会長挨拶会長挨拶

植木浩二郎 この度、第67回日本糖尿病学会年次学術集会をお世話させていただくことになりました国立国際医療研究センターの植木でございます。東京開催は、2018年に宇都宮一典先生が会長をされた第61回年次学術集会以来6年ぶりとなります。今回の年次学術集会は、初めて日曜日を含む3日間としているなど、これまでにない試みもいくつかご用意して、実り多い年次学術集会となりますよう、国立国際医療研究センター研究所・診療科一同力を合わせて準備を進めているところです。
 近年の治療の進歩によって、糖尿病と共に生きる人の合併症発症率、死亡率は大幅に改善しています。しかしながら、糖尿病を持つ人は食事、運動、服薬、注射など様々な日常生活上気をつけなければならないことがあります。また、少なからぬ人が、糖尿病という疾患に対する誤解や理解不足からくるいわれのない社会的差別や、スティグマに苦しんでいます。このような状況の根本的な解決法は、糖尿病を治癒できる疾患にすることであり、それが日本糖尿病学会の大きな使命であると考えられます。勿論、その目標の達成には多くのブレイクスルーが必要で、まだまだ時間がかかるかもしれません。ただ、「糖尿病」という疾患が待つ負のイメージを社会からも糖尿病を持つ人からもなくすことは、今でも我々医療従事者の努力によって可能です。そこで今回の年次学術集会のテーマを、「『糖尿病』のない世界を目指して〜糖尿病学の挑戦〜」とさせていただきました。様々な職種の方々、これから糖尿病学・糖尿病診療に携わることを目指す方々、あるいは糖尿病を持つ方、持たない方にとっても、今回の年次学術集会のテーマに込めた思いを共有していただけるよう、様々なセッション・イベントを用意できればと思っております。
 多くの方々のご参加をお待ちしております。

第67回日本糖尿病学会年次学術集会 会長 植木 浩二郎
国立国際医療研究センター研究所 糖尿病研究センター