第31回日本小児整形外科学会学術集会

大会長挨拶

第31回日本小児整形外科学会学術集会オンライン開催にあたって

2020年12月3日~5日名古屋にて開催を予定しておりました第31回日本小児整形外科学会はCOVID-19のパンデミック禍による皆様の健康や不安を考慮して、オンライン開催とさせていただくことにいたしました。会期は12月3日(木)~21 日(月)としました。会場での熱い対面議論や、相互親睦のための懇親会などができないことは大変残念ではありますが、オンライン学会は、自宅であるいは職場で、どこでもいつでもオンデマンドに参加できるという利点もあります。皆様が参加して満足いただけるオンライン学会となるよう関係者一同で努力していきたいと思いますのでどうかよろしくお願いいたします。さて今回のテーマは 過去に学び未来へ跳べ!~小児整形外科の現在(いま)~とさせていただきました。小児整形外科はその時々の治療のみではなく、10年後あるいは20年後を見据えた治療を行わなければなりません。長期の経過観察のためには、医師1人1人では限界があり、先人の多くの知見・経験から学ぶことも重要で、それらをベースとして現在を見つめなおし、未来に向け更なる発展を目指してゆくことが大切と考えています。本学会の未来を語るに当たり、日本整形外科学会との関係は重要です。そこで日本整形外科学会の理事長であり、日本小児整形外科学会の理事でもある慶応大学の松本守雄教授に特別講演をお願いいたしました。また海外招待講演としてDDH超音波診断のレジェンドであるオーストリアのGraf教授、また教育研修講演は「疾患レジストリー」「先天性下腿偽関節症」「小児骨軟部腫瘍」「小児骨折」「脳性麻痺」「新型コロナウイルス」をテーマとして、イギリスからのEastwood先生、韓国からのCho先生を含め、現在それぞれの分野で活躍中の先生方に、最新知見を30分ずつ2名でお願いしております。また特別企画として企画1「成績不良例から学ぶ小児整形外科」は、成績不良となった症例を、真摯に反省して学ぶことは、特に経験の浅い先生方にとり学ぶものが多いのではないかと考え企画しました。この企画では西須孝先生の教育研修講演「忘れ得ぬ症例―外科医が背負うカルマー」とその後の症例検討を12月5日(土)午前に1回のみのライブセッションで行う予定にしております。また企画2「いまさら聞けない小児整形基本セミナー」は、DDHの開排制限、Cobb角、小児のX線検査など、小児整形外科の基本でありながら意外と正確に理解されていないと思われる項目の講演をお願いしております。会長の無茶ぶりにもかかわらず対応していただいた演者の先生方に心から感謝いたします。また企画3は過去から学ぶため2005年小児股関節研究会にて作成した「先天股脱温故知新」冊子の2020年復刻版の作成としました。企業協賛セミナー以外のライブセッションとしては、12月5日(土)の特別企画1以外に、3つパネルディスカッションの討論を12月4日(金)、12日(土)に行うことを予定しております。またオンデマンド発表形式の主題・一般口演の演題から、参加者に多く視聴された上位3題を優秀オンデマンド口演賞として表彰を考えています。以上のように様々な企画はしていますが、オンライン学会形式は日本小児整形外科学会学術集会にとり、初めての開催形式で、慣れないことも多く、今後演者の皆様、参加者の皆様には何かとご迷惑をかけることが多々あるかもしれません。関係者一同で修正しつつ進めて行く所存ですので、第31回日本小児整形外科オンライン学術集会にどうかご理解・ご協力またご参加をいただければ幸いです。

2020年10月23日
会長 あいち小児保健医療総合センター 名誉センター長
あそびと発達リハビリクリニック 院長     
服部 義