第12回日本乳房オンコプラスティックサージャリー
学会総会
会長 津川 浩一郎
(聖マリアンナ医科大学 乳腺・内分泌外科学 主任教授)
まずは、会長挨拶に先立ちまして、令和6年能登半島地震により、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げます。合わせて、被災者の救済と被災地の支援のためにご尽力されている方々に深く敬意を表します。
このたび、第12回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会総会を2024年10月3日・4日の両日、石川県金沢市のANAクラウンホテル金沢で開催いたします。石川県は私の故郷であります。本総会をこの時期に金沢で開催させていただくことが何らかの応援や支援に繋がればと思うところです。
さて、2013年の乳房インプラントの保険収載から10年あまりが経過し、本学会総会も12回を迎えようとしております。2019年のBIA-ALCL問題におけるインプラント供給停止、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大による乳癌手術件数や乳房再建手術件数の減少を乗り越え、回復傾向にあるところです。また、遺伝性乳癌卵巣癌症候群における予防的乳房切除および再建も保険収載され、適用範囲も広がってきています。近年、遊離脂肪移植や鏡視下ロボット手術など新しいテクノロジーの応用も研究開発され、本学会の専門領域のさらなる発展が期待されます。
本学会の未来像を描くにあたり、いま一度、多分野、多職種でお互いの知識を共有し、基本に立ちかえるという目的でテーマは“根治性、整容性、安全性を追求する”といたしました。それぞれが乳癌に対する集学的治療チームの一員として、互いの治療内容を知り、よりよい治療後のQOLを提供するという目的に向かっていく良い機会になればと思っております。今回、意思決定支援やリハビリテーションなどチーム医療に関わるセッションを企画しています。これらは北陸シリーズとして本総会に引き続き第13回総会(富山)と2年にわたり、理解を深め討議を続けていただきたく準備をしています。活発なご討論を期待します。
2024年10月の本総会では、ポストコロナとして十分な感染対策を取りつつも、乳癌治療と乳房再建に携わる多くの医療従事者、関係者が一堂に会し、熱い議論を交わせるように、しっかりと準備を進めて参りたいと考えております。多くの皆様に金沢にお越しいただき、ご参加、ご発表、ご討議いただきたいと思います。何卒よろしくお願いいたします。
末筆ながら、会員の皆様ならびにご所属施設の益々のご繁栄をお祈り申し上げます。