第68回日本職業・災害医学会・学術大会
The 68th Annual Meeting of the Japanese Society of Occupational Medicine and Traumatology

会長ご挨拶

第68回日本職業・災害医学会学術大会会長
鈴木茂彦
独立行政法人労働者健康安全機構浜松ろうさい病院 院長

 第68回日本職業・災害医学会学術大会を開催するにあたり、謹んでご挨拶申し上げます。本学会は1953年に「災害医学研究会」として発足しました。1960年に日本災害医学会と改称され、2000年に現在の日本職業・災害医学会と改称されました。1980年に私の初論文が本学会誌に掲載されており、今回学術大会を主催させていただけることに縁を感じるとともに大変光栄に存じます。

 会長を引き受けるにあたり、テーマを「看脚下―職業災害医学を足元から見直す」としました。ところが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡がりで、世界中の医療が足元から揺るがされる事態になっています。COVID-19患者が労災認定されたことが報道され、医療従事者の感染例も数多く報告されており、学術大会で議論したいことが山ほどございます。したがって、困難な状況ではございますが、新型コロナウイルス感染対策を特別テーマに加え、予定の日程で開催いたします。ただし状況を見ながらネット上開催などへの変更を含め臨機応変に対応したいと考えています。

 特別テーマに関しては、特別パネルディスカッションも含めすべて公募いたします。皆様の貴重なご体験をぜひご報告いただきたくお願い申し上げます。また一部シンポジウムも公募することにいたしました。一般演題、ポスター演題も合わせて奮ってご応募ください。

 浜松は、徳川家康が浜松城を築城し、青壮年時代の17年間を過ごした町で、天下取りの第一歩となりました。ホンダ、スズキ、ヤマハ、カワイ、浜松ホトニクスなどの世界的企業の創業地として知られていますが、歴史的史跡や浜名湖などの観光資源も多く、海産物や農産物など食にも恵まれています。

 職業・災害医学の足元を見直し原点に立ち戻りながら、さらに人類を脅かしているCOVID-19に関する最新の情報も交換できる場にしたいと願っています。皆様にご参加いただき、熱い討論で有意義な大会となることを心から祈っております。