新型コロナウイルス感染による緊急事態宣言が解除されて、一週間が経ちました。とはいえ、一部地域ではクラスターによる緊張が続いています。また、いずれ第二波が来るのではないかと心配の声が絶えません。

そんな中、12月2・3日に予定している第28回日本慢性期医療学会の開催については、実行委員会で検討し、議論を重ね、さらに正副会長会議の中でも審議を重ねてまいりました。最終的な決断としては非常に残念ながら、さらなる感染拡大防止の観点から、WEB学会として開催とすることに決定しました。今回の学会の学会長を務めるにあたり初めての女性学会長、そして初めての地元以外の開催ということで、「初めて尽くし」でしたが、ここへきて日本慢性期医療学会としては「初めての」WEB開催という形での学会となりました。

具体的には、学会のメインシンポジウムと記念講演をオンラインで配信し、さらに編集したものを後ほど視聴ができるようにと考えています。また、学会演題発表についてもWEB発表という形をとることに決定しました。このように新たな取り組みばかりで、まだまだこれから修正を重ね当日に向けて鋭意準備をいたしますけれども、ここはひとつ、「ピンチをチャンス」と考えて、どんどん実験的に新しい試みを取り入れてみたいと考えています。

たとえば、コロナで疲弊した地域経済を応援するものとして、WEB物産展を企画するとか、シンポジウムについては、視聴している人のリアクションが分かるような双方向の仕組みを取り入れることなどを考えています。

これまで小さなお子さんがいるなどのご家庭の事情で学会には直接出かけられなかった方にこそ、WEB学会開催になるので、ご自分の視聴可能な時間にぜひ、学会というものを体験してほしいと思います。リアル大会であれば、聞きたい演題が重なってしまいどちらかを諦めていたと思いますが、シンポジウムも一般演題も見放題、聞き放題です。

また一般演題では、どのような内容の研究がおこなわれているかも全てチェックできますので、是非楽しみにしてほしいと思います。個人的には、こうした新しい試みを採り入れて、現地開催とは違った新たな学会にすべく、高揚感をもって企画に取り組んでいます。「出来ない課題は降り注がない！きっと必ず大成功」と信じて是非皆さんと力をあわせて頑張っていきたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いします。

第28回日本慢性期医療学会
学会長　田中志子