会長あいさつ

第63回日本肝臓学会総会
会長 日浅 陽一
愛媛大学大学院 医学系研究科 消化器・内分泌・代謝内科学
この度、第63回日本肝臓学会総会の会長を拝命いたしました愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学の日浅陽一と申します。2027年6月10日(木)および 11日(金)に、愛媛県松山市にて学術集会を開催することになりました。歴史ある日本肝臓学会の総会を会長として担当させていただくことは大変光栄であり、御推挙を賜りましたことに心より感謝申し上げます。
開催地の松山は、明治期において、正岡子規の俳句で文学界をリードした文化の町であり、司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」で、紹介されている町そのものであります。小説の一節にあります「のぼってゆく坂の上の青い天に、もし一朶(いちだ)の白い雲がかがやいているとすれば、それのみをみつめて、坂を登ってゆくであろう」。まさに肝臓病学は大きな転換期を迎え、各分野において、ゴールを目指して一途にそれを追い求め、達成していく時期にあります。
学会のテーマとして、その「坂の上の雲をめざして」とさせていただき、肝臓病学の多方面における分野の一指標となるべく、プログラムを準備しています。海外より、第一線の方々に松山に来ていただき、情報をご教示いただくとともに、これからを担う若手医師の肝臓病学の啓発、そして患者さんの適切な拾い上げから治療への導線を確立するべく多職種ならびに病病・病診の連携、肝癌の薬物治療ならびに超音波など画像診断治療技術の向上と標準化、肝癌治療・肝移植を取り巻く内科・外科の連携、さらに基礎的なエビデンスから創薬を目指すサイエンスを実感できる内容を企画しています。また愛媛は「栄養の父」佐伯矩が生まれた地であり、肝疾患病態栄養専門管理栄養士による「治療としての栄養療法」の確立は、今後の肝疾患の診療に重要と考えます。そして撲滅を目指すウイルス性肝炎は、肝炎政策ならびに矯正医療との連携、患者様との対話が求められており、これらに取り組むセッションも企画しています。開催場所は、愛媛県民文化会館とその周囲の施設で、松山市中心部と道後温泉で有名な道後地区との中間点にあり、交通の便の良い、松山を実感していただける地域になります。
数年に一度全国集計している「肝硬変の成因別分類」は、これまで当科の初代教授の太田康幸先生が第27回日本肝臓学会総会で、二代教授の恩地森一先生が、第44回日本肝臓学会総会で取り組まれました。C型肝炎の減少とMASLD、ALDの増加など、成因は大きく刻々と変化しており、最新統計は今後の肝臓病学を考える上でも大変貴重な資料となります。三代教授としてぜひ取り組ませていただきたく、全国の施設の先生方に広くご協力を賜ることができましたら幸いに存じます。
また今回の開催は日本、台湾、韓国の肝臓学会とのJoint Symposium (EALA)を合同開催いたします。台湾、韓国を含むアジアの多くの参加者が松山に集っていただける貴重な機会になると期待しています。
ぜひ多くの演題をご投稿いただき、道後温泉よりも熱い、様々な多様で活発な議論で「坂の上の雲をめざして」、多くの基礎的・臨床的研究課題を乗り越える成果が得られ、参加いただく方々が松山に来て良かったと思っていただける学会にできればと願っております。
実りある総会となりますようにご協力を賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。
