会長挨拶

第119回日本循環器学会中国地方会


笠原 真悟(岡山大学学術研究院医歯薬学域 心臓血管外科 教授)

笠原 真悟この度、「第119回日本循環器学会中国地方会」を2021年11月27日(土)、岡山市の岡山コンベンションセンターにて開催させていただくこととなり、会長を拝命いたしました。皆様におかれましては、コロナ禍の中、大きく変化した日常に対応すべく、日夜大変なご苦労をされていらっしゃることと存じます。2020年の念頭から日常生活が大きく変化しました。最近では変異株が出現し、対応の変化が求められております。この新型コロナ肺炎におきましては、連日多くのメディアで取り上げられており、医療者と行政が素晴らしいチームワークを発揮している地域においては、迅速な対応のもとワクチン接種も含めた対策が行われております。このようなチームワークこそが循環器病学におきましても重要であります。内科、外科のみならず、多職種のチーム医療によって、患者中心のプロフェッショナリズムが成し遂げられるのではないでしょうか。この点におきましてもこの中国地区は、伊藤浩支部長もおっしゃられるように循環器内科、心臓外科そしてメディカルプロフェッショナルの連携が強く、患者中心の医療を推し進めるコンセプトを共有していることが特徴であります。また、この学会では研修医や若手医師が発表の場を得ることによって、次世代育成を含めた持続可能な循環器疾患の将来を考えることも重要な役割と考えております。昨年10月に循環器病対策推進基本計画が出され、国、地方、医療保険者が連携して、一層の国民一体となって取り組むべき指針が出されました。地方にとっても早急な対策が必要になっております。
今回の学会におきましては、この循環器対策基本計画につきましても取り上げていきたいと思います。通常の一般演題の他、若手研究者奨励賞(YIA)、研修医奨励賞、ダイバーシティ推進委員会特別企画、禁煙推進委員会セッション等の開催を予定しています。また前回より継続の若手循環器医の育成を目的とした研修医教育セミナーが企画されております。会長企画としまして先天性心疾患における移行期医療、教育セッションとしてフォンタン手術の基礎と臨床といった成人先天性心疾患に関連したセッションを随所に取り入れたいと考えております。例年にない企画で、学会を盛り上げたいと考えております。
さらに、今回の大きな変革としたしまして、日本心臓リハビリテーション学会中国支部地方会との同時開催が実現致しました。この学会長であります、津山中央病院副院長の岡岳文先生の絶大なるご高配により話がまとまりました。会場を一つにすること、参加人数の増大、参加費の分配など多くの問題をクリアーしながら、この同時開催を通じて今後の地方会のあり方も考えていきたいと思っております。
開催様式に関しましては、さらに最近の全国大会の開催状況、新型コロナ感染症の蔓延状況も鑑み、直前まで関係各所と何度も相談させていただきました。十分な感染対策をとり現地開催を行うためには、3密の回避が必要でセッションの会場を制限せざるを得なくなりました。多くの学会ではシンポジウムを含めた上級演題を現地会場で行い、一般演題をオンデマンドで行うことが多く行われております。しかしながら今回は若手医師の参加の促進や活発な討論、さらには学会経費削減といった地方会ならでは特色を活かすために、一般演題を中心として現地開催し、シンポジウムなどの上級演題はオンデマンド配信といった初めての試みをさせていただきました。この様な形のハイブリッド開催は、上級演題がライブ配信出来ないことで座長、演者の皆様にご不便をおかけすることとなり、本当に心が痛みます。さらに同時開催といった地方会初の試みもあり何かと不行き届きもあるものと思います。どうぞ皆様におかれましては、本会の開催趣旨をご理解いただき、ご支援、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

日本心臓リハビリテーション学会第7回中国支部地方会


岡 岳文(津山中央病院 副院長 循環器内科)

岡 岳文新型コロナウイルス感染により心臓リハビリテーションに関わるメディカルスタッフの皆さんは日々の診療で多大な影響があったかと思います。特に個別のリハビリテーションや患者家族指導は密になりやすいため感染防御を強く求められていたのではないでしょうか。そうした我慢の中でワクチン接種が広がり、感染者数を見る限りでは少し明るい兆しが見えてきたように思います。
2020 年 10 月に閣議決定された「循環器病対策推進基本計画」は 2021 年春以降、withコロナの中でも各都道府県で具体的な計画が進んでいます。増加する循環器病に対し、予防から急性期治療、さらには再発予防につなげて、健康寿命の延伸をはかることを主な目的としています。重点項目の 1 つに「リハビリテーション等の取組 :急性期~回復期、維持期・生活期等の状態や疾患に応じて提供する等の推進」があります。まさに心臓リハビリテーションの重要性が認められていることを示しており、私たちは心臓リハビリテーションのさらなるレベルアップを目指しながら同時にすそ野を広げていくことが必要だと思います。その1つの手段として地方会の開催があると思います。
学会や研究会はほとんどがリモートに代わりました。スマホでも参加できる便利さを実感しつつも、やはり会場で皆さんと討議できる現地開催を待ち遠しく思います。中国支部地方会は今回で第7回を迎えることになりましたが今回から日本循環器学会中国地方会と同時開催となりました。第119回中国地方会大会長であります岡山大学心臓血管外科の笠原真悟教授から御指導をいただきながら一緒に準備を進めさせていただきました。今回、コロナウイルスの感染に伴い、急遽、現地開催とリモート開催のハイブリット開催に変更させていただきました。準備期間が短くなる中でご協力いただきました関係者の皆様には感謝申し上げます。両会場である岡山コンベンションセンター内をできる限り自由に回れるよう運用を工夫したいと思います。また両学会のジョイントセッションを企画していますので楽しみにしていてください。また毎回好評をいただいておりますメディカルスタッフによる企画はオンデマンドでの視聴となります。秋の岡山にてお会いできることを楽しみにしております。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。