テーマ | 「血栓症との戦い 現代医療の最前線」 |
日 時 | 2022年6月25日(土)16:45~18:15 |
会 場 | 仙台国際センター 第1会場「展示棟 展示室1-A」 |
共 催 | 第44回日本血栓止血学会学術集会・バイエル薬品株式会社 |
座 長 |
堀内 久徳 先生(東北大学加齢医学研究所 基礎加齢研究分野 教授) 張替 秀郎 先生(東北大学大学院医学系研究科 血液免疫病学分野 教授) |
演者1 | 安田 聡 先生(東北大学大学院医学系研究科 循環器内科学分野 教授) |
演 題 |
「血液サラサラで病気を防ごう」 年齢とともに血管は傷つき、その機能が低下し、しなやかさも失われてきます。動脈硬化とは、血管の老化ともいえるかもしれません。年齢以上に血管の老化をすすめる因子には、肥満、高血圧、糖尿病(血糖が高い状態)、脂質代謝異常(中性脂肪やコレステロールが多い状態)など、多くの要因が関係しています。これらが複合的に重なって、動脈硬化が促進されるのです。動脈硬化は、肌のシワやシミなどの老化現象と異なり、外からはわかりません。気づかないまま動脈の壁にプラークと呼ばれるコレステロールや脂質などが蓄積した病変組織が進行します。このプラークと呼ばれる病巣が破れ傷となり、“血栓という血の塊”ができると、血液の流れが滞り、ある日、突然、心臓発作を引き起こすのです。最も重い心臓発作が心筋梗塞で、突然死の原因ともなります。今の段階ではこのプラークの破綻がどういう場合に、どういったタイミングで起こるかは、まだしっかりとは解明されていません。したがって、サラサラの血液を目指して生活習慣・食生活を改善する、心筋梗塞に移行する前の予兆に気付くことが最善の対処法であるといえます。「血液サラサラで病気を防ごう」を本講座で知っていただき、日常生活に少しでもお役立ていただけますことを願っております。 |
演者2 | 森下 英理子 先生(金沢大学医薬保健研究域 保健学系 病態検査学 教授) |
演 題 |
「血栓症は新型コロナウイルス感染症の重大な合併症」 2020年初頭から始まった新型コロナ感染症(COVID-19)ですが、重症になると静脈や動脈に血栓症を起こすことが知られています。特に、エコノミークラス症候群でおなじみの肺血栓塞栓症が最も多く発症し、脳梗塞なども起きることがあり、時に致命的となります。高齢になるほど、感染が重症化するほど、血栓症を合併しやすくなります。血栓症を予防するためには、日頃から内服している降圧剤や高脂血症治療薬、抗血栓薬を決して勝手にやめないようにしましょう。また、万が一、新型コロナウイルス感染症に感染した場合は、抗血栓薬を内服していることを主治医に伝えてください。 日頃からマスク・手洗いといった感染対策に心がけ、まずは感染しないことが一番大切ですね。 |
演者3 | 齋木 佳克 先生(東北大学大学院医学系研究科 心臓血管外科学分野 教授) |
演 題 |
「2021年人工心臓長期在宅医療が始まった!:血栓と出血の制御が成功の鍵」 薬による治療ではなかなか対応し得ないほどの重症心不全に対する治療としては、心臓移植が最も有力な治療法でしたが、2011年に画期的な国産の植込型人工心臓が利用できるようになって以来、人工心臓治療の進歩は目覚ましいです。最近では、心臓移植後の治療成績に劣らないくらいのレベルにまで良くなっています。以前は心臓移植が必要と判断される患者さんにのみ人工心臓の使用が認められていましたが、昨年5月から適応が拡大され、心臓移植をせずとも機械の手助けだけで生きてゆく長期在宅治療(デスティネーション・セラピー, DT)を選択できるようになりました。65歳以上の高齢者であっても一定の条件を満たせば、優れた機械の恩恵を受けられるようになったのです。長く穏やかにその先の人生を送るために、いくつかの注意点がありますが、血栓と出血を上手く抑えることが鍵となることがわかってきましたので、今回はその話題を提供したいと思います。 |
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