会長挨拶
第34回日本肝胆膵外科学会・学術集会
会長 髙田 泰次
愛媛大学大学院医学系研究科 肝胆膵・乳腺外科学 教授
第34回日本肝胆膵外科学会学術集会を2022年6月10日(金)〜11日(土)の2日間、愛媛県松山市の愛媛県県民文化会館にて開催させていただくことになりました。私ども教室員にとって身に余る光栄であり、ご支援頂きました役員、評議員ならびに会員の皆様に深く感謝申し上げます。
日本肝胆膵外科学会は、平成元年に第1回日本肝胆膵外科フォーラムとして発足し、平成5年に日本肝胆膵外科学会に名称変更され、現在では会員数が3,500名を超える学会にまで発展しております。これまで本学会は、高度技能専門医制度の創設・運営やAuditも踏まえた安全管理対策など肝胆膵領域の高難度手術の安全性向上を目指すともに、英文誌創刊、学会主導のプロジェクト研究、学術集会の完全英語化など活発な学術活動をグローバルな規模で展開して参りました。先輩諸先生ならびに会員の皆様のたゆまぬご尽力により、いまや日本の高難度肝胆膵外科の手術成績ならびに学術成果は国際的にも極めて高いレベルとなっております。この30数年のあゆみの中で、初めての愛媛での学術集会開催となり教室員一同、誠心誠意準備を進めております。
本学術集会のテーマは「お作法と工夫 – Tradition and Ingenuity –」としました。お作法とはやや古風な感じがしますが、私の恩師である京都大学の山岡義生先生がよく仰っていたこともあり愛着がある言葉です。外科医の修練は代々継承された手術手技の定型をまず習得し、その上で工夫を加えて自分独自の様式に発展させる、という意味であります。このことは外科手術のアートに限らず、学術研究・サイエンスにも当てはまるものと考えられます。日頃の研鑽と実践に基づき、創意工夫とひらめきで開拓したアートとサイエンスの成果を披露し、白熱した議論を繰り広げていただきたいと願っております。
新型コロナ感染症(COVID-19)の影響で、第32、33回の学術集会はやむなくWEB開催となりました。全国的にハイブリッド形式の発表が普及しその利便性も認識されるようになりましたが、特に若手の先生にとってface to faceの発表、討論の意義も大きいと考え、COVID-19の収束にはまだ予断を許さない状況ではありますが今回は対面での開催を想定しております。会期は臨床に忙しい若手会員の負担を考慮して2日間と短縮しました。また今回から、クレジットと連動した教育セミナーは e-learning化され、一部を現地開催後オンデマンド配信する予定です。コンパクトで身の締まったプログラムとなるよう心がけました。
四国は八十八カ所の霊場を巡拝する四国巡礼やお遍路さんに対する「お接待」の文化がよく知られています。松山にも「おもてなし」の気風があり、道後温泉や松山城など観光地も多く、海・山の幸が豊富でお手頃価格で楽しめます。このような地で有意義で充実した学術集会となりますよう準備に努めて参ります。会員の皆様の多数のご参加、ご支援をお願い申し上げます。