第34回日本肝胆膵外科学会・学術集会

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愛媛大学大学院医学系研究科
肝胆膵・乳腺外科学
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会長:髙田泰次(愛媛大学大学院医学系研究科 肝胆膵・乳腺外科学) 会期:2022年6月10日(金)~11日(土) 会場:愛媛県県民文化会館

演題登録テーマ一覧

Special Session(特別セッション) Symposium(シンポジウム)
Video Symposium(ビデオシンポジウム) Panel Discussion(パネルディスカッション)
Workshop(ワークショップ) Mini-Symposium(ミニシンポジウム)
Requested Video(要望ビデオ) Free Paper (Oral/Poster)(一般演題(口演・ポスター))

Special Session(特別セッション) (全公募)

アジア若手外科医による How I do it in HBP surgery

アジア各国の40歳以下の若手外科医が集まり、日頃行っている肝胆膵手術の経験、課題点や工夫について発表していただきたい。

Symposium(シンポジウム) (公募、一部指定)

1)肝細胞癌に対する肝移植―適応基準におけるバイオマーカーの役割

肝細胞癌に対する肝移植において、大きさや個数といった形態学的なマーカーだけでなく生物学的なマーカーの重要性が指摘されている。本邦においても肝細胞癌にたいする肝移植の適応にミラノ基準にAFPを含めた5-5-500基準が加わって2年以上経過した。適応基準における各種バイオマーカーの有用性について議論いただきたい。また本邦での5-5-500基準が加わってからの各施設における肝細胞癌に対する移植症例数の変化、治療成績についても提示いただきたい。

2)肝切除術前肝予備能評価法 - Marginal肝機能患者をどう評価するか -

肝切除術、特に障害肝に対する肝切除術の術前肝予備能評価は、術後肝不全などの合併症を予防する上で重要である。これまでICG検査やプロトロンビン時間、ALBIグレードなどの血液検査や、EOB-MRIやGSAシンチなどの画像検査による評価法が報告されているが、切除可能容積(必要残肝容積)を正確に予測する方法は確立されていない。根治性と安全性の両者を担保する肝切除術式を選択するために、どのような評価法が有用なのか、またそれを適用した術後経過はどうであったのか、各施設から発表していただきたい。

3)膵癌Conversion Surgeryの適応(選択基準)と手術術式

化学療法の進歩によってUR膵癌に対するconversion surgeryの報告が増加しているが、その症例選択は難しく適応基準は確立していない。また、UR-LAに対するconversion surgeryでは血管の合併切除を含めた拡大術式を採用するべきかといった問題や、UR-Mでは転移巣をどう取り扱うかといった問題がある。UR膵癌に対するconversion surgeryの成績を示して頂くとともに、可能であればUR-LAもしくはUR-Mのそれぞれにおいて、適応基準や術式などに関して、各施設から発表していただきたい。

4)肝胆膵外科におけるERASプロトコル

複数の周術期介入(術前コントロール、麻酔・鎮痛方法、術後早期栄養・運動療法など)を相乗的なパッケージとして組み合わせたERAS(Enhanced Recovery after Surgery)プロトコルは様々な手術後の管理においてその有用性が報告されている。肝胆膵外科領域においても、患者の術後回復を促進し、合併症の予防と入院期間の短縮、病院システムの安全性の向上につながりうると期待される。ERASプロトコルに取り組み、活用している施設からの工夫と成果について発表いただきたい。

5)肝門部領域胆管癌の周術期管理

肝門部領域胆管癌は攻めと守りのバランスが重要である。切除マージンと肝予備能を評価した手術術式、術前化学療法の適応、胆管炎併発例での周術期抗生剤管理、術前門脈塞栓術の適応、胆道ドレナージの工夫等、治療成績向上のための周術期管理の工夫について論じていただきたい。

Video Symposium(ビデオシンポジウム) (公募、一部指定)

1)合併症ゼロを目指した安全な腹腔鏡下胆嚢摘出術

安全な腹腔鏡下胆嚢摘出術を遂行するためには、MRCPを含む術前胆道系精査や、術中胆道造影、ICG蛍光法、Critical view of safety(CVS)の形成が有用と報告されている。しかし、CVS形成が不可能な症例も存在しており、胆嚢亜全摘手術などの胆道系合併症回避手技の有用性が報告されているが、症例が少ないため、その適応基準や手技は確立していない。Tokyo Guideline 2018による手術難度の指標が報告されたが、その妥当性の検証も必要である。合併症ゼロの腹腔鏡下胆嚢摘出術を遂行するための指針を示して頂きたい。

2)肝・胆・膵外科におけるロボット支援手術の進歩

本邦では2012年に良性~低悪性度腫瘍に対する腹腔鏡下膵体尾部切除術(DP)が保険収載され、2016年に膵癌に対する腹腔鏡下DPおよび良性~低悪性度腫瘍に対する腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術(PD)、2020年に膵癌に対する腹腔鏡下PDが保険収載された。そして、2020年4月よりロボット支援のPDおよびDPが保険適用となった。またロボット支援下の肝切除は、本邦では一部の施設で行われているのみだが、海外からの報告は年々増加している。手術時間の延長など解決すべき課題もあるが、出血量や輸血率の低下などメリットも多く、今後導入を検討している施設も多いと思われる。本セッションではロボット支援下肝胆膵手術の普及を期待させるようなビデオを提示頂きたい。

3)鏡視下手術での再肝切除におけるtips and pitfalls

肝細胞癌および転移性肝癌に対する腹腔鏡下肝切除の割合は増加している。それに伴い再発例に対する再肝切除も腹腔鏡下に行う傾向にある。そこでデバイス,手技,癒着防止剤を含めた各施設での方法と工夫についてご提示願いたい。

4)機能を温存した膵高難度手術

膵高難度手術の中で膵頭十二指腸切除、膵体尾部切除は症例数も多く、手技は安定している。一方、十二指腸温存膵頭切除、膵頭温存十二指腸切除、下膵頭切除などは膵や十二指腸の機能を温存した手術手技であるが、症例数は少なく普及に至っていない。本セッションでは数少ない機能温存膵高難度手術をエキスパートにビデオで提示いただきたい。

5)ドナー肝切除における低侵襲手術

生体肝移植ドナー肝切除において、術後疼痛や整容性の観点から低侵襲性が求められる。一方、ドナー安全性は最重要課題であり、これまで安全性を担保しながら低侵襲性を目指す工夫が報告されている。またレシピエントにおける脈管再建への配慮も重要である。小開腹から完全鏡視下(外側区域切除から葉切除)まで各施設の取り組みをビデオで供覧いただきたい。

6)肝胆膵癌手術における主要血管合併切除再建:術式と長期予後からみた手術適応

肝胆膵領域癌は容易に近接脈管に浸潤しやすく、脈管合併切除を必要とすることも多い。しかしながら脈管合併切除例では合併症の頻度も高く、さらに術後再発症例も多い。安全性と根治性を考慮した各施設の術式をビデオで供覧いただき、その治療成績についても提示いただきたい。

Panel Discussion(パネルディスカッション) (公募、一部指定)

1)十二指腸乳頭部癌に対する最新の治療戦略と成績

十二指腸乳頭部癌は、胆膵領域においては比較的予後良好な癌種ではあるが、時に膵浸潤やリンパ節転移を伴い不幸な転帰をたどることもある。近年胆膵癌において、周術期の補助治療を行うことにより長期予後も改善してきているが、十二指腸乳頭部癌における有効な補助療法はまだ確立されていない。一方、上皮内癌などでは近年の低侵襲・臓器温存術式の普及に伴い乳頭部切除術というオプションも考えうる。十二指腸乳頭部癌に対する各施設の取り組みに関して議論して頂きたい。

2)進行胆嚢癌に対する集学的治療

進行胆嚢癌に対する治療は手術が根治を得られる有効な方法であるが,その至適術式についてはコンセンサスが得られていない。また術前・術後の化学療法についてもエビデンスは不十分である。本セッションでは各施設の進行胆嚢癌に対するストラテジーとその治療成績を提示し,議論していただきたい。

3)肝胆膵外科手術における後世に伝えたい私のお作法と工夫(やるべき集とべからず集)

修練医が難易度の高い手術手技を学ぶために、周術期において高難度専門医・指導医からこれは伝えたいと思う各施設のお作法や工夫(技ありの手技、禁忌)をご提示いただき,議論いただきたい。

4)膵臓・膵島移植の最近の進歩

近年脳死下臓器提供数が徐々に増加し、年間40例前後の膵臓移植(膵単独または膵腎同時)が行われるようになっている。また2020年4月に「同種死体膵島移植術」(ラ氏島移植)が保険適応となり、一般医療として定着しつつある。近年の膵・膵島移植の現状と今後の展開について議論していただきたい。

5)肝胆膵高難度手術の術後短期生存率向上のための対策

本学会安全管理委員会からの報告では、修練施設における肝胆膵高難度手術後の90日死亡率は近年では1%以下にまで低下している。特に死亡率の高い肝移植レシピエント手術、胆道再建を伴う肝葉切除術、肝膵同時切除術なども2012年には5-10%あった90日死亡率が徐々に低下しているが、しかし、未だ3%前後と高率である。術後短期生存率向上のために各施設が行ってきた努力や工夫、またさらなる改善のために必要な対策について議論していただきたい。

6)IPMNの手術適応(悪性の予測)と術式選択

診断技術の進歩により、膵管内乳頭粘液腫様(IPMN)と診断される症例は増加してきた。しかし、外科切除適応に関しては、各種ガイドラインが発表されているものの、判断に苦慮する症例が存在する。また適応術式に関しても、低侵襲手術や臓器温存手術の適応基準は確立していない。各施設におけるIPMNの手術適応、術式に関して、長期成績を示して頂き、今後の指針となる結論を得るべく議論して頂きたい。

7)膵神経内分泌腫瘍に対する最新治療戦略

2019年に膵・消化管神経内分泌腫瘍診療ガイドライン第2版が刊行され、膵神経内分泌腫瘍(NEN)についても改訂が行われた。しかし、膵NENの術前診断は難しく、手術適応や術式選択に難渋することがある。例えば、NET G3とNECの術前診断は非常に難しく、腫瘍径の小さな非機能性膵NETは、診断と治療方針に苦慮することがある。各施設での膵NENに対する治療方針について、手術適応・術式選択・周術期化学療法なども含めて討論頂きたい。

8)肝細胞癌外科治療における分子標的治療薬の役割

近年肝細胞癌に対して使用出来る分子標的治療薬が増えてきて、進行肝細胞癌に対する治療が変わりつつある。切除不能症例に使用することによりconversion surgeryを狙ったり、Vp4、Vv4症例に対する術前治療、進行肝細胞癌症例術後の補助化学療法としての使用など、その有効性が期待される。進行肝細胞癌症例に対する集学的治療における分子標的治療薬の役割、その使用により手術成績がどのように変わったか提示いただきたい。

Workshop(ワークショップ) (公募、一部指定)

1)肝胆膵外科手術におけるコンピューター支援:SimulationとNavigation

術後の肝不全予防と根治性を担保した肝切離には術前にコンピューター支援のシミュレーションを用いた詳細な肝臓の局所解剖を把握しておくことが肝要である。また近年では有効な術中ナビゲーションシステムが報告されている。各施設における最新のシミュレーション・ナビゲーションシステムをご提示いただきたい。

2)肝胆膵癌における新規バイオマーカーの探索

近年のゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム解析等の進歩により、新規癌バイオマーカーが同定されている。本セッションでは肝胆膵領域癌における診断・治療効果判定・予後予測などに有用と思われるバイオマーカーについて展望も含めて提示いただきたい。

3)ABO血液型不適合・DSA陽性肝移植の長期成績

ABO不適合症例はもちろんであるが、CREGを含むDSA陽性肝移植に対する術前脱感作療法が施行されることも多くなり短期成績は改善している。しかし、長期的には胆管合併症が多いなどの報告もあり、各施設の対策やその効果、長期成績、移植後管理など幅広くご提示頂きたい。

4)肝胆道癌に対する術前化学療法とconversion surgery

進行肝内胆管癌、胆道癌は再発の頻度が高いが、ガイドライン上では術前化学療法のエビデンスはなく推奨には至っていない。治療成績向上のための術前化学療法、切除不能例に対するconversion surgeryの適応・成績について提示いただきたい。

5)高齢者・フレイルに対する肝胆膵外科手術の適応と治療成績

高齢者は一般的に併存疾患も多く、フレイルやサルコペニアなども多いと思われる。併存疾患のない高齢者であっても、術後に長期的な問題に悩まされることも多い。各施設における高齢者に対する肝胆膵外科手術の適応とその成績、術後合併症の頻度やその対策など議論頂きたい。

6)ALLPS手術の現状と展望

大量肝切除が必要な場合の計画的な2期的肝切除法であるALLPS手術(associating liver partition and portal vein ligation for staged hepatectomy)が開発されて約10年になる。門脈塞栓術に較べて予定残肝の再発が早いという長所がある一方、合併症発生率や手術関連死亡率が高いことが広く知られている。現状における本術式の適応や成績、今後の展望について発表していただきたい。

7)Resectable膵癌に対するneoadjuvant therapyの功罪

膵癌治療ガイドラインにおいてResectable膵癌に対しても術前治療が行うことが提案されるようになった。しかし、Resectable膵癌でも胆管炎や十二指腸浸潤によって術前治療が不可能な症例や、術前治療によって重篤な有害事象を発生する症例も時に経験する。一方で、これまでの経験において、Up-front surgeryと術後補助化学療法でも良好な長期予後が得られる症例も存在する。Resectable膵癌における術前化学療法の功罪に関して、議論して頂きたい。

8)IPNBに対する治療戦略と成績

胆管内乳頭状腫瘍(intraductal papillary neoplasm of the bile duct:IPNB)は拡張胆管の内腔に乳頭状増殖を示す胆管上皮性腫瘍を指し,膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)との類似性より2010年のWHO分類で新たに提唱された概念である。しかしながら,乳頭型胆管癌との差異,前癌病変に相当するのかなどいまだコンセンサスは得られていない。IPNBの治療は外科的切除が第一選択であるが,各施設での診断・術式決定のプロセスを含めてその治療戦略と成績について議論していただきたい。

9)肝胆膵手術に有用な新たな解剖学的知識

腹腔鏡手術の進歩・普及に伴い、その拡大視効果によって、開腹手術にも応用可能な新たな解剖学的知見が得られている。第32回日本肝胆膵外科学会のPrecision Anatomy for Minimally Invasive HBP Surgeryに関するExpert Consensus Meetingにおいても、実臨床への応用が可能な解剖学的知見が報告された。また、開腹手術においても、熟練した術者たちは独自の膜や層の解剖学的理解を活用した手術手技を持っている。それらを報告して頂き、肝胆膵外科医のさらなるスキルアップに貢献して頂きたい。

Mini-Symposium(ミニシンポジウム) (公募、一部指定)

1)PD術後晩期合併症(糖尿病、脂肪肝、胆管炎)対策

PD術後の晩期合併症として、糖尿病や脂肪肝、胆管炎などが問題となる。これらを防ぐための術中及び術後の対策について発表いただきたい。

2)pT1膵癌の治療成績

画像診断や検診の発達により数は少ないが膵癌の早期発見も増えつつある。pT1膵癌の成績は比較的良好であるが、その中でどのような症例が再発しているのか、術後補助化学療法は全例に必要なのか、発生部位による成績の差はあるのか等、pT1膵癌の治療成績について提示いただきたい。

3)合併症治療におけるRadiological/Endoscopic Interventionの貢献

本邦における肝胆膵疾患に対する手術は、その短期成績においてめざましい発展を遂げており、周術期死亡率の低さは世界に誇れる結果である。その短期成績の進歩には、手術手技や器具の発展の影響もさることながら合併症の予防や治療における内科医や放射線科医の協力によるradiological/endoscopic interventionの寄与も非常に大きいと考えられる。各施設におけるradiological/endoscopic interventionの成績や新たな手技に関して報告して頂きたい。

4)肝胆膵癌手術における16番リンパ節サンプリングと洗浄細胞診の役割

進行肝胆膵領域癌において術中に16b1リンパ節のサンプリング・郭清や洗浄腹水細胞診を行う施設は多いと思われるが,陽性であれば術式を変更・試験開腹とするのか、または予定術式を行うのか、郭清・細胞診の意義を論じていただきたい。

5)BR膵癌に対する適切な術前治療とは

BR膵癌では、術前治療を行うことに関してはコンセンサスが得られているであろう。しかし、術前化学療法のレジメン選択に関するコンセンサスは得られていない。BR-A症例に関しては、放射線治療の併用も選択肢になりうる。各施設におけるBR膵癌(BR-PVもしくはBR-A)に対する術前治療の現状とその成績に関して報告して頂きたい。

6)肝胆膵癌治療における遺伝子解析(Genetic analysis)

肝胆膵領域でもがん遺伝子パネル検査が保険適用となった。しかし、実臨床における治療機会はまだ少なく、予後を含めた詳細な報告は乏しい。肝胆膵癌治療における遺伝子解析と予後との関係や、遺伝子解析を用いた薬物治療と外科的切除術を併せた治療報告など、今後の治療の参考となる報告をして頂きたい。

7)術後SSIを予防するための術前・術中の工夫

術後合併症予防や早期回復の観点より各施設で食餌療法やリハビリなど積極的な術前介入が行われるようになった。また術中の抗菌薬投与や汚染予防の工夫も見られる。本セッションでは合併症の中でもSSIに焦点を絞り,術前のみならず術中の各施設での工夫とその成績について発表頂きたい。

8)ロボット支援膵切除の教育方法、導入のためのステップ

ロボット支援膵切除の保険収載に伴い、ロボット手術の導入を検討する施設は多いと思われる。しかし、施設・術者基準を満たさなければ、その導入は困難である。現在ロボット手術を行っている施設、現在導入を検討している施設における各自の導入ステップ,若手への教育方法も含めて論じていただきたい。

9)肝内胆管癌の治療成績

肝内胆管癌は再発率の高い癌であり、集学的治療が必要であるが、まだまだエビデンスは少ない。手術におけるリンパ節郭清の必要性や、術前後の化学療法に関しては、各施設で意見の分かれるところである。各施設で行っている肝内胆管癌根治のための取り組み、およびその治療成績を提示いただきたい。

10)エベロリムスの肝移植後成績への影響

新規免疫抑制剤の登場・新規保険適用によってこれまで以上に拒絶反応を制御することが可能となり、肝移植後の長期成績は改善している。特にエベロリムスに関しては、Graft survivalやCancer-specific survivalを含めた長期予後のみならず、腎機能や耐糖能へも効果があると予測される。各施設におけるエベロリムスの適応や使用方法、短期および長期成績を報告して頂きたい。

11)多発大腸癌肝転移の治療戦略

近年の肝解剖知識の向上、切除手技・周術期管理の向上により、多発肝転移に対する外科的治療成績は着実に進歩している。術前化学療法や、2期的切除・ALPPS手術を含めた拡大切除、実質温存肝切除、焼灼術の併用、腹腔鏡下切除、R1切除許容戦略、同時性転移に対する肝切除先行アプローチや同時切除など、様々な治療戦略が報告されている。多発肝転移症例に対する各種治療戦略を用いた各施設の成績に関して報告して頂きたい。

Requested Video(要望ビデオ) (公募、一部指定)

1)PD再建法の工夫

術後早期化学療法開始を見据えた術後早期合併症(膵瘻、DGE、胆管炎)の予防は臨床的にも重要な関心事である。そのための各施設の再建時の工夫・アイディアについて結果も含めてご提示いただきたい。

2)亜区域系統的肝切除術の工夫(segmentectomy)

腹腔鏡下肝切除術の普及と相まって開腹肝切除術の術式も少しずつ変遷している。特に亜区域切除術は、肝門部から3次分枝にアプローチする方法や、intersegmental veinに沿って肝内グリソンにアプローチする方法などが新たに報告されている。亜区域の同定方法にも染色法のみならずICG蛍光法の有用性も報告されており、腹腔鏡・開腹それぞれの利点を生かして活用されている。虚血領域を残さないための亜区域未満の系統的切除術も行われている。各種手技をビデオにて報告して頂きたい。

3)肝移植レシピエント手術におけるグラフトを用いた血行再建手技

肝移植レシピエント手術においては、門脈本幹閉塞症例に対する門脈再建や、右葉グラフト使用例での中肝静脈枝再建などで各種血管グラフトを使用する。血管グラフトとしては、内頸静脈・大伏在静脈・外腸骨静脈などの自家静脈グラフトの他に、同種血管グラフト、人工血管グラフトなどが報告されているが、それぞれの再建方法には独自の工夫が必要である。各種のグラフトを用いた血行再建手技のポイントに関してビデオを用いて報告して頂きたい。

4)肝切除後の胆汁漏対策

肝切除術において胆汁漏は避けては通れない問題である。胆汁漏を減らすための各施設で行っている工夫(肝切離時のデバイス、断端処理法、Cチューブ留置、切除断端へのフィブリン糊使用、ドレーンの有無等)をビデオで提示いただきたい。

5)肝胆膵外科手術の術中偶発症に対するリカバリーショット

肝胆膵領域の手術は難易度が高い手術であり,術中偶発症発生率も比較的高い。術中に本当に困った、冷や汗が出たなどの経験を共有するとともに,そのリカバリーショットをご教授願いたい。

6)腹腔鏡下およびロボット支援膵体尾部切除術

腹腔鏡下及びロボット支援膵手術の中でも比較的普及している膵体尾部切除(DP)について、各施設からの工夫や取り組みをビデオで紹介いただきたい。

Free Paper (Oral/Poster)(一般演題(口演・ポスター))

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