第30回日本乳癌検診学会学術総会, The 30th Meeting of Japan Association of Breast Cancer Screening

会長挨拶

大貫幸二 会長
第30回日本乳癌検診学会学術総会
会長 大貫 幸二(岩手県立中央病院 乳腺・内分泌外科)

 新型コロナウイルスの影響で、病院、医院、保健所等で働いている皆様は、普段と違った働き方が必要になり大変な日々を送られていると思います。また、検診機関の皆様は、健診、検診の中止や、延期で不安な日々を過ごされていると思います。新型コロナウイルスは、まだ多くのことがわかっておらず致死率もそれほど低くないため、ワクチンなどの予防法や治療法が確立されるまでは、長期的な展望を持って対応に当たる必要があると考えられます。死亡率減少効果が証明されているマンモグラフィを用いた乳がん検診は、急ぎではありませんが不要ではありませんので、年度内、あるいは1年後に確実に受診していただくような対応策を検討されると良いと思っています。現時点で大切なのは、一般の方にBreast Awarenessを呼び掛け、自分の胸にしこりを感じたら、受診を控えることなく速やかに乳腺専門医を受診し、可能な限り乳がん治療の開始が遅れることのないよう啓発することが大切だと考えています。対応可能な施設におかれましては、ご検討いただければと願っています。
 さて、2020年11月22日(日)・23日(月・祝)に開催予定の第30回日本乳癌検診学会学術総会におけるプログラム、各種企画の概要がほぼ固まりましたので、ウエブサイトをご覧ください。半年後の状況はわかりませんが、皆で顔を合わせて“口角泡を飛ばす”議論はできない場合でも、ウエブ上での開催を考えています。
 プログラムの流れは、総会のテーマに沿って、1日目の午前は特別企画1「マンモグラフィ検診の20年」で、これまでの日本の乳がん検診の歩みを確認して、1日目午後は新技術や高濃度乳房などの現時点での問題点を、2日目午前には近い将来に必要になるリスク層別化検診や医療データの利活用などの議論を行い、2日目の午後には特別企画2「乳がん検診の次世代への架け橋」で、全体の総括を行って次世代への展望を参加者で共有したいと考えています。各セッションでは、「乳癌検診精検報告書マニュアル」を実際に使ってみた問題点、AIの精度や利用方法の検討、乳房構成とブレストアウエアネスの啓発、マンモグラフィの精度管理などの演題を募集します。また、一般演題も多数募集しますが、最近注目しているマンモグラフィの圧迫乳房厚(compressed breast thickness:CBT)の臨床病理学的検討を行った発表については、特別セッションを設ける予定ですので、ふるってご応募ください。演題募集期間は5月13日から6月17日の予定です。
 また、教育の場としては、研修委員会共催の4つのセミナー、総合判定委員会主催の第8回総合判定講習会、総会企画としてAIハンズオンセミナーとマンモグラフィポジショニングコンテストを用意しました。ただし、三密の可能性がある企画については、開催の可否をギリギリまで遅らせて判断するために、9月頃に参加募集を開始する予定です。参加を希望される方は、ウエブサイトを時々チェックしてください。
 新型コロナウイルスの影響で、診療の縮小を余儀なくされている施設も多いと思いますが、この時期こそ、これまでの検診成績を解析したり、新たな課題にじっくり取り組むチャンスだと前向きにとらえていただければと考えています。皆様のご健勝をお祈りするとともに、変わらず乳がん検診を通じた乳癌死亡の減少が達成できるために、多くの皆様のご参加を心からお待ち申し上げております。

2020年4月20日