第5回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会

会長挨拶

会長:近藤和泉

第5回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会
会長 近藤 和泉
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
リハビリテーション科部 健康長寿支援ロボットセンター

この度、2021年11月12日から14日の日程にて、名古屋国際会議で第5回日本リハビリテーション学会秋季学術集会を開催させていただくこととなりました。学術集会を主催させていただくこと、身に余る光栄と感じております。

現在、鋭意プログラム作成と演題募集の準備を進めておるところでありますが、例年ですと、指定演題200題、一般演題300題、関連専門職演題300題程度を集めており、3000人を超える参加者が見込まれます。今回は「長寿を支えるリハビリテーション医学」をメインテーマとさせていただきました。世界のトップランナーとして高齢化社会を迎えている日本の現状の中で、リハビリテーション医療が取り組まなければならない新しい課題は、BPSDが発症してしまうと介護負担を急激に増大させる認知症、フレイルとともに要介護の大きな要因となっている転倒、運動器疾患・骨折、アドバンスケアプランニングに代表される十分に考慮され尊厳が確保された終末期など多岐にわたります。また、労働者人口が減少していく中で、どのように高齢者介護の人材を確保するか、あるいは健康寿命を延伸し、活力に溢れた高齢者の生活をどのように実現するかなども、これまで予防的な運動指導やロボット・ICTの導入を進めてきたリハビリテーション医療の関わりが大きく期待される分野です。

このため本学術集会のプログラムには、最先端の神経系の生存性を高めるためのニューロリハビリテーション、再生医療、さらにVR・ARを利用した評価・治療、在宅生活の延伸化を図るためのスマートハウスなどが含まれます。また当然のことながら脳卒中のリハビリテーション、糖尿病・高血圧などの成人病に対する医療、発症・発生が高齢化しつつある脊髄損傷および切断などをテーマとした教育講演、シンポジウム、共催セミナーなどが企画されます。さらに昨今、脳性麻痺、小児神経疾患および発達障害児に対するリハビリテーション医療の学術的な成熟の必要性が高まっていることもあり、第1回日本小児リハビリテーション医学会を併催させていただくこととしておりますが、本学術集会の中でも関連するテーマを充実させる予定としております。言い古された言葉ではございますが、まさに「ゆりかごから墓場まで」の全方位をカバーする学術集会に相応しいプログラムを組ませていただく所存です。

愛知県における本学術大会の開催は、最初のものとなります。ただし開催場所である名古屋国際会議場では、一昨年第34回の日本義肢装具大会を開催させていただいており、その経験を元にさせていただく所存です。また副会長を大高洋平教授にお願いし、藤田医科大学からも準備の段階から、お手伝いいただいており、より充実して行き届いた運営が可能となると考えております。

多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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