第65回日本手外科学会学術集会
会長 酒井 昭典
産業医科大学整形外科学教授
2022年4月14日(木)・15日(金)の2日間、第65回日本手外科学会学術集会を北九州市で開催させていただきます。本会を開催させていただきますことを皆様に深く感謝いたしますとともに大変光栄に存じております。北九州市での開催は33年ぶりになります。前回は、1989年(平成元年)に第32回学術集会を故鈴木勝己先生が会長のもと、産業医科大学構内のラマツィーニホールで開催させていただきました。
今回の学術集会のテーマは「手と職業・環境・スポーツ」とさせていただきました。私共の日々の生活や仕事、レクリエーションにおいて、その活動の多くを手の感覚や運動機能に依存していることを再認識し、手の機能と整容の再建・回復の重要性について議論する場を提供するのがねらいです。最新の医学・医療情報とともに、日常診療に役立つ内容を多く盛り込みたいと思っています。新規医療技術、他分野との融合、若手教育研修システムの改革など、魅力的な話題を提示したいと思っています。本会は手外科医の情報交換の場、専門性を磨く修練の場として重要な役割を担っています。参加者の皆様にとりまして実り多い学会となりますよう鋭意努力いたします。
2015年、ユネスコ世界遺産委員会において、産業医科大学のある北九州市八幡地区から官営八幡製鐵所関連施設が産業革命遺産群として世界文化遺産に登録されました。八幡地区は1901年に日本の近代製鉄業が始まった町です。その後の深刻な公害問題を独自の方法で克服した町でもあります。世界に誇れる技術が生まれた「ものづくりの町」である北九州市で開催される本会が、新しい発想や解決策、ユニークな技術が生まれるイノベーションの場になりますことを願っています。多くの先生がたのご参加を心からお待ちいたしております。