会長挨拶
第25回日本医療マネジメント学会学術総会
会長 山本 登
横浜メディカルグループ 菊名記念病院 理事長
この度、第25回日本医療マネジメント学会学術総会を2023年6月23日(金)・24日(土)の2日間にわたり、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)に於いて開催させていただくことになりました。関東での開催は久し振りで、25回の節目となる学術総会でもあることから、全国各地よりご参集の皆様方のご期待に応えるべく、充実した学術総会となるよう、準備を進めております。
2年以上に亘るコロナ禍で数多くの学会の開催形式は、様々な影響を受けて参りましたが、今回はたとえ WITH CORONA であっても、一堂に会する集合形式での開催は可能であろうと期待を込めて予測し、ご案内を致しております。
パンデミックでは多くの医療機関がクラスター・院内感染を経験し、近年は地球温暖化の影響で気候変動が予測を超えた災害をもたらし、医療機関も壊滅的な影響を受けることが稀有では無くなっており、地震災害の際に大きな影響をもたらす活断層は全国各地に網の目の様に存在しております。まさに明日は我が身の状況ですが、これらの多くはたとえ避け得ない事であっても、影響を最小限にして、いち早く機能を復活出来る様に準備しておくこと(BCP)は、社会的使命を果たすためには最重要課題であり、学術総会テーマの一部として取り上げさせて戴きました。
一方コロナ禍は受療行動の変容をもたらしました。結果として疾病構造も変化しつつあり、超高齢社会、多死社会、人口減へと進みつつある我が国においては、コロナ前の状態の維持・継続で良いのか、各々の医療機関が自らの「やりたい医療」を推し進めていて良いのか、それとも地域社会において「求められる医療」に呼応するべきなのか、公的・私的の役割分担はどの様に考えるべきか、現在進められている地域医療構想の策定にはこれらの視点、受療者側の視点は反映されているのか、等々、本学術総会ではこのような事柄を様々な観点から討論して参りたいと思います。
病院医療にとってDX: Digital transformationの導入は不可欠の物になりつつありますが、誰のためのDXなのか、目的、真の受益者は誰なのか、AIやロボット技術、電子カルテ・PACS等の規格統一の問題も含めて議論を深め、将来への展望を示して戴ければと思います。
働き方改革の病院医療への影響を正・負の側面から検討し、ワークライフバランス、満足度向上に寄与するのか、加えて人手不足の中でのタスクシフト・シェアの問題点を様々な職種の立場から議論を深めたいと思います。この他にACPと倫理、認知症の問題、メンタルヘルスに関しても取り上げ、更に今回は回復期・慢性期病院の立場から見た急性期との連携における多様な問題点に関しても議論して参りたいと思います。
横浜は首都圏でも人気の観光スポットですが、神奈川県全体としても箱根、鎌倉、湘南等々、多くの観光名所があり、交通至便で、あらゆる種類のグルメが揃っており、ご満足いただけるものと確信致しております。数多くの皆様のご参加をお待ち申し上げております。