会長挨拶

私たちの仕事

第25回日本Awake Surgery学会
鎌田ことえ
東北大学医学部麻酔科学・周術期医学分野

このたび、2027年6月19日(土)に第25回日本Awake Surgery学会を開催するにあたり、ご挨拶申し上げます。日本Awake Surgery学会は、世界に先駆けて2013年にガイドラインを発表し、2021年には第2版『Awake Surgeryガイドライン』を公表するなど、覚醒下手術の標準化と均てん化に取り組んでまいりました。さらに、施設認定制度の導入をはじめ、医療制度とも歩調を合わせながら、質を担保しつつ、その普及と発展に努めてまいりました。

第25回という四半世紀の節目を迎えるにあたり、本大会のテーマを「つなぐ ― 人と人、知と技を、次の25年へ」といたしました。このテーマには、本学会の25年の歩みを振り返り、その知見と経験を次の25年へと確かにつないでいきたいという願いを込めております。同時に、Awake surgeryが患者の生命と機能をつなぐ手術であり、また患者を中心として多職種をつなぐことで成り立つ医療であることを、あらためて見つめ直す機会としたいと考えております。

覚醒下手術は、脳神経外科、麻酔科、神経心理学をはじめとする複数の専門領域の緊密な連携のもとに成り立つ、きわめて学際的な医療です。脳神経外科医、麻酔科医、言語機能評価担当者、そして何より患者自身が、病変の最大限の切除と高次脳機能の温存という目標を共有し、相互の信頼のもとに協働して初めて成立するこの手術の本質には、常に「人と人をつなぐ」営みがあります。また麻酔管理の観点からも、覚醒下手術は、鎮静深度の精緻な調節、気道管理、術中の覚醒と再鎮静の円滑な移行、疼痛管理、さらには患者への心理的支援に至るまで、周術期医療の総力を要する領域です。本大会では、脳神経外科、麻酔科、神経心理をはじめとする各領域が対等に議論を深め、それぞれの立場から見た「標準」と「これから」を共有し得る場を創出したいと考えております。

杜の都・仙台の地において、診療科や領域の垣根を超え、参加される皆さまが知見を深め、相互に交流を育む機会となりますことを心より願っております。6月の仙台は、青葉がいっそう鮮やかさを増し、初夏の清々しい空気に包まれる季節です。学術的な研鑽とあわせて、仙台の歴史、文化、食の魅力にも触れていただけましたら幸いです。多くの皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げます。