点で実用されている。State of Artの紹介、医療現場における活用までを含めた議論を期待する。

座長

熊谷 雄治(北里大学医学部附属臨床研究センター/北里大学病院臨床試験センター)

貝原 徳紀(日本イーライリリーサイエンティフィックデータソリューション&コミュニケーション部)

医療現場におけるPMx

演者

齊藤 順平(国立成育医療研究センター薬剤部)

臨床におけるファーマコメトリクス

演者

島本 裕子(国立循環器病研究センター薬剤部)

臨床開発におけるファーマコメトリクスの今  -パンデミックに対する貢献-

演者

長谷川千尋(MSD株式会社グローバル研究開発本部)

JSCPTサロン:新薬市販後の情報収集を担保するシステムとして

演者

貝原 徳紀(日本イーライリリー サイエンティフィックデータソリューション&コミュニケーション部)

シンポジウム52

新しい日常における治療継続のための取り組み

12月11日(土) 14:45~16:45 第6会場

趣旨

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、受診抑制や服薬の中断などが問題となっており、心血管病の発症やがんの進展など、COVID-19以外の重篤疾病への対応の遅れが指摘されている。特に生活習慣病に対する投薬では、厳格なコントロールを求める動きが加速する中で、コロナ禍における服薬アドヒアランスの低下が影を落としている。本セッションでは、診療や服薬を継続するための工夫や、それをモニタリングする方法などについて、専門家や企業の取り組みを紹介するとともに、リアルワールドにおける高血圧や糖尿病の管理、高齢者の問題などにも言及し、医療崩壊を防ぐ一助としたい。

座長

植田真一郎(琉球大学大学院医学研究科臨床薬理学講座)

勝谷 友宏(医療法人社団勝谷医院内科)

国内外で進むデジタル療法の取り組み

演者

桐山 瑶子(株式会社MICIN)

薬局薬剤師×ITによる新しい治療継続戦略

演者

中尾  豊(株式会社カケハシ)

新しい日常における服薬アドヒアランス改善 ~薬剤師による服用期間中のフォローアップへの期待~

演者

亀井美和子(帝京平成大学薬学部)

高齢者のポリファーマシー対策

演者

竹屋  泰(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻老年看護学)

J-DOMEからみた生活習慣病のリアルワールド

演者

江口 成美(日本医師会総合政策研究機構)

シンポジウム53

南東北病院における最先端医療

12月11日(土) 14:45~16:15 第7会場

趣旨

郡山市にある総合南東北病院はPET、陽子線治療、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)などの最先端医療機器を備えている民間病院である。BNCTは2020年6月から「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」について保険診療が開始され、BNCTのためのPETを行う専用施設として南東北創薬・サイクロトロン研究センターも新設している。新設されたPETセンターには半導体型PET-CT、GMPに対応したホットセル7基と薬剤合成装置、無菌アイソレーター等を備えて、創薬研究も開始している。大学病院を凌ぐ設備を有する南東北病院の医師・医学研究者に最新の最先端医療をご紹介いただき、新しい最先端医療を考える契機としたく考えている。

座長

田代  学(東北大学サイクロトロンRIセンター・サイクロトロン核医学)

松田 博史(福島県立医科大学生体機能イメージング講座)

最新PET(薬剤および装置)

演者

松田 博史(福島県立医科大学生体機能イメージング講座/南東北創薬・サイクロトロン研究センター)

ホウ素中性子捕捉療法-南東北BNCT研究センターこれまでの経験と現状

演者

高井 良尋(脳神経疾患研究所附属南東北BNCT研究センター)

南東北病院で行っている陽子線治療

演者

村上 昌雄(南東北がん陽子線治療センター)

ワークショップ

「新型コロナウイルス感染症と臨床研究・治験の現場」

12月11日(土) 8:50~10:50 第7会場

趣旨
座長

鈴木由加利(新潟大学医歯学総合病院  臨床研究推進センター)

井上 和紀(エイツーヘルスケア株式会社 臨床品質マネジメント部)

コメンテーター

武智 研志(松山大学薬学部医療薬学科)

八木 健太(徳島大学病院総合臨床研究センター)

感染症流行下における事業継続性(何ができるか)

演者

長谷山貴博(信州大学医学部附属病院 臨床研究支援センター)

品質を考慮した実施体制の工夫:リモートSDV

演者

井上 和紀(エイツーヘルスケア株式会社 臨床品質マネジメント部)

品質を考慮した実施体制の工夫:QMS

演者

小村  悠(国立がん研究センター東病院 臨床研究支援部門)

医師主導治験実施(調整、参加)における問題点や工夫

演者

佐藤 康敬(徳島大学病院 総合臨床研究センター)

できたこと、できなかったこと:今後への提案

演者

小笹 由香(東京医科歯科大学医学部附属病院 臨床試験管理センター)

ランチョンセミナー1

当施設でのglobal GE 治験薬GMP systemsに基づくアミロイドPET薬剤製造の立ち上げとアミロイドPET検査の有用性について

12月9日(木)11:45~12:35 第1会場

趣旨

当施設では[11C]-PIB薬剤を2007年、[18F]-Flutemetamol (FMM)薬剤を2012年から院内製剤を開始し、臨床研究としてアミロイドPET検査が行われている。PET薬剤の製造管理と品質管理はGMP関係規則等に基づき行われてきた。2014年に[18F]-FMMを用い抗アミロイド剤の国際共同治験を行うため、global GE 治験薬GMP systemsを構築し、[18F]-FMMのGE受託製造施設(GMO)と認証された。global治験薬GMP取得に至るまでの経緯について述べる。また臨床的に[18F]-FMM PET検査を[11C]-PIB PET検査と視覚的および定量的に比較検討し、PET画像に於けるAβ蛋白蓄積の描出について検証する。さらに当施設の自験例を基にアミロイドPET検査のアルツハイマー型認知症に対する有用性について述べる。

座長

金田 朋洋(東北大学大学院医学系研究科保健学専攻画像解析学分野)

演者

畑下 鎮男(湘南厚木病院)

共催:GEヘルスケアファーマ株式会社

ランチョンセミナー2

日本人に最適化したSNPアレイ「ジャポニカアレイ®NEO」の開発とそのファーマコゲノミクス研究への活用

12月9日(木)11:45~12:35 第2会場

趣旨

多因子疾患研究においては、標的とする民族集団に固有の遺伝子多型(SNP)を考慮したゲノム情報の収集が重要です。このため、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)では、日本人の全ゲノムリファレンスパネルから、同民族集団のSNP解析に最適化したジャポニカアレイ®を開発してきました。本アレイは、連鎖不平衡の情報にもとづくジェノタイプインピュテーション技術と組み合わせることにより、日本人のゲノム情報を高精度、安価、かつ効率的に収集することが可能です。最新版のジャポニカアレイ® NEOは、ジェノタイプインピュテーションによるゲノム網羅性の向上を図ることに加え、各種多因子疾患の既報リスクSNPや、ファーマコゲノミクス(PGx)関連SNPを搭載した疾患志向性アレイとして開発されています。本講演では、ジャポニカアレイ® NEOの特徴・性能に加えて、PGx研究への活用例についてもご紹介いたします。

座長

山口 卓二(サーモフィッシャーサイエンティフィックライフテクノロジーズジャパン株式会社)

演者

櫻井 美佳(東北メディカル・メガバンク機構基盤情報創成センター/GWASセンター)

共催:サーモフィッシャーサイエンティフィック ライフテクノロジーズジャパン株式会社

ランチョンセミナー3

分子標的薬時代のアトピー性皮膚炎と蕁麻疹治療における抗ヒスタミン薬の位置付け

12月9日(木)11:45~12:35 第3会場

趣旨
座長

新岡 丈典(弘前大学大学院医学研究科薬剤学講座)

演者

山﨑 研志(東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野)

共催:大鵬薬品工業株式会社

ランチョンセミナー4

片頭痛治療における抗CGRP抗体の役割~エムガルティ登場によるこれからの展望~

12月10日(金)12:30~13:20 第1会場

趣旨
座長

眞野 成康(東北大学病院)

演者

辰元 宗人(獨協医科大学病院医療安全推進センター)

共催:第一三共株式会社

ランチョンセミナー5

アレルギー性鼻炎における薬物治療の現状と展望

12月10日(金)12:30~13:20 第2会場

趣旨
座長

太田 伸男(東北医科薬科大学医学部耳鼻咽喉科学)

演者

岡野 光博(国際医療福祉大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科学)

共催:杏林製薬株式会社

ランチョンセミナー6

SMOの過去・現在・未来

12月10日(金)12:30~13:20 第3会場

趣旨

私が治験に関わるようになったのは、当時勤務していた臨床検査会社で治験事業部に配属されたことがきっかけである。旧GCPが施行される前年、1989年のことだ。CROもSMOもない時代で、治験について勉強しようと思っても講師がいるわけでなく、テキストもなかった。というわけで予習なしのぶっつけ本番――毎日が実施研修のようなものだった。気がつくと治験にどっぶり浸かっていて、2001年にSMOを立ち上げた。当時はブロックバスターが目白押しで、雨後のタケノコのようにSMOが設立された。私が会社を作った頃、SMOは30社程度だったが、全盛期には200社ほどあったと記憶している。早晩、治験バブルが弾けることは想像できたので、ある程度の企業規模がないと存続できないと考え、縁があってEPSグループに加わった。その後、CROの代表も努めたが、CRCのことが頭から離れることはなかった。CRCはわが国の治験の最大の功労者でキーマンであるはずなのに、その処遇・待遇はなかなか改善されず離職率も決して低くはない。CRCに長く働き続けてもらうためにどうすれば良いか、そろそろ関係者全員で考える時期に来ていると思う。CRCの頑張りなくして治験は語れない。そこで今回の講演では、CRCの話をメインに治験の歴史を振り返り、CROとSMO(=CRC)の現状を紹介し、治験業界の今後について、自社の取り組みを交えながら解説する。

座長

石澤 賢一(山形大学大学院医学系研究科内科学第三講座血液・細胞治療内科学分野)

演者

田代 伸郎(EPSホールディングス株式会社)

共催:EPSホールディングス株式会社

ランチョンセミナー7

薬物血中濃度モニタリングに薬物動態関連遺伝子多型情報を如何に活用すべきか

12月10日(金)12:30~13:20 第5会場

趣旨

近年、がん治療の分野においては、「がん遺伝子パネル検査」が登場し、個々の患者に最適な抗がん薬を選択できるようになってきました。しかし、薬物の個別化投与設計に資する薬物動態関連遺伝子多型検査については、ほとんど臨床応用されておりません。薬物血中濃度に影響を及ぼす遺伝子多型については、臨床研究において数多く特定されているため、今後、これらの情報を薬物血中濃度モニタリングに、積極的に活用していく必要があると考えられます。

座長

工藤 賢三(岩手医科大学附属病院薬剤部)

演者

新岡 丈典(弘前大学医学部附属病院薬剤部)

共催:株式会社日立ハイテク/株式会社日立ハイテクサイエンス

ランチョンセミナー8

血小板活性化因子(PAF)生合成調節メカニズムと疾患
〜アレルギーと神経障害性疼痛〜

12月11日(土)12:50~13:40 第2会場

趣旨

血小板活性化因子(platelet-activating factor, PAF)は血小板凝集能を持つ分子として発見されたが、強力なリン脂質メディエーターであり、アレルギー、炎症、神経障害性疼痛惹起や維持に関与する。我々が同定した2種類のPAF生合成酵素の一つは恒常的に働くリゾホスファチジルコリンアシル転移酵素1(LPCAT1)で、もう一つは細胞外刺激に応じてリン酸化(活性化)や発現上昇する誘導型のLPCAT2である。この2分子の関係はプロスタグランジンを合成するシクロオキシゲナーゼ (COX)1と2の関係に似ている。本発表では(i)リン脂質であるPAFの紹介、(ii)2種のPAF生合成酵素の比較とLPCAT2の調節メカニズム、(iii)PAF生合成とアレルギー、(iv)PAF生合成と神経障害性疼痛、(v)LPCAT2の阻害剤と構造予測について紹介する。PAFは1970年に発見され、1991年にPAF受容体、合成酵素は2007年、2008年に報告された。近年ようやく合成酵素欠損マウス表現系や阻害剤の情報が得られつつある。本セッションでは、生化学的な内容から遺伝子欠損マウス表現系を含めて議論したい。

座長

大久保公裕(日本医科大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器科学分野)

演者

進藤 英雄(国立国際医療研究センター脂質シグナリングプロジェクト)

共催:田辺三菱製薬株式会社/帝國製薬株式会社

ランチョンセミナー9

抗ヒスタミン薬の鎮静作用に関する科学的検討:脳PET研究と自動車運転パフォーマンス研究

12月11日(土)12:50~13:40 第3会場

趣旨

鎮静性抗ヒスタミン薬が脳に移行すると鎮静作用を引き起こし、知らず知らずのうちに仕事や学習の作業効率を低下させて、自動車運転ミスを誘発してしまうことがある。鎮静作用の強さを評価する方法としては、①主観的眠気や②客観的なパフォーマンス測定などが指標として用いられてきたが、眠気を感じなくてもパフォーマンスが低下している例もあり、一定の客観性が求められる。パフォーマンス測定では、コンピュータ試験や自動車運転試験などが実施されてきたが、全般的に多数の試験回数が必要となる。新たな評価方法として、服用した抗ヒスタミン薬が脳内へ移行した状態を、ポジトロン断層法(PET)を用いて、「脳内ヒスタミン受容体占拠率」として測定することも可能である。PETを用いることで、鎮静作用が弱い抗ヒスタミン薬の微妙な差を比較することもできる。また、自動車運転は日常的な動作ではあるものの、かなり高度な神経情報処理が必要とされている。脳画像科学を生かして運転能力低下の脳内メカニズムを解明することで、効果的な事故予防策が開発される可能性もある。本セミナーでは、実験室環境におけるコンピュータ試験や野外自動車運転試験、運転シミュレータ試験の結果に加えて、PETによる脳画像研究の成果をご紹介させていただきつつ、抗ヒスタミン薬を用いた治療に関する理想的なストラテジーについて情報提供させていただきたい。

座長

石澤 賢一(山形大学大学院医学系研究科内科学第三講座血液・細胞治療内科学分野)

演者

田代  学(東北大学サイクロトロン・RIセンターサイクロトロン核医学研究部)

共催:Meiji Seika ファルマ株式会社

ランチョンセミナー10

加熱式たばこのリスク低減可能性を探る

12月11日(土)12:50~13:40 第4会場

趣旨

鎮静性抗ヒスタミン薬が脳に移行すると鎮静作用を引き起こし、知らず知らずのうちに仕事や学習の作業効率を低下させて、自動車運転ミスを誘発してしまうことがある。鎮静作用の強さを評価する方法としては、①主観的眠気や②客観的なパフォーマンス測定などが指標として用いられてきたが、眠気を感じなくてもパフォーマンスが低下している例もあり、一定の客観性が求められる。パフォーマンス測定では、コンピュータ試験や自動車運転試験などが実施されてきたが、全般的に多数の試験回数が必要となる。新たな評価方法として、服用した抗ヒスタミン薬が脳内へ移行した状態を、ポジトロン断層法(PET)を用いて、「脳内ヒスタミン受容体占拠率」として測定することも可能である。PETを用いることで、鎮静作用が弱い抗ヒスタミン薬の微妙な差を比較することもできる。また、自動車運転は日常的な動作ではあるものの、かなり高度な神経情報処理が必要とされている。脳画像科学を生かして運転能力低下の脳内メカニズムを解明することで、効果的な事故予防策が開発される可能性もある。本セミナーでは、実験室環境におけるコンピュータ試験や野外自動車運転試験、運転シミュレータ試験の結果に加えて、PETによる脳画像研究の成果をご紹介させていただきつつ、抗ヒスタミン薬を用いた治療に関する理想的なストラテジーについて情報提供させていただきたい。

座長

髙橋 伯夫(医療法人華頂会琵琶湖養育院病院)

リスク低減製品に関する規制と評価手法

演者

岡田健太郎(日本たばこ産業株式会社たばこ事業本部)

加熱式たばこの製品特徴と非臨床評価結果について

演者

岡田健太郎(日本たばこ産業株式会社たばこ事業本部)

加熱式たばこの健康懸念物質への曝露について

演者

熊谷 雄治(北里大学医学部附属臨床研究センター)

共催:日本たばこ産業株式会社

ランチョンセミナー11

医療機関主体DXで変わる最新の治験推進施策

12月11日(土)12:50~13:40 第5会場

趣旨

近年、薬剤開発コストの上昇が大きな問題となっている。規制要件の確立や、それに対応する方法論は、いい加減な対応を許さず必要な経費は増えている。しかし、経費削減を必要としている治験依頼者が、実施側に対し費用軽減や、費用算定の公正性等を厳しく求める方向性が強くなってきている。こうした時代背景の中では、実施側の治験運用の効率化や、実施している仕事のリアルタイムな集計とデータ提供が重要となる。このためには各種手順をデジタル化する(DX)ことが必須である。DXの確立には、確かな技術をもった企業と、本当に必要な課題を提供できる施設の共同作業が重要となる。現在、当院においてBuzzreach社との間で、いままで手作業に依存していた業務を自動化し、効率化する事を目標とした新たなシステム構築を試みており、本講演では、この具体的な内容を紹介する。本システムでは、医療機関としての課題を抽出し、CRC・被験者・連携する各部門・治験依頼者など、全ての関係者が一つのシステムを通じ、自動的に情報を連携する仕組みの構築を目指しており、治験管理のプラットフォームとして有用となると考えている。また治験効率化の一つとして被験者確保の手段提供に関して、周辺医療機関と連携し相互に被験者候補を紹介する仕組み(サテライトサイト構想)のシステム化にも取り組んでいる。

座長

佐藤 典宏(北海道大学病院臨床研究開発センター)

演者

石井 智徳(東北大学病院臨床研究推進センター)

共催:株式会社Buzzreach

ランチョンセミナー12

NGS プラットフォームによる新しいプロテオミクス時代の幕開け

12月11日(土)12:50~13:40 第6会場

趣旨

オーリンクプロテオミクス社 (本社、スウェーデン) が開発したProximity Extension Assay (PEA) 法は、抗体ベースのアフィニティーアッセイと次世代シーケンサーによる検出を組み合わせたユニークなタンパク質マルチプレックス解析であり、タンパク質バイオマーカー探索にとって革新的な技術です。同技術の特徴は、数μLのごく微量のヒト血漿・血清サンプルから最大で約3000種のタンパク質を1度に定量解析すること、血中サイトカインやケモカインといった低発現タンパク質も高感度に検出できること、高サンプルスループットかつ低コストで解析ができることなどが挙げられ、質量分析計など従来の手法では難しかった課題を解決する新しい臨床プロテオミクス技術です。本セミナーでは、弊社Field application specialist、加藤悠より、PEA法の概要を紹介した後、大阪大学医学部附属病院高度救急センター、松本寿健先生より、PEA法を活用した臨床研究事例として、重症新型コロナ感染症の新規バイオマーカー開発に関する研究成果をご発表頂きます。

座長

阿部 高明(東北大学医工学研究科/医学系研究科)

Proximity Extension Assay (PEA):NGS プラットフォームによる高感度プロテオミクス解析

演者

加藤  悠(オーリンクプロテオミクス株式会社)

4つの血漿主要タンパク(WFDC2,CHI3L1,GDF15,KRT19)の組み合わせによる重症新型コロナ感染症の新規バイオマーカー開発:Olink Explore 1536を用いたプロテオミクス解析

演者

松本 寿健(大阪大学医学部附属病院高度救急センター)

共催:オーリンクプロテオミクス株式会社

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