2021年1月23日(土)、第23回日本肝がん分子標的治療研究会を開催いたします。新型コロナウイルス感染の状況を鑑み、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターにて、現地とオンラインを併用した開催を予定しておりましたが、再度の緊急事態宣言発出を受け、現地開催が困難と判断せざるを得ない状況となりました。そのため現地での開催を取りやめ、完全オンラインでの開催とさせていただくことを決定いたしました。
本研究会は、わが国の国民病の一つである肝がんに対して的確な分子標的治療を行うため、全国より肝がん診療の専門家が集結し、臨床的、基礎的な観点から最新の成果、効果・安全性・使用法の実際、有害事象対策などについて見識を深めることを目的としています。肝がん分子標的治療の著しい進展に伴い、年2回開催されている先進的な研究会です。
2010年1月、第1回研究会が開催され10年となりました。本邦の肝がん分子標的治療は 2009年5月に承認されたソラフェニブに始まり、2017年6月レゴラフェニブ、2018年3月レンバチニブ、2019年6月ラムシルマブと 血管新生阻害剤を中心に相次いで承認され、この10年間で急速な拡大と変革を遂げています。さらに、2020年9月免疫チェックポイント阻害剤併用療法アテゾリズマブ/ベバシズマブ、11月新規血管新生阻害剤カボザンチニブが承認され、肝がんシーケンシャル治療も大きく展開しており、ますます活況を呈しています。
そこで第23回研究会では「がん免疫とシーケンシャル治療の幕開け」と題して、肝がん診療のパラダイムシフトを提起し、臨床研究、基礎研究の最新の知見を各エキスパートの先生方から御講演いただく予定です。次の10年に向けた新たな一歩として、実りある研究会となるよう努める所存です。多くの皆様にオンラインにてご参加いただき、様々な視点から活発な討論が行われることを期待しております。何卒よろしくお願い申し上げます。
第23回日本肝がん分子標的治療研究会
当番世話人 田中 真二
東京医科歯科大学 分子腫瘍医学