会長挨拶
第16回日本運動器疼痛学会 会長 川口 善治 富山大学医学部整形外科学講座 富山大学附属病院痛みセンター長 |
このたび、第16回日本運動器疼痛学会の会長を拝命いたしました富山大学医学部整形外科学講座教授兼、富山大学附属病院痛みセンター長の川口善治です。今回の会期を2023年11月3日(土)・4日(日)の2日間とさせていただきましたことを、ここにご報告申し上げます。富山での本会の開催は初めてであり、大変光栄なことと存じます。学会の関係各位の皆様には心より感謝申し上げます。是非とも多くの方々に富山にご参集いただきたく、スタッフが協力をして鋭意学会準備に励んでおります。
日本運動器疼痛学会は、運動器疼痛の診療や研究に携わる多領域の医療従事者および研究者が集まり、痛みをより科学的な面から追及していく。その活動を通じて国民にとって有益な医療の発展を目指す、またその成果を社会に広く啓発すると同時にその医療を担う人材を育成し、国内外のこの分野の医療・研究の指導的な役割を果たすことを目指す、として設立されました。運動器の疼痛はまさに人々の生活に直結する問題です。私は本会を通じて、医療従事者の方々には痛み診療の具体的方法を確認していただき、また運動器疼痛に悩む多くの患者さんに対しては、安心していただけるようなメッセ―ジを発信したいと考えています。
第16回日本運動器疼痛学会のテーマは「痛み治療の戦略 Think Comprehensively, Act Locally」とさせていただきました。痛みの治療は、多職種の医療関係者がそれぞれの得意領域の専門的なアプローチをしています。「戦略は細部に宿る」という言葉がありますが、痛み治療もそれぞれの専門家の得意とした観点で試行されています。一方、これを統合的に考えることも必要です。それぞれの得意領域の考えをまとめ上げて、痛み治療の構想を練る。これには、まさにmultidisciplinary(多くの学問領域にわたる)な考え方が必要となると思っております。第16回日本運動器疼痛学会は、様々な痛みの戦略の細部を考えつつ、これを総合的に討論できる機会にしたいと思っております。
社会情勢をみますと未だコロナは完全に落ち着いたとは言えませんが、この3年間の経験から適切な対応が可能になってきていると思っております。斯様な状況を鑑み第16回日本運動器疼痛学会は適切な感染対策をしつつ、基本的に現地開催のみとする予定です。
幸い、富山は首都圏からも近く、新幹線で約2時間、飛行機では約1時間でお越しいただけます。学会場である富山国際会議場も富山駅から5分、富山空港から20分と町中に位置しており、非常にアクセスのよい場所です。富山駅からは地方都市ならではの路面電車も使えます。天気が良ければ冠雪した壮大な立山連邦を見ることができます。11月初旬といえば海の幸、山の幸、地酒も美味しくなる季節で、富山の美味をご堪能いただけるものと思っています。参加される多くの方々に楽しんでいただけることを確信しております。
末筆になりますが、我々本会の担当者は日本運動器疼痛学会のさらなる発展のために精一杯尽力する所存です。何卒よろしくお願い申し上げます。