プログラム・日程表

シンポジウム

  1. 切除不能進行食道癌に対する治療戦略
    司会: 藤也寸志 (国立病院機構九州がんセンター)
    渡邊雅之 (がん研有明病院)

     切除不能進行食道癌に対する治療は、これまでシスプラチン+5-FU療法が弱く推奨されてきた。KEYNOTE-590試験では、ペムブロリズマブ+シスプラチン+5-FU 療法がシスプラチン+5-FU療法と比較し、全生存期間、無増悪生存期間、奏効割合を改善することが示され、強く推奨された。各施設で取り組んできた切除不能進行食道癌に対する治療成績と今後の戦略について論じていただきたい。

  2. 胃癌に対するロボット支援下手術の現状と将来
    司会: 江原一尚 (埼玉県立がんセンター消化器外科)
    宇山一朗 (藤田医科大学先端ロボット・内視鏡手術学講座)

     2018年4月に保険収載された胃癌に対するロボット支援下手術は、本年4月より手術手技加算が認められ、今後さらに手術件数の増加が予想される。また、手術機器に関しても次々に新規ロボットの参入が予定されておりこの分野のさらなる活性化が見込まれている。しかしロボット支援下胃切除術は標準化や治療成績は十分に示されていない。安全に推進していくためには今後、定型化が必要になるものと思われる。本セッションでは各施設でされている手術手技の工夫とその成績をご発表いただき、標準化への展望を示していただきたい。

  3. 進行胃癌に対する内視鏡下手術の治療実績
    司会: 金谷誠一郎 (大阪赤十字病院)
    大森健 (大阪国際がんセンター)

     腹腔鏡下胃切除術はcStage Iに対しては日常診療の選択肢の一つとして胃癌治療ガイドラインにおいても推奨される標準術式となった。臨床の現場では多くの施設で進行胃癌に対しても腹腔鏡手術が行われておりJLSSG0901、 KLASS-02試験の結果を待って総合的に判断する必要がある。また、今後は術前化学療法後の腹腔鏡手術も増加することが予想される。しかしまだ、そのためのエビデンスは確立されていない。各施設での進行胃癌に対する腹腔鏡手術の適応や手術手技、治療成績について発表していただきたい。また、ロボット支援下手術との棲み分けや適応の違いについてもお示しいただきたい。

  4. 切除不能進行大腸癌におけるConversion Surgeryの治療成績
    司会: 髙橋孝夫 (岐阜大学病院消化器外科)
    内藤剛 (北里大学下部消化管外科学)

     切除不能な進行癌症例に対して化学療法や放射線療法が奏功し、遺残のない治癒切除が可能と判断されて施行される外科的治療をconversion surgeryと呼び、昨今大腸癌においても報告が増加しつつある。しかしながら大腸癌において本戦略のコンセンサスもまだ得られていないのが現状である。本シンポジウムでは各施設における経験を基に発表いただき、今後の本戦略についての展望および問題点について議論していただきたい。

  5. 肝彎曲・脾彎曲部の横行結腸癌手術
    司会: 黒柳洋弥 (虎の門病院消化器外科)
    山口茂樹 (東京女子医科大学消化器・一般外科)

     横行結腸癌に対する手術はいまだ定型化されておらず、特に肝弯曲や脾弯曲部に腫瘍が存在する場合、結腸と周辺臓器との解剖学的位置関係から技術的に高難度とされている。また郭清範囲の設定やアプローチ法も占拠部位により異なり、根治を目指した進行横行結腸癌手術はさらに高難度とされている。本シンポジウムでは各施設における郭清のテクニックやアプローチ法、そして安全な外科手術を施行するための取り組みを論じていただきたい。

  6. 大腸がん多発肝転移の治療戦略
    司会: 波多野悦朗 (京都大学肝胆膵・移植外科)
    長谷川潔 (東京大学肝胆膵外科)

     大腸癌多発肝転移に対する外科治療は、門脈塞栓後肝切除、Two stage hepatectomyやALPPS手術などの拡大肝切除に加えて、実質温存肝切除や熱凝固療法を併用した肝切除、R1手術を許容する治療戦略など様々報告され一定の成績を上げているが、未だ至適治療戦略は確立されていない。周術期化学療法に関しても明確なエビデンスは出ておらず、各施設の大腸癌多発肝転移に対する治療戦略を提示していただき、至適戦略を議論したい。

  7. 進行肝細胞癌に対するコンバージョン手術
    司会: 武冨紹信 (北海道大学消化器外科Ⅰ)
    佐野圭二 (帝京大学医学部外科学講座)

     肝細胞癌の薬物療法は、これまでの分子標的薬治療に加えて免疫チェックポイント阻害薬の使用が承認され、進行肝細胞癌の治療は急激に変化しつつある。しかし当初切除不能と診断されても薬物療法後にコンバージョン手術が可能となる症例が増えてきており、進行肝細胞癌治療における外科医の役割は依然として重要である。肝細胞癌薬物治療の新時代におけるコンバージョン手術の位置づけ、治療経験および成績を提示いただき今後の進行肝細胞癌治療の外科的な展望を議論したい。

  8. 肝門部胆管癌の術式と治療成績
    司会: 江畑智希 (名古屋大学腫瘍外科)
    大塚将之 (千葉大学大学院臓器制御外科学)

     肝門部領域胆管癌に対する外科治療は高難度であり、特に局所進行例ではR0手術のために血管合併切除や肝膵同時切除など拡大切除を要することも少なくなく、周術期合併症の頻度は高く、高い周術期死亡率も報告されている。そのため、切除適応、切除可能限界については施設間の温度差がいまだ存在すると考えられる。そこで本シンポジウムでは各施設での安全性を配慮した肝門部領域胆管癌R0手術のための患者選択、周術期管理、術式選択などの取り組みと工夫について示していただきたい。

  9. 切除可能膵癌に対する術前治療の現状と課題
    司会: 本田五郎 (東京女子医科大学消化器・一般外科)
    里井壯平 (関西医科大学外科学講座)

     近年の化学療法の進歩は、予後不良とされる膵癌の治療に大きな進歩をもたらしている。膵癌の予後の改善には、これらを組み合わせた集学的治療が不可欠となり、その有用性も報告されているところである。本セッションでは、Resectable膵癌及びBorderline resectable膵癌に対し、各施設で取り組んでいる術前治療の適応、化学療法及び化学放射線治療の内容、術前化学療法期間などを提示していただき、膵癌術前治療について、今後行うべき治療戦略をご討議いただきたい。

  10. 非小細胞肺癌に対する区域切除の工夫
    司会: 渡辺俊一 (国立がん研究センター中央病院呼吸器外科)
    文敏景 (がん研有明病院呼吸器センター外科)

     近年、画像診断の進歩により早期の肺がんの発見率が上昇してきた。それに伴い積極的縮小手術として肺区域切除が広く施行されるようになった。小型肺癌における区域切除の優位性を示したJCOG0802試験の結果からも今後ますます区域切除が増加すると予測される。近年のデバイスの進歩や多様化によって施設間でその手技に違いが認められる。各施設における区域切除時の工夫についての取り組みを討議していただきたい。

  11. 腋窩リンパ節マネジメントに関する新知見:センチネルリンパ節陽性症例における腋窩リンパ節郭清の省略について
    司会: 井本滋 (杏林大学医学部乳腺外科)
    戸井雅和 (京都大学大学院医学研究科外科学講座乳腺外科学)

     これまでセンチネルリンパ節(SN)転移を伴う早期乳がん症例においては腋窩リンパ節郭清が標準的に行われてきた、近年の臨床試験等のデーターでは転移を認めたSN以外の腋窩リンパ節への転移は半数以下であり、ランダム比較臨床試験でも1-2個のSN転移を伴う症例に対して腋窩郭清を省略した患者の治療成績は、郭清した患者とは遜色がなく、SN陽性症例においても腋窩郭清が回避できると考えられる。我が国においてはSN陽性症例に対する治療の実情、臨床成績及び課題について討論し、また、進行中の外科領域の臨床試験での知見などを発表していただきたい。

  12. 超高齢者乳癌患者に対する外科的治療と薬物療法
    司会: 高橋將人 (北海道大学病院乳腺外科)
    唐宇飛 (久留米大学外科学乳腺外科)

     近年の医療技術の進歩により日本での平均寿命は延長している。それに伴い超高齢者乳癌患者は今後さらに増加していくものと考えられ、2018年次全国乳がん患者登録調査においては80歳以上の乳癌患者は全体の約10%と報告されている。乳癌治療において手術は縮小化され、薬物療法や放射線療法など多岐にわたる集学的治療が行われているが、超高齢者乳癌患者に対しては一定の見解が得られていないのが現状である。これらの点を踏まえ、超高齢者乳癌患者に対する治療の現状と展望について議論していただきたい。

  13. 腹膜播種に対する治療戦略
    司会: 五井孝憲 (福井大学第一外科)
    志田大 (東京大学医科学研究所フロンティア外科学分野)

     大腸癌において同時性腹膜播種は最も難治な転移様式であり、様々な治療開発が検討されているもの未だ明確なエビデンスは存在しない。本邦においては切除可能な大腸癌腹膜播種に対して切除が推奨されるが、欧米ではcytoreductive surgery (CS)+ hyperthermic intraperitoneal chemotherapy (HIPEC) の有用性が報告されてきた。しかしPRODIGE 7の結果ではHIPECの有用性については未だcontroversialである。本シンポジウムでは大腸癌腹膜播種に対する治療の現状と新しい治療法について、今後の期待を含め議論していただきたい。

  14. 感染性大動脈瘤の治療戦略
    司会: 志水秀行 (慶應義塾大学 外科学(心臓血管))
    明石英俊 (社会医療法人共愛会 戸畑共立病院)

     感染性大動脈瘤は未だ確立された標準的な治療法がなく、死亡率の高い疾患である。近年、患者の高齢化に伴い、免疫抑制状態患者も増加しており、治療方針の選択においては、それぞれの症例に応じて、治療戦略を検討することが不可欠である。本発表では、抗生剤治療による最新の感染の制御法や、患者背景による手術戦略、特に(T)EVAR治療も含めた人工血管置換術の至適時期再建法等、確立した治療戦略構築に向けて議論していただきたい。

  15. 新しい薬物療法及び遺伝子診断の進歩が外科手術にもたらす影響
    司会: 鈴木健司 (順天堂大学医学部呼吸器外科学講座)
    大野真司 (がん研究会有明病院乳腺センター)

     薬物療法の進歩に伴い、これまで手術適応にならなかった進行癌に対して、薬物療法後に手術を施行する症例が今後増加すると予測されます。この様な症例では手術難易度が高い場合が多く外科医の腕の見せ所とも言えます。このセッションではSalvage surgeryやOligo- metastasisに対する手術などを含めて、各種癌に対する外科手術のご経験と今後の展望をご討論いただきたいと思います。

  16. 消化器外科領域におけるロボット支援下手術の功罪
    司会: 岡部寛 (新東京病院消化器外科)
    竹政伊知朗 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座)

     外科のパラダイムシフトとして、内視鏡外科手術の発達は異論がないところである。
     ロボット支援下手術は様々な特徴によりその有用性が謳われているが、それが従来の開腹手術や腹腔鏡手術よりも優位かはいまだ議論の余地がある。一方で、ロボット手術の普及に伴い開腹・腹腔鏡手術の割合が減少となっており、本来もつべきその有用性が見落とされている可能性がある。そこで、ロボット支援下手術を導入することにより得たもの失ったものを率直に討論していただきたい。

  17. 腸管不全症の治療ー現状と未来ー
    司会: 千葉正博 (昭和大学薬学部臨床薬学講座臨床栄養代謝学部門)
    和田基 (東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座小児外科学分野)

     腸管不全の生命予後は栄養管理の進歩により大幅に改善してきたが、最終的目標は静脈栄養から離脱して経腸栄養で生活できるところにあろう。近年、本邦においても多職種による腸管リハビリテーションプログラムの取り組みやGLP-2アナログ製剤の臨床使用など新たなステージに入ってきたと考えられる。本シンポジウムでは各施設で取り組んでいる腸管不全に対する治療の現状と問題点を明らかにしていただき、静脈栄養からの完全離脱に向けた方策について議論していただきたい。

  18. 医療安全の現状と取り組み
    司会: 池本哲也 (徳島大学消化器・移植外科)
    田中芳明 (久留米大学)

     医療安全の確保は医療政策の中で重要な課題であり、ヒューマンファクターの改善、ノンテクニカルスキルの理解は不可欠である。我が国で医療安全に対して本格的に取り組むようになり約20年が経過し、各施設から医療安全に関する報告が数多くなされている。しかし、地域、病院の規模、コロナ禍の中での診療、人材不足等、様々な要因によって縦断的、横断的な対応の変化を求められる。外科診療に関する医療事故の発生状況や医療事故に対する取り組みがどのように行われているのか、各施設における現状と取り組みについて示していただきたい。

ビデオシンポジウム

  1. 食道胃接合部癌に対する最適な術式選択
    司会: 小嶋一幸 (獨協医科大学上部消化管外科)
    山下好人 (日本赤十字社和歌山医療センター)

     近年、食道胃接合部癌は増加傾向にあり、噴門側胃切除術や腹部食道合併切除を施行する頻度は増加している。食道胃接合部癌に対する外科治療においては、本邦で行われた研究結果より至適リンパ節郭清範囲に関しては一定の見解が得られた。しかしながら、切除術式や再建法およびアプローチ法の選択に関しては様々な再建法が報告されているがいまだ確立したものはない。本セッションでは各施設での切除再建法の工夫と、QOLも含めたその術後成績をご発表いただき最適な術式を示していただきたい。

  2. ロボット支援下胃切除の標準化と個別化
    司会: 能城浩和 (佐賀大学医学部一般・消化器外科)
    瀧口修司 (名古屋市立大学消化器外科学)

     ロボット支援下胃切除術が保険適用され4年が経ち、全国の多くの施設で導入が進んでいる。今後、ロボット胃切除術を安全に推進していくためには定型化が必要になるものと思われる。また、手術支援ロボットの潜在能力は、従来の外科手術とは異なる新たな可能性を秘めている。本セッションでは各施設で工夫されているロボット手術の手技とその成績を示していただき、定型化への取り組み、個別化へ向けた将来の方向性を示していただきたい。

  3. 標準的な痔核手術
    司会: 岡本欣也 (東京山手メディカルセンター大腸肛門病センター)
    野明俊裕 (大腸肛門病センター高野会くるめ病院)

     痔核に対する手術治療法の中で根治性、汎用性をもって標準術式と考えられているのが「結紮切除術」である。本術式は1937年に英国のMilliganとMorgan が発表したもので、本邦には1960~1970年頃に導入された。結紮切除手術はあらゆるタイプの痔核、あらゆる重症度の痔核に対しても適応となる手術方法であり、根治性も高いが、術後の疼痛や出血などの急性期合併症や肛門狭窄などの晩期合併症が多いところが欠点と言える。本シンポジウムでは各施設における痔核手術のテクニックや術後合併症を低減するための工夫を論じていただきたい。

  4. 標準的なストーマ造設術
    司会: 船橋公彦 (東邦大学医療センター大森病院)
    古畑智久 (聖マリアンナ医科大学東横病院)

     ストーマ造設術は若手外科医の習得すべき手術のひとつとされているが、実際の手術手技については術者や施設によってバリエーションに富んでいる。適切な手術手技により造設されたストーマは、オストメイトとしてのQOLを確保することができる。若手外科医だけでなく、ストーマ造設に関わる全ての外科医に向けて、ストーマ造設の標準化を目指して、各自の手術手技を供覧し、ストーマ造設を見直す場としていただきたい。

  5. 小児内視鏡外科手術の標準化と教育
    司会: 家入里志 (鹿児島大学小児外科)
    内田広夫 (名古屋大学大学院医学系研究科小児外科学)

     近年、小児外科疾患においても機器の進歩や細径デバイスの開発が進み、内視鏡外科手術が多くの疾患で導入されるようになってきた。しかし、小児外科疾患は個々の症例が少ないことから、後進の育成には術式の標準化と教育方法の工夫が必要であると考えられる。本シンポジウムでは、今後さらに小児内視鏡外科手術を発展させていくにあたり、経験豊富な施設から手術術式の標準化と後進に対する教育方法の工夫について提示していただき、今後の展望についても議論していただきたい。

パネルディスカッション

  1. 食道癌に対するロボット支援下手術の治療成績
    司会: 本山悟 (秋田赤十字病院消化器外科)
    大幸宏幸 (国立がん研究センター中央病院食道外科)

     ロボット支援下食道悪性腫瘍手術が保険適用となり、全国に普及している。治療成績についてのデータも多くなってきたと考えられる。胸腔鏡手術や開胸手術と比較した合併症、QOL、治療成績を提示いただき、さらにロボット支援下食道切除の今後についても論じていただきたい。

  2. 食道癌手術における周術期チーム医療について
    司会: 河野浩二 (福島県立医科大学消化管外科学講座)
    掛地吉弘 (神戸大学食道胃腸外科)

     食道癌手術では、術後合併症の発症が他の手術と比較し高く、安全な手術のためには周術期管理が重要である。多職種によるチームでの取り組みを行うことにより成績向上がなされた報告もある。各施設での周術期管理の工夫、治療成績について報告いただき討論いただきたい。

  3. 食道胃接合部癌 up to date(現状と展望)
    司会: 小濱和貴 (京都大学消化管外科)
    黒川幸典 (大阪大学消化器外科)

     本邦での食道胃接合部癌が増加傾向にあるなかで、多施設共同研究の結果より、食道浸潤範囲別に外科手術アプローチ法、リンパ節郭清範囲が提示された。しかしながら食道胃接合部癌における郭清や狭視野での縦隔内吻合は難易度が高く、縫合不全や術後逆流性食道炎は依然として解決すべき課題のひとつである。このセッションでは食道胃接合部癌に対する郭清手技、再建法の工夫など、治療成績を交えて紹介していただきたい。

  4. 高度進行胃癌に対するConversion surgeryの成績と今後
    司会: 土岐祐一郎 (大阪大学消化器外科)
    沖英次 (九州大学大学院消化器・総合外科)

     Conversion surgeryとは、切除不能進行胃癌症例に対して全身化学療法を行い、これが著効し腫瘍を完全切除できる可能性のある症例に対して行われる手術である。化学療法の進歩とともにこうしたconversion surgery症例は増加しており、CONVO-GC-1ではR0切除が施行されればStage IVからのconversion症例は比較的良好な予後が得られることが示された。しかしながら、手術を行うタイミングなどに関しては未だ議論すべき点が多い。本セッションでは、胃癌に対するconversion surgeryの各施設における定義や治療法、特に成績と治療戦略について討議いただきたい。

  5. 胃癌治療における免疫チェックポイント阻害剤
    司会: 馬場秀夫 (熊本大学大学院消化器外科学)
    佐藤太郎 (大阪大学医学部附属病院)

     近年、がん免疫療法の進歩は著しく、胃癌においても三次治療以降においてニボルマブがプラセボに対する全生存期間延長効果を示し(ATTRACTION-2試験)、さらには、CheckMate649試験、ATTRACTION-4試験の結果を受けHER2 陰性の治癒切除不能な進行・再発胃癌/胃食道接合部癌の一次治療における化学療法とニボルマブの併用療法が推奨されるレジメンとなった。一方で、pembrolizumabの第III相試験では、標準化学療法に対して全生存期間における優越性を示していない。本セッションでは胃癌治療における免疫チェックポイント阻害剤の現状とこれからの方向性に関して議論を行いたい。

  6. 高齢者胃癌に対する治療戦略
    司会: 吉川貴己 (国立がん研究センター中央病院胃外科)
    李相雄 (大阪医科薬科大学一般・消化器外科学)

     胃癌の年齢調整罹患率は減少しているが高齢者の胃癌はむしろ増加している。高齢者に対しても若年者と変わらず安全に手術が行えるとする見解も多いが、退院後の栄養障害やADLの低下からQOLが大きく損なわれる症例や他病死するものも少なくないと考えられる。また手術後の補助化学療法についても意見の分かれるところである。各施設における標準手術の適応、手術成績、術後の治療成績について議論していただきたい。

  7. 閉塞性大腸癌に対する治療方針
    司会: 斉田芳久 (東邦大学医療センター大橋病院外科)
    山田岳史 (日本医科大学消化器外科)

     Oncologic emergencyの一つである閉塞性大腸癌に対する治療方針は、患者因子・腫瘍因子を考慮し、個々に対応しているのが現状である。2012年大腸癌ステントが保険収載されて以降、Bridge to Surgeryの有用性が報告されてきた。保険収載から10年を経た現在、長期的な経過も含め、改めて本疾患の治療方針について、各種選択肢のメリット・デメリットを討議する場としたい。

  8. 遺伝性大腸癌に対する現在の取り組みと今後の展望
    司会: 石田秀行 (埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科)
    檜井孝夫 (広島大学病院遺伝子診療科)

     大腸癌患者数の増加に伴い、日常臨床でも家族性大腸腺腫症とリンチ症候群といった遺伝性大腸癌に遭遇する機会が増えてきている。2020年に治療ガイドラインが改訂され、一般臨床家でも本疾患に対する理解が広がるとともに、遺伝学的検査や遺伝カウンセリングが積極的に行われるようになってきた。各施設での遺伝性大腸癌の診断・治療に対する取り組みと今後の展望について論じていただきたい。

  9. 直腸癌に対する至適アプローチ法
    司会: 伊藤雅昭 (国立がん研究センター東病院)
    絹笠祐介 (東京医科歯科大学)

     骨盤深部の直腸癌手術は高難度とされてきたが、腹腔鏡の導入による拡大視効果や微細解剖の把握などの利点から、腹腔鏡手術が一般的になってきている。さらに2018年に保険収載されたロボット支援下手術や腹腔側アプローチの欠点を克服するtaTMEといった新たなアプローチ方法での手術数も年々増加してきている。それぞれのアプローチ方法における手術適応やメリット・デメリットについて、その治療成績とともに論じていただきたい。

  10. 肝細胞癌に対する肝移植
    司会: 嶋村剛 (北海道大学病院臓器移植医療部)
    副島雄二 (信州大学消化器・移植・小児外科)

     肝がん診療ガイドラインにおいて肝移植は肝細胞癌治療の選択肢の一つとされている。肝細胞癌に対する肝切除やラジオ波、TACEなど他治療によるbridgingやdownstaging、または再発肝細胞癌に対するsalvage肝移植の現状、拡大ミラノ基準(5-5-500基準)による影響など、本セッションでは各施設における肝細胞癌に対する肝移植の現状・成績と展望を発表していただきたい。

  11. 肝移植後の長期成績
    司会: 江口晋 (長崎大学大学院移植・消化器外科学)
    池上徹 (東京慈恵会医科大学外科学肝胆膵外科)

     本邦の肝移植は1990年代から本格的に臨床現場に登場し、現在までに国内累計で10000例を超える実績が積み重ねられ、末期肝不全に対する標準治療のひとつとして確固とした評価を得ている。しかしながら、生体・脳死とも増加せず、COVID-19の影響もあり、移植を受けられずに命を落とす多数の末期肝臓病患者が存在し、未だ克服すべき課題は多い。また、近年の肝移植を取り巻く状況は大きな変化を生じ、B・C型肝炎ウイルスの治療は大きく進歩し、今後は非代償性肝硬変の主成員がウイルス性からNASHやアルコール性にシフトすることが予想され、新たに予後不良の病態としてACLFの移植の是非も議論されている。本セッションでは、各施設における肝移植の長期成績を振り返り、その進歩と現状ならびに今後の課題について示していただきたい。

  12. 腹腔鏡下胆嚢摘出術中の胆管損傷時の対応
    司会: 高槻光寿 (琉球大学消化器・腫瘍外科)
    梅澤昭子 (四谷メディカルキューブきずの小さな手術センター)

     腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)は低侵襲であり良性胆嚢疾患の標準術式となっている。しかしながら術中胆道損傷(BDI)の発生率は0。4-0。6%と報告されており、看過できない問題である。急性胆嚢炎・胆管炎診療ガイドライン(TG18)にはBDIを回避するための方法は示されているが、実際にBDIが判明した場合の対応に関しては明確な指針がないのが現状である。またBDIには損傷形態や損傷部位のvariationが多くその修復方法も多岐にわたる。本セッションにおいて、LCにおけるBDIの対応について各施設の方針や問題点について議論いただきたい。

  13. 膵神経内分泌腫瘍に対する治療戦略
    司会: 伊藤鉄英 (福岡山王病院膵臓内科・神経内分泌腫瘍センター/国際医療福祉大学医学部消化器内科)
    工藤篤 (東京医科歯科大学)

     膵神経内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine neoplasms:PanNENs)は画像検査の進歩により増加傾向にあり、その中でも非機能性 PanNENs は半数以上を占めている。非機能性 PanNENs の治療方針は、原則外科的切除であるが、その術式は局在やリンパ節転移のリスクを考慮して、核出術やリンパ節郭清を伴う膵切除術が提案されている。一方で、小病変については経過観察が一つの選択肢と挙げられており、一定の見解が得られていない。本セッションでは、各施設での膵神経内分泌腫瘍の治療戦略とそのアウトカムについて提示いただきたい

  14. 呼吸器外科手術におけるナビゲーションサージェリー
    司会: 光岡正浩 (久留米大学医学部外科学講座)
    坂尾幸則 (帝京大学外科学講座)

     触知困難な小型肺病巣の局在同定のために、術前マーキング、Cone-beam CT・色素・ICGなどによる術中マーキング、VAL-MAPなど様々な工夫が試みられている。本セッションでは、各施設で実際に行われている手技についての解説と、具体的な方法、手技上のコツなどを経験豊富な先生から示していただきたい。

  15. オンコプラスティックサージャリーの新たな試み
    司会: 喜島祐子 (藤田医科大学乳腺外科学講座)
    矢永博子 (医療法人Yanaga CLinic &組織再生研究所)

     オンコプラスティックサージャリー(OPS)は、組織学的に乳癌の原発巣を完全に切除すると同時に乳房の形状を最大限に維持することを目指す手術であり、乳腺外科と形成外科の両方技術の融合が要求される。 近年、術後整容性への要望が高まり、また、BRCA遺伝子陽性患者に対する予防切除術も行われるようなったことに伴い、日本国内におけるOPSの重要性は益々認識されている。その臨床実情、成績及び問題点について、乳腺外科と形成外科の両方専門医から発表していただき、OPSの可能性とその限界などを論議していただく。

  16. より安全、安心な頚部手術を行うためには-術後合併症を回避するための工夫-
    司会: 田部井功 (東京慈恵会医科大学附属第三病院)
    進藤久和 (やました甲状腺病院)

     甲状腺・副甲状腺などに対する頚部の手術では、手術自体の侵襲度は大きくなくとも、何らかの合併症を惹起した場合、重篤な状態を招く場合がある。術後反回神経麻痺、副甲状腺機能低下症さらに術後出血による窒息、あるいは甲状腺針細胞診検査における合併症などがあげられる。これらを回避すべく、各施設の対策として定めた各種safety net や手術手技自体の工夫、あるいは神経刺激装置、近赤外線カメラなどのツール利用など、いかに外科医が安全で確実な手術を行い、安心して術後を迎えているかの持続可能な対策を紹介していただきたい。

  17. 腹壁ヘルニアに対する術式と適応
    司会: 山本海介 (四谷メディカルキューブ)
    進誠也 (光晴会病院外科)

     腹壁ヘルニアはその発生部位や大きさなどにより難易度が異なるが、その適応と術式に関してのコンセンサスは得られていない。メッシュの留置部位、アプローチ法などによる各術式の相違・問題点を明らかにして欲しい。また、術後合併症や腹壁機能などの手術成績についても論じていただきたい。

  18. 鼠経部ヘルニアの手術手技
    司会: 江口徹 (医療法人原三信病院)
    宮崎恭介 (みやざき外科・ヘルニアクリニック)

     鼠径部ヘルニア治療では従来の組織縫合法から tension free 術式のメッシュ法が普及し現在に至っている。しかしながら、鼠径部ヘルニアの術式は多種多様であり、アプローチ法(鼠径部切開法、腹腔鏡下手術)やメッシュの種類なども施設や術者により異なる。本セッションでは各施設で施行されている鼠径部ヘルニアの手技と治療成績を示してほしい。

  19. 救急疾患における漢方薬治療の役割
    司会: 八木実 (鶴岡市立荘内病院)
    七種伸行 (久留米大学医学部外科学講座小児外科部門)

     「漢方薬は効果が出るまである程度時間がかかるため、救急医療とは対極にあるものである。」という認識が一般的である。また、救急的に内服薬を投与する時期は遅い傾向にある。しかし、漢方薬に対する薬理作用が詳細に解明されつつあり、漢方理論を考慮せず病名処方でも有効性を得られる症例も存在する。
     漢方薬治療は本来、救急医療現場では直結しにくい治療法ではあるが、実臨床の現場でどのような疾患に、どのような漢方薬を、どのような時期に使用すればよいか、経験を踏まえ議論していただきたい。

  20. COVID-19陽性腹部救急疾患の対応
    司会: 真弓俊彦 (JCHO中京病院)
    坂口孝宣 (磐田市立総合病院)

     COVID-19感染症の発生から2年が経過し、この感染症への対応も新たなフェーズを迎えている。感染患者の増加に伴い、救急搬送されるCOVID-19陽性患者への対応を経験した施設も多いと思われる。現在、救急外来などではCOVID-19感染症の曝露のリスクを常に念頭に置き、各施設で対応しているが、一定の見解は確立されていないと思われる。このセッションでは、特に腹部救急疾患に焦点を絞り、COVID-19感染症曝露の対応、初期治療の方法、専門治療医への連携などについて議論していただきたい。

  21. 手術手技伝承のためのSDGs
    司会: 山本雅一 (社会医療法人中山会宇都宮記念病院)
    藤田博正 (一般社団法人巨樹の会新武雄病院)

     SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能な社会の実現を目指す世界共通の目標である。2030年をターゲットイヤーとし、17の目標と169のターゲットから構成されている。17の開発目標を重視した各施設の手術手技伝承のための教育手法について、発表いただく。

  22. 外科医の行うべき化学療法と緩和医療
    司会: 廣野靖夫 (福井大学医学部附属病院がん診療推進センター)
    松﨑圭祐 (要町病院腹水治療センター)

     化学療法や緩和医療について、近年は都市部を中心に専門医による医療提供体制が構築されつつあるが、地方の中規模以下の病院では現在でも外科医が主体的に関与しているものと推測される。本セッションでは外科医が行うべき化学療法と緩和医療について、どこまでやるべきで、どこからやるべきでないのか、一定の基準を提示いただきたい。

  23. ロボット支援下手術における若手の教育の現状とこれから
    司会: 山口智弘 (がん研究会有明病院消化器センター大腸外科)
    大塚耕司 (昭和大学食道がんセンター)

     ロボット支援下手術の普及に伴い、若手外科医がロボット支援下手術に携わる機会も増えてきた。それに伴い、若手外科医の教育が非常に重要となってくる。現在、術者として手術を行っている外科医のほとんどは腹腔鏡手術に精通しているが、今後ロボット支援下手術からスタートする若手外科医もでてくるであろう。またロボット支援下手術はソロサージェリーであることが多く、そこにどのように若手外科医が参加していくかも今後の課題と思われる。シミュレーターやデュアルコンソールシステムの活用、各場面での術者交代など各施設での若手外科医の教育の工夫や今後への展望を討議いただきたい。

  24. 減量・代謝改善手術の治療成績
    司会: 佐々木章 (岩手医科大学外科学講座)
    太田正之 (大分大学グローカル感染症研究センター)

     本邦では2014年に内科治療抵抗性の高度肥満者に対する腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が保険収載され、その導入施設数・手術例数とも急速に増加している。また、2021年に日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本肥満症治療学会の3学会により、減量・代謝改善手術は2型糖尿病に対し検討するべき治療選択肢として位置づけられ、さらなる増加が予想される。
     本セッションでは各施設での減量・代謝改善手術の短期および長期的な減量効果や肥満関連疾患の改善効果をご提示いただき、その問題点や今後の展望についてご討議いただきたい。

  25. 小児外科疾患の術後機能評価と今後の展開 ―よりよい機能を目指してー
    司会: 金森豊 (国立成育医療研究センター外科)
    米倉竹夫 (近畿大学奈良病院小児外科)

     食道閉鎖症や鎖肛、ヒルシュスプルング病をはじめとする小児外科疾患では、術後機能を重視して低侵襲手術の導入や手術術式の工夫などを重ねてきた。加えて、術後もさらなる機能改善を目指して、機能評価法を組み合わせたトレーニングにも取り組んでいる。本セッションでは、様々な小児外科疾患の術後成績を各施設における術式やトレーニングの工夫を術後機能の点から評価していただき、今後のさらなる機能改善に向けて議論していただきたい。

  26. 地域における外科医の使命
    司会: 尾崎邦博 (大分県済生会日田病院外科)
    内田信之 (原町赤十字病院外科)

     近年、外科は専門化、細分化されているが、地域においては依然として外科手術、化学療法、救急医療、緩和ケア、コロナ診療他、様々な役割を担っている。また、外科領域においても専門外の疾患に対して術前検査、手術、化学療法、術後フォローを行う機会もある。その一方で、地域においても専門医の取得、サブスペシャリティーの育成を課せられる。今回、様々な地域、規模の施設において外科医がどこまで関わっているのか、現状と取り組みについてご討論をお願いしたい。

  27. 地域外科医を確保するために
    司会: 落合登志哉 (京都府立医科大学附属北部医療センター)
    大野伯和 (兵庫県立丹波医療センター外科)

     地域医療において外科は必須である。そのため近年の外科志望者の減少は地域外科医療に多大な影響を及ぼすことになる。外科のやりがいは以前と比べ低下しておらず、外科の魅力を感じる医学生や研修医が多いのも事実である。そこから外科医の増加につながらない原因の一つに外科医の魅力の伝え方の問題がある。また、解決策として女性外科医の育成や地域格差の是正も重要となる。様々な施設、地域で外科医の確保と育成に取り組んでいる現状と取り組みについて議論していただきたい。

  28. 内視鏡外科手術普及による功罪
    司会: 遠藤和彦 (JA秋田厚生連秋田厚生医療センター)
    白下英史 (大分大学消化器・小児外科)

     これまでに内視鏡外科手術は低侵襲、手術精度の向上他、様々な利点が証明されてきた。その一方でディスポーザブルの材料が多く使われ医療廃棄物は増え続けている。また待機手術、緊急手術ともに内視鏡外科手術の適応が拡大される際には、合併症の増加や新たなピットフォールが見つかる機会がある。そのため、高難易度手術や新たな適応拡大の際に、安全の担保と治療精度の維持のため様々な準備と工夫が必要となる。各施設における内視鏡外科手術の功と罪、そして罪を抑えるための取り組みについて議論していただきたい。

ビデオパネルディスカッション

  1. 壁外浸潤大腸がんの治療
    司会: 上原圭 (名古屋大学腫瘍外科)
    池田正孝 (兵庫医科大学消化器外科学講座下部消化管外科)

     壁外浸潤大腸癌に対する治療として、周辺臓器切除も含めた根治的拡大手術や化学療法±放射線治療による集学的治療を先行した根治的切除術など様々なアプローチ法が考えられる。拡大手術を行う場合、術中偶発症・術後合併症の回避だけでなく、他臓器の機能温存を考慮した術前から手技・術後まで様々な工夫が必要である。本セッションでは、壁外浸潤大腸癌に対する治療戦略を提示していただき、安全かつ根治性を担保した治療を行うための共有すべきポイントやピットフォールなどについて議論いただきたい。

  2. 結腸癌に対する体腔内吻合の問題点と工夫
    司会: 奥田準二 (豊中敬仁会病院)
    渡邉純 (横浜市立大学附属市民総合医療センター)

     体腔内吻合は腸管授動範囲や皮膚切開創の縮小などによる患者負担の軽減が期待されているが、腸管開放に伴う感染や腫瘍細胞播種による再発が懸念される。吻合法には機能的端々吻合・Overlap法・デルタ吻合などがある。さらに、結腸-結腸吻合や結腸-小腸吻合も場合も加わることで、吻合法のバリエーションは多様で手技上の工夫を要する。本セッションでは、体腔内吻合の問題点を挙げ、確実・安全に施行するための問題点と工夫について議論いただきたい。

  3. ロボット支援下ヘルニア修復術の現状と問題点
    司会: 三澤健之 (帝京大学医学部外科学講座)
    嶋田元 (聖路加国際病院ヘルニアセンター)

     ロボット支援下ヘルニア修復術は、近い将来の保険適用が予定されており今後の急速な普及が予想される。従来の腹腔鏡下ヘルニア手術と比較して、現状のロボット支援下ヘルニア修復術の利点や問題点などを含め今後の展開について討論していただきたい。

ワークショップ

  1. 食道再発癌への治療戦略
    司会: 村上雅彦 (昭和大学食道がんセンター)
    佐伯浩司 (群馬大学大学院消化管外科)

     食道癌術後再発は2年以内が多いと報告されている。CheckMate577試験で術前化学放射線療法後に切除された食道癌、食道胃接合部癌において、ニボルマブ投与群はプラセボ投与群と比較して有意な無病生存期間の延長を認めた。ステージII、IIIへの標準療法である術前化療のあと手術を行った症例への適応についてはさまざまな意見があるところである。術後再発予防に向けた経過観察、術後補助療法への適応症例、その治療について議論いただきたい。

  2. 腹腔鏡下手術における脾門部リンパ節郭清の現状
    司会: 木下敬弘 (国立がん研究センター東病院胃外科)
    衛藤剛 (大分大学消化器・小児外科)

     現在大弯にかからない進行胃癌に関しては脾門部の郭清を省略することが一般的となっており、胃上部の大彎に浸潤する進行胃癌に対する治癒切除では、脾摘による完全郭清が望ましいとされている。本邦では脾臓温存による脾門部郭清がJCOG1809試験のもと行われているが難易度が高く、郭清効果や治療成績に関しては議論の分かれるところである。本セッションでは両手技における手技の工夫や治療成績について討議いただきたい。

  3. 胃癌に対するナビゲーションサージェリーの工夫
    司会: 小寺泰弘 (名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学)
    稲木紀幸 (金沢大学医薬保健研究域医学系消化管外科学/乳腺外科学)

     近年、胃切除におけるセンチネルリンパ描出、切除範囲決定のマーキングや吻合部血流評価目的にICG蛍光標識が用いられることが多くなっている。これらの手技は未だ一般的ではなく、治療成績としての見解も意見が分かれるところである。本セッションでは各施設における手技の実際や工夫、評価の方法、治療成績、今後の展望について討議いただきたい。

  4. 進行胃癌に対する周術期化学療法
    司会: 大平雅一 (馬場記念病院)
    徳永正則 (東京医科歯科大学消化管外科)

     近年の胃癌化学療法の進歩に伴い、化学療法後に手術が行われる症例が増加しており、切除可能症例に対するNeoadjuvant Chemotherapyと、切除不能例に対する化学療法後の手術(Conversion Surgery)に大別される。いくつかの臨床試験が進行中であるり、いずれも未だ適応や術式などが定まっているとは言えない。各施設の適応、化学療法との組み合わせ、術式などについての見解を討議いただきたい。

  5. 内視鏡・腹腔鏡下合同手術の現状
    司会: 金高賢悟 (長崎大学大学院消化器再生医療学講座)
    布部創也 (がん研有明病院胃外科)

     Laparoscopy Endoscopy Cooperative Surgery(LECS)や内視鏡的胃全層切除術(CLEAN-NET)は、主に胃粘膜下腫瘍に対して内視鏡と腹腔鏡下手術のコラボレーションにより至適な胃切除、縫合閉鎖を行う術式である。近年では、術後残胃の変形の少なさや噴門病変でも噴門側胃切除や胃全摘術が回避できるなどの利点から胃癌にも適応を広げつつある。一方で、腫瘍の大きさ、形態、局在によりその手技の難易度は多岐にわたる。本セッションでは、内視鏡・腹腔鏡下合同手術の適応、新たなる展開について広く演題を募集し、今後の展望について討議いただきたい。

  6. GISTの治療
    司会: 瀬戸泰之 (東京大学消化管外科)
    西田俊朗 (地域医療機能推進機構大阪病院)

     GIST治療の基本は外科切除であるが、転移症例には薬物療法としてイマチニブに加え、スニチニブ、レゴラフェニブが承認されている。GISTは希少がんの中では分子メカニズムが良く解明されているが、未だに診断治療で多くの課題を抱えている。本セッションでは、GISTの診断、外科治療、薬物治療、集学的治療の現状と今後の展望について討議いただきたい。

  7. 胃癌術後障害の評価と予防
    司会: 中田浩二 (東京慈恵会医科大学附属第三病院 臨床検査医学)
    辻本広紀 (防衛医大)

     胃切除後にはさまざま障害がおこることが知られているが、その正確な評価は難しく治療が確立しているとはいい難い。胃切除後障害を効率よく拾い上げ対応するためのPGSAS調査票が開発されている。今回、各施設における使用成績や効果等についてご報告いただきたい。また、PGSAS next studyやPGSAS以外の評価法や各施設における術後障害への対応や予防方法についても討議していただきたい。

  8. PTEGの有用性と普及に必要なもの
    司会: 鷲澤尚宏 (東邦大学医療センター大森病院栄養治療センター)
    大石英人 (独立行政法人国立病院機構村山医療センター外科)

     経皮経食道胃管挿入術Percutaneous Trans-Esophageal Gastro-tubing (PTEG)は、経皮内視鏡的胃瘻造設術Percutaneous Endoscopic Gastrostomy (PEG)が造設不能もしくは困難な患者さんにも、簡便かつ安全で低侵襲に造設が可能な頸部食道瘻造設術である。PEGと同様に、主に経管経腸栄養法や腸管減圧法に用いられるが、未だに普及しているとは言い難い。今回は、PTEGの有用性、QOL向上への取り組み、啓蒙活動の工夫など、各施設からの前向きな演題を期待する。

  9. 直腸癌局所再発の治療
    司会: 関本貢嗣 (関西医科大学外科学講座)
    塚田祐一郎 (国立がん研究センター東病院)

     直腸癌局所再発に対する根治切除が可能な症例もあるが、再発形式は様々で定型化が難しい。他臓器や血管と近接した病変に対して、根治的拡大手術は術中偶発症・術後合併症の頻度が高く様々な工夫が必要である。さらに、術前放射線治療や周術期化学療法などの集学的治療の有用性が検証されている。また、局所の病変制御に限らず、遠隔臓器再発の予防も重要である。本セッションでは、直腸癌局所再発症例に対する外科治療の意義や工夫、集学的治療の有用性などについて議論いただきたい。

  10. 進行直腸癌に対するTotal Neoadjuvant Therapy
    司会: 福長洋介 (がん研有明病院消化器外科)
    金光幸秀 (国立がん研究センター中央病院大腸外科)

     本邦の遠隔転移のない直腸癌の標準術式は手術+補助化学療法であるが、進行直腸癌は結腸癌に比べて根治術後の再発転移率が高く、満足の行く治療成績が得られていないのが現状である。近年、進行直腸癌対して局所再発と遠隔転移の制御のため、欧米を中心に術前化学療法とCRTを併用したTotal neoadjuvant therapy(TNT)が発達してきており、本邦でも導入する施設が増えている。本ワークショップでは、各施設のTNTの適応、取り組み(外科・腫瘍内科・放射線科の連携など)、治療成績など議論していただきたい。

  11. 炎症性腸疾患に対する腹腔鏡手術
    司会: 板橋道朗 (東京女子医科大学外科学講座炎症性腸疾患外科学分野)
    石原聡一郎 (東京大学医学部腫瘍外科・血管外科)

     本邦では大腸癌に対する腹腔鏡手術が一般的となり手技が発達したことにより、炎症性腸疾患に対する腹腔鏡手術も増加傾向である。その一方で、潰瘍性大腸炎は大腸亜全摘や回腸嚢作成など通常の大腸癌手術と異なる手技を行い、クローン病は瘻孔や膿瘍形成により腹腔内が複雑化している症例や、再手術症例も少なくなく、施設の経験を考慮し適応を決定する必要がある。本ワークショップでは、腹腔鏡手術の適応や手術における工夫、治療成績、今度の展望などについて議論していただきたい。

  12. 複雑性虫垂炎の治療方針
    司会: 岡島正純 (三渓会川堀病院)
    西村淳 (長岡中央綜合病院外科)

     穿孔や膿瘍形成を伴う複雑性虫垂炎の標準治療は緊急虫垂切除であるが、単純性虫垂炎と比べて術後合併症の発生率が高く、回盲部切除などの拡大手術を要することもある。そのため保存的加療後の待機的虫垂切除(interval appendectomy)も選択肢となるが、方針の選択について明確な基準はない。本ワークショップでは、複雑性虫垂炎に対する各施設の治療方針について、治療法の選択基準や手術を行うタイミング、手術のアプローチ方法(開腹、腹腔鏡)など様々な観点より議論していただきたい。

  13. 肝切除におけるナビゲーション
    司会: 神山俊哉 (静和記念病院)
    青木武士 (昭和大学消化器・一般外科)

     肝切除術においては、術前3次元画像解析にて腫瘍の局在や肝内の脈管走行を確認する術前シミュレーションが重要であるが、術中リアルタイムに手術野に反映することができればその安全性などに寄与する可能性がある。各施設で行われているICG蛍光法やプロジェクションマッピングなどの術中ナビゲーションの実際を呈示していただき、その手術成績および将来の展望などについて議論していただきたい。

  14. Intermediate stage HCCに対する治療戦略
    司会: 吉住朋晴 (九州大学消化器・総合外科)
    永野浩昭 (山口大学消化器・腫瘍外科学)

     肝細胞癌に対する薬物療法は、6レジメンが保健診療で使用可能となり、進行肝細胞癌治療のパラダイムシフトが起きている。Intermediate HCCの世界的な標準治療はTACEだが、本邦ではTACEに加えてHAIC、肝切除、薬物療法も選択可能で、症例に応じた効果的な集学的治療の構築が予後改善に繋がると考えられている。各施設におけるIntermediate HCCに対する治療適応、切除成績、切除例に対する周術期薬物療法など様々な観点から予後改善の工夫を議論していただきたい。

  15. 胆道癌における周術期補助療法の有用性
    司会: 久下亨 (久留米大学外科学講座肝胆膵部門)
    岡野圭一 (香川大学消化器外科)

     胆道癌は外科切除のみが根治を期待できる治療法であるが、R1切除となる頻度も高く、R0切除であっても術後再発率は高い。しかしながら、現在までに報告されたランダム化比較試験やメタアナリシスの結果において、エビデンスのある胆道癌術後補助療法は確立されていないのが現状である。本セッションでは胆道癌における化学療法だけでなく放射線療法等を含めた術前・術後治療の各施設での治療法や治療成績を提示いただき、その治療戦略を討議いただきたい。

  16. 進行胆嚢癌に対する術式選択と治療成績
    司会: 佐野力 (愛知医科大学消化器外科)
    青木琢 (獨協医科大学肝・胆・膵外科)

     進行胆嚢癌に対してはその進展様式や病期に応じて様々な治療法が選択される。特に周囲さまざまな臓器に直接浸潤する胆嚢癌(cT3)は切除適応の境界に位置し、術式も標準化されておらず治療法決定に難渋する。今回はこの胆嚢癌(cT3)における肝実質、胆管、十二指腸などへの浸潤に対し、肝浸潤や胆管浸潤の評価方法及びその至適な切除範囲の設定、十二指腸浸潤に対しての膵頭十二指腸切除術(PD)及び肝切除を伴うPDの是非など、診断から術式選択とその治療成績を提示いただき、議論を行いたい。

  17. 膵癌における低侵襲膵切除術の適応と治療成績
    司会: 永川裕一 (東京医科大学消化器・小児外科学分野)
    大塚隆生 (鹿児島大学消化器外科)

     膵低侵襲膵手術は安全性確保の観点から諸外国と比較し普及は遅れたが、高難度手術導入おける様々なシステムが構築され、導入する施設が少しずつ増加している。またそれらは、従来の開腹手術に比べて遜色のない治療成績が報告されている。膵癌に対する外科治療の基本は根治切除であり、低侵襲性膵切除においても過不足のない手術でなくてはならない。本セッションでは、各施設が取り組まれている腫瘍学的観点からみた手術手技のポイント、合併症対策などについて議論していただきたい。

  18. 膵切除後膵液瘻予防への取り組み
    司会: 藤井努 (富山大学消化器・腫瘍・総合外科)
    松本逸平 (近畿大学外科)

     膵切除後の最も注意すべき合併症は膵液瘻およびそれに伴う腹腔内出血や腹腔内膿瘍であり、時に手術関連死亡に直結する。膵液瘻に関わる重要な因子は徐々に明らかになり、近年では膵消化管吻合法・切除断端処理法・周術期管理方法の様々な工夫が報告されているが、依然として施設間において差があり、全体的な治療成績は十分とは言い難い。本セッションでは、術後膵液瘻予防、または膵液瘻の重症化予防の取り組みとその成績をお示ししていただき、今後の課題・問題点についても議論していただきたい。

  19. 膵癌におけるanatomical resection
    司会: 齋浦明夫 (順天堂大学肝胆膵外科)
    平野聡 (北海道大学消化器外科Ⅱ)

     膵癌に対する予防的拡大郭清の効果は複数のRCTにより否定され、近年では術前・術後化学療法の役割が大きな比重を占めるようになった。しかし現在もR0切除は膵癌における重要な予後因子であることに変わりはない。膵癌治療成績向上のためには、合併症が少なく過不足のない切除・郭清が求められ、そのためには解剖学的考察に基づく安全な手術が重要と思われる。本セッションでは各施設が取り組んでいる局所解剖に基づいた膵癌に対する手術手技の工夫やアプローチ方法、郭清範囲を治療成績とともに提示、討議いただきたい。

  20. 担癌症例と心臓血管外科
    司会: 竹村博文 (金沢大学心臓血管外科)
    田山栄基 (久留米大学外科学講座)

     心臓血管外科では、体外循環を始めとして手術の際に抗凝固を必須とすることがしばしばあり、消化管癌症例においてはそのことが手術の足かせになる。また、体外循環による免疫低下で癌が進行することも懸念される。また癌浸潤(腎癌、肝臓癌、肺癌など)を、心臓大血管外科との共同手術を行うことが有効なこともある。担癌症例において、周術期管理を含め心臓血管外科が貢献出来ることは少なくない。様々な経験を持ち寄り討論したい。

  21. 胸部外科外傷に伴う胸郭骨折の外科治療
    司会: 松本勲 (金沢大学呼吸器外科)
    小田誠 (新百合ヶ丘総合病院呼吸器外科)

     胸部外傷患者には診療科に関わらず誰もが遭遇する可能性があるが、治療方針や搬送先の選択に迷うことも多い。特に肋骨骨折や胸骨骨折などの手術ではその手技が遠隔期成績に影響する。過去の報告では固定具として様々な医療材料が使用されており、その固定方法にも工夫が述べられている。本セッションでは各施設で経験された手術症例を提示していただき、胸郭骨折に対する外科治療について討論していただきたい。

  22. 乳がん治療における非手術的治療の試み
    司会: 光山昌珠 (北九市立医療センター外科)
    石川孝 (東京医科大学)

     がんに対する治療全般が、より体に負担が小さい低侵襲治療の方向に向かっているように、腫瘍径がかなり小さいものや低悪性度の乳がんに対して、切らない治療として非手術的療法が研究・開発されて来ている。非手術的療法としては「ラジオ波焼灼療法」「集束超音波治療」「凍結療法」などが挙げられ、治療による入院期間の短縮やQOLの向上に期待が寄せられているが、未だ臨床試験的な段階であり、再発率やその効果についてデータが十分に蓄積されているとは言い難い。この現状を踏まえて、施設での経験を報告いただき非手術的治療の将来を語っていただきたい。

  23. 再発鼠径部ヘルニアに対するベストチョイスな治療法
    司会: 蛭川浩史 (立川綜合病院)
    松村勝 (おだクリニック日帰り手術外科)

     再発鼠径部ヘルニア治療では、腹腔鏡下手術のみならず鼠径部切開法でも再手術時の難易度は高いと言える。再発鼠径部ヘルニアに対しての術式は、初回手術で腹膜前修復法が施行されたか否かに応じて、鼠経部切開法または腹腔鏡下ヘルニア修復術が一般的に選択されることが多い。再発形式に応じたベストな診断や術式が存在するのか討論していただきたい。

  24. COVID-19感染拡大時における外科診療体制の在り方
    司会: 坂元一郎 (高崎総合医療センター)
    登内仁 (桑名市総合医療センター)

     COVID-19のパンデミックが起こってから2年以上経過している。当初は検査体制が不十分であったため日常診療にも影響が出た。また、コロナ患者入院のためのベッド確保などで、日常診療の縮小を余儀なくされたと思われる。現在は、終息の兆しが見えない中でも各施設工夫しながら診療体制を維持していると思われる。感染者数は第5波、第6波と進むにつれ拡大していっているが、このコロナ禍でどのように外科の診療体制を維持、構築していったか議論していただきたい。

  25. COVID-19流行期の癌の治療成績
    司会: 西口幸雄 (大阪市立総合医療センター消化器外科)
    近藤竜一 (独立行政法人国立病院機構まつもと医療センター)

     COVID-19のパンデミックが起こってから2年以上経過している。当初は、診療の縮小、協会けんぽの健診の中止などの影響で受診者数の減少が起こった。健診は通常の体制に戻っているが、2020年は健診控えから本来発見されるはずの癌が45000人ほど未発見になっている可能性が示唆されている。コロナ禍において、癌治療を受ける患者数や初診時の病期がどのように推移し、その成績がどうであったか議論していただきたい。

  26. 集中治療における早期栄養療法開始の実践
    司会: 安田卓司 (近畿大学医学部外科学教室上部消化管部門)
    石橋生哉 (久留米大学医学部外科学講座)

     2020年度の診療報酬改定から集中治療室における早期栄養介入管理加算が新設された。栄養管理により人工呼吸装着期間やICU在室日数、入院日数、退院後の身体機能やADLの改善がみられるとのデータがあり、集中治療後症候群の予防において栄養管理が期待されている。日本版重症患者の栄養療法ガイドラインでも、栄養障害は予後を悪化させるため病態や臓器の障害を把握し適切なエネルギー必要量や栄養基質を早期に投与すべきである、とされている。各施設の栄養療法の実践を発表していただき、アウトカム、注意点などを議論していただきたい。

  27. ダイバーシティ推進の障壁になるものを学ぶ
    司会: 大越香江 (日本バプテスト病院外科)
    河野恵美子 (大阪医科薬科大学一般・消化器外科)

     ダイバーシティとは多様な人材を登用し活用することで、組織の生産性や競争力を高める経営戦略として認知されている。医師の働き方改革と関連し、医療機関でもダイバーシティ推進が叫ばれて久しいが、残念ながらその進捗状況は遅々としていると言わざるを得ない。医療機関におけるダイバーシティ・インクルージョンを妨げる要因とその対応策について、活発な討論を期待する。

  28. 外科医のセカンドキャリアを考える
    司会: 山口圭三 (公立八女総合病院メディカルマネジメントセンター)
    裵英洙 (ハイズ株式会社/慶應義塾大学)

     外科医のキャリアを考える上で避けて通れない、キャリアチェンジの問題。本セッションでは、各界の元外科医による外科医からキャリアチェンジを図るきっかけや成功体験、失敗談、理想のセカンドキャリア等について発表していただき、中堅外科医の働き方改革に資すると同時に若手医師に多くの選択肢を示すことで、外科医の魅力を伝える一石二鳥のセッションとなることを期待する。

ビデオワークショップ

  1. ロボット支援下結腸がん手術の未来
    司会: 松田宙 (大阪国際がんセンター消化器外科)
    塩見明生 (静岡県立静岡がんセンター大腸外科)

     ロボット支援下手術は3D高精細画像の下、モーションスケーリングや手振れ補正機能を有した多関節鉗子を使用することで精巧な手術手技が可能となった。本邦では2018年4月にロボット支援下直腸手術が保険収載され、多くの施設でロボット支援下手術が新規に導入され症例数は増加している。結腸がんのロボット支援下手術は海外においては増加しつつあるが、本邦では保険適応外であるのが現状である。本セッションではロボット支援下結腸がん手術の取り組みを報告していただき、今後の展望と課題について議論いただきたい。

  2. 骨盤臓器脱の最新外科治療
    司会: 山名哲郎 (JCHO東京山手メディカルセンター大腸肛門外科)
    浜畑幸弘 (辻仲病院柏の葉)

     超高齢化社会に伴い骨盤臓器脱 (pelvic organ prolapse: POP) は増加傾向にある。POP外科手術は骨盤底を解剖学的及び生理的に修復するために他科横断的にさまざまな術式が行われている。脱出した臓器と症状により、経肛門的手術・経膣的手術・経腹的手術などが選択されている。女性の狭義のPOPに対しては2020年4月にロボット支援下仙骨腟固定術が保険収載され、術式の選択肢はさらに広がりを見せている。本セッションでは骨盤臓器脱に対するQOLを考えた外科的治療の適応と低侵襲かつ再発率の低い最新の手術手技について議論いただきたい。

  3. 直腸癌手術トラブルシューティング
    司会: 長谷川傑 (福岡大学消化器外科)
    大塚幸喜 (藤田医科大学 先端ロボット・内視鏡手術学講座)

     直腸癌手術は鏡視下手術の普及により拡大視野効果での精巧な手術が可能となったが、直腸癌手術は狭い骨盤内にある直腸を自律神経や肛門機能を温存させながら、TMEの完遂とCRMの確保することが要求されるため、今なお高難易度の手術である。周術期の合併症として他臓器損傷や出血のリスクがあり、長期的な腫瘍学的アウトカムや機能障害に影響することも少なくない。本セッションでは腹腔鏡手術とロボット支援下手術における術中の偶発症の経験と対処法について術中トラブルシューティングの視点から議論いただきたい。

  4. 腹腔鏡下肝切除の工夫と治療成績
    司会: 田邉稔 (東京医科歯科大学肝胆膵外科)
    加藤悠太郎 (藤田医科大学先端ロボット・内視鏡手術学)

     肝腫瘍に対する腹腔鏡下肝部分・外側区域切除は標準術式となりつつあり、さらに高難度肝切除に対する腹腔鏡下手術の普及は目覚ましいものがある。各施設で行われている手術手技の工夫や術後短期成績について発表していただきたい。

  5. 腹腔鏡下再肝切除の工夫と治療成績
    司会: 新田浩幸 (岩手医科大学外科)
    金沢景繁 (大阪市立総合医療センター肝胆膵外科)

     再肝切除症例に対する腹腔鏡下肝切除を施行する頻度は明らかに増加しているが、その適応が課題である。各施設の腹腔鏡下再肝切除時の工夫や短期治療成績(コンバート、合併症など)を呈示していただき、その適応について議論していただきたい。

  6. ロボット・内視鏡時代の術中トラブルシューティング
    司会: 塚本俊輔 (国立がん研究センター中央病院大腸外科)
    板野理 (国際医療福祉大学医学部消化器外科)

     外科手術において術中のトラブルは出血、臓器損傷など多岐にわたる。ロボット、内視鏡時代においてディスオリエンテーションや鉗子の可動域制限のため、今まで考えもしなかった術中トラブルも起きていると思われる。重要なことはトラブルを起こさないことだけではなく、いかにトラブルからリカバーするかであると考える。開腹移行をするのか、腹腔鏡移行するのか、どのように止血しどのように修復するのか。これまでの術中のトラブルの経験と対処法についてご提示いただき、術中トラブルシューティングの視点から討議いただきたい。

  7. 医原性血管損傷に対する対処法
    司会: 廣松伸一 (久留米大学医療センター足病変皮膚潰瘍治療科)
    伊東啓行 (済生会福岡総合病院血管外科)

     医原性血管損傷は起こすべきではないが、胸部消化器外科領域では鏡視下手術などで主要血管周囲へのアプローチで思わぬ血管損傷を起こしたり、心臓血管外科領域ではステントグラフト、TAVIなどの血管内治療やECMOなどの心臓補助装置のアクセスなどで血管損傷を起したりすることも稀ではない。今回は各施設で経験した医原性血管損傷を提示していただき、その対処法について議論していただきたい。

  8. 小児内視鏡外科手術-私のこだわりと工夫-
    司会: 古賀寛之 (順天堂大学小児外科)
    渡辺稔彦 (東海大学医学部小児外科)

     新生児、乳児期の疾患でも内視鏡外科手術を導入している施設が増加しているが、疾患毎の症例数が少ないため、小児外科医一人が経験できる症例数には限りがある。加えて、同じ疾患でも症例毎のバリエーションも豊富なため、個々の症例に応じた工夫が必要になる事も経験する。このワークショップでは、先生方の内視鏡外科手術の経験から得られた機器へのこだわり、新たに開発したデバイス、手術手技に関する工夫などについて提示していただき、そのポイントを多くの小児外科医に共有していただきたい。

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