第28回日本慢性期医療学会

ご挨拶

学会長 田中志子

第28回日本慢性期医療学会
学会長 田中 志子

2040へ向けた健康長寿と地域共生社会 ―慢性期医療の役割―

新型コロナウイルス感染による緊急事態宣言が解除されましたが、一部地域ではクラスターによる緊張が続いています。また、いずれ第二波が来るのではないかと心配の声が絶えません。そのため、苦渋の決断ですが、正副会長と協議の上、第28回日本慢性期医療学会はWEB開催とさせていただきました。

WEB開催となりましたが、学会の趣旨は変わりません。これまで団塊の世代が75歳となる2025年に向けて私たち医療者は、様々な取り組みを行ってきました。しかしながら、少子化の加速と共に訪れる介護人材不足や、高齢化と寿命の延伸に伴う認知症の方の増加などなど未来へ向けての課題は山積しています。ウィズコロナ、アフターコロナはどうなっているのか。不確定要素はまだまだあります。とはいえ、これからの私たちはさらに先の未来を見なければならない時期に来ています。その未来は明るい未来でなければ、これから日本を背負っていく子供達に良い社会を残すことはできないでしょう。

2040年には日本の高齢者人口はピークを迎えます。その時にますます深刻になることが予測される介護人材不足はどう解消されているのか、あるいは社会にAIが広がり、私たちにどのように寄与されているのかということを予測しながら未来を語れなければならないと考えます。

2040年といえば人生100年時代といわれる子供達が社会の中心を担う頃です。健康長寿の人が増えることで、働き手の年齢構成が変わり、意外と人手不足は深刻でないかもしれない、あるいはAIが大活躍をして私たちの社会は大きく様変わりしているかもしれない、そういったことをみんなで熱く語り合えたらいいなと考えています。私たちの考え方次第で、未来を支える子供達を笑顔にできるのではないかとは思いませんか?

20年後、みんなが笑顔で生活できる2040年の日本に向けて私たちが動き出すための方策を慢性期医療の役割を考えながら皆さんと議論していきたいとおもいます。

一般演題につきましては、すべてWEB上でのスライド発表となります。WEBにも良さがあり、リアル学会であれば、聞きたい演題が重なってしまいどちらかを諦めていたと思いますが、シンポジウムも一般演題も見放題、聞き放題です。

また、シンポジウムには、多職種に登壇をお願いしたいと思います。どのシンポジウムでも様々な立場から、様々な意見が言えるような活気ある学会にし、WEBになったことを逆に活かし、参加者側からリアクションを発信できる仕組みづくりを進めています。また、家庭の事情でこれまでは学会に出かけられなかったママ・パパスタッフの方の参加を呼びかけたいと思います。

WEBであることの利点を活かし、「学会に参加してよかった。慢性期医療って楽しい、学ぶことって楽しい」と、みなさんが満足していただけるような学会を作りたいと考えています。

どうぞ、たくさんの皆様のご参加、ご発表を心からお待ち申し上げます。

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