プログラム
2024.10.25時点
「演題検索システムKcon-navi」のご利用について
第45回日本肝臓学会東部会の抄録の閲覧は、WEB版の「演題検索システムKcon-navi」をご利用ください。本システムでは、演題検索の他に、タイムテーブルや会場の確認、スケジュール管理等の機能もございます。
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利用期間:2024年11月6日(水)~2025年1月7日(火)
なお、IDとパスワードは第45回日本肝臓学会東部会のプログラム(冊子)に掲載しております。
特別講演
特別講演1
胆管疾患を研究して半世紀
司会: | 持田 智 | 埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科 |
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演者: | 中沼 安二 | 福井県済生会病院 顧問・病理部長 |
特別講演2
腸肝軸を介した腸内細菌叢が関わる肝疾患の病態解明
司会: | 小池 和彦 | 公立学校共済組合関東中央病院 |
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演者: | 大谷 直子 | 大阪公立大学大学院医学研究科分子生体医学講座病態生理学 教授 |
招請講演
招請講演1
日本におけるAIH研究の歴史
司会: | 滝川 一 | 帝京大学医療技術学部 |
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演者: | 銭谷 幹男 | 国際医療福祉大学大学院 教授/赤坂山王メディカルセンター 名誉院長 |
招請講演2
野口英世はなにを見たのか
司会: | 大平 弘正 | 福島県立医科大学消化器内科学講座 |
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演者: | 下村 健寿 | 福島県立医科大学病態制御薬理医学講座 主任教授 |
シンポジウム
シンポジウム1脂肪性肝疾患を探究する
司会: | 徳重 克年 | JCHO東京城東病院消化器内科 |
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考藤 達哉 | 国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター | |
池嶋 健一 | 順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学 |
近年、脂肪性肝疾患からの肝がんは増加しており、大きな健康問題となっている。これらの肝がんは、ウイルス性肝がんのように炎症から線維化、発がんという単純な病態進展様式に該当せず、発がんに多くの要因が関与している。従来、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)という病名が用いられていたが、2023年6月、欧米の肝臓病学会主導で新たな病名(MASLD/MASH)が提唱された。本シンポジウムでは、MASLD/MASHを脂肪肝と栄養代謝異常を病態形成の根幹とする進行性多要因肝疾患として捉え直し、脂肪毒性、アミノ酸・脂肪酸代謝異常、腸内細菌、遺伝要因、肝臓微小環境等の観点から迫る病態・治療研究、更に病名変更によるスクリーニングや病診連携方針等への臨床的インパクトなど、幅広い内容についてご応募いただき、議論を深めたい。
シンポジウム2進行肝細胞癌の薬物治療
司会: | 加藤 直也 | 千葉大学大学院医学研究院消化器内科学 |
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黒崎 雅之 | 武蔵野赤十字病院消化器内科 | |
井上 淳 | 東北大学消化器内科 |
3種類の免疫療法を含む8レジメンが登場したことで、進行肝細胞癌に対する薬物療法の選択肢は大きく広がった。また薬物療法導入後に局所制御を目指すconversion therapyや、放射線療法や肝動注化学療法を駆使した集学的治療も行われ、治療は多様化している。一方で、肝細胞癌の腫瘍学的切除可能性分類が示され、borderline resectable、unresectableの境界線が定義されたことにより、borderline resectableに対するupfrontな薬物療法導入の是非、あるいは薬物療法導入後のconversion therapyを施行するタイミングや腫瘍条件など、新たな視点や基準も浮き彫りになった。本シンポジウムでは進行肝癌に対する薬物治療の成績、基礎的研究、conversion therapyや集学的治療の現状について発表いただき、長期予後を改善していくための個別化治療戦略について、議論したい。
シンポジウム3ウイルス性肝炎:展望と課題
司会: | 四柳 宏 | 東京大学医科学研究所附属先端医療研究センター感染症分野 |
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坂本 直哉 | 北海道大学大学院医学研究院消化器内科学教室 | |
朝比奈靖浩 | 東京科学大学消化器内科 |
ウイルス性肝炎に対する抗ウイルス療法は飛躍的に進歩したが、HCVのeliminationへの道筋は未だ遠く、肝線維化や門亢症など不可逆な病態もある。また、HBVは完全排除が未だ困難である。HCV排除後やHBV制御下であっても、代謝要因や、宿主ゲノム異常の蓄積、ウイルス遺伝子挿入やエピゲノム変化の持続、あるいは肝線維化や細胞機能障害の残存などにより、肝発がんや病態進展のリスクは依然として健常人より高い。ウイルス肝炎における発がんや病態形成機構には不明な点が多く、それに基づく治療法の開発や、病態を評価しうる新たなバイオマーカーの探索も十分ではない。一方、ウイルス肝炎にはA型からE型が存在し、それぞれ感染様式、病態、予後は多様であり、治療法・予防法の課題も異なる。そこで本シンポジウムでは、ウイルス性肝炎における病態の本質解明と、問題を克服する新規治療法の開発や診療上の対策について、基礎と臨床との両面から最新の研究成果について議論し、ウイルス肝炎の今後の展望と課題について浮き彫りとしたい。
シンポジウム4肝硬変合併症のマネジメント
司会: | 名越 澄子 | 埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科 |
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吉田 寛 | 日本医科大学消化器外科学 | |
厚川 正則 | 日本医科大学消化器内科学 |
近年、代償性・非代償性肝硬変に対する内科的治療やIVRさらに外科的治療は飛躍的な進歩を遂げている。非代償性も含めた肝硬変患者に対する抗ウイルス療法や栄養療法、肝性浮腫・腹水に対する薬物治療や外科的治療、不顕性を含めた肝性脳症の診断や治療介入の是非、門脈血栓症、サルコペニアの診断や治療介入、筋痙攣、皮膚瘙痒症などのQOL低下の改善策、血小板減少症の薬物治療、門脈圧亢進症に伴う肺動脈性肺高血圧症の疫学やスクリーニング法、ビタミンD欠乏症に対する補充療法、静脈瘤や脾機能亢進に対するIVRあるいは外科的治療などに関する様々なエビデンスが構築されている。しかし、このような肝硬変の合併症に対する様々なマネジメントが患者の長期予後やQOLの改善にどのように寄与しているかについては不明な点も残されている。本シンポジウムでは将来の肝臓病学を担う若手の研究者を中心に肝硬変合併症マネジメントにおける最新の研究成果について幅広く発表いただきたい。
パネルディスカッション
パネルディスカッション1薬物性肝障害のマネジメント
司会: | 榎本 信幸 | 山梨大学医学部消化器内科 |
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加川 建弘 | 東海大学医学部消化器内科 | |
田中 篤 | 帝京大学医学部内科学講座 |
薬物性肝障害(DILI)は中毒性、特異体質性、および特殊型に分類される。特異体質性DILIについては2023年に診断のためのスコアリングシステムが19年ぶりに改訂され、RECAM-J 2023として発表された。これによってDILIの診断が標準化され、国際比較も可能となった。一方、RECAM-J 2023は多施設の症例による更なるvalidationが必要であり、軽症DILIや漢方薬・自然食品によるDILIに対する妥当性は確認されていない。小児や慢性肝疾患患者に発症するDILIにも対応しているが、これらに対する妥当性についても今後の検討が必要である。特殊型についてはやはり2023年、免疫チェックポイント阻害薬による肝障害の診断指針案が策定され、治療指針の作成も検討される中、各施設からの多くの臨床情報の提供が必要である。タモキシフェンなどによる肝障害も対処方針について十分なコンセンサスはない。本パネルディスカッションでは、主に以上のような課題について議論を深めたい。多数の演題応募を期待している。
パネルディスカッション2急性肝不全・ACLFの現状と課題
司会: | 中山 伸朗 | 埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科 |
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玄田 拓哉 | 順天堂大学医学部附属静岡病院消化器内科 | |
柿坂 啓介 | 岩手医科大学内科学講座消化器内科分野 |
広汎な急性肝障害は、正常肝では急性肝不全を、慢性肝疾患ではACLFを引き起こす。急性肝不全およびACLFでは肝生理機能が著しく低下するため、その予後は不良である。救命率向上には、初診を担う市中病院と集学的治療施設、内科と外科など施設・分野を跨いだ情報共有が必須である。加えて内科治療の限界と移植医療の適応を共通認識とすることが望ましい。また、肝再生や病態解析を目指したトランスレーショナルリサーチ(TR)とその臨床応用もドナー肝不足対策や新規治療戦略構築に重要である。人工肝補助療法や成因に応じた治療方針の標準化は施設間差を是正しうる。本パネルディスカッションでは、移植を含めた集学的治療の工夫や限界、地域医療と連携した重症化症例に対する診療の経験や取り組み、重症化予測や治療標準化の試み、TRによる先進的研究など多彩な切り口で演題を応募いただき、明日の急性肝不全・ACLF診療や研究に有益なディスカッションの場になることを期待する。
パネルディスカッション3肝細胞癌:局所療法の進歩
司会: | 上野 義之 | 山形大学医学部内科学第二講座 |
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建石 良介 | 東京大学大学院医学系研究科消化器内科学 | |
近藤 泰輝 | 仙台徳洲会病院肝臓内科 |
近年免疫チェックポイント阻害薬の登場によって、肝細胞癌の治療領域では、全身薬物療法に注目が集まっている。一方で、従来行われてきた肝切除、アブレーション、TACEやHAIC、放射線治療などの局所療法も全身薬物療法との住み分けや共存が論じられるようになってきた。根治治療が適応外となるような進行癌症例に対して、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬のような全身薬物療法を行い、腫瘍の縮小が得られた後に局所療法を施行する治療戦略も考えられる。この治療戦略により、腫瘍免疫が誘導され、予後が向上する可能性も示唆されている。本パネルディスカッションでは、それぞれ単独での肝癌局所療法の工夫から併用治療の工夫、生命予後だけではなく、QOL上昇の試みなど、広く演題を応募いただきたい。肝癌治療における局所療法の可能性を探り、今後の肝癌治療成績向上につながるような発表を期待したい。
ワークショップ
ワークショップ1肝画像診断とバイオマーカーの進歩
司会: | 坂元 亨宇 | 国際医療福祉大学医学部 |
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芥田 憲夫 | 虎の門病院肝臓内科 | |
黒田 英克 | 岩手医科大学内科学講座消化器内科分野 |
肝疾患領域における個別化医療の実現には非侵襲的な画像診断とバイオマーカーの開発が必須である。如何にイメージングマーカーやリキッドバイオプシーが病理診断に近付けるか、そして予後や治療効果の予測に繋げることができるのかが問われている。特に、肝癌の個別化医療に基づく診断と治療、脂肪性肝疾患の肝生検に代わる非侵襲的な診断、B型肝炎のウイルスマーカーを用いた病態把握などは代表的な課題といえる。更に、遺伝子やタンパク質解析のようなプラットフォームを用いた分子バイオマーカーの探索も行われている。画像や病理の領域においてはAI診断やradiogenomics、morphogenomicsといった遺伝子情報と組み合わせることによる革新的な技術も開発されている。本ワークショップでは個別化医療を視野に入れた非侵襲的な肝疾患診療における画像診断とバイオマーカーの進歩に関して議論したい。基礎、臨床問わず多数の精力的な演題応募を期待する。
ワークショップ2肝臓外科治療の進歩
司会: | 海野 倫明 | 東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座消化器外科学分野 |
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調 憲 | 群馬大学大学院医学系研究科総合外科学講座肝胆膵外科分野 | |
長谷川 潔 | 東京大学大学院医学系研究科臓器病態外科学肝胆膵外科 |
肝癌に対する肝切除や肝移植の短・長期成績向上に向けた進歩は著しい。短期的には腹腔鏡下やロボット支援下の肝切除による低侵襲化やICG等を用いたナビゲーションによる成績の向上が報告されている。長期成績においては、肝移植適応基準の拡大によって従来は適応外であった患者が肝移植をうけることが可能となったことや肝細胞癌や肝内胆管癌に対する薬物療法の進歩に基づく新たな集学的治療による治療成績の向上が期待されている。日本肝癌研究会と日本肝胆膵外科学会によって発出された腫瘍学的切除可能性分類(Expert Consensus 2023)は、肝切除を中心とした集学的治療を念頭に置いた分類であり、新たな集学的治療の構築による成績向上に向けての第一歩となった。その分類の検証とそれに基づく集学的治療の構築は急務である。このような背景から、本ワークショップでは最近の肝臓外科に進歩に関する幅広い演題を募集し、今後の更なる発展の方向性について活発な議論を期待したい。
ワークショップ3自己免疫性肝胆疾患を探究する
司会: | 梅村 武司 | 信州大学医学部内科学第二教室(消化器内科) |
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高橋 敦史 | 福島県立医科大学消化器内科学講座 | |
中本 伸宏 | 慶應義塾大学医学部消化器内科 |
自己免疫性肝胆疾患の原因は不明であるが、近年の患者ゲノム解析や腸内細菌由来のメタゲノムデータ解析をはじめとしたバイオインフォマティクスの進歩により病像が徐々に明らかとなってきている。一方、わが国では原発性胆汁性胆管炎に続き、自己免疫性肝炎と原発性硬化性胆管炎の患者レジストリの運用が昨年より開始され、各疾患における詳細な診療実態の解明が期待される。しかし、現在の臨床現場においては患者の診断や治療に難渋することも珍しくない。本ワークショップでは自己免疫性肝胆疾患に関する病態・診断・治療と幅広く演題を募集する。多数の応募から多面的に「自己免疫性肝胆疾患を探求する」ことで明日からの診療や研究への糧としたい。
ワークショップ4アルコール関連肝疾患の現状と課題
司会: | 寺井 崇二 | 新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野 |
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谷合麻紀子 | 東京女子医科大学消化器内科 | |
芳賀 弘明 | 山形大学医学部内科学第二講座 |
アルコール関連肝疾患診療は新たな展開を迎えている。NAFLDの呼称変更に伴い、中間的な飲酒量の脂肪性肝疾患患者について新しいカテゴリーとしてMetALDが設けられ、飲酒量の把握がより重要になってきている。しかし、問診等で飲酒状況を正確に把握することは難しく、客観的な飲酒状況の把握のために%CDT値が飲酒バイオマーカーとして欧米では推奨されているが、わが国では保険収載を目指したさらなるエビデンス構築と、診療現場での普及啓発が今後重要になる。治療については、従来の断酒に加え、飲酒量低減が選択肢として加わりハームリダクションの概念が普及しつつあり、飲酒量低減薬としてナルメフェンが使用可能となった。一方、ACLFの原因としてアルコール性肝硬変が半数以上を占めており、重症型アルコール性肝炎を含め、今後内科的治療の確立が重要になる。本ワークショップでは、アルコール関連肝疾患に関する最新の知見や臨床経験を共有し、診療の向上に寄与する討議を期待している。
特別企画
エキスパートセミナー1
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司会: 乾 あやの 済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科 ウイルソン病の病態と診療
演者: 原田 大 産業医科大学第3内科学 シトリン欠損症
演者: 早坂 清 山形大学医学部小児科 -
司会: 神田 達郎 新潟大学医歯学総合病院魚沼地域医療教育センター消化器内科 肝疾患と胆汁酸
演者: 本多 彰 東京医科大学茨城医療センター共同研究センター 食から肝臓病を見つめ直そう=栄養学へのいざない=
演者: 田中 直樹 信州大学医学部国際医学研究推進学国際交流推進室
エキスパートセミナー2
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司会: 脇田 隆字 国立感染症研究所 ウイルス肝炎の動向
演者: 須田 剛生 北海道大学医学部消化器内科学教室 脂肪性肝疾患の新しい分類とリスク評価
演者: 三浦 光一 自治医科大学内科学講座消化器内科学部門 -
司会: 椎名秀一朗 順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学 非侵襲的肝病態評価法と臨床応用
演者: 玉城 信治 武蔵野赤十字病院消化器内科 造影超音波による肝病態評価-造影超音波検査が魅せる世界-
演者: 阿部 珠美 岩手医科大学内科学講座消化器内科分野