会長挨拶

浅野 文祐

会長挨拶 第2報 2022年3月24日

 この度、第45回日本呼吸器内視鏡学会学術集会を2022年5月27日(金)、28日(土)に長良川国際会議場、都ホテル岐阜長良川(岐阜市)において開催させていただくにあたり、あらためてご挨拶を申し上げます。伝統ある本会を主宰させていただくこと、大変光栄に存じております。

 本学術集会のテーマは「ナビゲーション!—統合へ—」です。現時点での最新の技術や情報を提示するとともに、どのように新たな目標を立てていくか、会員の先生方に考えていただくナビゲーターとなるような学術集会を目指しました。このために過去最大規模である計10名の海外講師をWEB招聘いたしました。教育講演では内科、外科、放射線科、病理科の相互理解と連携に視点を置いてテーマを選び、シンポジウム・ワークショップではプログラム委員をはじめ多くの先生方のご支援をいただき、トピックスだけでなく、問題点に対して本音を話し合えるテーマも採用いたしました。

 呼吸器内視鏡に特化した学会ですので、手技の開発・普及、症例検討にこだわりました。恒例の第34回気管支鏡セミナー、ハンズオンセミナー、寺子屋式気管支鏡読影セミナーに加えて、これまでで最多となる合計7つのセミナーを用意いたしました。気管支鏡手技セミナーはEBUSモーニングセミナー後継の新企画ビデオワークショップで、手技の創意工夫を論じていただきます。寺子屋式症例検討セミナーでは気道狭窄、EBUS-TBNAに関して会場参加方式で症例検討会を行い、実地臨床で使える対応を学ぶことができます。会長企画セミナーではニューノーマル時代の技術指導と題して、EBUS-TBNA、EBUS-GSについてウェアラブルカメラを使用した臨床動画で症例提示と解説を行います。ハンズオン(GSK医学教育事業助成)は、事前に模擬ハンズオンを行い、ウェアラブルカメラや各種内視鏡デバイスなどを使用して収録した7つのマルチ画像動画コンテンツを、無料で視聴できるようにいたしました。ランチョンセミナー、イブニングセミナーの他に、デバイスを用いた企業共催ブースセミナー(現地のみ)も予定しております。

 会員の皆様には多くの演題をご応募いただき、心より感謝申し上げます。ポスター発表は昨年同様オンデマンド配信のみとなりますが、今回は動画での発表配信といたしました。なお本学会は現在、社団法人化、支部会計一体化や気管支鏡レジストリー事業が計画されており、会期中の評議員会や総会で審議されます。このように学会が統合に向けてナビゲートされていく局面に際して、学会活動への理解を深めていただけるように、会長講演や会長特別企画、レジストリー委員会報告を予定しました。

 本学術集会は新型コロナの現状を考え、ハイブリッド(現地会場とWEB)開催といたしました。Withコロナのニューノーマル時代の学会運営として、現地参加では十分な感染対策を行って安全に参加できるだけでなく、一体感と臨場感を味わうことができるように工夫し、地方都市での開催ならではの記憶に残る学術集会を目指します。さらに、ライブ配信やオンデマンド配信を駆使しWEB参加でも満足いただけるように配慮いたします。

 岐阜市は名古屋からJRで約20分のところに位置します。会場は目の前を清流長良川が流れ、対岸にそびえる金華山の頂上には織田信長が居住した岐阜城が見える、風光明媚な場所に位置しております。5月は新緑が映える美しい季節で、1300年の歴史と伝統のある長良川鵜飼いが例年開催されます。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げるとともに、岐阜の地でお会いできますことを楽しみにしております。

岐阜城
金華山

会長挨拶 2021年7月8日

 まず初めに、新型コロナウイルス感染拡⼤に伴い、ご尽⼒されている多くの医療者の皆様に⼼より敬意を表します。

 この度、第45回日本呼吸器内視鏡学会学術集会を2022年5月27日(金)、28日(土)に長良川国際会議場、都ホテル岐阜長良川の両会場において開催させていただくこととなりました。岐阜市での開催は初めてとなり、とても光栄に存じております。

 本学術集会のテーマは「ナビゲーション!—統合へ—」としました。技術革新や新たな発想は突然生じるのではなく、多くは既存の考えや技術の組み合わせ、つまり統合から起こるといわれています。技術面では、たとえば私共が20年前に本学会で提唱した仮想気管支鏡ナビゲーションは、極細径気管支鏡や超音波診断と組み合わせされることで、広く使われるようになり保険承認にも至りました。さらにこの技術はロボットやアブレーションと統合されて、いわゆるRobotic bronchoscopyとして海外では治療に用いられようとしています。情報の統合も重要で、本学会でも症例のレジストリーが検討されております。年間7万件を超える気管支鏡データの統合解析により解決すべき課題がより明確になりますが、どのようにシステムを構築し実現にこぎ着けるかが課題です。ナビゲーションには、現在地の確認と目標地の設定が必須です。現時点での最新の技術や情報を提示するとともに、それをどのように組み合わせて新たな目標を立てていくか、会員の先生方に考えていただくナビゲーターとなるような学術集会にしたいと考えております。

 現在、日本呼吸器内視鏡学会の会員数は7,000名を超え、呼吸器内科、呼吸器外科、放射線科、病理診断科、小児科、麻酔科、耳鼻咽喉科など幅広い診療科から医師、メディカルスタッフの方々が参加しています。また、本学会の根幹となる気管支鏡の診断・治療技術の普及のために、本学会は専門医制度をもち約2,900名の専門医、約1,500名の指導医を擁しています。本学術集会では、例年のような気管支学や呼吸器内視鏡学に関わる幅広い学術的なテーマに加え、内視鏡診療の現場における課題にスポットを当て、実践的で魅力あふれる企画を考えております。海外講師による講演や専門医養成のためのセミナー、ハンズオンも予定しています。参加者の皆様にとって有意義な会になりますよう準備を進めて参りますので、どうぞご期待ください。