第30回日本乳癌検診学会学術総会, The 30th Meeting of Japan Association of Breast Cancer Screening

主要プログラム

(2020年11月16日時点)

会長講演

乳がん検診にまつわる四方山話
日 時:2020年11月22日(日)11:35~12:05
会場名:第1会場
座 長:中島 康雄(画像相談クリニック)
演 者:大貫 幸二(岩手県立中央病院 乳腺・内分泌外科)

招待講演

高濃度乳房(Dense Breast)に対する乳がんスクリーニング
日 時:2020年11月22日(日)13:25~14:25
会場名:第1会場
座 長:大貫 幸二(岩手県立中央病院 乳腺・内分泌外科)
演 者:阿部 裕之(シカゴ大学医学部 放射線科)
共 催:コニカミノルタ株式会社・コニカミノルタジャパン株式会社

教育講演

「がん検診のあり方に関する検討会における議論の中間報告」の解説
検診の本質を理解し将来を見据えよう、がん死を減らすために
日 時:2020年11月23日(月・祝)13:30~14:30
会場名:第2会場
座 長:大内 憲明(東北大学大学院医学系研究科)
演 者:笠原 善郎(恩賜財団福井県済生会病院 乳腺外科)

特別企画

1.マンモグラフィ検診の20年
要旨
日本の対策型乳がん検診は1987年に視触診によって開始されたが、すぐに外来発見癌と検診発見癌で予後に差がないことが報告された。その後、宮城県や徳島県でマンモグラフィ併用により乳癌発見率と早期比率が高いことが実証されたのを受けて、厚生省研究班を中心に多くの新しい研究や事業が行われ、2000年にマンモグラフィが精度管理された形で対策型検診に導入され現在に至っている。その過程で、日本人で罹患率が高い40歳代においてマンモグラフィの感度が低いことが確認され、超音波検査の有効性を検証するJ-STARTが遂行されたが、これは、後に高濃度乳房問題の対応策という位置づけにもなった。超音波併用により特異度が低下するという不利益に対しては、総合判定方式が提唱されている。本企画では、その当時に研究や事業に直接関わった先生からお話をいただき、日本における乳癌検診の歴史的な経緯と現在の課題を会員で共有したいと考えている。
日 時:2020年11月22日(日)9:05~10:15
会場名:第1会場
座 長:
森本 忠興(徳島大学 名誉教授)
福田 護(聖マリアンナ医科大学 ブレスト&イメージングセンター)
演 者:
「対策型乳がん検診の歴史とこれから」
大内 憲明(東北大学大学院医学系研究科)
「精中委から精中機構への精度管理の取り組みとこれから」
遠藤 登喜子(国立病院機構東名古屋病院 乳腺外科)
「最善の検診方法を目指す取り組み」
鈴木 昭彦(東北医科薬科大学 乳腺内分泌外科)
2.乳がん検診の次世代への架け橋
要旨
本学術総会は「乳がん検診の次世代への架け橋」をメインテーマとして、リスクに基づくがん検診の個別化、次世代の医療情報と精度管理、乳がん検診に関する新技術の位置づけ、がん教育とbreast awarenessなど、新しい話題を取り上げたセッションも多く企画されている。いずれのセッションも是非参加したい興味深い内容で、活発な討論が展開されると期待しているが、参加者全員がすべてのセッションに直接参加することは難しい。そこで、総会の最後に、各セッションの座長を中心にご登壇いただき、全体を総括する特別企画を行うこととした。本セッションによって、参加者全員が最新のトピックスを知るだけでなく、現況に対する共通認識を持ち、次世代に向けての学会としての新たな展望が生まれることが期待される。
日 時:2020年11月23日(月・祝)14:35~16:15
会場名:第1会場
座 長:
丹黒 章(徳島大学大学院医歯薬学研究部 胸部・内分泌・腫瘍外科学分野)
田口 哲也(京都府立医科大学大学院 内分泌・乳腺外科学)
演 者:
「今後のがん検診のあり方について」
長島 亮太郎(厚生労働省 健康局がん・疾病対策課)
「新しい乳がん検診のモダリティの可能性」
石田 孝宣(東北大学大学院医学系研究科 乳腺内分泌外科学分野)
「マンモグラフィ技術の次世代への継承」
斎 政博(東北大学病院 診療技術部放射線部門)
「日本におけるリスク層別化乳がん検診の展望」
植松 孝悦(静岡がんセンター 乳腺画像診断科)
「次世代の医療情報とがん検診の精度管理」
高橋 宏和(国立がん研究センター社会と健康研究センター 検診研究部)
「がん教育とBreast awareness」
吉田 雅行(聖隷浜松病院)
「次世代乳癌検診学会への期待」
中島 康雄(画像相談クリニック)

シンポジウム

1.乳房構成から見た乳癌検診のあり方を考える
要旨
乳房構成は連続的で、MG診断感度からみても不均一高濃度と乳房散在の間で線引きする根拠に乏しいが、これまで『高濃度乳房』の文言が先行し、高濃度乳房があたかも一疾患や一病態として取り上げられてきた。市町村の対応も「高濃度乳房」に対してのみ通知や追加の検査を指導するなど、適切な対応がなされているとは言えない。このセッションでは、乳房構成の判定、通知方法、追加検査の位置づけなどについて、単なる高濃度、非高濃度ではなく、乳房構成から見た適切な乳癌検診のあり方を討論したい。特に検診現場での課題や問題点、ブレストアウェアネスなどについてもコメディカルスタッフからの発表もぜひお願いしたい。
日 時:2020年11月22日(日)16:05~17:25
会場名:第1会場
座 長:
吉田 雅行(聖隷浜松病院 乳腺科)
角田 博子(聖路加国際病院 放射線科)
演 者:
「乳房構成判定に関する状況」
角田 博子(聖路加国際病院 放射線科)
「マンモグラフィ検診の偽陰性対策としての超音波の意義」
鈴木 昭彦(東北医科薬科大学 乳腺内分泌外科)
「非高濃度乳房におけるマンモグラフィ検出困難癌の検討」
丹羽 多恵(JA愛知厚生連豊田厚生病院 外科)
「マンモグラフィによる乳腺濃度と乳癌の臨床所見の関連について」
井上 慎吾(山梨大学 第1外科)
「乳房構成に関する情報提供の在り方について」
笠原 善郎(恩賜財団福井県済生会病院 乳腺外科)
「検診マンモグラフィ偽陰性問題に対する正しい対応はブレスト・アウェアネスの啓発です」
植松 孝悦(静岡がんセンター 乳腺画像診断科)
「「スマイル マンマ マリアンナ」によるBreast awareness啓発活動の取り組み」
前里 美和子(聖マリアンナ医科大学病院)
2.次世代乳癌検診検討委員会企画:乳癌リスクに基づく乳がん検診
要旨
乳がん検診は、マンモグラフィを用いた検診マンモグラフィが唯一、乳癌死亡率減少効果のエビデンスが証明されている正当な方法である。しかし、従来の対策型検診マンモグラフィは40歳以上の女性に対して2年に1回施行するという画一的な方法であるが、この方法では乳癌リスクの低いグループに対する利益/不利益のバランスに限界があり、むしろ乳癌リスクの低いグループには不利益が多くなることが明らかになってきた。そこで、近年、世界的に「乳癌リスク層別化による乳がん検診」の概念がトピックスとなっている。現在、乳癌リスク層別化による乳がん検診はエビデンスがない状況であるが、論理的ながん検診の考え方であり、日本の医療経済や医療効率を考えると避けて通れない道かもしれない。本セッションが次世代の乳がん検診を考える契機となることを期待している。
日 時:2020年11月23日(月・祝)9:00~10:15
会場名:第1会場
座 長:
中島 康雄(画像相談クリニック)
植松 孝悦(静岡がんセンター 乳腺画像診断科)
演 者:
「癌リスクに基づく層別化がん検診について」
祖父江 友孝(大阪大学大学院医学系研究科 環境医学)
「リスクに応じた胃がん検診の実現にむけて」
深尾 彰(宮城県対がん協会研究局)
「乳癌リスクに基づく次世代乳癌検診への提言」
鯉淵 幸生(独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター)
「遺伝性のがんのリスクをどう説明するか」
櫻井 晃洋(札幌医科大学医学部 遺伝医学)
3.次世代の医療情報管理システムへの期待と課題
要旨
近年、経済産業省や厚生労働省などにより、医療データの取り扱いに関する議論が急速に進んでいるが、医療関係者など国民はその状況を把握しきれてはいない。本セッションでは、我が国における医療データの利活用について、乳がん検診学会からの報告および、政府における現在の動向や今後の展望を紹介する。さらに、個人による医療データの管理や運用について先駆的な取組や問題点・望むべき方向性を提示した上で、乳がん検診の将来を見据えた多角的な議論を行いたい。
日 時:2020年11月23日(月・祝)10:20~12:00
会場名:第1会場
座 長:
辻 一郎(東北大学大学院医学系研究科 公衆衛生学分野)
高橋 宏和(国立がん研究センター社会と健康研究センター)
演 者:
「全国集計委員会報告2020」
笠原 善郎(恩賜財団福井県済生会病院 乳腺外科)
「健康・医療戦略等における予防・進行抑制・共生型のヘルスケアシステムの構築に向けて」
川口 俊徳(前経済産業省 商務・サービスグループヘルスケア産業課)
「国民の健康づくりに向けたPHRの整備の方向性について」
松村 漠志(厚生労働省 健康局健康課)
「PLRによるパーソナルデータの分散管理とヘルスケア等への応用」
橋田 浩一(東京大学大学院情報理工学系研究科 ソーシャルICT研究センター)
「アプリを用いた乳がん検診の新しい在り方」
土井 卓子(湘南記念病院乳がんセンター)

パネルディスカッション

1.乳がん検診精検報告書作成マニュアルを使ってみた
要旨
日本乳癌学会検診関連委員会で「乳癌検診精検報告書作成マニュアル」が作成されたが、具体的な内容についてはこれから議論をして良いものを作って行くという方針である。本セッションでは、診断カテゴリー(DC)4、5の陽性反応適中度(PPV)を、後ろ向き研究で日本全国から持ち寄り、マニュアルの問題点について討議してみたい。DC4については、可能であればa(悪性確信度2〜10%)、b(悪性確信度10〜50%)、c(悪性確信度50〜95%)の亜分類の適否についても検討していただきたい。また、DC2D、3Dがあれば、症例を持ち寄ってその特異度やPPVについても検討したい。その他、マニュアルに準拠したビューワーソフトの開発、検診機関におけるシステムの検討などの演題も募集する。
日 時:2020年11月22日(日)13:25~14:20
会場名:第2会場
座 長:
岩瀬 拓士(名古屋第一赤十字病院 乳腺・内分泌外科)
中島 一毅(川崎医科大学総合医療センター 外科)
基調講演:
「乳がん検診精検報告書作成マニュアルの概要とPPV3」
久保田 一徳(獨協医科大学病院 放射線部)
演 者:
「乳がん検診精密検査の現状」
奥野 敏隆(神戸市立西神戸医療センター 乳腺外科)
「診断カテゴリーを判定する際の当院の指針についての検討
-PPV3(Positive Predictive Value3)算出結果より-」

古川 博子(医療法人英仁会大阪ブレストクリニック 医療技術部)
「当院におけるPPV3、および診断カテゴリー3における癌症例の検討」
高橋 優子(国立病院機構名古屋医療センター 乳腺外科)
2.乳がん検診でAIをどのように使えばよいのか
要旨
我が国の乳がん検診はマンモグラフィ、超音波検査、MRIなど様々な画像診断を展開しているが、それに伴う医療従事者の負担も増大しており、負担軽減および精度向上を目的とした新しい画像診断技術の開発が急務となっている。一方、人工知能(AI)による画像診断技術の急速な発展は、特定分野では人間の認識能力をも超え、実際にAIを用いた医療機器も承認され始めた。今後この分野は更に発展し、それに併せて検診システムも変化していくことが予想される。そこで本セッションでは、現在の乳癌検診の到達点と問題点を踏まえ、近い将来到来するであろうAIを用いた画像診断の可能性や在り方について議論していく。特に検診に用いられるマンモグラフィ、超音波検査、MRIについて、現段階におけるAIの精度や利用方法を検討した演題も公募して、「AIを具体的にどう検診に用いることができるか」についての情報を共有していきたい。
日 時:2020年11月23日(月・祝)10:25~11:50
会場名:第2会場
座 長:
藤田 広志(岐阜大学工学部)
井上 謙一(湘南記念病院乳がんセンター)
パネリスト:
中島 康雄(画像相談クリニック)
基調講演:
「乳がん検診領域におけるAI-CADの開発と実用化の現状を探る」
藤田 広志(岐阜大学工学部)
演 者:
「AIによるマンモグラフィの病変検出」
井上 謙一(湘南記念病院乳がんセンター)
「ディープラーニングを活用した乳房濃度算出法の検討-AIによる乳房構成の自動判定化を目指して-」
川崎 あいか(湘南記念病院乳がんセンター)
「乳腺USにおけるAI研究動向」
中山 良平(立命館大学理工学部 電子情報工学科)
「自動式乳房超音波検査システム(ABUS)とAIの概要と課題」
難波 清(北斗病院乳腺・乳がんセンター)
「乳がん検診としてのMRI検査(+診断補助AI)の可能性」
平原 大助(学校法人原田学園 経営企画室人工知能教育・研究開発チーム)

ワークショップ

1.マンモグラフィと超音波診断の現状と課題
要旨
マンモグラフィと超音波検査は乳腺疾患の診断方法として長く用いられており、日本では精中機構、JABTS、本学会が中心となって精度管理、教育を行っている。近年、マンモグラフィはデジタル化してモニタ読影が基本となりつつあり、アナログ読影時代のガイドラインでは幾つか検討すべき課題が生じている。また、超音波検査の要精査基準についても、実際の検診データが集積され幾つかの変更がなされた。さらに、両者の併用検診における総合判定の普及や教育が十分行われているとはいえない。本セッションでは、その道のトップランナーに集まっていただき、現在の検診モダリティの現状と課題について意見をいただく予定である。
日 時:2020年11月22日(日)10:20~11:30
会場名:第1会場
座 長:
古川 順康(ふるかわクリニック)
田中 眞紀(JCHO久留米総合病院 乳腺外科)
演 者:
「デジタルマンモグラフィの読影:腫瘤とFADをモニタ診断でいかに読影すべきか」
白岩 美咲(香川県立中央病院乳腺センター)
「デジタルマンモグラフィ・モニタ診断における石灰化の読影」
宮城 由美(がん研究会有明病院乳腺センター 乳腺外科)
「デジタルマンモグラフィの読影-比較読影-」
森田 孝子(独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター)
「超音波検診の要精査基準-改訂のポイントを中心に」
角田 博子(聖路加国際病院 放射線科)
「総合判定の現状と課題」
広利 浩一(兵庫県立がんセンター 乳腺外科)
2.新しい乳がん検診のモダリティの可能性と問題点
要旨
現在の乳がん検診の代表的な検査方法としては、対策型検診のマンモグラフィ、任意型検診の超音波検査、高リスク群のMRIが挙げられるが、それぞれの検査は検診のモダリティとして完全なものではない。近年、幾つかの新しい診断方法が開発されており、乳がん検診で使用できる可能性がある。本セッションでは、それらの検査の原理、診断精度、解決すべき課題などを報告していただき、現在のモダリティのどの位置に入るのか、またはがん検診の層別化因子として用いることが可能なのかなどについて議論する予定である。
日 時:2020年11月22日(日)14:30~16:00
会場名:第1会場
座 長:
石田 孝宣(東北大学大学院医学系研究科 乳腺・内分泌外科学分野)
久保田 一徳(獨協医科大学病院 放射線部)
演 者:
「トモシンセシスによる乳がん検診の可能性と問題点」
坂 佳奈子(公益財団法人東京都予防医学協会 がん検診・診断部)
「多施設共同研究 Invenia ABUSとHHUSの乳腺病変の良悪性判定精度の比較検討」
東野 英利子(つくば国際ブレストクリニック)
「非造影MRIを用いた「痛くない・恥ずかしくない乳がん検診」の設計と実現」
高原 太郎(東海大学工学部 医用生体工学科)
「乳房専用PETによる乳がんスクリーニング」
佐藤 葉子(山梨PET画像診断クリニック)
「次世代乳がん検診に向けた世界初マイクロ波マンモグラフィの開発」
木村 建次郎(神戸大学数理・データサイエンスセンター)
「リングエコーを用いた探索的臨床試験」
明石 定子(昭和大学医学部 外科学講座乳腺外科学部門)
「マイクロRNAを用いた早期乳がん診断技術の開発と検診コホートを用いた検証」
下村 昭彦(国立国際医療研究センター 乳腺・腫瘍内科)
3.マンモグラフィ技術の現状と課題
要旨
2000年に対策型乳がん検診へマンモグラフィが導入されてから今年で20年目となる。マンモグラフィの精度を保証するためには、撮影技術、装置の品質管理が重要である。これまで、日本乳がん検診精度管理中央機構は、撮影技術や品質管理の中心的な役割を担い、多くの講習会や施設画像評価を行ってきた。日本において精度管理体制は整備されているとはいえ、広く普及しているかというとまだまだ課題が多いとされている。また、近年マンモグラフィを取り巻く技術の進歩は目覚ましいものがあり、ブレストトモシンセシスなどの新しい技術への品質管理方法の確立も重要である。この20年の節目において、教育、撮影技術、品質管理等について一度現状を振り返りながら、今後のマンモグラフィ技術について様々な角度から議論をしていきたい。また、日頃から地域や施設ごとで行っている品質管理の取り組み、工夫などについての演題も公募する。
日 時:2020年11月22日(日)9:05~10:25
会場名:第2会場
座 長:
平井 和子(北福島医療センター 放射線技術科)
斎 政博(東北大学病院 診療技術部放射線部門)
演 者:
「精中機構の取り組み」
堀田 勝平(元日本乳がん検診精度管理中央機構)
「マンモグラフィの撮影技術」
小山 智美(聖路加国際病院 放射線科)
「ブレストトモシンセシス品質管理の現状と課題」
篠原 範充(岐阜医療科学大学保健科学部 放射線技術学科)
「乳癌検診にtomosynthesisを導入して」
横山 浩一(金沢メディカルステーションヴィーク)
4.プレコンセプションケアにおける乳がん検診
要旨
米国疾病予防管理センターやWHOは、妊娠前の女性やカップルの心身の健康状態を改善することによって、産後の母子の状態をより健康的なものにする「プレコンセプション・ケア」を提唱しており、日本でも、今後政策として広く展開されていくことが予想される。その中で、出産年齢の高齢化もあり乳がん検診も重要な位置を占めると考えられる。妊娠、授乳期の乳癌は、がん診療や周産期医療の進歩もあり、妊娠を継続しながら治療を行うことが可能になったが、妊娠前の診断が望ましい。しかし、30歳代のマンモグラフィや超音波検診の有効性は証明されておらず、米国では乳癌のハイリスクグループに対してMRIが行われているが、日本ではさほど普及していない。今回、4人の演者に講演をいただき、妊娠を希望する年代や妊娠初期の妊婦教育でのブレスト・アウェアネスの概念にも触れ、プレコンセプション・ケアの中の乳がん検診について考えてみたい。
日 時:2020年11月23日(月・祝)9:00~10:20
会場名:第2会場
座 長:
寺本 勝寛(山梨県厚生連健康管理センター 婦人科)
関根 憲(関根ウィメンズクリニック)
演 者:
「プレコンセプションケアと乳癌」
小澤 信義(おざわ女性総合クリニック)
「妊娠・授乳期の乳癌治療の特徴」
土橋 一慶(千川産婦人科医院
「30代の乳がん検診 -仙台市市民検診での取り組み-」
松田 雪香(角田記念ちえこ・ゆきかレディースクリニック)
「HBOC(ハイリスク群)と乳癌検診」
磯本 一郎(聖フランシスコ病院 放射線科)

乳房超音波診断ガイドライン第4版 改定のポイント

要旨
「乳房超音波診断ガイドライン」の改訂第4版が2020年秋に発刊される予定である。これは、前回の改訂第3版から6年目の変更となる。今回の改訂における大きなポイントは、2018年5月の日本乳癌学会による乳癌取扱い規約第18版と、2019年11月に発行されたWHO分類第5版において行われた病理組織分類の変更への対応が挙げられる。特に、前者で浸潤性乳管癌の亜分類が硬性型、充実型、腺管形成型に変更されたが、従来の分類と比べ超音波画像上どのような違いがあるのかについても記載されている。また、超音波検診における要精査基準において、混合性腫瘍(嚢胞内腫瘍)に関しての大きな変更が行われたのも注目すべき点である。本セッションでは、JABTS乳腺用語診断基準委員会の委員にご登壇いただき、第4版改定のポイントを解説いただくとともに、乳房超音波ドプラ法と造影超音波に関する最新の知見も報告していただく予定である。
日 時:2020年11月22日(日)16:00~17:20
会場名:第2会場
座 長:
東野 英利子(つくば国際ブレストクリニック)
坂 佳奈子(公益財団法人東京都予防医学協会 がん検診・診断部)
演 者:
「浸潤性乳癌の組織型分類-第18版乳癌取扱い規約乳腺腫瘍の組織学的分類と第5版WHO分類との比較」
堀井 理絵(埼玉県立がんセンター 病理診断科)
「乳房超音波診断ガイドライン第四版改訂のポイント~要精査基準の変更~」
坂 佳奈子(公益財団法人東京都予防医学協会 がん検診・診断部)
「乳癌取扱い規約第18版に基づく浸潤性乳管癌の超音波画像の特徴」
河内 伸江(聖路加国際病院 放射線科)
「乳房超音波診断ガイドライン改定の要点 -乳房超音波ドプラ法と造影超音波-」
奥野 敏隆(神戸市立西神戸医療センター)

対談:がん検診の精度管理と組織型検診

要旨
本学術集会でも、がん検診を正しく実施することについての議論は多く行われているが、より多くの人が受診できるシステムについての議論は少ない。日本では市町村により対策型検診が行われているが、住民の一定数は、企業の福利厚生の一環として行われている職域検診を受けている。職域検診は報告義務がないので市区町村では受診者を把握できないため、国全体としての正確な検診受診率が算出できず、有効な受診勧奨もできず精度管理が困難である。対策型検診の理想形は、がん検診対象者を名簿で一括管理できる組織型検診である。本セッションでは、がん検診システムに造形の深いお二人の先生にご登壇いただき、日本の健診・検診システムの現状と問題点、日本で組織型検診を行うにはどの様な手順が必用か、対策型検診の代替方法(マイナンバーと保険証番号の紐づけ)などについて議論していただき、会場の皆さんと日本のがん検診システムについて考えていきたい。
日 時:2020年11月22日(日)15:15~15:55
会場名:第2会場
対談者:
「日本におけるがん検診の現状と問題点~組織型検診の必要性~」
松田 一夫(公益財団法人福井県健康管理協会)
「日本における乳がん検診の改善点~組織型検診の必要性~」
安藝 史典(伊藤外科乳腺クリニック)

鼎談:過剰診断の現状と対応策

要旨
がん検診の不利益の一つとして過剰診断がある。甲状腺がんや前立腺がんほど多くはないが、乳がん検診においても一定の割合で存在し過剰治療が懸念されている。過剰診断の不利益を低減させるためには、画像診断、病理診断、治療の各段階で対応策を検討することが考えられる。本セッションでは、特に「過剰診断を考えて、病理はどこから乳管内病変を癌とすべきか?」について、司会役の大竹先生のもと、武部先生からはTavassoliのDIN分類を題材として外科医の立場から、堀井先生からはLakhaniの考え方を元に病理医の立場から論じていただき、会場の参加者とともに過剰診断についての理解を深め、これからの乳がん検診やその後の乳癌診療について考えてみたい。
日 時:2020年11月22日(日)14:30~15:10
会場名:第2会場
司 会:
大竹 徹(福島県立医科大学医学部 乳腺外科学講座)
鼎談者:
「当院における検診、治療成績からみたlow grade DCISの過剰診断について」
武部 晃司(たけべ乳腺外科クリニック)
「過剰診断を考えるための病理学的基礎知識」
堀井 理絵(埼玉県立がんセンター 病理診断科)

広報委員会報告

要旨
広報委員会の目的は「適時適切な情報を発信し、日本のすみずみまで乳癌検診を普及させ、乳癌死減少に貢献すること」であり、本学会に関する重要決定事項、学術集会の案内、興味ある演題・話題等の情報をニュースメール(以下NM)を通じて発信している。NMは2010年から配信が開始され、定期発行は学術集会のトピックスを中心に、臨時発行は緊急性・汎用性の高い情報を配信し、2020年10月で100号となった。本年6月、NMおよび広報委員会のあり方 についてアンケート調査を行った。3431人に送信し、141人から回答があった。現在の発行回数や内容については、概ね肯定的であったが、検診以外の乳腺診療の最新情報や意見交換を求めるご意見も頂いた。コロナ禍のなか学会のあり方そのものが問われる中、NM のあり方もあらためて検討すべき時期と思われた。広報委員会の過去、現在、そして未来のあり方について報告する。
日 時:2020年11月22日(日)11:35~12:05
会場名:第2会場
座 長:
山川 卓(やまかわ乳腺クリニック)
演 者:
「広報委員会のこれまでの活動と今後の課題」
吉田 雅行(聖隷浜松病院 乳腺科)
「乳癌検診学会広報委員会ニュースメールの10年とアンケート調査の報告」
村田 陽子(松江赤十字病院 乳腺外科)

乳房超音波検診精度管理委員会報告

要旨
当委員会のミッションは、乳房超音波検診(US)の精度管理の向上により、乳癌検診の精度向上に寄与することである。対策型検診でのUSの導入は、推奨されていないが、すでに多くの任意型検診施設では、USによる検診が行われていて精度管理が不十分な施設も多いことが現状である。したがって、US検診の精度管理向上のための精度管理方法・指標の模索が必要で、まず全国各都道府県の市区町村での対策型でのUS検診の普及状況を確認している。今回、当委員会の取り組みを以下の3演題を提示して報告する。1)乳房超音波検診精度管理委員会の現状報告と取り組みについて。2)判読に及ぼす装置の影響の可能性―紹介症例の呈示と講習会受講者の装置情報。3)推奨機器の選定(条件やその根拠について)について報告する。また、USによる乳がん検診の手引きの一部改定の概略も提示する。
日 時:2020年11月22日(日)17:25~18:10
会場名:第2会場
座 長:
渡邉 良二(糸島医師会病院 乳線外科)
演 者:
「乳房超音波検診精度管理委員会の現状報告と取り組みについて」
阿部 聡子(日本乳癌検診学会超音波検診精度管理委員会)
「判読に及ぼす装置の影響の可能性 ―紹介症例の呈示と講習会受講者の装置情報―」
尾羽根 範員(日本乳癌検診学会超音波検診精度管理委員会)
「推奨機器の選定(条件やその根拠について)」
桜井 正児(聖マリアンナ医科大学病院 超音波センター)

緊急セッション:乳がん検診における新型コロナウイルス感染症への対応

要旨
2019年12月に中国武漢市で初めて報告された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、数ヶ月で世界的に大流行し、多くの死者を出すとともに、感染を収束させるための入国制限や生活様式の制限が行われ、実体経済が大きなダメージを受けた。しかし、COVID-19に関する情報が多くなるに従い「正しく対応する」ことが求められるようになっている。本セッションでは、様々なことが手探りで行われていた時期に、乳がん検診に携わる人たちがどのような対応を取ったかについて振り返り、今後の乳がん検診について必要なことは何かについて、皆さんで共有できるセッションにしたいと考えている。
日 時:2020年11月22日(日)17:30~18:10
会場名:第1会場
座 長:
植野 映(つくば国際ブレストクリニック 乳腺外科)
演 者:
「「乳がん検診にあたっての新型コロナウィルス感染症(COVID-19)への対応への手引き」作成」
田中 眞紀(日本乳癌検診学会COVID-19手引書作成プロジェクトチーム)
「新潟県内のMMG検査時における新型コロナウイルス感染対策に関する調査について」
長 和弘(新潟マンモグラフィ研究会)
「検診におけるCOVID19対策」
馬場 紀行(KKR東京共済病院 乳腺科、癌登録室)

要望演題

マンモグラフィにおけるCBTの臨床的意義
要旨
マンモグラフィの圧迫乳房厚(compressed breast thickness:CBT)は遺伝要因と環境要因の両者が関連しており、薄い乳房は癌の診断がしやすいことなどが容易に想像できるが、まだ世界的に見ても臨床的にはほとんど検討されていない。本学術総会では、日本人のCBTに関連する臨床的なデータ、例えばマンモグラフィの乳房の構成の比率、マンモグラフィの感度、乳癌の触知する割合、早期乳癌比率、温存乳房内再発率、予後などを持ち寄り、乳腺疾患の診断や治療の層別化因子としてCBTが活用できるかについて議論したい。また、CBTに関する撮影装置の精度管理についての演題も募集する。
日 時:2020年11月22日(日)10:30~11:30
会場名:第2会場
座 長:
横江 隆夫(国立病院機構渋川医療センター 乳腺内分泌外科)
大岩 幹直(国立病院機構名古屋医療センター 放射線科)
演 者:
「Digital mammographyのデータベースの構築と解析:多施設間におけるCBTの解析」
石井 美枝(岐阜医療科学大学保健科学部 放射線技術学科)
「対策型検診における圧迫乳房厚(CBT)と乳房構成の関係」
佐藤 章子(東北大学 乳腺・内分泌外科)
「MG/US併用検診で発見された乳癌症例におけるCBTと乳腺濃度についての検討」
新井 貴士(たけべ乳腺外科クリニック)
「乳癌手術症例における圧迫乳房厚と高濃度乳房の関係」
足立 未央(がん・感染症センター都立駒込病院 外科(乳腺))
「マンモグラフィにおけるCBTと病変検知に関わる因子の検討~乳腺含有率を含む検討」
野間 翠(県立広島病院 消化器・乳腺・移植外科)
「マンモグラフィにおける圧迫乳房厚(CBT)と臨床上の各因子との相関性の検討」
藤村 彩(東京都立墨東病院 診療放射線科)

厳選口演

日 時:2020年11月23日(月・祝)13:30~14:30
会場名:第1会場
座 長:
苛原 稔(徳島大学大学院医歯薬学研究部 産科婦人科学分野)
宇佐美 伸(岩手県立中央病院 乳腺・内分泌外科)
演 者:
「高知県における対策型検診の現況とマンモグラフィ単独検診への移行について」
山川 卓(やまかわ乳腺クリニック)
「乳がん検診手帳”ブレストケアノート”がん教育における”ジュニアブレストケアノート”による
ブレストアウエアネスの提案」

島田 菜穂子(ピンクリボン ブレストケアクリニック表参道)
「Deep learning segmentationでの複数の放射線技師による教師データ作成の有用性」
山室 美佳(近畿大学病院 中央放射線部)
「30歳代女性における乳がん検診の実態調査」
松本 綾希子(国立研究開発法人国立がん研究センター社会と健康研究センター 検診研究部)
「40歳代におけるマンモグラフィ単独検診と超音波併用検診における乳房構成別の検診成績の検討」
高橋 遥(公益財団法人岩手県対がん協会)
「福井県のマンモグラフィ検診高齢者発見癌症例の検討
―高齢者検診癌はどのような集団なのか、当院での高齢者癌症例と対比して―」

田中 文恵(福井赤十字病院 外科)

教養講座

想いを形に・心を形に ~アンガーマネジメントで無意識の加害者にならないために~
講座紹介
講師の齋藤由紀子先生は、日本航空にて国際線客室乗務員として勤務した経験を生かして、接遇研修、コミュニケーションスキルアップ研修を得意としています。4児の母でもある齋藤先生には、企業、医療機関、教育機関などからのコミュニケーション研修の依頼も多く、2019年の茨城国体でボランティアマナー講師もされています。今回のご講演では、「想いを形に・心を形に~アンガーマネジメントで無意識の加害者にならないために~」と題して、イライラや怒りの感情と上手に付き合う方法についてお話頂く予定です。
齋藤先生には、本総会会長とは高校時代に同じサークルで活動していたというご縁もあり、ご講演を快諾していただきました。司会は齋藤先生と高校時代の同級生だった高木富美子氏にお願いしています。1日目の最後の時間となりますが、じっくりとご講演を拝聴していただき、これからの生活においてより良い人間関係を築くための参考にしていただければと思っています。
日 時:2020年11月22日(日)19:30~20:30
会場名:第1会場
司 会:
高木 富美子(乳房健康研究会 常務理事)
講 師:
齋藤 由起子(スクールコミュニケーションサポート代表、日本アンガーマネジメント協会認定コンサルタント)