会長挨拶
第141回中部日本整形外科災害外科学会・学術集会
会長 齋藤 貴徳
関西医科大学整形外科学講座
この度、第141回中部日本整形外科災害外科学会・学術集会を関西医科大学が担当することとなり、心より光栄に存じます。関西医科大学が本学会を主催させていただくのは、森益太、小川亮恵、飯田寛和がそれぞれ第17回、第33回、第72回、第104回を開催させていただき今回で5回目となります。これまでの関西医科大学主催の中部整災に恥じぬよう、教室員、同門を挙げて準備を行ってまいりました。コロナ明けでもあり、まだまだ完全にコロナ前に戻ったとは言えない状態が続く中ではございますが、完全現地開催を目指し、全員懇親会を含め、従来伝統的に開催されてきた本学会に戻せるよう、全力で取り組んでまいりました。至らぬ点も多々あるとは存じますが、教室員の頑張りに免じてご容赦いただければ幸いでございます。
さて、今回のテーマは “繋ぐ心、紡ぐ未来-WITH ALL SPECIALITIES OF ORTHOPEDICS-” とさせていただきました。近年、整形外科も脊椎、股関節、膝関節、手外科など分野毎に学会が開催され、各分野の専門家はその分野の進歩のためさらに深く掘り下げた研究を行っており、他分野の研究者からはすでに理解できないほどに深化を遂げているのが現状であると思います。しかし、近年、AIやロボット手術など、各分野を横断する技術が出現し、急速に発展してきております。このような新技術を整形外科全体で取り入れさらに進化を図るには、各分野の先生方の知識を融合し、それらを多角的な視点で研究することにより、整形外科全体の更なる発展を達成できるものと考えます。このような各分野横断的な知識の融合は、日本整形外科学会を除けば、本学会のような整形外科に属する全ての分野の研究者が一堂に会して議論をする本学会が最も相応しい議論の場であると考えます。そこで今回の第141回大会では各分野の共通の話題を多くのシンポジウムなどで採用し、共通の研究テーマとして議論する場を設定させていただきました。今大会が、このような最新の技術や知識を組織横断的に議論し、整形外科全体の進化に貢献できればこれに勝る喜びはありません。多くの会員の皆様方にご参加を頂き、各分野の先生方が一堂に会し活発な議論を繰り広げて頂けますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
今回の文化講演は元京セラ株式会社会長の西口泰夫様に御願いを致しました。京セラ株式会社はセラミック技術で人工関節など多くの整形外科機器に関与されている企業であり、また、創業者の稲森氏はJALをはじめとする多くの企業を再生させた経営の神様と言われている方であり、西口様は後継者として京セラ株式会社をさらに成長させた経営手腕を高く評価されている方です。企業の成長の秘話は必ずや我々医療人の進むべき道を示唆していただけるものと考え文化講演としてお話し頂くことと致しました。また、今大会は通常よりもシンポジウムを多くし、さらに十分な時間をとることにより総合討論に特に力を入れ、若い整形外科医にとって明日からの診療のヒントにあふれるセッションとなるように工夫いたしました。
最後に、今回の目玉として、退任間近、あるいは退任直後の主任教授の先生方にご講演いただき、これからの中部日本整形外科災害外科学会を作って行く若い整形外科医に、人生談やこれまでの教室運営で気づいたことなどを率直に語っていただき、若い会員の皆様の今後の道しるべになれば、と企画いたしました。ぜひご期待いただきたいと思います。
神戸の地は、関西医科大学から直近ではありませんが、コロナ前に戻す節目の学会として、ぜひバスケットボール大会を開催させていただきたく近隣に早朝から使用できる体育館を有する神戸を選ばせていただきました。また、全員懇親会におきましては、久しぶりに大学対抗の催しも企画しております。折しも、10月初旬は行楽にも最適な過ごしやすい気候の時期でもありますので、周辺の観光も兼ね、多くの学会員の皆様と神戸でお会いできるのを楽しみにしております。
最後になりましたが、550題を超える多くの御演題を投稿していただきました各大学をはじめとする諸施設の先生方に心より感謝を申し上げます。