第47回日本脳卒中学会学術集会 ご挨拶
第47回日本脳卒中学会学術集会
会長:宮本 享
(京都大学医学部附属病院長)
2月よりスマートコングレスとして開催してまいりましたstroke2022はあとわずかのウェブライブシンポジウムと5月末までのオンデマンドを残すばかりとなりましたので、第47回日本脳卒中学会学術集会としての中締めのご挨拶を申し上げます。
まずは素晴らしいご発表を頂きました演者の皆様、セッションをまとめていただいた座長の皆様のご尽力に心からお礼を申し上げます。4月18日の時点で、参会者総数は9,127名となりました。熱心にご視聴いただいております参会者の皆様にお礼を申し上げます。
第47回日本脳卒中学会学術集会の現地開催プログラム(3月17日~20日)は第1日目は主に急性期脳卒中、第2日目は脳卒中医療の体制整備と脳卒中患者への相談支援、第3日目は脳卒中診療の未来戦略、第4日目は第1次脳卒中と循環器病克服5か年計画の総括と多職種講習会という構成といたしました。
いずれも十分な発表時間をとったプレナリーシンポジウムであったため、演者の先生方には特別講演のように、ゆっくりとわかりやすく、お話しいただくことができました。日本脳卒中学会は急性期病院で勤務する会員が多いため、多会場同時開催ではどうしても脳卒中急性期に関するセッションに参会者が集まり、たとえばリハビリテーションや緩和や患者支援あるいは研究の未来戦略などのような重要な課題を扱うセッションでは、どうしても会場に空席が目立つのが常でしたが、第47回学術集会のプレナリーセッションは、いずれも500~1000名がライブ視聴していただけました。講演と同時に視聴者数がモニター表示され、演者や座長そして主催者は全国の会員と繋がっているという絆を強く感じることができました。
さて、時間的空間的に広がったスマートコングレスの利点をいくつか経験しました。
日本産科婦人科学会との合同企画ウェブライブシンポジウム「妊娠分娩と脳卒中」では974名という非常に多くの産婦人科医の皆様が視聴参加されました。多職種講習会については現時点で3,104名を超える多職種のメディカルスタッフが受講されています。他学会との合同シンポジウムや多職種セッションを行うには、スマートコングレスのようなオンデマンド視聴を備えたweb併催が極めて有効であると示されました。
4月27日に開催が予定されているウェブライブパネルディスカッション「脳卒中治療ガイドライン2021の解釈や実践に関するQ&A」は、2月2日に開催されたウェブライブシンポジウム1「脳卒中治療ガイドライン2021を読み解く」の後に、会員からの反応を受けて新たに企画されました。また、stroke 2022と厚労省もやもや病研究班との合同企画であるもやもや病の国際カンファレンスWorld Internet Conference on Moyamoya Disease 2022(Winc Moyamoya)もstroke 2022のpostcongress eventとして計画されました。つまり、学会開始後であっても新たな企画を行うことが可能という自由自在さはスマートコングレスならではのものと考えております。
2月から4月までのすべてのプレナリーシンポジウムの視聴者数のランキングを近日発表いたします。ぜひそのデータも参考にしていただき、未視聴のシンポジウムを5月末日までのオンデマンド視聴でお楽しみください。スマートコングレスの広い時空で開催するstroke2022を最後まで満喫していただければ幸甚です。
第51回日本脳卒中の外科学会学術集会 ご挨拶
第51回日本脳卒中の外科学会学術集会
会長:清水宏明
(秋田大学脳神経外科)
Storke2022として開催させていただいた第51回日本脳卒中の外科学会学術集会は、4月6日のWeb liveシンポジウムで予定した企画は一段落となりました。このあとStorke2022としては、4月末までWeb live企画、5月末までオンデマンド放映がありますが、中締めのご挨拶を申し上げます。
今回は、第47回日本脳卒中学会学術集会の宮本享会長、第38回スパズムシンポジウムの森岡基浩会長とともに、Stroke2022を担当させていただきましたことを、秋田大学脳神経外科一同、あらためて感謝申し上げます。
現地+Webライブ企画は、2月はじめから4月末までの長丁場でしたが、準備についても、定期的な打ち合わせだけでも2年前から行ってきました。Smart congressとして構想された開催形式は、当初は目鼻立ちのイメージがあったのは宮本先生くらいだったように思いますが、徐々に全体像がはっきりするとともに、大きなポテンシャルを実感し、様々なアイデアで肉付けされていきました。
現地開催直後に行ったアンケートから一つだけ例をあげれば、これまでたくさんのすぐれた企画が並列する中から一つだけを選ぶつらさがあったわけですが、聞きたいセッションをより確実に聴講することができたとのご意見をいただきました。私自身も会長として、多くのセッションを聴講できありがたく思いました。また、学会を行いながら、いただいたご意見や主催側のアイデアや反省をその後の学会運営に反映できる点も今回ならではのものでした。
学術面では、プログラム委員の先生にご尽力いただいて厳選した現地およびWeb liveの企画には、脳卒中の外科の今、practicalに熱いテーマを取り上げることができたかと思っております。各セッション200から多いもので700ほどの視聴者をいただくことができました。一般演題やデジタルポスターにも興味ある演題が多数あり、今後集計する視聴者数を楽しみに思っています。まだオンデマンドが続きますので、この機会に今一度ご確認いただければ幸いです。
また、会長講演として、虚血発症頭蓋内内頚動脈解離に関する全国調査結果を発表させていただきました。症状が悪化する前の血管内治療(PTA)の安全性と有効性が示唆される結果で、今後の治療方針決定の一助になればと思います。調査にご協力いただいた先生方に心から感謝申し上げます。
コロナ禍のなか現地参加いただきました先生方、平日の夜や休日のWeb liveシンポジウム、セミナーなどを快くお引き受けいただいた座長、演者の先生方、長期間の準備に携わっていただいたプログラム幹事や事務局の皆様に心から感謝申し上げ、中締めのご挨拶といたします。誠にありがとうございました。
第51回日本脳卒中の外科学会学術集会 ご挨拶
第38回スパズムシンポジウム
会長:森岡基浩
(久留米大学医学部脳神経外科学講座)
急激なCovid-19の感染増加の状況下でのStroke2022はWeb主体開催となりましたが、3月17日から20日にかけてのStroke 2022現地開催は皆さんのご協力のおかげでつつがなく終了することができました。ありがとうございました。これからもまだWEB ライブ、オンデマンド配信は続きますが中締めの御挨拶を一言申し上げます。
スパズムシンポジウムは来年度からSAH/スパズム シンポジウムと学会の名前を変更いたします。またこの学会の趣旨をスパズムのみならずSAHの病態(Early brain injury, Delayed cerebral ischemiaなど)の解明と治療法の開発を目的とすると明記することといたします。従いまして手術手技を中心とした脳卒中の外科学会とは研究対象が明確に異なります。今回はその移行期間でもありましたので演題募集の窓口を一か所にしこれらの研究目的により演題の発表学会を振り分けさせていただきました。発表学会が予想と違ったと言われる方もいらっしゃったかと思いますがどうかご理解いただきたいと存じます。
こういった区分を行ったうえで3学会の会長が話し合ってシンポジウムを組みました。現地開催期間の前にいくつものWEB 開催のシンポジウムがありましたが、このようにシンポジウムを分散し一日一日の数を絞ったことで大変集中して聞きやすく一つ一つの会場に多くの方が参加できる学会となったと思います。スパズムシンポジウムではいつもはやや参加者が少なくなりがちな基礎研究のセッションなども多くの方が参加していただけました。また今回は他分野の専門家の先生たちから脳血管の収縮のメカニズム、病理、スパズム予防薬のまとめなどを行っていただき問題点が整理できたと思います。更にSAH/スパズム研究のレジェンドと言われる先生方からご自身の今までの研究のまとめと今後の研究の方向性に関する提言をいただき多くの参加者の方から好評をいただきました。またそのほかのシンポジウムも皆さんしっかりとした成果を発表いただき充実した内容になりました。
今回は第47回日本脳卒中学会学術集会の宮本享会長と第51回日本脳卒中の外科学会学術集会の清水宏明会長、さらに学会関係の方々との定期的なWeb会議による検討を重ねながら新しい形の学会を開催することができました。新しい形式となり学会関係の方々には大変お世話になりました。また新しい形式であったため座長/演者の先生方も戸惑われた部分もあったかと思いましたがここまで順調に内容の充実した学会を運営できましたことを心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
これからもWEB ライブシンポジウムも続きますしオンデマンド配信も行われます。最後まで皆さんの積極的ご参加をお願い申し上げます。