第52回日本心臓血管外科学会学術総会

会長挨拶

会長:鈴木孝明

第52回日本心臓血管外科学会学術総会
会長 鈴木 孝明
埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓外科

この度、第52回日本心臓血管外科学会学術総会を開催させていただくことになりました。この様な機会を頂きましたこと、大変な名誉と感じておりますとともに、会員の皆様に心より感謝申し上げます。

今回の学術総会のテーマは「BEYOND THE BOUNDS」としました。領域を越え、限界を越え、現状に留まる事なく考え行動して次の時代に進んで行こう、と言う思いを託しました。外科医個人は勿論のこと、わが国全体の心臓血管外科分野のレベルアップのためには、既成の概念に捉われず現状に満足することなく常に新しい事にチャレンジしていく事が大切だと思います。国内外の叡智を結集し、活発な討論を通じ、次のステージへの第一歩であったと位置づけられる様な有意義な学術総会にしたいと思っております。

演題募集につきましても会員の皆様に御礼申し上げます。昨年7月〜9月の募集期間に、コロナ第5波真っ最中にも関わらず900題近い演題登録をいただきました。誠にありがとうございました。今回、4領域(成人心臓・大血管・先天性・血管外科)それぞれに多くの主題セッションを設け、具体的なセッション概要を掲示し、皆さまに積極的な演題登録をお願いしてまいりました(パネルディスカッション13・シンポジウム7・ビデオシンポジウム2・ワークショップ10・ビデオワークショップ2・pitfall& Bounce backセッション4)。また、中堅、若手の先生が主題セッションで発表出来る機会を増やしたく、例年よりも指定演者の数を絞り込ませて頂きました。その結果、多数の素晴らしい応募演題をいただき、多くの主題セッションで応募演題のみによる魅力的なセッション構成を作り上げることができました。また、領域を越えるというテーマに因み、4領域を横断するテーマでの領域オープンセッションを企画いたしました。診療領域の細分化、専門化が進むことは個々の領域の進歩発展に貢献していることは確かですが、成人先天性心疾患の外科治療など、診療領域を越えたmultidisciplinaryなアプローチが必要な疾患群が増えてきた事も事実です。また、他領域のエキスパートから学べる機会を作る事も重要と考えました。技術と知識の交流に期待が高まります。ぜひ現地での活発な討論にご参加いただきたく存じます。

海外からは20人の演者をお招きいたします。当初は日本に来ていただけることを期待しておりましたが、この一ヶ月で急速に新型コロナ感染症の拡大が進み、現地参加は事実上不可能となりました。これにより、海外演者の方々にはリモートでの登壇をお願いすることとなりましたが、どの海外招請講演も可能な限り隣接する主題セッションのテーマと揃うテーマでのご講演をお願いしました。主題セッションと連動した魅力的なご講演を拝聴できるものと思いますのでどうぞご期待ください。

各委員会からはとてもタイムリーなテーマで12の特別企画を企画して頂きました。いずれも心臓血管外科医が現在直面しているホットな話題です。その中でも、特に心臓血管外科学会として力を入れて取り組んで来た患者安全・医療の質の向上・ JCVSD・心臓血管外科専門医制度については、個々の目標を達成すべく活動して行く過程で、これらが連携する事により更なる大きな成果が得られることが分かってきました。現状を整理し、いかに連携し今後進んでいくべきなのかをテーマにした『患者安全・医療の質の向上・ JCVSD・専門医制度 連携を考える』を指導医講習とさせて頂きました。

国内からの招請講演は初代AMED理事長を務められた元慶應義塾大学医学部長の末松 誠先生にお願いいたしました。卓越した表現力でAMED設立に絡んだお話をしていただけると思いますのでどうぞご期待ください。

また今回は特別ゲストにゴルフの宮里 藍プロ そして 聖志プロのご兄妹をお招きいたしました。「BEYOND THE BOUNDS」をメインテーマに兄妹での楽しいトークをお願いしております。私は自他ともに認めるゴルフ愛好家でして、常々ゴルフと外科手術には多くの共通点があると思っておりました。日本を離れ厳しいLPGAの勝負の世界を勝ち抜き、世界ランキング1位に到達するまでの藍プロの道のり、お二人なりのトラブル時の乗り越え方など、ゴルフとは無縁の先生方にとっても、心臓血管外科医の成長に必要な経験談やアイデアをお話し頂けると思いますのでどうぞご期待ください。

会期は2022年3月3日(木)〜5日(土)の3日間で、パシフィコ横浜ノース(神奈川・横浜)を会場に開催いたします。新型コロナ感染症は2022年に入り、ついに第6波が訪れています。こうしたことは予め想定されたため大きな会場を選択し、感染対策を検討してまいりました。まず、パシフィコ横浜ノースの会場は非常に広く、定員の半数の座席配置とした際も第1会場は約700席、他会場は400席〜200席を収容可能です。企業展示場には50社を越える企業が出展いたしますが、展示会場も広いスペースを確保してあります。会場内での一般の方との接触を避けるために今回は全館貸し切りと致しました。パシフィコ横浜ノースの広い空間は「密集」を避けることができると考えております。少しご不便をおかけしますが、会場内動線を工夫することでさらに密集を回避し、体温チェックや手指消毒などを徹底いたします。

この2年間、われわれ外科医や共に働く多くの医療者の仕事は、決してリモートでは務まらないことを改めて確かめることができました。オンラインでのプレゼンテーションや意見交換の環境はコロナ禍において急速に整い、本学術総会でもそれを享受することになります。その一方で学会場において活発に行われる対面での質疑応答や、知人・友人との何気ない出会いから始まる新しい挑戦や人の流れは現地開催の魅力であることも思い出すことができました。ぜひ横浜で、久しぶりの現地開催を楽しんでいただければと思います。

国内外の叡智を結集し、多くの皆さまにご参加・ご発表をいただき活発な討論を期待いたします。そして、次のステージへの第一歩であったと位置づけられるような充実した学術総会を皆さまとともに作り上げていきたいと願っております。どうぞよろしくお願いいたします。

会期当日は横浜でお目にかかれることを心より楽しみにしております。

どうぞよろしくお願いいたします。

2022年2月14日

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