このたび、歴史ある第15回日本疲労学会総会学術集会を2019年5月18日(土)~19(日)に大阪市立大学医学部阿倍野キャンパスを会場として開催させて頂きますこと、誠に光栄に存じます。
今回のメインテーマは「生活習慣病における疲労と治療ターゲットとしての意義」とさせていただきました。日常生活で感じる疲労や生活習慣病患者で好発する疲労についての現状や、特に疲労の主たる原因の一つである概日リズム障害に伴う睡眠障害にも焦点を当てたいと考えております。そのため、生活習慣病患者、特に不眠症患者での疲労の病的意義の明確化や疲労の改善をターゲットとした治療介入の必要性について今回の学会では焦点を当ててプログラムを組みたいと考えております。この理由として、概日リズム障害の是正やその目的で使用可能な、既存薬剤と異なった作用機序や特性を有する、より安全に投与できる薬剤が実際の臨床の場で使用できる時代となっているためです。したがって一般臨床医でもこの目的に使用可能な手段が広がっており、治療を適切に選択することで疲労感の改善やその有益性が増していると考えられます。
本学術集会にご参加いただくことで、現代の都市住民で好発する疲労感の成り立ちを生活習慣病の有無や、生活上の問題点から考察いたしたいと思います。
会場は、大阪での開催ですが天王寺の大阪南部地域での開催となり、現時点で日本で一番高い阿倍野ハルカスなど、観光地として人気が高まっているディープ大阪の雰囲気もお楽しみいただき、堪能いただければ幸いです。
本会の開催によって疲労学会の会員の先生方と一般の疲労診療に携わる先生方の交流、情報の共有を通じて疲労研究分野の発展に少しでも貢献できるような学会となればそれに勝る喜びはありません。
眩い光に新緑がきらめく皐月の美しい時期の大阪で多くの先生方とお会いできるのを楽しみにしております。
第15回日本疲労学会総会学術集会
会長 稲葉 雅章
大阪市立大学大学院医学研究科 代謝内分泌病態内科学・腎臓病態内科学 教授