第5回日本在宅医療連合学会大会

ご挨拶

第5回日本在宅医療連合学会大会
大会長 中島 孝
(独立行政法人国立病院機構新潟病院 院長)

 令和5年(2023年)6月24日(土)・25日(日)に朱鷺(とき)メッセ(新潟コンベンションセンター、新潟市)において、第5回日本在宅医療連合学会大会を開催いたします。
 本学会は2019年5月に日本在宅医療学会と日本在宅医学会が連合し、会員数4,000名を超える日本最大の在宅医療学術団体となりました。本学会の実践の場は、病院ではなく、患者と家族の居宅や病院外の生活の場です。医師を含む医療と生活支援を行う多専門職種チームの活動によって「治し支える医学的支援」を実践し、その経験・技術の共有、教育研修、学術研究を行っています。第1回大会(東京)は2019年に6,000名が参加して開催され、第2回大会はCOVID-19対策からWEB形式で行いパンデミックでの在宅や施設での医療課題の解決を行いました。第3回大会ではエビデンスを基にした「在宅医療学」に向けた歩みも開始しました。第4回は、在宅医療という町づくりに関わる地域医師会・自治体・市民のチャレンジに焦点を当て神戸で開催しました。

 第5回大会では、日本での在宅医療の歩みの中で実践してきた、往診・訪問診療、在宅での緩和ケアと難病ケア、在宅看取りケアの3つの発展の上に、さらに第4の在宅医療―病院以外の居宅などの場での医療内容の充実―を目指すさらなる一歩を踏み出すための議論を行います。在宅医療とは、医療は本来病院が望ましいがやむなく在宅で行う医療としてではなく、病院や入院では不可能な、人を生活の場で治し支える専門的な実践であり、それを通して、人は真に生きる力、すなわち、ダイナミックで適応的な能力である本来の健康を取り戻すための医療です。そのために、最新の薬物療法等は非入院でも必須であり、その効果を高め安定させるためには、在宅やホテル療養においても、診察し、バイタルサイン収集と症状観察を24時間、日時によらず可能とする必要があります。そのための医療工学・福祉工学・ICTの進歩と利用が必須と考えます。これらの検討によって、病院中心の医療に陥っている現状を脱構築(déconstruction)できれば、人にとって真に必要な、在宅医療と病院医療の両者の再構築が可能になると考えます。
 第5回大会は「今ここに求められる在宅医療の創造−緩和・難病そして薬・機器・人の融合」をテーマとし、特別シンポジウムとして「医療政策としての在宅医療―第8次医療計画への序章」〜「地域包括ケアにおける在宅医療を支える様々な施策と取り組み」を開催し、本学会の理事と国レベルの担当者とのディスカッションも行います。今必要な内容を教育講演、シンポジウムにまとめ、皆さまの活動や研究を紹介する一般演題企画も充実させました。今後の発展のための企画も満載し、地域、関連団体、関連学会からの後援、合同企画だけでなく、製薬企業、医療機器企業、介護福祉など産業界からの積極的な後援、共催を得て、夢と希望に満ちた大会を目指しています。WEBで遠隔からの視聴・Q&Aも可能としますが、感染症対策を行った上で、多数で多様な参加者が、食と自然に恵まれた新潟に、実際に集うことで、知見を深めこの領域をさらに盛り上げていける様にしました。多数の御参加をお待ちします。

令和4年(2022年)6月

第5回大会長 中島 孝
(独立行政法人国立病院機構新潟病院 院長)
副大会長 井手口 直子
(帝京平成大学薬学部薬学科 教授 大学院薬学研究科薬学専攻 教授)
副大会長 中山 優季
((公財)東京都医学総合研究所社会健康医学研究センター 難病ケア看護ユニットリーダー)
新潟県プログラム委員会 
塚田 芳久(新潟県医師会参与)、小柳 亮(新潟県医師会理事)