会長挨拶

第51回日本脳卒中学会学術集会 ご挨拶

第51回日本脳卒中学会学術集会
会長 飯原 弘二
(国立循環器病研究センター)

 第51回日本脳卒中学会学術集会会長を拝命しました、国立循環器病研究センターの飯原弘二でございます。歴史ある本学術集会を担当させていただき、大変光栄に存じます。今回のSTROKE2026の主題を、「脳卒中克服への挑戦:次なる10年の展望」とさせていただきました。循環器病対策基本法の成立に向けて、日本脳卒中学会が日本循環器学会と合同で、「脳卒中と循環器病克服5ヶ年計画」を策定し公表したのが、2016年です。
 過去10年間、国家的見地から学会として、健康長寿社会の実現に向けて、医療体制の充実と登録事業の推進を中心に取り組みを進めてきました。この10年はいわば土台作りの期間であり、法整備が進み、PSCが認証され、レジストリや医療の質の改善プログラムが整い、急性期脳梗塞に対する再開通療法などの治療の標準化が進みました。これは、まさに先人たちが流した汗と涙の結晶です。
 現在、私たちは歴史的な転換点にあります。超高齢社会が進み、働き手が急速に減少しています。脳卒中は、予防から救急、急性期医療、回復期医療、リハビリテーション、在宅介護などまで、包括的医療体系の確立が求められています。脳卒中は、一人の卓越したプレーヤーが救える病気ではなく、職種の壁を超えた「One Team」の力が必要です。救急隊から始まり、医師、看護師、リハビリ療法士、薬剤師、ソーシャルワーカー、そして地域の介護職へとつながる、このリレーが1分1秒でも、一箇所でも滞れば、患者さんの未来は変わってしまいます。可能性の限界に挑むには、チームの信頼が必要です。
 未来への希望は、データとテクノロジーで、「社会の中の脳卒中医療をデザインする」ことしかありません。「脳卒中になったら、健康な人生が失われる」時代を、私たちの代で終わらせるためには、どのように次なる10年の脳卒中医療・医学をデザインすれば良いのでしょうか?そのような想いで、3学会合同シンポジウムでは、個別化医療を推進するゲノミクス、再開通療法、脳出血、リハビリテーション、ビッグデータとAI、デジタルヘルス、多職種によるチーム医療、循環器病対策と政策医療等を取り上げました。他に、脳卒中学会シンポジウム17セッション、教育講演31セッション、共催セミナー43セッションと、充実した内容となりました。これもひとえに、プログラム委員の皆様の多大なるご支援のおかげです。また文化講演では、京都大学公共政策大学院教授の中西 寛先生に、「戦後秩序の終わりと21世紀世界秩序の展望」について、ご講演をいただきます。
 今回の学会で、皆さんが目にするロードマップは、現在のシナリオにしか過ぎません。未来の脳卒中の克服へ向けては、テクノロジーの力をかりて、試行錯誤を繰り返しながら、現場のリーダーシップで、医療の変革をアジャイルに導く皆さんの意思と力が必要です。開催形式は、ハイブリッド開催といたしますが、特に次世代を担う若い会員、多職種の皆様が現地に参加され、活発な討論に加わって頂きたいと考えています。
 「過去には感謝を、現在には信頼を、未来には希望を」(オットー・フリードリッヒ・ボルノウ)。会員の皆さんどうぞよろしくお願い申し上げます。

第55回日本脳卒中外科学会学術集会 ご挨拶

第55回日本脳卒中の外科学会学術集会
会長 髙木 康志
(徳島大学大学院医歯薬学研究部 脳神経外科学分野)

 第55回日本脳卒中の外科学会学術集会を開催するにあたり、大会長としてご挨拶を申し上げます。本会は2026年3月12日から14日の3日間、STROKE2026として、第51回日本脳卒中学会(国立循環器病研究センター 飯原弘二先生)と第42回SAH/ スパズム・シンポジウム(埼玉医科大学国際医療センター脳卒中外科 栗田浩樹先生)と合同開催させていただきます。STROKE2026全体の主題は、「脳卒中克服への挑戦:次なる10年の展望」です。
 脳卒中の外科治療は、血管内治療が主流となり、かつてと異なった様相を呈しています。しかし、逆に手術適応や手術法など直達手術の役割は、ますます重要となっているともいえます。手術機器の進歩に関しては、外視鏡手術の標準化が進み、術中画像解析や術前シミュレーションなどの面で新たな技術が導入されています。また、社会情勢としては、ポストコロナの時代となり、少子高齢化、地域格差の問題がさらに顕在化し、地域間で症例経験数や偏りの問題も生じています。このような中で、日本において脳卒中の外科をどのように展開していくべきかを2026年の現状を踏まえた上で、皆さまと検討できる会としたいと考えています。
 おかげさまで多数の演題が集まり、海外招聘講演:4セッション、日本脳卒中学会との合同シンポジウム:17セッション、脳卒中の外科のシンポジウム/ビデオシンポジウム:15セッション、教育講演:19セッション、一般口演:51セッション、ポスター:38セッションとなりました。
 本会が会員の皆様にとって有意義な会となることを期待しております。数多くの皆さまのご参加をお願い申し上げます。皆さまと大阪でお目にかかれる日を楽しみにしております。

第42回SAH/スパズム・シンポジウム ご挨拶

第42回SAH/スパズム・シンポジウム
会長 栗田 浩樹
(埼玉医科大学国際医療センター脳卒中外科)

 第42回SAH/スパズム・シンポジウムを担当させて頂きます埼玉医科大学国際医療センターの栗田浩樹です。ご指名を賜り、伝統ある学術集会をお世話させて頂く事を教室員一同、大変光栄に存じております。先達が築き上げられた本会の歴史に恥じぬよう、一生懸命準備をして参りました。
 STROKE2026の共通テーマを鑑みて、今回は本会も「スパズム克服への挑戦—次なる10年への展望」を主題に議論を深めます。エンドセリン受容体拮抗薬の認可により、本邦におけるスパズム治療が大きく変化した昨今、最新の知見を含めて多くの先生方に改めて様々なSAHの病態に関する開かれた討論の場を提供し、その原因、機序、治療について思量して参りたいと思います。また、第一線の若手・中堅医師を招いて、諸外国のスパズム管理の現況についても報告して頂きます。本シンポジウムは例年通り大会初日に開催されますが、大会2日目には日本集中治療学会との、3日目には看護師との合同シンポジウムも開催されますので、集中治療医や栄養管理、看護師の目線を加えて、現在のスパズム治療を再評価したいと思っております。
 第51回日本脳卒中学会学術集会・飯原弘二会長、第55回日本脳卒中の外科学会学術集会・高木康志会長とともに、麗春の大阪で皆様にお会いできる事をとても楽しみにしております。STROKE2026が、10年後のSAH治療を想造すべく、今後を担う若手研究者を鼓舞し、ベテランの先生には受け継がれるべきanti-SPASM spiritを熱いメッセージとして発信して頂く機会となれば存外の喜びです。
 さあ、熱い議論を始めましょう!