第30回日本乳癌検診学会学術総会, The 30th Meeting of Japan Association of Breast Cancer Screening

会長挨拶

大貫幸二 会長
第30回日本乳癌検診学会学術総会
会長 大貫 幸二(岩手県立中央病院 乳腺・内分泌外科)

 この度、第30回日本乳癌検診学会学術総会を担当させていただき、皆様に厚く御礼申し上げます。2020年は新型コロナウイルス感染症が社会・経済に大きな影響を与えており、多くの学術集会において当初予定されていた通りの開催が困難となっています。現地に集まって学術集会を行うことは、人と人とが知り合い交流できることにも大きな意義があると考えられますが、施設によっては都道府県間の移動制限などがある現在の状況では、現地のみの開催は困難と判断いたしました。一方、Webによる学術集会をいくつか経験しましたが、現地までの移動や宿泊の負担がなく、すべてのセッションをじっくり視聴できるという長所がある反面、円滑な議論が難しいという側面が伺えました。そこで、本学術総会は、主要セッションの演者・座長は可能な限り現地に集まり発表、討論を行い、その模様はライブ中継およびオン・デマンド配信とし、一般演題及びポスターセッションはWebでの発表と質疑応答を行うハイブリッド方式とさせていただきました。
 主要セッションの構成は、総会のテーマに沿って、1日目の午前に特別企画1「マンモグラフィ検診の20年」で、これまでの日本の乳がん検診の歩みを確認し、1日目午後は新技術や高濃度乳房などの現時点での問題点を、2日目午前には近い将来に必要になるリスク層別化検診や医療データの利活用などの議論を行い、2日目の午後には特別企画2「乳がん検診の次世代への架け橋」で、全体の総括を行って次世代への展望を参加者で共有したいと考えています。各セッションでは、乳癌検診精検報告書マニュアルの問題点、AIの精度や利用方法の検討、乳房構成とブレストアウエアネスの啓発、マンモグラフィの精度管理、マンモグラフィの圧迫乳房厚(compressed breast thickness:CBT)などについての発表及び議論を予定しています。追加で、新型コロナウイルス感染症への検診機関の対応に関するセッションも設けさせていただきました。
 また、緊急事態宣言がまだ解除されていない5月に演題の募集を開始いたしましたが、皆様からは150題を超える公募演題(昨年の3/4程度)をいただき、本当にありがとうございました。すべての抄録に目を通させていただきましたが、素晴らしい内容ばかりでした。その中で特に学術的価値が高いと評価された発表は厳選講演に取り上げさせていただきましたので、現地もしくはリモートでのご発表をお願いいたします。
 一方、日本乳癌検診学会学術総会の特徴の一つでもある各種教育セミナーですが、現地参加者がそれほど多くは見込めず、参加者が密になる可能性もあるため、基本的には中止の方針とさせていただきました。しかし、伝統のマンモグラフィのフィルム・リーディングだけは十分な感染対策を取った上で開催できることになりました。また、感染の心配がないポジショニングコンテストは全国から152題の応募をいただきました。厳正な審査の上優秀者を表彰する予定です。学術総会前日には東北・北海道では初めての総合判定講習会も予定通り開催させていただきます。
 ハイブリッド方式による学術総会は準備不足ということもあり、皆様にご不便、御迷惑をおかけすることもあるかと存じますが、スタッフ一同で可能な限り有意義な学術総会となりますように努めさせていただきますので、多くの皆様のご参加を心からお待ち申し上げております。また、現地参加者が少ないこのような状況にもかかわらず、学術総会へのご協力を頂ける企業の皆様には、心から感謝を申し上げます。会場では十分な感染症対策を取ることが出来ますので、参加が可能な先生はマスク越しに現地で会を盛り上げていただければと存じますが、その前後の国分町で無防備な飲食などをされますと、各方面にご迷惑が及ぶ可能性もありますので、十分にご留意ください。
 2019年には日本人女性の14,838人が乳癌で亡くなっています。本学術総会が、乳がん検診を通じた乳癌死亡の減少が達成できる一助となりますよう心より祈念いたしております。

2020年9月17日