第31回日本小腸移植研究会

>当番世話人挨拶

このたび、2019年3月9日(土曜日)に、慶應義塾大学三田キャンパスにおいて第31回日本小腸移植研究会を開催させていただくこととなりました。

慶應義塾大学は関東唯一の小児・成人小腸の移植施設となっており、これまでに私どもは小児4例の小腸移植を経験いたしました。私個人は1992年に ドイツHannover医科大学腹部移植学教室clinical fellowとして留学し、研鑽を積み、1998年の慶應義塾大学の肝臓移植初例から診療に関わり、2006年には慶應義塾大学1例目の小腸移植を経験致しました。その後も小腸移植という未開の医療を切り開くべく、慶應義塾大学のみならず、日本の移植医療の発展に尽力してまいりました。現在、小腸移植は生体小腸移植から脳死小腸移植へと発展し、ついに2018年には保険収載も実現しました。免疫抑制剤の開発・使用方法など様々な工夫が加えられて今日に至っておりますが、非常に難しい患者管理、決して高いとは言えないグラフト生着率、基礎研究の分野でもまだまだ多くの課題の解決が必要な移植分野であります。

今回のテーマは、「保険収載後の小腸移植-展望と課題-」とさせていただきました。脳死移植が普及しつつありますが、腸管不全に対する国内の小腸移植症例数は残念ながら伸びておらず、小腸移植を必要としている患者全てに治療を提供できているわけでではありません。また、小腸移植適応となる患者は長期中心静脈栄養により肝臓が影響を受けているケースがほとんどであり、世界的には脳死患者から肝臓と同時に移植することが当たり前のようになってきている中で、日本ではそうしたケースに対する社会的な体制が整っておりません。保険収載が実現し、ますます腸管不全に対する小腸移植が求められようとしているこの時期に、小腸移植研究会を開催し、今後の展望と課題を皆様と議論できることを大変嬉しく思います。

本研究会では、小腸移植をはじめとする腸管不全に対する治療全体の抱える諸問題について、多くの先生方のご経験・研究の成果・社会的な課題を活発に議論していただき、本研究会からの提言が今後の小腸移植医療の活性化につながればと思います。

慶應義塾の代名詞にもなっている三田キャンパスは、創立以来の歴史と伝統が刻まれています。特に国の重要文化財である三田演説館や赤レンガの図書館旧館にも立ち寄っていただければと思います。

皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

第31回日本小腸移植研究会
当番世話人 星野 健
慶應義塾大学 外科学(小児) 特任准教授

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