第49回日本救急医学会総会・学術集会

会期:2021年11月21日(日)〜23日(火) 会場: ベルサール東京日本橋、ベルサール八重洲、コングレスクエア日本橋 会長:大友康裕(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 救急災害医学分野)

会長挨拶

会長:大友康裕

第49回日本救急医学会総会・学術集会
会 長 大友 康裕
(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 救急災害医学分野)

皆様、第49回日本救急医学会総会・学術集会の準備を鋭意進めておりますが、いよいよ開催まで1か月となりました。

メインテーマは、“Challenge to Change—禍難を乗り越えて—”です。今回の新型コロナパンデミックは、間違いなく日本ならびに世界の社会および医療・救急医療の変革を迫っております。その変革が、受け身の変革なのか、挑戦した結果の変革なのかで、結果は全く違って参ります。そういったメッセージを込めさせて頂きました。現在まさに進行中のコロナ禍ですが、残念ながら11月も完全解決とはならず、ウィズコロナの状況での学術集会となります。

新型コロナ第4波の頃、日々の臨床にお忙しい中、1,676題もの多くの演題を応募頂きましたこと、感謝申し上げます。指定演題も含めまして、合計1,860題の演題数(上級演題500題、一般演題1,360題)となりました。

プログラムの内容がほぼ固まりました(まだ調整が入る可能性あり)ので、紹介させて頂きます。

特別講演として、さだまさしさんにお越し頂くことになっております。コロナ最前線で戦う救急医へ向け、あったかトークと音楽で応援エールを頂けるとのことです。また、フランス文学者、武道家の内田樹氏には、「武道と救急医療」と題して、ご講演頂きます。

新型コロナウイルス感染症パンデミックに対して、「世界はどう戦ったか?」。ニューヨーク、ロンドン、ミラノでの戦いを紹介して頂きます。わが国でも、「行政は如何に戦ったか?」「救急医は如何に戦ったか?」、さらにCOVID-19の病態・診断・治療の最先端の研究についても、シンポジウム等で発表頂きます。この戦いから、「レガシー(new-normal)として何を残すか」、ご議論頂きます。また、日本医学会 門田守人会長から、「緊急事態時の医療対応─医療健康危機管理の司令塔(仮称Japan CDC)は必要か?」としてご講演頂きます。

今回の学術集会の目玉として、「國松警察庁長官奇跡の救命の真実」を企画しました。執刀に当たられた辺見弘先生はじめ、実際に対応された皆様にご登壇頂き、「緊迫の現場」を再現したいと思います。

今年は、東日本大震災から10年です。日本災害医学会とのジョイントシンポジウムで、振り返り、この10年間の進捗を総括致します。また災害の複合化・激甚化を受けて、医療・保健だけでは人は救えないという観点から本学会は、日本学術会議 防災学術連携体に加盟しております。本学術集会では、「水害を含む国土強靱化に関して」と題して、気象学・工学・都市防災の特別企画を予定しております。

2024年にタイムリミットが迫った「医師の働き方改革」ですが、救急医療の現場では、非常に切実な問題です。「救急現場における働き方改革の理想と現実」と題したシンポジウムを企画しました。厚生労働省で、この問題に中心的に取り組んでいる元医政局長 迫井正深様(現内閣官房 新型コロナウイルス感染症対策推進室長)にもお越し頂き、徹底的に議論をして頂きます。

さらに「東京オリンピック・パラリンピックのレガシー」「救急救命士は、救急外来でどのように活躍できるか?─救急救命士法改正受けて─」といったホットな話題もあります。また、昨今、続々と発表されている「各種ガイドライン」についても、最新の知識を得て頂けるように、様々な企画を用意しました。

プログラム企画委員会、評議員の先生方から、多くの有意義なアイディアを頂き、特別企画3, 特別講演14、海外招聘講演10,教育講演21,救急科領域講習13,共通講習3、シンポジウム20(8合同セッション含む)、パネルディスカッション21(4合同セッション含む)、ワークショップ(7合同セッション含む)、プロコン・ディベート10、プレ・ポストコングレス3セッションと、非常に充実したプログラムを組むことが出来ました。是非、多くの学びにつなげて頂きたいと思います。

現状の新規感染者数減少が続き、急激な感染者数の増加がなければ、今のところ現地での開催を予定しております。東京日本橋の街は、10年近くかかった再開発がようやく終了して、江戸情緒を感じることの出来る楽しめる街となっております。警戒宣言が解除され、街も徐々に活気が戻りつつあり、皆様をお迎えする頃には、学会会場の外でも、大いにお楽しみ頂けるようになっていると期待しております。是非、一人でも多くの会員の皆様に会場までお越し頂き、お互い研鑽し、交流を深める、本来の学会の形に戻し、実りの多い学術集会とすることができますよう、ご協力をお願い申し上げます。

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