第62回日本臨床化学会年次学術集会
集会長　北島　勲（富山大学 理事・副学長）

この度、第62回日本臨床化学会年次学術集会を富山大学が担当することになりました。2022年9月30日（金）～10月2日の3日間、富山県民会館において開催いたします。富山での開催は1998年櫻川信男教授が開催された第38回以来24年振りになります。臨床化学は、異分野が融合して医療の基盤となる臨床検査を創ることに貢献してきました。しかし、高い研究力・技術力を誇ってきたわが国は、ネイチャー誌が指摘しているように「日本の科学力失速」を危惧する声が挙がってきました。今一度原点に立ち返る意味で、本年次集会のテーマを「異分野連携による臨床化学の発展」とさせて頂きました。近年、統計、科学的手法、人工知能（AI）、およびデータ分析などの複数の分野を駆使してデータから価値を引き出すデータ・サイエンスの重要性が強調されきています。そこでわが国を代表する数理情報学者である合原一幸東京大学名誉教授から数理情報生命学について勉強する機会を設けました。また、「アイドリング脳」というユニークな新学術領域を開拓しておられる井ノ口馨富山大学教授やアカデミア発ベンチャー企業設立の先駆けである森下竜一大阪大学教授など様々な分野で活躍しておられる方々の講演を計画しました。この学術集会が異分野連携の場となることを期待しております。2022年9月末は、COVID-19が収束し通常のface to faceで議論できる学会となっていることを心より願っております。富山は東京から新幹線を利用すると最短で2時間10分で繋がっています。富山駅周辺では街整備がほぼ完了し、駅に市電が乗り入れ、沿岸部から中心街まで繋ぐ「ライトレール」を利用した「コンパクトCity」をぜひ体験して頂ければと思います。また、9月下旬にはポスターにあるように北アルプスでは紅葉が始まっていると思います。とくに富山湾の魚と相性のある旨い日本酒を賞味して頂ける機会が持てることを切望しております。多くの学会員ならびに検査関連メーカーの方々の多数のご参加を宜しくお願い申し上げます。

2022年1月吉日