皆様におかれましては、コロナ禍の最中大変なご苦労をされていると想像しつつこの挨拶文を作成しています。心よりのお見舞いと今後できるだけ早期の感染沈静化をお祈りする次第です。

今回、第56回内分泌外科学会会長を拝命しました九州大学大学院医学研究院　臨床・腫瘍外科の久保 真でございます。15年間事務局庶務として、会費等の管理や開催のお世話をさせていただいて参りました。また、当教室が主宰致しますのは、第32回田中雅夫先生（名誉教授）、第43回黒木祥司先生以来3度目であり、大変な栄誉であると同時に、責任の重さを痛感しております。

専門分野が細分化され、専門医取得が最優先される昨今、サブスペシャリティの基盤となる学会は多くありますが、九州外科学会・九州小児外科学会・九州内分泌外科学会のように、心臓、血管、肺、消化器、移植、小児外科、乳腺、内分泌など様々な分野の外科医が一堂に会する機会は少なく大変貴重な場となっております。研修医セッションをはじめ若手外科医の登竜門、研鑽の場としてばかりでなく、専門医・指導医の先生方におかれましても広く交流の場としてご利用いただければ幸いに存じます。

本学会は地域に根ざし、患者さんに貢献するための基本学会と考えております。エビデンスやガイドラインは理解していても、個々の患者さんに配慮した治療ができなければ、「森をみて木を見ない」ことになります。「まず、個々のケースがあり、治療選択がある」という立場に立てば、ひとつひとつの症例報告がどれほど貴重なものであるかわかります。日頃の苦労をご披露していただき、参加者の方々と情報を共有し議論していただければこれほどの喜びはありません。良き日になりますよう何卒よろしくお願い申し上げます。