会長挨拶

日本アレルギー学会 第12回総合アレルギー講習会のご案内
~Total Allergistをめざして~

 2026年春、総合アレルギー講習会は港町・横浜(パシフィコ横浜ノース)にて第12回を迎えます。

 アレルギー疾患は、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、花粉症など、多様な臓器にわたり発症する「臓器横断的」疾患であり、その診療には内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科など、異なる専門領域の知見と連携が不可欠です。また近年では、免疫療法や生物学的製剤の進展とともに、アレルギー診療の高度化・複雑化が進んでおり、真に患者に寄り添った医療の提供のためには、領域横断的な視点と技術を併せ持つ「Total Allergist」の育成が急務となっています。

 本講習会は、そうしたTotal Allergistを志す皆さまのために設計されており、講義では基盤領域の枠を超えて幅広いアレルギー学を学び、実習では日常診療に直結する技術とノウハウを“体験”として修得できる機会を提供します。総合アレルギー講習会は、単なる知識の習得の場ではありません。各専門領域の垣根を越え、共通言語としての「アレルギー学」を通じて、互いの視点を学び合い、明日からの臨床に生かすことができる“学びの交差点”です。

 今回の会場である横浜では、みなとみらいの夜景が私たちを迎えてくれます。本講習会のポスターには、その輝くビル群を背景に選びました。それぞれのビルは、異なる専門性を持つ医師たちを象徴しており、講習会の場で交わることで、新たな気づきと連携が生まれていく様子を表しています。講習会が終わった夜にも、各分野の医師が語り合い、経験を共有し、時に将来の共同研究や診療連携が芽生える――そんな情景を思い描きながらデザインしました。

 本年は、講義・実習共に現地参加を基本とする形式(講義は、後日オンデマンド配信あり)で実施いたします。現地参加ならではの熱量、講師との直接的な対話、そして全国の志ある仲間たちとの出会いは、オンラインでは得難い貴重な体験となるでしょう。

 多くの方々にとって、この講習会がアレルギー診療の新たな一歩となり、それぞれの現場で活かされる知と技を得る機会となることを心より願っております。皆様のご参加を、横浜の地でお待ちしております。

一般社団法人日本アレルギー学会
第12回総合アレルギー講習会会長
総合アレルギー講習会委員会副委員長
近藤康人
(藤田医科大学ばんたね病院総合アレルギーセンター小児科)
近藤康人