日本マイクロサージャリー学会学術集会

The 49th Annual Meeting of the Japanese Society for Reconstructive Microsurgery

会長挨拶

会長 大井 宏之
第49回日本マイクロサージャリー学会学術集会
会長 大井 宏之
(聖隷浜松病院 手外科・マイクロサージャリーセンター)

第49回日本マイクロサージャリー学会学術集会を2022年12月1日(木)、2日(金)にアクトシティ浜松で開催させていただきます。今回の学術集会は2023年に創立50周年の節目を迎える1年前の学会となります。歴史のある本学会ですが、静岡県では初めての開催になります。したがいまして、できるだけ浜松を前面に出した学会を企画しております。

私は富山大学医学部を1987年に卒業後、長野県佐久総合病院で初期臨床研修を受け、その後に同病院の整形外科でトレーニングを受けました。その当時の上司である隅田潤先生が新潟大学整形外科の手外科班出身であったため、整形外科を初め手外科やマイクロサージャリーの手ほどきを受けました。佐久総合病院は、病院としては珍しくラットなどを使い実験やトレーニングができる施設がありました。救急も断ることなく受けていたため、切断指や多くの外傷の治療をさせていただきました。また、新潟手の外科研究所の吉津孝衛先生も月に一度ほど来られていたので、四肢再建などのご指導もしていただきました。マイクロサージャリー学会には、米満弘之先生が1988年に熊本で開催された15回の学会に初めて参加し、技術講習会などへも参加させていただきました。

今回の学会のテーマは“多様性”とさせていただきました。新型コロナウイルスの感染拡大でface to faceの議論や会話ができない中でも、医療や社会は、むしろ個々に独自性をもって日々進歩していると思います。また、コロナ禍でなければ得られなかった新たな技術開発や経験もかなり多いことと思います。昨今はコロナだけでなく社会情勢は激動の真っ最中です。本学会はコロナ前のように現地開催で行います。もう一度原点にもどり、face to faceでなければ得られないもの、ハイブリッドなどの開催のメリットなど、一度見直す学会になればと思います。また、しばらく直接議論できずに心に秘めてきたもの、コロナ禍で得られた様々なことなどを議論・共有し、協調し合う場にしたいと思います。

学会ポスターのベースデザインは会場近くにある静岡県立文化芸術大学の卒業生と共に考えさせていただきました。非常にシンプルなデザインですが、そこに共通するwordは「糸」です。簡単にご説明させていただきますと(詳細はHP上で紹介させていただいております)、浜松の産業のbaseや音楽、浜松の人々の情熱と大空を舞う凧をつなぐ、マイクロサージャリーなどに共通するwordが「糸」になります。そこでストリングスアートの技法を使用し作製いたしました。糸の色はそれぞれ、動脈、静脈、神経もしくはリンパ管を表しております。なお、線は一定の方向を向いていますが1本1本違ういわゆる多様性を示しています。

本学会は医学だけにとどまらず他分野との交流も深めたいと思っております。特別講演や招待講演は、浜松に縁のある医師以外の方々にお願いしております。そのほかシンポジウム、パネルディスカッション、一般演題に加えて各種セミナーや技術講習会など企画が盛りだくさんです。

今回学会開催に当たり、長期のコロナ社会、その他の社会事情などで演題応募数の心配をしておりました。しかしながら予想に反して多くの先生方から応募いただきました。そのためプログラム編成に悩む日々が続き、いつもの学会と比べてタイトなスケジュールになっていること、発表時間や討論時間がやや短めになってしまったことをお詫びいたします。

また、コロナ前は全員懇親会を会期中に行っていました。しかしながら、まだコロナが完全に終息しているわけでないことなど様々なことを鑑み、開催することを断念いたしました。その代わり会場期間中に会場のワンフロアを開放し、ささやかな「おもてなし」をさせていただきます。

浜松は東京や大阪から1時間30分程度で来られますし、会場のアクトシティ浜松は浜松駅と連結しているためアクセスは非常に良好です。学会開催の12月頃は晴天率がかなり高く学会前後は観光なども楽しんでいただければと思います。

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