第51回日本脳卒中の外科学会学術集会
会長 清水宏明
(秋田大学大学院 医学系研究科 脳神経外科学講座)
この度、第51回日本脳卒中の外科学会学術集会を担当させていただき、大変光栄に存じております。秋田大学としては、第34回(2005年)、当時の溝井和夫教授以来の主催となります。教室員一同、実りある学会にすべく鋭意努めておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
本学術集会は3学会合同のStroke2022の一つとして、すでにご案内の通り、“スマートコングレス”の形で開催いたします。会期前後のWEB企画は、なかなかまとまった時間をとれない中堅・若手の先生方にとって、参加機会を増してくれることと期待します。会期中の現地開催は、一学会一会場であり、各学会が精選したプレナリーシンポジウム等にじっくりご参加いただけることを期待しております。
本学術集会は、3つの会長指定を除き、多くのシンポジウムテーマを公募しました。個々の演題も一部の指定を除き、377のシンポジウム公募演題からプログラム委員の厳正な審査を経て採用決定し、Stroke2022のテーマである「明日へのシナリオ」にふさわしい、11の現地プレナリーシンポジウムと4つのWEBライブシンポジウムを組むことができました。
一般口演はオンデマンドで視聴いただく予定ですが、事前収録の際、一般視聴者からの質疑を含め、できるだけ臨場感のある収録を予定しています。デジタルポスターもオンデマンドを予定していますが、ポスターでじっくりみていただける演題が多数並んでいます。演題を応募いただいた全ての先生に感謝申し上げます。
これらテーマや演題の公募とその審査について、プログラム委員の先生方には大変ご尽力いただき誠にありがとうございました。また、卒中会長ご挨拶にありますように、宮本会長、森岡会長、石井事務局長はじめプログラム幹事会の先生方にも、1年以上にわたりお世話になり、本当にありがとうございました。
また、今回、虚血発症の頭蓋内内頚動脈解離について、学会支援研究としてアンケート調査させていただきました。この疾患は稀ですが、小児・若年者に多く、入院後の薬物療法下にも急激な悪化をきたすことがあります。そのような症例を一例でも減らすために何ができるか検討し、会長講演にて報告させていただきます。調査にご協力いただいた全国の諸先生に心より感謝申し上げます。
脳卒中の外科の実臨床では、脳血管内治療のウェイトが大きくなり、本学術集会でも大きな割合を占めています。また、基礎研究・臨床研究の成果が蓄積し、脳動脈瘤、急性期脳梗塞、もやもや病など、科学的知見をもとに臨床を組み立てる必要性がさらに重要となっていることもここ数年の大きな進歩と思います。こうした中で、開頭手術はむしろ高いレベルが要求されるようになり、日々の症例から、また、こうした学会からいかに濃厚な学びを得るかがこれまでにも増して重要になっていると感じます。
また、そのためにも、最後に頼りになるのは基本的なことをいかに確実にできるかであろうということを思いながら準備を進めて参りました。
私事ではありますが、長年教育をうけさせていただいた東北大学脳神経外科には吉本高志教授の時代から、日本脳卒中の外科学会事務局がありましたので、血管障害を専門とする身には、本学会は常に身近な存在でした。中でも2003年以降の数年間、同事務局幹事をさせていただき、法人化に携わったことは、その後の仕事において大きな財産となりました。この間、事務局の冨永悌二先生、初代理事長 橋本信夫先生はじめ、全国の本学会役員諸先生を中心にたくさんのご指導をいただきました。心より感謝申し上げます。
本学術集会は、コロナ・災害対応の一つの形として、これまでにない開催形式となりますが、時間的・空間的広がりを、何卒、縦横にご利用いただけると幸いに存じます。ご参加の皆様に有意義な時間を過ごして頂けるよう努めて参ります。4月までどうぞよろしくお願い申し上げます。