会長挨拶

第42回
日本臨床薬理学会
学術総会
会長 谷内 一彦
(東北大学大学院医学系研究科・機能薬理学分野 教授)

第42回日本臨床薬理学会学術総会会長を仰せつかりました東北大学大学院医学系研究科・機能薬理学分野の谷内一彦です。第42回日本臨床薬理学会学術総会を、2021年12月9日(木曜日)から12月11日(土曜日)までの3日間、仙台国際センター(宮城県仙台市)において開催させていただくことになりました。歴史ある本学術総会の会長を担当させていただきますこと、誠に光栄であるとともにその責任の大きさを強く感じております。

日本臨床薬理学会は有効でかつ安全な薬物治療の恩恵を受けられるように、学術的貢献および社会的貢献に資する目的で、1980年に設立されました。臨床薬理学は、合理的薬物治療を志向する学問で、薬物治療の有効性と安全性を最大限に高め、最良の治療を提供することを目指しています。合理的薬物治療を実践するためには、「創薬と育薬」のための臨床試験に関する科学、個々の患者の病態に合わせて薬力学的側面および薬物動態学的側面からの合理的薬物投与設計等の構築、患者と医療者との信頼関係の形成が重要となります。このために日本臨床薬理学会は臨床研究と治験の体制整備に関して、全国的な普及・啓蒙活動を活発に行ってきました。

今回の日本臨床薬理学会学術総会は、東北で初めての開催でありテーマを最近の話題である「Open Innovationへの挑戦」としました。これまでと同様に第42回日本臨床薬理学会学術総会でもあらゆる医療関係者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、CRC、検査技師、放射線技師、AROなど)、関連企業、規制当局等でご活躍の方々にお集まりいただき、幅広い臨床薬理学に関する発表を基に討論や情報交換をしていただき、最新の知見を吸収していただく場を設定いたします。このような視点から、特別講演、教育講演、シンポジウム、ワークショップ、海外研修報告、合同セミナー、ランチョンセミナー、一般発表、他学会共催セミナー、臨床薬理学講習会、男女共同参画セミナー、臨床薬理振興財団賞授与・受賞講演、海外研修員帰朝報告会、臨床薬理学講習会などのプログラムを予定しております。

私にとりましても臨床薬理学会への積極的参加を通して、薬理学分野教授就任した1998年から東北大学における治験・臨床研究の基盤整備に尽力し、日本における臨床研究倫理審査システムや利益相反管理体制の構築に関与してきました。第42回学術総会会長の重責を果たして2022年3月末に東北大学を定年退職する予定ですので、私の個人史の集大成と考えて企画を充実させたく考えています。

現在、世界各国で新型コロナウイルスが猛威をふるっています。新興感染症の拡大は、人類にとって大きな試練の時ではありますが、大きな変革の時機と考えて積極的に新しい取組に邁進していきたく考えています。現状では通常での対面での開催を予定しておりますが、今後の感染状況の急激な変化や緊急事態宣言の再発令などの場合には、ハイブリッド開催となることをご理解いただけますと幸いです。第42回日本臨床薬理学会学術総会の企画をご理解頂き、多くのご参加を賜りたく、ここに謹んでお願い申し上げる次第です。第42回学術総会に一人でも多くの皆様と仙台の地で直接にお会いできることを楽しみにしております。

敬白

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