第27回日本義肢装具士協会学術大会

大会長挨拶

第27回日本義肢装具士協会学術大会
大会長 奥 謙治
( (有)奥義肢製作所)

謹啓 皆様におかれましては、益々ご隆盛のこととお慶び申し上げます。

 さて、第27回日本義肢装具士協会学術大会は、名古屋市の愛知県産業労働センターでの開催を目指しておりましたが、新型コロナウィルスの影響が看過できない状況を鑑み、本大会の形式を対面式からWEB配信に切り替え、2021年7月1日から18日までの間、WEB上で開催とさせていただきます。
 中部日本では、第2回大会を松本芳樹大会長が開催されてから、今回で5回目の大会となります。日本は2025年に超高齢化社会を迎えることから、医療分野や介護分野において人材不足が問題になると言われており、労働人口の減少にどのように対応していくかということが喫緊の課題になっております。リハビリテーション医療では、ロボティクス技術を取り入れた臨床現場でも利用可能なリハビリテーションロボットが開発されており、理学療法士のもう一つの手として治療に使用されています。また、近年ではロボット技術を取り入れた様々な筋電義手やロボット義足も開発されています。
 義肢装具の製作技術においては、3D-Scannerを用いて身体を計測し、3D-CADを使って修正、修正したデータをもとに3D-Printerを用いて製作するなど、患者さんや義肢装具士、製作技術者の負担を少なくするための技術も盛んに研究されており、義肢装具士業務のサポートとして期待されております。
 また、義肢装具におけるエビデンスの確立や、病態評価に基づいた義肢装具の提案の必要性など、病気で苦しんでおられる方々や、身体に障害を負った方々のために義肢装具士として何ができるのか今後さらに問われるように思います。
 このようなことから、参加して頂く皆様に未来の義肢装具士について考えて頂ける良い機会になればと思い、本学術大会のテーマを「未来の義肢装具士」とさせて頂きました。
 オンデマンド配信というシステムを有効に活用できる大会を目指し、スタッフ一同頑張ってまいります。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
 今般、新型コロナウイルス感染により亡くなられた方に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、感染された方々の一刻も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

謹白