第48回日本救急医学会総会・学術集会

予防接種事前予約

この度、学会の現地会場にて、参加者で希望される皆様に、髄膜炎菌ワクチンの予防接種を受けて頂ける機会(予防接種ブース)を設ける運びとなりました。現在、日本国内において、COVID-19による院内クラスターが複数の施設で発生し、医療関係者への二次感染事例も数多く報告されています。特に、救急診療に携わる医療関係者は、COVID-19に限らず、日常的に感染症のリスクにさらされていると言えます。各施設において、感染対策マニュアルを作成され、予防接種の実施やPPEの適正使用など二次感染予防には十分な対策を取られていると思いますが、認知が低いなどでその対策が不十分な感染症が数多く存在します。

その一つが、侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)です。IMDは日本における発症が少ないがために医療関係者の間でも認知が極めて低い疾患ですが、世界に目を向けてみますと、髄膜炎ベルトと言われるアフリカ中央部をはじめ、欧米の国々においても大学の寮やスポーツイベントなどでアウトブレイクが発生しており、また医療関係者への二次感染事例も複数報告されています。よって、欧米では多くの国で定期接種として髄膜炎菌ワクチンの接種が実施されています。

さて、日本においては本当にリスクが低いといえるのでしょうか?

いまでこそ、COVID-19の流行による影響で、海外からのインバウンドが激減していますが、今後オリンピック・パラリンピックなどの国際的な大規模イベントが数多く予定されており、日本に持ち込まれる可能性が十分にあると感じております。実際に昨年開催されたラグビーワールドカップでは、豪州から来日した男性がIMDを発症したことがニュースになりました。そのような状況を考慮すると、医療関係者への二次感染に対する予防策を講じておく必要があると考えます。

そこで、救急医学会としても救急医療に携わる医療関係者を守る=救急医療を守るという考えのもと、本企画をご用意させて頂きました。皆さまからの積極的な申し込みをお待ちしております。

第48回日本救急医学会総会・学術集会
会長 小倉 真治
岐阜大学大学院医学系研究科 救急・災害医学分野

接種するワクチン:4価髄膜炎菌ワクチン「メナクトラ®筋注」
製造販売元:サノフィ株式会社

詳細

実施日時 2020年11月19日(木)11:00~18:40
接種場所 長良川国際会議場/都ホテル岐阜長良川のどちらかに接種ブースを設置予定

※接種予約完了のお知らせ連絡の際に、詳細をお送りいたします。

申込み 先着順
接種金額 19,000円
支払方法 【当日支払いをご希望の方】現金、PayPayのいずれか
【事前支払いをご希望の方】銀行振込
振込先:りそな銀行(0010)立川支店(417)普通 2161715
名義:イ)テツイカイ
振込期限:11月15日(日)

※銀行振り込みをされるの際は、必ず接種するご本人名でのご入金をお願いいたします。

申し込み期間 2020年9月30日(水)~11月15日(日)※

※申込期間内であっても、申し込みが定員を超えたら、早期に申し込みを終了させていただくことがあります。

持参物 事前に予診票をご記入の上、予防接種ブースにお持ちください。予診票のデータは「予診票はこちらから」というタブをクリックいただき、ダウンロードをお願い致します。

4価髄膜炎菌ワクチン接種をご希望の方へ

侵襲性髄膜炎菌感染症(Invasive Meningococcal Diseases :IMD)とは

髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)による感染症のうち、髄膜炎菌が髄液または血液などの無菌部位から検出されたものを侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)といいます。
髄膜炎菌は少なくとも12種類の血清型に分類され、IMD症例からは主に血清型A、B、C、Y、W-135が分離されています。髄膜炎菌はヒト以外からは分離されません。
国内の年間報告例数は数十例ですが、海外では年間30万人以上が発症し3万人が死亡しています。海外では、髄膜炎ベルトと呼ばれるアフリカ中部のサハラ砂漠以南で発生が多く、先進国においても散発的に発生しています。温帯では寒い季節に、熱帯では乾期に多発します。
学生寮などで共同生活を行う10代が最もリスクが高いとされているため、特に共同生活をしている湯合は感染者が発生した場合の拡大に注意が必要です。
せきやくしゃみなどによって飛び散る飛沫に含まれる菌が、口や鼻などの粘膜に直接触れて伝播します。また、感染者からの唾液の直接接触(キス、コップやペットボトルの回し飲みなど)でも伝播します。
伝播した後に鼻やのどの粘膜に定着して保菌者(不顕性感染者)となるか、急激に発症します。潜伏期間は2~10日(平均4日) で、初期症状としてかぜ様症状を呈します。菌は粘膜から血中に入り菌血症や敗血症、脳脊髄膜炎を起こします。乳幼児では、発熱、嘔吐などの症状が主で、頭部の前面にある大泉門に膨隆(盛り上がり)が認められることもあります。目に見える症状としては、眼の結膜や口の中や周りの粘膜、皮膚に点状の出血、体幹や脚に出血斑が認められることがあります。
劇症型といわれる症状では頭痛、高熱、低血圧、けいれん、意識障害を呈し、皮膚、粘膜に出血斑を伴い、ショック等により、早い時には数時間から1、2日以内に死亡することがあります。他に上気道炎、肺炎、関節炎、中耳炎、喉頭蓋炎、心内膜炎、結膜炎、膣・子宮頸管炎など多彩な疾患症状が報告されています。
無脾症や脾臓摘出者、補体欠損症患者(特にC3、C5-C9の欠損)、免疫抑制患者やヒト化モノクロナール抗体使用者、HIV感染患者と言われている方などは侵襲性髄膜炎菌感染症発症の危険が高くなります。
菌血症だけで治る場合もありますが、髄膜炎や敗血症を起こした場合には、治療しないとその死亡率はほぼ100%に達するといわれています。一方で、抗菌薬が有効で、早期に適切な治療を行うことで治ることもあります。手足が壊死した湯合には、切断が必要になることもあります。

4価髄膜炎菌ワクチン(メナクトラ®筋注)について

髄膜炎菌のうち、血清型がA、C、Y、およびW-135型によるIMDを予防するワクチンです。
他のワクチンと同様、ワクチンを接種したからといって100%感染しないというわけではありません。
ワクチンの成分の中にジフテリアトキソイドが入っていますが、ジフテリアに対するワクチンとして用いることはできません。
1回、0.5mlを筋肉内接種します。
ワクチンの接種後に、他のワクチン接種と同様の副反応がみられますが、通常は一時的なもので数日で消失します。最も多くみられるのは接種部位の痛み、筋肉痛、倦怠感、頭痛などです。また、海外では重い副反応として、血管迷走神経反射として失神、ショック、アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ギラン・バレー症候群、横断性脊髄炎、けいれん、顔面神経麻痺が報告されています。

接種後の注意事項

ワクチン接種直後又は接種後に、‘注射’することによる心因性ストレスから、血管迷走神経反射として失神があらわれることがあります。失神による転倒を避けるため、接種後30分程度は背もたれや肘かけのある椅子やソファに座り安静にしていてください。安静にしている最中に具合が悪くなったら、だだちに接種医や看護師に申し出てください。
接種後30分間は、ショックやアナフィラキシーがおこることがありますので、医師とすぐ連絡が取れるようにしておきましょう。
接種後に高熱やけいれんなどの異常が出現した場合は、速やかに医師の診察を受けてください。
このワクチンは他のワクチンとの同時接種が可能ですので、同時接種を希望する場合には、医師にご相談ください。
接種部位は清潔に保ちましょう。入浴は問題ありませんが、接種部位をこすることはやめましょう。
接種当日は激しい運動はさけてください。その他はいつも通りの生活で結構です。
接種後1週間は体調に注意しましょう。また、接種後、痛みが長期間ひかなかったり、体のだるい状態が続く場合などは医師にご相談ください。このワクチンを接種後、海外渡航され、渡航先でも上記症状が引かない場合は、すみやかに渡航先の医療機関にかかってください。渡航先の医療機関にかかれず、帰国した場合は、接種を受けた医療機関またはかかりつけ医に報告し、必要に応じ診察を受けてください。

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