第37回日本小児臨床アレルギー学会

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司会: 橋本 光司(ときわ台はしもと小児科アレルギー科)
川上 一恵(かずえキッズクリニック)

子どもの喘息を治すには

吉田 幸一(東京都立小児総合医療センター アレルギー科)

アトピー性皮膚炎の治療と生活上の予防の仕方

佐藤 佐由里(山王病院 皮膚科)

食物アレルギーの最新の知識

只木 弘美(国立病院機構横浜医療センター 小児科)

栄養士からのアドバイス

長谷川 実穂(昭和大学医学部 小児科学講座)

Q & A

参加者の皆様からいただいた、一部の質問事項に演者が回答しております。(3月29日更新)

回答者:佐藤 佐由里 先生(山王病院 皮膚科)

Q1.
アトピーと腸内環境は関わりがあると聞いた事があるのですが、医学的な根拠はありますか。(質問者:東京都/40代)
A1.
腸内細菌の研究は近年プロバイオティクスと呼ばれ、盛んにおこなわれています。免疫細胞の動きが腸内細菌の状態による変化するところまでわかっているようですが、アトピー性皮膚炎については、まとまったデータはまだ出ていません。ただ、「日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎のガイドライン」にはプロバイオティクスの研究の成果が今後アトピー性皮膚炎の病気の解明や治療につながる可能性があることははっきり書かれていますので、今後の研究に期待したいです。
Q2.
アトピー性皮膚炎だが、思春期でニキビがある。どのように治療したらいいか。スキンケアもニキビ用だと乾燥しそうです。スキンケアも教えて下さい。(質問者:大阪府/50代)
A2.
アトピー性皮膚炎でにきびも出てきた場合、治療はどちらにウエイトを置くかという問題があります。にきびの症状の状態で治療法は変わります。炎症が強いときは短期間抗生物質の内服薬で炎症を抑えます。毛穴が詰まった白いにきびが増えた場合は、皮脂を少なくして、広がった毛穴を小さくできる外用剤がありますので、2~3か月刺激が出ないように使っていくとにきびができにくい状態になってきます。
塗り薬については、ステロイド剤やタクロリムス軟膏はにきびの炎症を悪化させることがあるので、炎症の強いにきびには塗らない、軟膏のついた手でにきびを触らない注意も必要です。

思春期のにきびには通常にきび用あるいはオイリースキン用のスキンケア製品がありますが、アトピー性皮膚炎のある方が使うと、皮膚炎や乾燥が悪化することがあります。基本的には、敏感肌用のスキンケア製品を使ってください。朝石鹸洗顔する習慣がない場合は朝も低刺激性の石鹸でにきびの集中した部分をやさしく洗顔し、保湿してもらうようにしています。

思春期のにきびは生活習慣も大事で、試験勉強などで、寝不足になると色々注意していても、にきびはひどくなってしまいがちなので、試験が終わったら規則正しい生活に戻しましょう。

Q3.
現在協和キリンがアトピーの薬を開発中ですが、有望な治療薬の最新情報を教えて下さい。(質問者:東京都/30代)
A3.
アトピー性皮膚炎の治療は数年前よりめざましく進歩しましたが、小児用にまではなっていません。
成人あるいは16歳以上、18歳以上の治療が主体ですが、今後小児にも使える治療法が出てくるものと考えます。
ただ、内服薬や注射薬は効果は高いけれど、高額だったり、使用前に全身の検査が必要だったりするものもあり、重症な患者さん向けになる可能性があります。

主なものは

2018年 デュピルマブ (注射薬)抗IL-4α受容体抗体
2020年 デルゴシチニブ(軟膏)JAK阻害剤:こちらは重症でなくても使用可能です。
バリシチニブ(内服薬)JAK阻害剤
2021年? アブロシチニブ、ウパダシチニブ JAK阻害剤
現在試験中 トラロキヌマブ 抗IL-13抗体
ネモリズマブ  抗IL-31抗体
Q4.
子供のアトピー性皮膚炎が薬を使ってもなかなか良くなりません。薬が合っていないのでしょうか?毎晩身体が暖まると痒い痒いとかきむしってしまいます。(質問者:東京都/40代)
A4.
子供は大人と違って掻くのをがまんできません。
かきむしってしまう場合は塗り薬だけに限らず、内服薬も併用して、夜間掻かないようにすると、回復が早くなります。
薬をぬっても良くならない原因はいくつかあります。
1)塗る量と回数が少なく、期待できる効果が出ていない。
2)塗り薬の効果の強さを上回るほど湿疹の状態は重症。
3)湿疹の上に細菌感染による膿痂疹や、単純ヘルペスなど、感染症を合併している。
4)スキンケア製品や塗り薬にかぶれて、逆に刺激による皮膚炎が重なっている。
など考えられますので、治りが悪い場合は主治医先生を受診してください。
Q5.
新生児時期からの保湿が重要という情報は浸透してきたと思うのですが、実際保湿剤を使用する時に何を使用したら良いか迷います。
保湿剤を選ぶにあたっての時期や赤ちゃんや親の特徴、また市販されているもので使うと良いもの良くないもの(商品名を言えれば知りたいですが、難しければ見るといい成分などのポイントなど)が知れると嬉しいです。(質問者:東京都/20代)
A5.
様々な保湿剤が病院薬あるいは市販で出ています。合っていれば市販のものでも、かまいません。
赤ちゃんのうちは皮膚が薄いので、ワセリンなど、刺激が少なく保護する効果の高いものがおすすめです。
近年、クリーム・ローション・フォームなどいろいろな形態で塗りやすくなった保湿剤があります。
成長とともにべたつくのをいやがるお子さんもいますので、このようなものが使いやすいかと思います。
ただ、ヘパリン類似物質含有の保湿剤は顔などもともと皮膚も薄い部分や湿疹の上に塗ると血行促進作用のため、かゆがるお子さんもいますので、注意が必要です。また、尿素含有保湿剤もこのような部位に塗ると、尿素の刺激でぴりぴりしたり違和感が出るので、こちらも注意しましょう。

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