Symposium

ごあいさつ

国際交通安全学会は、1974年の設立以来、交通とその安全に関する研究調査を中心とした活動を通じ、望ましい交通社会の実現を目指して参りました。

 

その間、世界の交通を取り巻く環境は、大きく変貌しました。次世代の望ましい交通社会をデザインするためには、交通安全とともに、環境・エネルギー・自然災害・社会福祉など諸領域において、世界の地域特性や文化的な背景を踏まえた実践的な取組みが必要と考えられます。

 

当学会は、学術の領域を超えてすべての交通関係者が参画する「超学際性(Transdisciplinary)」を重視し、異なる地域・国との持続的な知の「共創」に向けて、国際的な討議の場であるGIFTS (Global Interactive Forum on Traffic and Safety)を毎年定例開催しています。第5回目となる本年は、「社会経済開発と交通安全 ―アジアの国際協力における『交通文化』の意味」というテーマを掲げ、交通に及ぼす地域・文化的差異を理解することの重要性について、具体的な実践例を紹介していただくとともに、内外の有識者ならびに国際機関の実務者の方々にも参画いただいて討議を行います。

 

是非とも皆様の積極的なご参画をお願い申し上げます。

 

国際交通安全学会
会長 武内 和彦

 

 

社会経済開発と交通安全
―アジアの国際協力における「交通文化」の意味

アジア地域における急激な経済成長と人口増加は、交通量の一方的な増加となり、交通事故、交通混雑、大気汚染等の問題の原因となっています。世界に占める人口や成長率の高いアジアにおいて、これら課題を解決しつつ社会経済的発展を実現することが、地球環境の観点のみならず、他のすべての地域の発展にとっても必要不可欠です。

 

アジアには、宗教、社会的価値観、経済的発展段階の異なる国・地域が集まっており、これら制度の多様性は、交通事故の主たる要因、交通混雑への社会的許容度などの違いを生んでいると考えられます。したがって、安定した社会経済的発展を目指すには、これらの交通に及ぼす文化的な差異と社会的ニーズを理解しつつ、これに応じた有効な施策を正しい優先順位で行うことが重要です。本シンポジウムでは、国連の持続可能な開発目標を考慮に入れつつ、すべての人にとって安価で公平で安全なアクセスに寄与するような討議が行われることを願います。

 

開会挨拶 武内 和彦
趣旨説明 北村 友人
基調講演 + パネリスト 澤田 康幸 Presentation
パネリスト 小泉 幸弘 Presentation
パネリスト ミリアム・シディク Mirjam Sidik Presentation
パネリスト アレハンドロ・シュヴェートヘルム Alejandro Schwedhelm Presentation
司会 中村 彰宏
   
Timetable
13:00   開場
13:30 - 13:35   開会挨拶
13:35 - 13:40   趣旨説明
13:40 - 14:25   基調講演
14:25 - 14:50   休憩
14:50 - 16:30   パネルディスカッション
16:30 - 16:35   閉会挨拶

開会挨拶

 

趣旨説明

 

武内 和彦

IATSS会長
地球環境戦略研究機関(IGES)理事長
東京大学特任教授

 

北村 友人

IATSS会員/国際フォーラム実行委員会委員長
東京大学大学院准教授

基調講演 + パネリスト

 

澤田 康幸

アジア開発銀行 チーフエコノミスト

●略歴
アジア開発銀行(ADB)
チーフエコノミスト兼経済調査・地域協力局長
アジアの経済・開発問題に関するADB 報道官の役割を果たすとともに、ADBの経済調査・地域協力局の局長として、地域協力フォー ラムへの支援を行うとともに、「アジア経済見通し2019改訂版-アジアの都市:成長と包摂に向けて」などADBの調査研究に取り組 んできた。
また、過去には東京大学大学院経済学研究科の教授として、様々な国際開発政策の評価を数多く行ってきた。主な研究課題は開発 経済学、ミクロ計量経済学、災害経済学、フィールド調査・実験などである。スタンフォード大学で博士号(経済学)を取得。

パネリスト

 

小泉 幸弘

国際協力機構 社会基盤・平和構築部 運輸交通・情報通信グループ 次長

●略歴
国際協力機構社会基盤・平和構築部 運輸交通・情報通信グループ 次長 1993年東京工業大学大学院社会開発工学修了、国際協力事業団(現国際協力機構)入団。運輸省第二港湾建設局、カンボジア事務 所、資金協力業務部等を経て2019年3月より現職。専門は運輸交通、都市計画、及びメコン地域開発。カンボジア・つばさ橋の建設 には、調査・計画段階から2015年の完成まで10数年にわたって関与。現在はインド高速鉄道事業をはじめ、東ティモール・空港改 修事業、ベナン・立体交差事業など多数の運輸インフラ案件の計画、調査に関わるとともに、道路アセットマネジメント、道路交 通安全対策等に関する技術協力も担当している。


 

ミリアム・シディク Mirjam Sidik

CEO at AIP Foundation

●略歴
AIP財団CEO。AIP財団は、中低所得国における交通事故による死亡・傷害を防ぐ活動に取り組んでいる非営利団体である。
貧困国での交通事故の増加や影響の深刻化を懸念し、交通安全対策の改善のため、2005年にAIP財団に参加。各国政府、研究機関 、関連民間企業との緊密な協力関係の構築に努めるなど、13年以上にわたり専門知識と経験を財団で生かしてきた。今では財団は 道路安全対策に取り組む世界有数の組織に成長している。
2014年12月、交通安全推進に貢献した功績により、カンボジア王国ソー・ケン副首相より友好勲章(Royal order of Sahametrei )を授与される。クリントン・グローバル・イニシアチブに参加した経験を持ち、現在は国連道路安全協力会議(UNRSC:United Nations Road Safety Collaboration)のメンバーを務める。


 

アレハンドロ・シュヴェートヘルム Alejandro Schwedhelm

Urban Mobility Associate,
The World Resources Institute (WRI) Ross Center for Sustainable Cities

●略歴
世界資源研究所(WRI)の健康・道路安全分野における都市モビリティアソシエイトとして、WRIへの研究貢献、同団体による道 路安全プロジェクトの効果の査定、世界中の都市における的を絞った道路安全性向上施策の実行を目的とした交通事故のデータ収 集・分析を担っている。WRI入所以前はワシントンDCの国際開発経済・計画に関するコンサルティング会社にて、輸送や多目的マス タープランを含む数々のインフラ計画に携わったほか、公共・民間セクター、国際開発金融機関(MDBs)に対して経済が与える影 響の査定などに従事してきた。それ以前は交通開発政策研究所(ITDP)、国連ハビタット、ドイツのポツダム市都市計画課を含む いくつかの団体に都市計画及び地理情報システム(GIS)専門家として参加した。ニューヨーク大学にて都市計画修士号、ノースジ ョージア大学にてGIS学士号取得。

司会

 

中村 彰宏

IATSS会員/横浜市立大学大学院 教授

●略歴
1970年生まれ。国際交通安全学会会員。横浜市立大学大学院国際マネジメント研究科教授。日本交通学会評議員・公益事業学会 理事。
交通分野・ICT分野の規制・競争政策を研究する経済学者。消費者のサービス選択行動の分析、ライドシェアサービスなどのイン ターネット上のサービスの競争政策、住民ニーズを反映したユニバーサルサービスのあり方の調査、交通違反行動を抑制するため の施策、地方交通の需要促進策などの研究をしている。

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