会頭挨拶

細矢 光亮

第125回日本小児科学会学術集会
会頭 細矢 光亮
(福島県立医科大学 小児科学講座 教授)

この度、第125回日本小児科学会学術集会を2022年4月15日(金)~17日(日)の3日間にわたり福島県郡山市で開催させていただくことになりました。東日本大震災後はじめての東北地区での開催にあたり、巨大地震・巨大津波・原子力災害を経験した福島県での開催をお認めいただきましたこと、心より感謝申しあげます。

2011年3月11日、東日本は巨大地震に見舞われ、太平洋沿岸部は巨大津波に襲われました。特に福島県は、大地震と津波の浸水により全電源を喪失した東京電力福島第一原子力発電所の事故により、我が国ではこれまで経験のない原子力災害を被ることになりました。まさに未曽有の出来事であり、「海図なき航海」とでも呼ぶべき状況にあり、しばらくの間は「走りながら考え、立ち止まることなく実行する」が続きました。それから10年が経過しましたが,被災地は未だ大震災・原発事故からの復興途上にあります。これまで進んできた航路の良否が問われているところです。

東日本大震災から9年が過ぎた2020年、前年に武漢で発見された新型コロナウイルスが瞬く間に全世界に拡散しました。これは現代になり初めて経験する新興感染症のパンデミックであり、当初は「海図なき航海」を強いられました。飛沫感染予防(マスク着用、三密の回避)や感染連鎖の遮断(ロックダウン、緊急事態宣言)にはじまり、重症化の病態や重症化リスクの解明、予防・治療法(特にワクチン)の開発など、人類の叡智の結集により海図を得て、進むべき航路が見えてきています。

この度の学術集会におきましては、「東日本大震災・原発事故への対応と大災害からの復興」と「COVID-19への対応」を例にして、未曽有の大災害にどのように向き合ったかを振り返り、採られた対策を検証する機会にしたいと思います。そして、この経験を基にして、少子高齢化、疾病構造の変化、医療の地域格差、貧困、虐待、いじめなど、小児を取り巻く様々な課題の解決に向けた海図を探索し、すべての子どもたちの平和で健康な未来に繋げたいと願い、本学術集会のテーマを「すべての子どもたちの幸せな未来のために」としました。皆様の叡智をお貸しください。

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