第29回日本慢性期医療学会

The 29th Annual Meeting of Japan Association of Medical and Care Facilities.

ご挨拶

学会長 鈴木 龍太

第29回日本慢性期医療学会
学会長 鈴木 龍太
(医療法人社団三喜会 鶴巻温泉病院 院長)

この度、2021年10月14日(木)、15日(金)に、第29回日本慢性期医療学会をパシフィコ横浜で開催することになりました。

日本慢性期医療学会は日本慢性期医療協会が主催する一年に一度の学術集会です。1992年に第1回介護力強化病院全国研究会が開催され、それ以降、名称は変わりましたが、途切れることなく毎年開催されてまいりました。

日本は超高齢社会に突入し、2025年に向けた地域医療構想に則り、現在医療の再編成を進めています。その中で慢性期医療は急性期治療後の医療・介護全てを担うものと位置づけられ、ますますその重要度を増しています。

日本慢性期医療協会の武久洋三会長が提言している
「良質な慢性期医療がなければ日本の医療は成り立たない」
を肝に銘じ、良質な慢性期医療の実現に資する学会にしていく所存です。

「変化を進化に 進化を笑顔に」

2009年に鶴巻温泉病院院長に就任いたしました時に作った私の造語ですが、今では私のモットーとなっています。 日本は超高齢社会に対応するために、医療・介護、行政、制度、社会システム等さまざまなものが大きく変化し、そのスピードも速くなっています。その変化に躊躇せず柔軟に対応することで、病院が進化し、進化することで、患者・利用者、職員、地域の満足度が上がり、皆さんが幸福になり笑顔になるという意味です。

これを踏まえて第29回日本慢性期医療学会のテーマは
「慢性期医療は進化する -医療・介護・地域の統合―」としました。

第28回学会(田中志子学会長)は新型コロナ肺炎の蔓延を受けて、WEB開催となりました。日本慢性期医療協会も理事会が殆どWEB会議になり、2020年夏以降はWEBでの研修会も盛んにおこなわれるようになってきました。これも「変化を進化に」変えた一つの事象と考えられます。これからは新型コロナウイルスの存在を認めつつ、With Corona 時代の新たな対応が求められるものと考えられます。それを受けて、第29回学会は対面とWEBのHybridな学会を企画しました。メインシンポジウムも「With Corona時代の医療の進化」といたしました。

WEBでは職場や家庭、その場にいながら、勉強ができ、新しい情報を得ることができます。WEBの利用により、世界が劇的に変化しています。一方、対面で集うことで、付加価値的な多くの情報を得ることができ、良くも悪くも感情を揺さぶる出会いがあります。人と人が触れ合うことで、新しい関係が築けます。それを大事にしながら、密を避けてWEBと併用していきます。両者の良いところを取りいれ、メイン会場の講演、シンポジウムをWEBで配信し、一般演題は対面で開催する予定です。

ノーベル賞受賞者がよく Serendipity(セレンディピティー)という言葉を口にします。

何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけ、それをきっかけに、幸運をつかみ取ることというような意味です。変化を追っていると予想されていたものと違う方向に進化することがあります。携帯電話がIOTや財布がわりになったり、コンビニが銀行、見守りの役割を担うようになったり、想定していたものとは全く違うものに進化しています。変化に順応していくと、社会が本当に必要としている方向に向かって新しい発想が生まれ、Serendipityのように思いがけないものが生まれるかもしれません。慢性期医療の未来も変化に対応していくことで、どんな進化を遂げるか、とても楽しみにしています。

多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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