会長ご挨拶

三浦 裕正 第71回日本職業・災害医学会学術大会
会長 三浦 裕正
独立行政法人労働者健康安全機構 九州労災病院 院長

 このたび、第71回日本職業・災害医学会学術大会を2023年12月9日(土)、10(日)の2日間、福岡市のアクロス福岡におきまして開催させて頂きますことを大変光栄に存じております。
 本学会は昭和28年開催の「災害医学研究会」を嚆矢に、改称と発展を重ねながら、災害ならびに職業性疾病に関する臨床医学的研究により、医学の発展および勤労者の福祉に大きな役割を果たしてきました。
 このような本学会の伝統を守り、実りあるものとなりますよう九州労災病院のスタッフを中心に構成した実行委員が一丸となって、鋭意準備を進めてまいりました。お陰様で一般演題113題とたくさんのご応募を頂戴し、すべてを採択させていただきました。様々な分野の専門家や研究者、看護師、コメディカルの方々が集まる本学会を最先端の情報交換の場にしたいと考えております。
 今回、学会テーマを「人生100年時代を見据えた勤労者医療」に据えました。内閣府が発表した2022年版高齢社会白書によると、わが国の高齢化率は28.9%と世界でも類を見ない超高齢社会に突入しており、2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳に到達すると推計されています。総人口に占める労働力人口の割合は、2014年の約52%から2060年には約44%に低下することから、働く人よりも支えられる人が多くなると予測されており、経済学者のアンドリュー・スコット氏の試算によれば、100年の人生を生きるためには、人は少なくとも75才から85才まで働かなければならないと述べています。内閣府においても、2017年から人生100年時代構想会議を設置し、リカレント教育、高齢者雇用、社会保障制度等についての議論を継続しています。
 このような状況を鑑み、基調講演として前福岡労働局長の安達栄様に「人生100年時代、急増する高年齢労働者の行動災害の予防のために ~日本職業・災害医学会の皆様への期待~」というタイトルでお話しを頂きます。また、特別講演としまして独立行政法人労働者健康安全機構の有賀徹理事長に「人生100年時代における勤労者医療」、前産業医科大学学長の尾辻豊先生に「産業医が行う職場での総合診療:病産連携の重要性」、一般社団法人東京健康リハビリテーション総合研究所代表理事の武藤芳照先生に「高年齢労働者の転倒・転落事故、予防の実践と社会啓発」をお願いしております。その他、会長講演、教育講演3題、シンポジウム13セッション、ランチョンセミナー5題等、多岐にわたるプログラムを予定しています。また、FC今治オーナーの岡田武史氏とのトークショーも企画しておりますので、どうぞ楽しみにして頂ければと思います。
 本学会の長い歴史の中で、福岡市での開催は第5回以来、2回目であります。12月の福岡は美味しいグルメが溢れています。学会を通じて、その魅力も存分に楽しんで頂きたいと思います。
 それでは、初冬の福岡で、たくさんの旨いものと共に皆様の御来福を心よりお待ちしています。