第45回日本高次脳機能障害学会学術総会/2021年12月9日(木)・10日(金)/ビッグパレットふくしま/佐藤 睦子(一般財団法人脳神経疾患研究所附属 総合南東北病院 神経心理学研究部門 科長)

会長挨拶

2021年12月9日(木)〜10日(金)、ビッグパレットふくしま(郡山市)において、第45回日本高次脳機能障害学会学術総会を開催させていただきます。我が国における高次脳機能障害支援事業は2001年度からモデル事業として始まりました。支援活動の基盤は“情動を鎮める”ことなのではないかと常々考えておりますことから、大会テーマを「情動を揺り動かすもの、鎮めるもの −高次脳機能障害対応の手がかりを求めて−」としました。

一方、本学会は、設立当初の名称が「日本失語症学会」でありましたように、失語症をはじめとする高次脳機能とその障害について学ぶ学会であり、当初より失語症の症候理解ならびに支援に資することを目的としてきたと認識しております。失語症支援については、2017年度より失語症者向け意思疎通支援事業が稼働しております。本学術総会では、そのような社会情勢を背景にした特別講演やシンポジウムを企画しました。また、日本神経心理学会と共同で立ち上げた「臨床神経心理士」に関するシンポジウムも設けました。さらにはミニ・セミナーをはじめ「謎解き実践講座」と銘打った参加型のプログラムも用意いたしました。ご参加の皆様にはこれらの企画を存分に楽しんでいただければ幸いです。

日々の活動の中で見つけた“情動”その他の“気づき”について多くの演題が寄せられ、多数のセッションが組めますことを願っています。ポスターセッションにおいては「優秀ポスター賞」を設けますので、口演では語りきれない内容を是非ポスター演題としてご発表いただきたくお願いいたします。なお、本学術総会ポスターを作成してくださったイラストレーター柴本礼氏は、高次脳機能障害の方々に見られる不穏な状態・安定した状態など多くの場面を、福島ゆかりの絵柄とともに画面いっぱいに表現してくださいました。一つ一つ鑑賞していただければ嬉しい限りです。

高次脳機能障害支援モデル事業の開始から今年でちょうど20年。そして、今年は東日本大震災からちょうど10年です。この節目の年に本学術総会を主宰させていただくことに微かな情動の揺らぎを感じざるを得ません。皆様には、高次脳機能障害支援、失語症支援、復興支援にお力添えをいただきたく、この機会に陸奥(みちのく)福島の地、郡山を是非ご訪問くださいますようご案内申し上げます。会期の12月はちょうど日本酒が美味しい季節です。運が良ければ雪見酒を楽しむこともできるかと思います。心よりおもてなしをさせていただきたく関係者一同お待ち申し上げております。初冬の郡山で皆様にお会いできますことを楽しみにいたしております。

一般財団法人脳神経疾患研究所附属 総合南東北病院
神経心理学研究部門 科長
佐藤 睦子

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