第23回SNNS研究会当番世話人
朝日大学 頭頸部外科・耳鼻咽喉科
長谷川 泰久
テーマ:診断と治療の最新の展開
この度は、2021年9月3日(金)に第23回SNNS (Sentinel Node Navigation Surgery) 研究会学術集会を岐阜で開催させて頂くことになりました。名誉代表世話人の愛甲孝先生、代表世話人の井本滋先生をはじめ、本研究会の役員ならびに会員の先生方のご高配にお礼申し上げます。
さて、2020年早々からの新型コロナウイルス感染症のパンデミックはすべての社会的活動に影響を与えています。参加の先生方の多くは世界的感染症として、2002年SARS、2009年新型インフルエンザ、2012年MARSを経験されていますが、幸いにも日本では大流行に至ることはなく、今回のCOVID-19も日本では今のような展開は予想していませんでした。
ただ、日本はこれまでに多くの大きな災厄に見舞われています。最近では2011年3月に東日本大震災に見舞われました。この時も私は日本頭頸部癌学会総会の会長を仰せつかっておりました。医療支援体制の構築や特別シンポジウムの開催に努力いたしました。学会は6月で、会場は名古屋でしたので、交通インフラへの影響も少なく予定通りの開催が可能でした。ただ、被災地は今なお復興の途中です。
今回はこれまでの自然災害による災厄と違います。人と人の接触、すなわち密がダメージを拡大させます。これまでの学術集会は典型的な密です。
そこで、いくつかのこれまでにない形式と時期で開催させていただきます。
時期はコロナウイルスが通常は好まないであろう気候の9月に、会場の形式は密を避けるためハイブリッド方式(現地開催およびWeb開催の併用)で行います。感染の状況によって、ハイブリッドの比率を変更いたします。
耳鼻咽喉科が本学術集会を担当させて頂くのは第11回の甲能直幸先生以来2回目で同じ丑年開催になります。
耳鼻咽喉科領域のSNNSはセンチネルリンパ節の研究は早期に始まりましたが、乳癌や悪性黒色腫に続く実臨床に未だに至っておりません。今回の開催を大きな飛躍の切っ掛けにしたいと願っております。
テーマは「診断と治療の最新の展開」と幅広いですが、最新の展開をまとめて各科の研究の新たなる展開につなげることを考えています。ポスターでは長良川はリンパ流、鵜匠は医師、船は検出装置、鵜はトレサー、そして鮎はセンチネルリンパ節を表現しています。
この学会の後は夜に鵜飼い、そして翌日には高山、飛騨など岐阜の自然を参加された皆様が楽しめることを願っております。