第39回日本臨床栄養代謝学会学術集会

会長挨拶

会長:鷲澤尚宏

第39回日本臨床栄養代謝学会学術集会(JSPEN2024)
会長 鷲澤 尚宏
東邦大学医学部臨床支援室 教授
東邦大学医療センター大森病院
栄養治療センター 部長・教授

時下、みなさまにおかれましては、ますます御隆昌にてお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます。

さて、このたび、伝統あるJSPENの第39回日本臨床栄養代謝学会学術集会会長を拝命することになりましたので、ご挨拶させていただきます。2024年2月15日(木)〜16日(金)に横浜市のパシフィコ横浜ノース、およびアネックスにて、年次学術集会を開催いたします。

JSPENは1970年に完全静脈栄養研究会として産声を上げたあと、1998年に「日本静脈経腸栄養学会」として設立されましたので、人工的栄養法である経管栄養や静脈栄養と強い関係が有ります。しかし、会の発展に伴い、摂食嚥下障害への対策をはじめ、機能障害に対するリハビリテーションと特殊栄養療法や高度侵襲期の患者や癌患者における治療を支援する栄養療法、そして、病院のみならず地域包括ケアシステムにおける食支援や調理の研究へと対象は大きく広がっております。2013年の法人化に伴い一般社団法人日本静脈経腸栄養学会となり、2020年より名称を変更、一般社団法人日本臨床栄養代謝学会として現在に至っておりますが、「JSPEN(ジャスペン、ジェイスペン)」の略称は変わることなく、多くの皆さんに親しまれております。会員数はどんどん増加し、現在23,000人を超える世界最大のPEN Societyに成長したことで、国際的にも注目されています。ヨーロッパのESPEN、アメリカのASPEN、アジアのPENSA、中国のCSPEN、韓国のKSPEN等とも深い交流があり、本学術集会でも、海外の情報を共有できる場を提供したいと考えております。

私は1986年に東邦大学医学部外科学第1講座に入局しましたが、東邦大学にはもともと内科には多くの臨床栄養学の指導者がいらっしゃったため、その影響もあり、外科と救急における栄養法を勉強するチャンスを頂きました。1990年代の後半に「チーム医療」を知り、診療科の壁、職種の壁を超えた臨床栄養の構築に興味を持ったのをきっかけに、JSPENのNST(栄養サポートチーム)プロジェクトに参加することになりました。今では広く知れ渡っているNSTも、当時は特別なエネルギーを持って開拓する必要がありましたので、苦労の多い分野でしたが、本学会の先輩方のご指導をいただき、理事としてNST委員会の委員長を務めるに至りました。当時から、医療を総合的にとらえ、すべての診療科を対象として、治療に貢献する本学会の姿勢は、現代の包括ケアシステムの構築における、まさに先駆けであったと感じています。そして、現在、会員として活躍されている皆さんの顔ぶれは、数多い栄養関連学会の中でもナンバー1だと感じているのは私だけではないと思います。

2020年に突然猛威を振るい始めた新型コロナウイルス感染症で、学術集会のスタイルは大きく変容し、本学会も第35回、第36回、第37回と現地での対面会議や懇親会を制限せざるを得なくなりました。しかし、感染対策の検討を重ねた今、現地に集まる楽しさを思い出した皆さんのために、2024年2月にはパシフィコ横浜ノースでの開催を中心とした学術集会が実現できるように、スタッフ一同、一所懸命、方策を練っております。そこで、今回のテーマは「All Together」とし、仲間が皆で集まって議論し合う喜びを表現したいと思います。2年間は、温かい、春に開催されてきましたが、2024年は再び冬の開催となります。会員のみなさんをはじめ、ご関係の皆様、そして普段からお世話になっている企業の皆さんの元気を集めることで、パシフィコ横浜ノースを暖色に変えてみたいと思います。

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